-雨やどり番外編-「俺の、せいだってのかよ…」「そうじゃん。俺を煽り倒してくれる潤が悪い」「な…っ!?わけのわかんねえいちゃもんつけてんじゃねえよ!」「わけわかんなくないでしょ?だって、俺達まだ蜜月なんだよ?抱いても抱いても、絶対満足なんて
-雨やどり番外編-攫うようにして抱きしめられた腕の中、一瞬何が起こったのかわからなかった俺は、ただ息苦しさに浅い呼吸を繰り返す。「会いたかった…」そして耳元に寄せられた言葉に、押し戻そうと伸ばしかけた手が、意に反してピタリと動きを止めた。「
-雨やどり番外編-ぐいぐいと、力任せにリードを引っ張る俺を「くぅ〜ん…」と、心配そうな鳴き声を上げながらチビが見上げてくる。「ごめん……」まるで八つ当たりのような自分の行動が情けなくて、小さな謝罪の言葉と共に落とした笑みは、はっきりとわかっ
-雨やどり番外編-あれから一週間。それまでは、2日と空けずに泊まりに来ていた仁志が、一度も顔を見せないどころか、電話もメールも寄越してこない。付き合い始めてから約3カ月。その間、会った日ですら毎日のように電話をしてきて、1日に送られてくるメ
-雨やどり番外編-昂る感情のままに叫んでしまった俺を、信じられないといった様子で凝視してくる仁志の視線は痛かったけど。「おまえは突っ込んで出せばスッキリすんだろうけど、俺はそうはいかないんだよ!」「よくないって事?」「そういう事を言ってんじ
-雨やどり番外編-「エロ…ッ!」「ワンワンッ!」腰にバスタオル1枚を巻いただけの俺の姿を見て、立ち尽くしたままの玄関から上がり込もうとはしない仁志が、その口から発した第一声。その声に合いの手を入れるかのようにして吠えるチビ。そんな一人と一匹
-雨やどり番外編-2度目に目覚めた部屋の中、背中に感じるはずの温もりを感じられず、視線を彷徨わせれば、仰ぎ見た窓の外に見える空の色は、すっかり陽が高くなっている事を示していた。もぞもぞと、気だるさの残る身体を動かしながら探した温もりは、やは
-雨やどり番外編-(R-18)まだ完全に夜の明けきらない、薄明るい部屋の中、深い眠りを貪っていた意識が無理矢理呼び起される。背中に感じていた温もり。背後から回されていた腕に更に深く引き寄せられ、僅かに身じろいだ俺の胸元へと回されていた手が、
-雨やどり番外編-しまったと思った時には遅くて、完全に拘束されていたはずの身体を解放され、また妙な焦りが湧き上がってくる。「でもさ、ガキはガキなりに必死なんだ。ガキにだって、真剣な気持ちがあるんだよ。それが重たいって言われたら……もう俺には
-雨やどり番外編-激しく口づけてくるくせに。こっちが息つく暇もないくらい深く貪り、全てを飲み込まれてしまいそうなほどに激しいキスを仕掛けてくるくせに。俺の胸に顔を埋めた仁志が漏らす声は、小さく震えていた。自分が与えてしまったはずの不安が申し
-雨やどり番外編-「え…?あれ?…これって、どういうことだろ……」耳に届いた呆然とした声に、慌てて泉美を押し退け視線を移した先。たった今発された声と同じようにして、呆然とした表情を浮かべた仁志が、何故か制服姿のままで玄関先に立ち尽くし、その
-雨やどり番外編-「……は?」伺うような、だけど明らかに誘いを掛けてくるその視線に、思わず唖然として聞き返した声が小さく震える。向けられたその視線の中に見て取れた、はっきりとした女の匂いに、一瞬背中をゾクリとした嫌悪感が走った。こんな風にし
-雨やどり番外編-午前中に最後のレポート提出を終え、ウキウキと浮き足立つ気持ちを抑えながら帰途につく。仁志は今日も、学校で部活に勤しんでいるはずだ。それでも、部活を終えたその足で部屋に飛び込んでくるであろう仁志の姿を思い浮かべ、頬が緩むのを
-雨やどり番外編-「三島さ〜ん!終わった、終わったよ〜!!」梅の蕾が花開き、まさに満開を迎えようとするその日、およそ3週間ぶりに俺の部屋に来た仁志が、玄関へと入ってくるなり飛びつくようにして抱きついてきた。「全然会えなかったから、三島さん切
-雨やどり番外編-電話なんて、1日1回すれば十分すぎるだろう?むしろ、しすぎなくらいじゃないか?それに、自分の知らないところで自分の知らない人間とは会うなだなんて、そんなの無茶苦茶だ。ただでさえ、俺達は高校生と大学生という事で、時間の使い方
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