昭和の象徴「年功序列」「終身雇用」は、当時の若者らがさっさと転職する「売り手市場」への企業の対策でした。1950年の朝鮮戦争特需とケインズ主義という、高度成長中盤のこと。就業年数で昇給し出世し、40年勤められるよう福利厚生も厚くしました。社宅も必須。「年功序列と終身雇用」は、平成に流行した昭和批判でやり玉にあがりました。「窓ぎわの老害が足を引くから、日本は経済成長しない」と、クビ切り自由化を叫ぶカリスマ...
芸術がわからない原因自体を探る研究。美術が難しい症候群を解きほぐす試み。アートを敬遠する日本人を理解者に変える。
本や雑誌が売れないのは増税続きのせい【内容を批判しても話は脱線】
平成になって、大正時代からの老舗雑誌や、昭和に一世を風びした話題の雑誌たちが、次々と休刊しました。廃刊なので出版社の一角の編集部は解散して、歴史的な資料は廃棄されます。休刊ラッシュが起きた時の論壇は、出版社や編集部の力不足を指摘するのが常でした。「違う違う」と著者は折あらば言って回りました。新自由主義に則った国策「緊縮財政と消費税増税」による通貨削減で、国民は賃下げされており、節約で買い物を減らし...
財源を探す間違いで経済衰退した【日本以外の財源は通貨の追加発行】
アメリカ大統領選挙で共和党と民主党とも話題にせず、一方の日本では今の衆議院選挙でも最大級のテーマとは何か。「財源はあるか」です。アメリカはなぜ財源を議論しないか。現代国には財源の概念が不要で、自国通貨を追加発行した増分で予算執行するからです。これを「管理通貨制度」と呼び、世界がこの方式に全面転換したのは、1973年の「金本位制の廃止」でした。金本位制とは、政府が所有する純金の総額まで紙幣を発行できる仕...
AT車の暴走で荒れ狂う世界中の地面【人間工学の無視が肥大した】
YouTubeに次々出てくる世界の交通事故を見ると、車が意味不明の疾走を始め、案の定衝突してクラッシュする映像が多い。特に目立つのが、駐車場などの狭いスペースでぐーんと加速してドカンとやる映像です。他国でも、AT車のペダル踏み間違いは多いとわかります。著者は大学3年の車通学から34年間に3台のMT車を乗り継いだのですが、ペダルを踏み迷った瞬間が一度ありました。速度を40キロに上げた次の瞬間に、次にさらにギアを上げ...
ボクシングで女性の定義を変えたい者は誰【世界を改革させたい圧力】
パリ五輪のあらゆる場面で、世界中から不公平、不公正、差別的だという批判が集まりました。誰を勝たそうとするか、誰を勝たせまいとするかが、あちこちに仕掛けられており、ネットでも世界中から批判され、不評だった東京五輪が対外的にはまともだったと見直されたほど。著者は当面、国際政治の動きと経済イデオロギーによる国家破壊を調べてきて、フランスは「新自由主義」と「グローバリズム」を続けていると感じます。フランス...
ジャパンハンドラーと公募コンテスト展【上にまかせて僕は従うだけ】
日本の闇は難しい話でなく、ジャパンハンドラーの語で代表されます。日本の民主制をキャンセルして利権をゲットする圧力団体が、国の上位に常に詰めている実態です。「失われた35年」と呼ぶ平成日本のデフレ不況と貧困化は、外圧が関与した国策だとまでは割と知られます。著者は美術の上位に君臨する「国の景気」に着目し、日本の姿を改変させたがる外圧にも触れてきました。日本国民の性格がいちいち悪い方に出る傾向も指摘しまし...
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昭和の象徴「年功序列」「終身雇用」は、当時の若者らがさっさと転職する「売り手市場」への企業の対策でした。1950年の朝鮮戦争特需とケインズ主義という、高度成長中盤のこと。就業年数で昇給し出世し、40年勤められるよう福利厚生も厚くしました。社宅も必須。「年功序列と終身雇用」は、平成に流行した昭和批判でやり玉にあがりました。「窓ぎわの老害が足を引くから、日本は経済成長しない」と、クビ切り自由化を叫ぶカリスマ...
「バックビート論争」がネットにあります。アメリカのポピュラー音楽はしゃれてかっこいいのに、似た曲を日本人が演じてもダサく、イモっぽくなってしまう原因は、民族のリズム感覚の差だという。その焦点がビートの表と裏の関係らしい。バックビートの定義は日米で違い、共通認識として4拍子の曲なら2拍と4拍をバックビートと呼び、1拍と3拍をオンビートと呼びます。一例で「やーれん、そーらん」の歌に手拍子すれば、バックビー...
紙の本の良さは何か、の議論がよくあります。1990年代のラジオ番組で聞いた議論では、ワープロの電子文書と比較した利点がテーマでした。さらに21世紀のネット時代になると「紙の本の良さが僕には全くわからない」という全否定の論調が増えたのです。デジタル礼賛の表明。それなりの中高年がそれを言い出せば、先進的な柔軟な人格を演じた、アイデンティティー確立を狙った発言が想像されるでしょう。ドライな割り切りのよさがエリ...
ネットでよく見る「ビジネス戦略」を説くニュース。企業業績を上げるために、社内の問題点と課題を提案する論説の全般が、前提が根本的に間違って脱線した空回りです。昨今の業績悪化を、社長がバカで社員がサボリだと解釈した論点ずらしだから。昭和に世界に轟いていた日本企業たちが、平成令和にすっかりしぼみ、廃業したり外資に買収される原因は、緊縮財政と消費税増税です。緊縮財政とは国債発行の拒否。消費税増税とは国民の...
「芸術ほど誤解された分野はない」で始めたら、究極の誤解は年貢米式の「国費は国民が負担する」です。国民の資産は政府が供給するから、国民の資産を政府が欲しがるのはお芝居です。が昨日の全国世論調査で「消費税減税か廃止」への賛成は73%に達したとあって驚き。政府はお金を発行する仕事だからお金に困るわけがなく、だから税金は財源でない。通貨発行分(国債発行残高)と相殺し通貨抹消して、市場経済を爆買いで狂わせる過...
動画サイトの衝撃映像のシリーズに、産業車両事故の記録があります。クレーン車、フォークリフト、パワーショベルなどで作業中に、倒れたり、落ちたり、落としたり、周囲も巻き込んで車や建物を押しつぶし、作業員の手足や胴体をつぶしてしまう事故も多い。読者コメントはあきれた声が多い。産業車両の運転手も操作員も作業を急いでいる上に、見るからに装備が不足しています。そして物理法則の初歩も知らず、これから何が起きるか...
日本の「失われた10年」は令和7年で36年目。原因は緊縮財政と消費税なので、消費税廃止を訴える正論が「財務省解体デモ」に含まれます。うち穏健派はこう言う。「財政健全化も確かに大事だけど、まずは消費の罰金たる消費税をやめて、売買を活発にすべきでしょ」。この論法だと財務省に負けます。なぜなら「財政健全化」は机上の論にすぎず、真意は「経済成長をゼロかマイナスにとどめる」だから。母子にたとえると「母が子に100cc...
トランプ関税の原動力のひとつが、アメ車が関税ゼロの日本で売れない問題です。非関税障壁へ対抗した米側の関税は24%に決めた。トランプ氏は関税以外の、非関税障壁に着目しています。が英BBC放送が何年も前に「狭い道に対して車体が大きすぎる」と謎解きしていました。しかし著者が非関税障壁として真っ先に思い浮かべたのは、両国の実質GDPの伸びとデマンドプル型インフレ率の落差です。コロナより前の20世紀終盤に、アメリカは...
Aさんが言う。「僕の話は極論に聞こえるけど事実なんだ」。Bさんは突っ込む。「その言い方をする人は必ず極論を言うのさ」。こんなやりとりは何を意味するか。Aさんは、Bさんの見識が狭いから理解しないだろうと予想し、前置きで釘を刺したと考えられます。Bさんは理解できないトンデモ話を多く聞かされた過去があり、どうせ君も極論を言うのでしょと釘を刺しました。つまりAさんの予想どおりBさんの見識が狭かったから、B...
日本のよくある論調では、国力とは国が持つお金の多い少ないですが、これは無意味な指標です。なぜなら、自国通貨は政府が必要なだけ発行でき、今の十倍や百倍に刷り足すのも簡単。国家は無料でお金を欲しいだけ刷れて、お金に困る道理がありません。ならばなぜ、お金を多く用意できる国と、少なくしか用意できない国があるのか。簡単です。「欲しいだけ刷れる」の「欲しいだけ」がカギです。お金が欲しい理由は買いたいものがある...
当ブログでは芸術を理解する焦点とツボを解説しますが、芸術一辺倒でなく世事も含めて話題にします。そして「財務省解体デモ」の報道内容がわかりにくい問題。芸術を語る時と似て、焦点があいまいだし言葉が滑ってしまっています。チンプンカンプンな報道。財務省を解体する目的は、財務省内の「歳出」と「歳入」の部門を分けることです。両方を含むから国債発行と税収を等しくする短絡思考で、国の経済成長が常にゼロになる。企業...
SDGsという略語の和訳は「持続可能な開発目標」で、二酸化炭素地球温暖化説が典型です。世界はこの方向へ全員が向きたまえいう宣言ですが、資本家や資産家、経済学者を集めた国際会議で決められます。要は1パーセントの富裕層が決めた、世界を支配する設計図です。ファッション業界の「この春はパステルカラーが流行りそう」「次の秋はアースカラーとモノトーンです」と似て、予言を装う誘導。SDGsの中には迷惑なものもあり、ジェ...
「美術の価値」という概念は、実に多くの話題を生みました。「価値」は抽象語で意味が複数あるから、一人一人が異なる意味で使いやすく、よくすれ違います。同じように「お金の価値」も、言葉説明を詳しくしないと互いに意味が通じないことが多い。お金で考えると金銭欲がじゃまするから、鉄道切符で考えるとわかりやすい。新幹線の9700円の切符は、発行するJR社側からみると9700円の宝ではない。道を歩くJR職員がJRの未使用切符を...
「言論の自由がなくなると、民主主義は成り立たない」。アメリカ政権入りした民間人イーロン・マスク氏も、日本を憂えて言いました。このトートロジー的なわかりきった標語に、全ての答があります。民主主義を壊したい派が、言論の自由を狭める案を出してきます。1980年代以降の新自由主義とグローバリズムは、上級国民と下級市民の格差を拡大して、上が下を支配し、賃下げして搾取するセオリーです。早くから明文化されています。...
世界中でよく見かける間違った議論のひとつが、「資本主義はもう限界に来ている」です。このフレーズの何が間違いかは「語句定義の自己流解釈」です。多くのケースで、資本主義の「資本」はお金を指すのだと誤解されています。お金という資本を投じる経済だとして。資本主義の資本は、道路や電線を指します。主に社会インフラを指す。公的だから、国の政府がバックグラウンドに立つわけです。その推進力は自国通貨の発行です。言い...
ウクライナのゼレンスキー大統領とアメリカのトランプ大統領の奇妙な口論を、50分全編と訳文で調べました。トランプ氏の穏やかなねぎらいの言葉に対して、ゼレンスキー氏はプーチン氏への非難で割って入り、会議を壊した流れです。停戦合意をさせなかった印象。日本のテレビ報道内容は、切り取り映像イメージによる印象操作です。富裕層の言うことを聞かないトランプは、富裕層が出資するテレビ局の敵だから当然そうなる。また別に...
「増税すれば景気は落ちる」の言い方が、ネットによくみられるように変わりました。この正論は奇妙で、何ともねじれた感のある表現です。なぜならどの国の政府も、景気を冷やしたい時に増税するから。増税の主目的は景気下げなのに、副作用みたいに言うのが奇妙。国の財源は国債であり、公金と呼びます。税金は財源ではない。政府の支払いに使う資金づくりで税金を集めたりしない。なぜそうなのかは、今言いました。国の財源は国債...
財務省解体デモはもう全国に広がり、国民の正義感以上に危機感が漂います。沈黙中の民放テレビの一部が報道しました。『失われた10年』はもう36年目で、無限の増税で国民を貧困化させ、少子化急伸で人口減を進め続けた主犯は財務省だったと、国民は察しました。著者はフランス革命と関連づけて本にしましたが、圧政もいつかは滅ぶ摂理でしょう。財務省が総理大臣をあやつり国をとことん破壊した平成は、令和に入って転換点が近づい...
2024年11月の衆議院選挙の後に「重税が経済衰退の直接原因だった」「103万円の壁で増税カルト宗教の存在を知った」と言う動画がどっと増えました。次の結論がひんぱんに聞かれます。「国民に正しい知識が必要だ」「無知でも幸福になれた時代はもう終わった」。国民が無知だと、国の政府から攻撃され危害を受ける時代の到来です。これ、もちろん新自由主義の思想の骨子でもあり、「強者が弱者を搾取する自由、人権侵害を合法とする...
日米トップ会談(2025年2月7日)の模様で、テレビ放送などオールドメティアがある部分をカットしたと、ネットで話題に。それがラストのやりとり。記者の一人が総理にこうたずねました。「アメリカが日本に関税をかけると、日本は報復関税をかけますか」。総理はこう答えました。「仮定の質問には答えられません」。トランプ大統領はイヤホンを外し、アメリカの記者団を向いて「彼はわかった人だ」と三度言い、非常に怒った表情で会...
戦争には必ずスポンサーがいます。資金提供者。出資者。出資者は戦争当事者にお金を貸して、勝っても負けても返済の金利でがっつり儲ける構造。戦争誘発業はイベント企画の範疇にあり、意図的に仕組む者が陰にいるとの説も昔からあります。どこまで細かい企画を立てるかはわかりませんが、戦争する双方の陣営に同じ者が出資していることも知られます。誰の出資か知られた戦争もあり、たとえば江戸幕府と戦う日本人クーデター学生へ...
国の経済政策である「財政」の議論を聞くと、お金は使えばなくなるという間違った前提で語る者が多い。むしろ大半がそれ。「お金を大事にとっておかないで使ってしまうせいで、日本人は貧乏なのだ」の訴えに国民は納得して腑に落ちた様子。正論だとたたえて。お金を使えば他人の所得となって移動するだけで、地球上から失われたりしません。しかし日本では「皆がお金は使いまくれば国が破綻しても当然だろ」「バカの物欲が国を亡ぼ...
「私は魔法使い、君の願いをひとつだけかなえてやる」と言われたら、「お金をくれ」が浮かぶ人が多いはず。お金で自由が手に入る。しかしある人は「政府と同じ通貨発行権をくれ」を思いつくでしょう。これなら、お金を使い切っても底をつく破産が永久に来ない。実は正解があります。著者の初見は赤塚不二夫の漫画『天才バカボン』のパパの願いでした。「わしがずっと魔法を使えるようにしてくれ」。その願いはかなえられ、話が続き...
「報道の自由」の世界順位で、最新の日本は70位だという。海外報道がタブーを破ったジャニーズ問題も関係はあるでしょう。マスコミ各社がワンパターンに陥るのは、スポンサーの意向だからです。スポンサーは超大企業や外資系が中心で、新自由主義とグローバリズムの立場です。なのに視聴者が納得するのは、美術のあの現象も共通するのでしょう。「正解はひとつであり、正解だけを知りたい」「色々な意見があると、どれが正しいのか...
日本人は「お金は使えばなくなる」と思っています。美術のためにお金を使った時も、やっぱり減ってしまう。そこでお金を一切使わないようにすれば、良い社会に向かうのだと信じています。ところが実際は逆に社会は滅びます。「お金を使えばなくなる」の信念は、お金を石油になぞらえています。石油は発火させて燃焼させることが多く、石油と異なる物体に化学変化して大気へ逃げます。このイメージでお金をみて考えている人が多い。...
商戦の都合で国民の生命財産が失われる現象として、テレビでも特集があったのが「地名変更」でした。現代感覚に照らして住所の特に町名が古くさいと嫌って、しゃれた名称に変える流行が問題です。ご先祖からのメッセージが消えて、不幸に落ちる不吉な行動です。昔の地名にはマイナス面の特質を表す漢字を入れて、子孫たちの生存をおびやかす災害を防ごうとしてきたらしい。古人は「今だけ、金だけ、自分だけ」でなく、不都合な真実...
人間同士は常に対立して闘っていますが、一人の中で生じる闘いもあります。「表面的」と「内容的」の対立もひとつ。自分が注目する着眼点を、表面的なものから内容的なものへと変えた時に、人生のターニングポイントが訪れやすい。ラジオドラマの物語構成には定型パターンがあり、「表面的な現象で騒動が起き、ラストに内容が明らかになり、人同士の関係が修復される」が多い。理解し合えない騒動は、映画やドラマの大きいモチーフ...
「ブランドにもの申す」論が世に出回りますが、著者は「ブランド論にもの申す」に関心がありました。というのは、ブランド語りで起きがちなのが、ネームバリューと品質を分けて感じ取る難しさです。二つは混じり合って受け取られるからです。高級ブランドの信用は二面あります。「性能が裏づけたブランド信用」と「ネームが裏づけたブランド信用」です。ところが二つを分けて考えることは、人間の心理学的には全く困難です。なぜな...
最近「モナリザ症候群」という言葉を初めて知りました。太っている人があまり多く食べていないつもりなのに、やせない現象を言うらしい。レオナルド・ダ・ヴィンチ『モナリザ』の絵のモデルだったジョコンダさんに、少食でも太る傾向があったのかと思ったら、そうじゃない。
「創作物はいずれ枯渇する、何をつくっても誰かがやったものばかり」という説は現実に起きていると、著者は著書で触れました。米国特許庁が出した「人工知能AIが描いた絵画には、著作権を与えない」の判断は正しいと著者は考えています。「でもAIが描いた絵にも創造的なものはあり、著作物として認めてよいのでは」と思っている人は、やはり考えている範囲が狭いのです。この問題は音楽でよくわかります。今の音楽は西洋の12音階方...
最近、バブルがはじけるのが近いとの記事を見ます。Yahooニュースに港区の大規模ディスコ『ジュリアナ東京』なき近辺で、再開発が活発化している報も。部分的なバブルは毎日はじけているから、言うが勝ちかもしれません。NFTアートバブルもそんなひとつでした。日本のバブル経済は1987~1992年の5年間が中心で、発端は『五カ国プラザ合意』でした。高度成長を果たした日本を円高に変え、他国が輸出で日本を打倒するもくろみ。その...
香港とオーストラリア合作の映画『THE MAN FROM HONG KONG』のテーマ曲が、ロックバンドのジグソー(英)『スカイハイ』。香港映画『片腕ドラゴン』(1972)の主演ジミー・ウォング(台湾)が、刑事として敵のビルへ乗り込む伏線が、冒頭のハンググライダー。乗り込まれる組織の親分は英国映画『女王陛下の007』で、ジェームズ・ボンド役を一度きりで辞任したジョージ・レーゼンビー(豪)。イギリスや米ハリウッド映画と違う雰囲...
何度か論じてきましたが、悪い時代のヒーローたちは、時代を悪くしている犯人なのです。そのヒーローたちに「時代を良くしてください」と頼み込んで活躍の場を与えると、より悪い時代へとどんどん変えていくに決まっています。しかも国民は思考でつまずきます。「時代を悪く変えたいやつなんていない」と思考してしまう。実はいるのです。たとえば消費税を上げれば、誰にとっても生活費が高コストになります。「だから上げたい者な...
勘違いしている人に、勘違いだと教えるのは、実際にはかなり難しい。理由は主に三つあります。ひとつは、人間は保守的で惰性的で、勘違いにフリクションがかかる点。二つめは、外部からの洗脳が発端の場合、容易に解けないカルト宗教のパターンに陥る脳の限界です。まだあります。もし自分の勘違いを認めてしまうと、一貫しない自分の立場がない。勘違いで築いた地位や収入を失いたくない自己愛の心理。メンツと利害も理解を妨げる...
日経平均株価が史上最高を記録しました。1989年12月29日に最高価格38957.44円、終値38915.87円でした。以降が「失われた35年」。その日からアメリカ株は14倍に上がったのに、日本株は逆に下がったままで、経済衰退が延々と続きます。若者の過労死が絶えない時代。その日本株も最近4万円台に上がりました。国民の疑問は「株価は高いのに、僕らの暮らしはなぜ悪いままなの?」。この疑問が間違った前提なのです。今の世界を覆う新自...
「人間は変わろうとすれば、変われるものだよ」と「人間は変わらないものだよ」の二つの言い方が聞こえます。矛盾するように思えますが、そのとおり矛盾しているのです。芸術の運命を追っても、人間は矛盾した生き物だとわかります。舞台芸でもいえます。「僕は人前に出て目立ってはいますが、実は生まれつき引っ込み思案な性格です」という言い方。これつまり、引っ込み思案な性格と、前面に出て社交的にやる行動に、さしたる相関...
著者は家では水道水を飲んできて、飲み物をつくる家庭的な楽しみとは無縁でした。一杯のコーヒーや紅茶を入れたのは、人生の半分をはるか過ぎてからでした。豆の挽き方にこったコーヒーの次は紅茶。一袋4円のティーバッグを大箱で買い続けています。ふと店で気になり、一袋24円の高級な紅茶を買ってみました。素で飲んでみると、何と味がしないのです。どの程度おいしいのかと心が構えたせいか、4円の紅茶と似たような印象です。ま...
平成になって飲み会が減った理由と、飲み会を若者が嫌った理由は同じです。緊縮財政と消費税増税による通貨削減で所得が減り、可処分所得が減ったから。生命維持に必要でない出費を減らしたいから。生活費を節約するために、飲み会へ加わらなくなった。しかし「僕は貧困なので飲み会へ参加しません」と言う若者は少ない。「上司とは飲みたくない」と理由をずらす。上司のいない同僚の飲み会もガクンと減ったから、真っ直ぐな告白と...
新型コロナのクラスターで封鎖された施設の女性に、センメルヴェイスの話題の前置きでガリレオの語を出した時。「ガリレオってなーに」と質問されて撃沈しました。全員を敵に回す一人ぼっちの人生は、考えてみれば男の子の世界といえるでしょう。ハンガリー人のセンメルヴェイスの名が日本で表に出たのは、コロナ前の2019年でした。消費税が8パーセントの頃で、もう5年近くもたつ。「センメルヴェイス反射」と呼ぶ行動が「税金は財...
バブルより前からあったアルトマンシステムの現代版が、結婚相談所と呼ぶデータベース式の仲人産業です。入会した29歳男性、55歳男性、28歳女性が異性と見合いし、交際し成婚を目指すTVノンフィクション番組が、ネットで話題になっていました。かなりの話題性。何が話題の中心かは、内申書のスペック重視で相手を選ぶ世知辛さや、男性はエステ通いやメイク、女性は美容整形を受けて挑む、残酷なほどシビアになるお見合いでした。晩...