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2020/02/19

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  • 小説・「アキラの呪い」(10)

    前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com 第三章「家族」 ある晴れた月曜の朝だった。 秋晴れを見上げつつ洗濯物を干していると、母がこんなことを言い出した。 「あ、そうだ。晶だけどね、今週末帰ってくるって連絡あったわ」 「え」 振り向くと、ソファーの向こう側で体を仰け反らせた母と目が合う。間抜けな返答と共に、今しがた皺を伸ばしたばかりのタオルが手をすり抜けて足元を湿らせた。だが、その不快感すらも今はどうでもいい。 「…そっか。てか、事前に連絡あるとか姉さんらしくないな。いつもいきなりなのに」 姉はいつも突然やってきて突然帰っていく。だから、姉が知らない間に帰省して知らない間…

  • 小説・「アキラの呪い」(9)

    前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com 間話 「特異な関係」 歩と初めて話したのは、小学校へ入学したその日だった。あいつは水無瀬歩で俺は槙原拓人だったから、席順が前後だったんだ。知り合ってすぐの印象は「すごい奴」だった。 その日、配布されたプリントを前から後ろに回して配ると、一枚足りなかった。その事実に俺が気がついたのは、目の前の歩が手を上げて「おれのぶんがない」とでかい声で言ってからだった。本来なら、一番後ろの俺の分が足りなくなるはずなのに。 あいつの気遣いに気づいたのは、結局家で「ただいま」を言ったその時だった。とにかく昔から周りが見えてるというか、気が効く奴だった…

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