株式投資や医薬品業界のニュースについてご紹介します!
医薬品開発に従事する薬剤師。投資と宝石集めが趣味。ブログには株や医薬品業界に関するお話について書いていきます。 ブログは2019年12月22日から開始。 ちまちま更新して月間5万PVまで行ったけど、満足して不定期更新に。ファーネットマガジンにも医療コラムを連載しています! のんびり更新だけどよろしくね! Twitterはフォロワー約7,000人
FDAのファストトラック(fast track)とブレークスルーセラピー(Breakthrough therapy)ってなに?違いや利点は?
製薬会社やバイオ系のIR、医療ニュースを見ていると、「FDAのファストトラックで指定されました!」とか「ブレークスルーセラピーに指定されました!」とか記載されているのを見ることがあるかと思います。 「へぇーすごいなー」と思う人が多いと思いますが、「何がどうすごくて」「どんな利点があるか」ご存知ですか? そもそもその二つの違いについてはご存知ですか? 今日はこのFDAの2つの制度について、軽く整理してみたいと思います。 他にも優遇制度はありますが、まずはよく出てくるこの制度の違いや概要を見ていきましょうという趣旨です。 目次 FDA(Food and Drug Administration) フ…
【シルガード9】審査報告書から学ぶ、9価子宮頸癌ワクチンの意義や副反応について【HPVワクチン】
ついに9価の子宮頸癌ワクチン(HPVワクチン)シルガードが承認されましたね! 本当によかった!! 医療関係者や患者さんの歓喜の声とともに高名な先生方が次々と啓発記事を出しています。 かつてはメディアの知識も心もない報道により窮地に陥ったHPVワクチンですが、皮肉にもCOVID-19蔓延によるワクチンの重要性の理解を追い風に息を吹き返そうとしています。 細かいことは村中先生を始めとした先生方にお任せするとして、私は審査報告書というマニアックなところを中心に、開発背景や意義、有効性、安全性情報について解説させて頂こうと思います。 子宮頸癌ワクチンを「副反応が怖い」とだけ考えている方。 「薬害」だと…
【パイプライン紹介】S-812217(zuranolone)は次世代抗うつ薬となりえるか?【塩野義】
先日、Akili社のデジタル治療アプリの件でも少し触れましたが、塩野義さんはSage社というバイオベンチャーとも組んで、新規大うつ病治療薬の開発も行っています。 前に少しだけ解説したこともあるのですが、今回塩野義特集ということで、もう少し踏み込んでみてみたいと思います。 目次 大うつ病の概要 S-812217とは? 概要 第2相試験の成績 第3相試験の成績 国内で実施中の臨床試験 コロナうつ(マスコミ用語?)の影響の懸念 考察:ポテンシャルと上市可能性/売り上げ 過去の臨床試験成績から 大うつ病という疾患特性から 売り上げの予測 参考 // 大うつ病の概要 国内の大うつ病患者は500万人と言わ…
期待できる?COVID-19重症肺炎に対する他家間葉系幹細胞ADR-001(ロート製薬)
先日、化粧品や目薬で有名なロート製薬が、COVID-19重症肺炎に対して、間葉系幹細胞による治験を行うと発表して話題になりました。 新興バイオでも細胞治療に取り組んでいるところもありますが、何だか色々と怪しい噂も漏れ聞こえてきており、個人的には期待していません。 そんな中、ロート社の間葉系幹細胞ADR-001は、他にも肝硬変や特発性肺線維症、IgA腎症等でも治験を行っており、それなりにデータや投与経験はあるものと思われます。 今日はそんなロート社のADR-001について、ちょっとまとめてみたいと思います。 目次 ADR-001とは? 推定される作用機序 治験の概要(COVID-19) 他の疾患…
【治療アプリ】ゲームでADHDが改善!ゲーミフィケーションの成功事例(AKL-T01/塩野義)
以前、ゲーミフィケーションについてご紹介させて頂きました。 何か事件があるとゲームが趣味だったのが悪いのでは?とか、槍玉に挙げられることが多いですが、そもそもこのご時世、ゲーム機を持ってない年頃の男の子のほうが、珍しいのでは? というか、ワイドショーで虚偽ばかり振りまくメディアの方が、よほど有害なのでは?なんて思いますね。 そんなゲームを治療に活かすという画期的な試みなのですが、アメリカにて、ついに1製品承認に至りましたので、今日はその内容について触れてみたいと思います。 目次 ゲーミフィケーションとは? 製品の概要(AKL-T01/米での名称:EndeavorRxTM) アメリカにおける臨床…
患者会提案の医師主導治験の実現!日本におけるPatient Centricityの最前線【タグリッソ】
過去に何度かPatient Centricityについて取り上げてきました。 いわゆる「患者さん中心主義」のことです 薬の開発に患者さんの声を活かそうという考え方ですね。 その最たるものとして、患者会が提案したタグリッソ(オシメルチニブ)の開発計画について、医師そして製薬会社が呼応し、実際に治験を開始する状況までたどり着いた事例が出てきました。 これはPatient Centricityが遅れている日本においては、快挙であると思います。 今日はその経緯や概要についてご紹介してみたいと思います。 目次 タグリッソ(オシメルチニブ)について タグリッソの概要/開発経緯 名前の由来 肺がん患者の会「…
いったい何がしたかったのか?アビガンの特定臨床研究の結果と私見【ファビピラビル】
先日、藤田医科大学からプレスリリースされ、各メディアにも取り上げられましたが、アビガンの特定臨床研究の結果が出ましたね。 有効性について統計学的な有意差がつかずに、結果は失敗です。 「有効な可能性」なんて、負け惜しみを言われていますが、そんなこと言ったらなんでも「有効な可能性」はありますね。 そもそもそんなレベルの結果ではありません。 対象患者、目的、サンプル数をみてもいまいち何をしたかったのかよく分かりませんが、その辺りも踏まえて結果を整理してみましょう。 目次 試験概要 試験課題名 患者数 結果と考察 主要評価項目 副次評価項目 探索的評価項目 安全性 結果のまとめ どうすればよかったのか…
臨床開発の事例を交えたタイムマネジメントの法則を4つご紹介!【夏休み】
いつのまにか夏休みの季節になりましたねー。 学生のみなさんは楽しい夏休みの計画を立てているところでしょうが、社会人は通常営業で夏休みはどこ吹く風です。 それとも今年はCOVID-19のせいで、学生さんの夏休みも減っているのでしょうか。 みなさんは夏休みの宿題をいつ頃から始めましたか? のんびりマイペースな私は8月31日から!とまではいかないまでも、お盆過ぎくらいからやっと腰を上げはじめ、何とか31日までには終わらせるという、割と無難?な感じでこなしていました。 どうぶつの森でクラゲが出る頃が宿題スタートということですね。 あつもりのクラゲは海に潜って取りますが、昔は釣りでした。 今日はそんな夏…
モディオダール(モダフィニル)の流通管理規制に見る、Patient Centricityの欠如
モディオダール(モダフィニル)というお薬はご存知ですか? ナルコレプシーに対する治療薬として承認されていましたが、2020年の2月に突発性過眠症に対して適応が追加されたお薬です。 このモディオダールはこれまでは流通に特に制限がありませんでしたが、この適応追加に伴い流通管理規制が行われることになりました。 現在(2020年7月10日)は経過措置により、通常の医薬品のように処方され、薬局でもらうことができますが、今後(2020年8月31日以降)強固な流通管理規制がしかれることが決まっています。 今日は「なぜこのような流通管理規制がしかれることとなったのか」、「規制によってどんな弊害があるのか」につ…
【中医協】承認されたのに保険適応されなかった不遇な薬、抗肥満薬オブリーン(セチリスタット)とは?
以前「承認申請から保険適応までの過程」や、「保険適応における薬価の算定方法」について、解説致しました。(参考に載せています) その中で、日本は「基本的には承認取得=保険適応(薬価収載)」だと説明させて頂きましたが、ごく一部に例外があります。 承認取得したのに、保険適応できずに売り出せなかった薬もあるのです! 今日はその例外である、武田さんの抗肥満薬オブリーン(セチリスタット)について見てみましょう。 せっかく承認取得までこぎつけた新薬が、なぜそんなことになってしまったのでしょうか。 目次 オブリーン(セチリスタット)とは? 概要 作用機序 有効性 安全性 オブリーンのまとめ 中医協での指摘 中…
アメリカの公的/民間保険制度に見る、薬価と使用できる医薬品の差
また壮大で重いタイトルをつけてしまいました。 中身はそんなに重くないので、まだ帰らないで! 今日は日本とアメリカの保険制度の違いから話を広げてみたいと思います。 今日はアメリカの記念日だし。 日本は国民皆保険制度であり、基本的には上市された医薬品は保険適応されます。 そして一定以上の自己負担以上は税金で支払われます。 つまり超高額の最先端の医薬品も安価で使用することができるのです。 それは「日本国民は高い水準の医療をおしべなく受けることができる」ということです。 日本にいるとこの恵まれた医療環境が当たり前のように思えますが、世界的に見るとそう多くはありません。 例えば、アメリカ。 アメリカは国…
【累計10万PV】100記事神話は本当?半年の総括、実践してよかったことのまとめ【YMYLブログ】
ブログ開始から約半年が経過し、無事に100記事を迎えました。 まずは100記事書きましょう!とよく言われますね。 私も取りあえず、100記事を目指してだいたい2日に1記事ずつ積み上げてきました。 今日は100記事達成時の総括として、私の「これまでの軌跡」と「実践してよかった取り組み」を中心にご紹介したいと思います。 目次 100記事書いたときのデータ紹介と所感 ヒットする記事の傾向 集客窓口を広げる 全般的事項 はてなブログの機能 Twitter にほんブログ村 記事作成のルーチンを作る 個人のブランディング化を行う ブランディング化の重要性 ブランディング化のツール 画像の活用 内部リンク構…
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