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2019/10/03

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  • 小さき花-第2章~7

    8時頃になると父は迎えに来ておりました。その途中私は天空を仰いで星を見る事が無上の楽しみでした。空は清く澄み渡って、真砂のように沢山の星がキラキラと、小さな光を輝かしております。時折T字形の星座が見えると「お父さん御覧なさい、私の名が天に書いてあります」(テレジアをローマ字で書くと、初めの字はTの字)と歓び、儚きこの世の事を打ち忘れ、ただ天上ばかりを仰ぎ見つつ、父に手を引かれて家へ帰るのでした。冬の夕べについてお話しすれば、姉達がしばらく遊んでのち、代わる代わる「聖年紀要」とか「聖人伝」等をみんなに読み聞かせた後、また面白くて為になるお話しを聞かせてくれました。その間、私は父の膝の上にいますが、講和が終ると、父は私は眠らせるためのように、美しい声でメロディー面白く歌ってくださるので、私は小さな頭を父の胸のあたり...小さき花-第2章~7

  • 小さき花-第2章~6

    大祝日、この唯一の言葉の中にはどれだけ良い感じがし、また、姉達からも大祝日ごとにその祝う理由を聞いておりましたので、実際この大祝日はこの世の日でありますが私にとっては天国の日に代わってしまったような気がしておりました。殊に聖体の大祝日に私は行列に加わって、聖体の中に在すイエズス様の前に花を撒くのはいかにも楽しく、高く投げた花びらが顕示台に当たった時には、実に何とも云われないほど愉快でした。大祝日は数が少ないのではなはだ待ち遠しく感じました。毎週、私の愛する祝日が毎日曜日に来ます。それは何ですか?日曜日のことです。いかにも美しい楽しい日でありました。即ち天主さまの祝日で私らの休みの祝日であります。この日、家族一同は聖堂に詣ってミサ聖祭にあずかります。私は父と共にいつもは児の方でミサにあずかり、説教が始まると演壇の...小さき花-第2章~6

  • 小さき花-第2章~5

    そのとき父は私の為に菓子を買っていたときでしたから、その人は金銭を受けるのを好まないが、さぞ御菓子なら喜んで受けるであろうと心の中に思い、すぐにその人のもとに駆けて行こうとしましたが、そのうちに何か遠慮したのか、気恥ずかしかったのか、ついに機会を失って御菓子を持って行く勇気が出ませんでしたから、胸がいっぱいになって涙を流すほどでした私は「初聖体を受ける時には、天主様にいかなる恵みを願っても聴き入れてくださる」という事を、かねて聞いていた事を思い出し、すぐにその時私は六歳であるに拘わらず初聖体の時にはきっとこの老人のために祈祷を捧げましょうと決心して慰めを得ました。五年後、初聖体を受けました時、私はこの事を忘れずに祈り、その後この老人のために祈ったことは必ず聖主が聴き入れてくださったばかりでなく、私個人のためにも...小さき花-第2章~5

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