「彼と彼」の恋愛を描いた、せつないお話が好きです。 年下攻め・攻め視点・性描写ありの小説が多め。きれいで温かな感情をお届けしたいと思っています
◀︎「腕に閉じこめて(1)」へ 「アキ」 ものすごく甘ったれた声で、名前を呼ばれて。 春樹の左手が、泳ぐひとのように、シーツのうえで動かされて、何かを探している。 ああ、俺の手だ、と気づく。 俺の手を探してるんだ。握ってほしくて。 だからその左手をひらかせて、握りしめてやる。 指とゆびを、たがい違いに組みあわせる、恋人どうしの手のつなぎかた。 閉じられていた春樹の目が、うすくひらいた。 視線が合わさると、ふにゃっと笑うから、やっぱり、手をつないでほしかったんだなと、暁彦も嬉しくなる。 光の海に沈みこむように、うっとりとした表情で、彼はすぐにまた、目をつぶって、そして。 そして春樹は、信じられな…
以下の短編の続編になります。よろしければ、こちらからどうぞ。 腕に閉じこめて、キスからはじめると、とたんに春樹の体は、色がついたようになる。 暗がりでもはっきりわかるほど、体全体が上気したみたいになって、さまざまな場所がうっすらとあかく染まりだす。 赤い果実をつける樹木が、花を咲かせる直前、その木肌を内側からあかく色づかせるように。 頰やまなじり、首すじが。 ちいさく喉仏の突き出た喉や、かたちのいい耳も。 それからたぶん、今はパジャマに覆われて見えない、体じゅうのいろんなところも、きっと。 でも、まだだ、と暁彦は思う。 まだハルの体が、かたい。 緊張とか、怯えとか、不安とか。 そういうさまざま…
こんにちは〜♪ 星空チョコレートです♪ 寒くなってきましたねー。 皆さま、いかがお過ごしですか? 私は、北の大地に暮らしているのですが、今年の初雪が私の町に降ったのは、11月7日でした。 例年と比べますと、これはとても遅い。たいてい、10月末のハロウィンの頃に、最初の雪が降りはじめるからです。 11月最終週の今日は、もう街並みは根雪に包まれておりまして、真っ白に変わっています。 そんな寒い雪国に暮らしている星空チョコレートですが、心はぽかぽかと温かく楽しく過ごさせていただいてます♪ 当ブログを始めてから、まだ10日ほどではありますが、ランキングに参加させていただいたおかげで、たくさんの方のお目…
◀︎「はじまりのキスで」(1)へ 腿に強い手がかかる。ぐっと押しひらかれる。 目をぎゅっと閉じていても、視線が注がれている、それをはっきりと感じる。 「やだ……やだって、俺」 からみつかれる。 温かく濡れた舌、執拗な指とくちびる、それから息。 長いこと友達だった暁彦に、そんなことをされていると思うと、信じられないほど恥ずかしくて、おかしくなりそうなのに。 体は思いきり喜んで、何度もふるえて、あふれさせる。 めちゃくちゃなスピードで、波が高められていく。 溺れるしかなくなる。息もできない。 とけだしていく。追いつめられる。 やりすごせないほど高い波に、体ごと、さらわれる。 何度も。 「やだ。………
はじまりのキスで波を起こすのは、いつも決まって暁彦のほうだ。 同い年の彼のベッドで、腕の中に閉じこめられて、最初のキスから、つよい波を引き起こされる。 ひきずり出されて、からめとられて。 自由を奪われたあげくに、甘やかされる。 急速に引き起こされる波は、あまりに高くてはげしい。 だから、目なんかあけていられない。 あけていられるわけがない。 ぐったりと仰臥して、閉じた春樹のまなうらに、心臓と同じリズムで、オレンジ色の光が明滅しはじめる。 夜の海でぐるぐる回る、遠い灯台のあかりを見ているように。 これから与えられる波の高さを知っているから、心はすこしだけ、最初、怯える。 あまりにも高い波は、自分…
こんばんは〜♪ 星空チョコレートです〜♪ さて、2日前から、「人気ブログランキング」さんの「BL小説カテゴリ」に、登録させていただきました。 そちらから遊びにきてくださった皆さま、はじめまして。 まだ4つの短編しか掲載していないような、始まったばかりのブログですが、これから、いろいろなお話を書いていきたいと思っております。応援してくださると嬉しいです♪ よろしくお願いします♡ ところで。 皆さま、リバって、どう思われます…? (以下、「リバ」に関する、私のヨタ話を書いておりますので、苦手な方は、そっとブラウザバックで……) 苦手な方もいらっしゃるかな、と思って、「繭の中の天国」と「夜に咲く赤い…
*「繭の中の天国」の続編です。リバを扱っています。 *もしよろしければ、こちらからお読みいただけると嬉しいです。 温かな眠りのなかから、ふっと意識が浮上した。 目をひらくと、淡い暗がりのなかに自分を見つめている櫂の目があって、一瞬、柊一は、ここがどこなのか、わからなかった。 ひからない星のような、ひとつ年下の従弟の瞳。 それを見ているうちに、少しずつ、現在、自分がおかれている状況を思い出していく。 ──ここは、高校時代まで過ごした柊一の部屋のベッドで、昨夜、とても久しぶりに櫂をここに泊めたのだ。 柊一が東京の大学に進学してからは、こんなふうに、ふたりきりで夜を過ごすことが、長い間、なかった。 …
こんにちは♪ 星空チョコレートです♪ 当ブログを立ち上げてから、6日目になりました。 まだまだ「初めまして」とご挨拶しなければならない読者さまが多いのでは…などとドキドキしながら、この記事を書いています。 11月も終わりの日曜日、皆さま、いかがお過ごしですか? 私は、北の大地に暮らしているのですが、私の住んでいる街は、先週ぐらいから雪に包まれて真っ白になりました。 今日はわりあいと暖かくて、日中は、気温がプラス5度ぐらいになるそうなので、「あったかいね、今日」「これじゃ雪も溶けるよね」という会話を、家人と交わしております。 それでは。 当サイトに掲載しました、3つのお話についての「あとがき」的…
「かわいい。かわいいなあ」 独り言にしては大きすぎる声で、さっきから、何度も。 「かわいい。……ああ、なんでこんなに、かわいいんだろうなあ」 ──たまたま2人しかいない空き教室で、昼食のおにぎりを、むぐむぐむぐ、と食べながら、坂本息吹がそうつぶやくからには。 こいつ、俺に、相槌を求めているんだろうなあ。 そう判断したので、紘彦は、息吹の「独り言」に、いま気づいたような顔を作って応えることにした。 「かわいいかわいいって。さっきから息吹、いったい、なにが?」 そう問うと。 「これ。これだよー、見て見て、紘彦」 心の底からの100パーセントの笑顔で、ほら、と息吹は、非常に熱心に見ていたスマートフォ…
『驟雨が、はじまる。』第1話へ 『驟雨が、はじまる。』第2話へ 寒いのに、熱い。熱いのに、寒い。 ベッドに寝転がって、裸の胸と胸をぴったりとあわせると、それだけで、体ごと高い場所に押し上げられていくみたいだった。 はげしい雨が、部屋のガラス窓を打っていた。 槙の耳は、それを、遠い音楽のように聞いた。 「そんなに緊張しないで」 白い花みたいな顔が笑っている。 夏の日中、無人だった槙の部屋は、閉め切られていたからむっとしている。 半分だけカーテンのひらかれた室内に、雨の午後の弱い光がぼんやり漂っている。 半端に暗くて、半端に明るい。 「緊張なんか、してないよ」 年下であることをバカにされたように感…
◀︎「驟雨が、はじまる。」第1話へ ああ、雨脚が強い。とても。 走るふたりの体を包みこむように、天の真上から、雨が落ちてくる。 地面にしぶきがあがる。降りそそぐ雨が、周囲の何もかもを遮断する。 手をとりあって走る槙と優一は、今、雨にすべてをさえぎられて、ふたりだけの世界にいる。 そのとき、びっくりするほど近くて大きな雷鳴が、ふたたび空のなかに響きわたった。 「蓮見さん! あとすこしだから!」 年上の彼の手をつないで、走る。駆け抜ける。 息が苦しい。苦しい。心臓だって。 けれど、走らなければ。 濡れてしまう。頭も、服も、身体も、びしょ濡れに。 寒い。でも、熱い。 家にたどりつき、焦った手で槙が鍵…
こんにちは、星空チョコレートです♪ おととい(2019年11月19日)に、「日本ブログ村」さんの「BL小説ランキング」にどきどきしながら登録させていただきました。 45位からの出発。初日のPV数は「5」でした。 今日(3日目)で、ランキングバナーを押してくださった方のおかげで、17位まで来ました(感涙)。 うわー……ほんとうに嬉しいです。ありがとうございます。 私は自宅(@北の大地)で仕事をしているのですが、そのコアタイムが、だいたい4時半から9時ぐらいなんです。 昨日の午後、このブログに関する整備作業をしていたのですが(バナーを作ったりとか、素材サイトから写真を選んだりとか…)、夕方4時半で…
駅の構内から出た瞬間から、見上げた空の雲行きが怪しくて、あ、これは一雨くるな、とすぐに思った。 夏の制服を着た槙の体を、生ぬるく湿気た風がぞわりと撫であげた。 低く垂れこめた濃い灰色の雲、雨の予兆をつよくはらんだ大気。 ──まずい。 きっと、すごい夕立ちが来る。 傘を持っていなかったので(今朝、高校に向かうときには、青く晴れ渡った夏空だったのだ)、家までとにかく急ごうと思った。 駅前のロータリーの人混みを抜けて、信号を渡って。 歩くというより、駆けるほどの速さで。 商店のある通りを過ぎるときに、かなり大きな雷鳴が聞こえた。 そこから少し行くと、戸建ての住宅が整然と並ぶ、書き割りのような住宅街に…
ベッドに入ってひとしきりキスをすませると、いつのころからか、ひとつ年上の従兄は、必ずその質問を口にするようになった。 「なあ。櫂、おまえ、今日、どっちがいい?」 柊一からその問いを投げかけられるたびに、櫂は自分で自分の心にたずねてみる。 今夜、おれは、柊ちゃんと。 どっちがしたいんだろう? 3秒くらいは考えるが、すぐに櫂は降参する。 考えて答えを出すのが、あんまり得意じゃない。 それに、子どもだったころと違って、柊一が東京の大学に行ってしまった今は、こんなふうにふたりだけで過ごせる夜は、宝石みたいに貴重ですごく短い。 何もしないまま、1秒だって無駄にしたくないから。 「わからない。……俺は、柊…
①名前:星空チョコレート ②住所:北の大地。大学卒業までは、神奈川に住んでいました。 ③性別と星座:蠍座の女。 ④血液型:BLの「B」(笑)。 ⑤好きなもの:チョコレート・星空を見上げること。文房具。 ⑥夢中なもの:海外ドラマを見ること。あと、K-POPの某ボーイズアイドルグループ。 ⑦得意なこと:料理を作るのが速いです。 ⑧苦手なこと:大きな駐車場で、自分が駐車した場所をきちんと記憶しておくこと。 【読んでくださる皆さまへ】 「彼と彼」の恋愛を描いた、せつないお話がとても好きで、自分でもBL小説を書くようになりました 読んでくださった方に、きれいで温かな感情をお届けできるといいな、と願って書…
こちらは、オリジナルBL小説サイト「星空チョコレート」です。 このページは、短編の目次です。それぞれのお話にジャンプできます。 長編「にじのかなたに」のもくじへ 短編 ▼バナーをクリックすると第1話にジャンプします。 1.『繭の中の天国』(2019.11.19)(*リバを扱っています) ふたりきりで抱きあっていると、あたたかな繭の中にいるみたいだ。 ──従兄弟同士の少年の、秘密の夜を描いています。 2.『驟雨が、はじまる。』1話・2話・3話(2019.11.20〜22) 兄の友人・蓮見。きれいで危うい彼と、驟雨の午後、二人きりになった。 ──偶然から始まった三角関係。攻視点(弟)のお話です。 …
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