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2019/10/03

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  • 小さき花-第2章~4

    散歩が終わって家に帰りますと、直ぐに宿題や復習をして、後で庭園に行って良き父の側で遊ぶのです。しかし私はまだ人形で玩ぶ事を知りませんので、いろいろの種子や樹の皮で薬のようなものを作るのが楽しい遊びでありました。そしてその薬がもし好きな色でも出ると早速立派な茶碗の中に入れて父に差し上げるのですが、父は薬によりも茶碗の美しいために仕事を止めて、微笑みつつ之を呑むまねをしておられました。また私は花を栽培する事が好きでした。私の庭の壁の中に少しでも窪んだところでもあると、そこに小さい祭壇を造り、いろいろの草花でこれを飾るのです。そして祭壇も飾りも出来上がりますと、直ぐに父に知らせますと、父は私の気に入るため、わざと感服するようにして、その手際を褒めておられました。こういうことはまだ沢山記憶に残っておりますが、とても一々...小さき花-第2章~4

  • 小さき花-第2章~3

    これは、父の大いなる決心、ほむべき犠牲でした。まだ若い姉達に母の代わりに叔母からよい教育を受けて貰うため叔母の住んでいる地に移られたのです。生まれ故郷を去るのは別に辛い感じをしませんでした。子供等は変化ことどと常ならない事を好みます。それゆえ私は喜んでリジュー市に行きました。ちょうど夕刻に叔父の家に着きますと、従姉妹のヨハンナ、マリアの二人が私達を門口に迎えて出てくれました。ああ、その時叔父や叔母が非常に新設に待遇して下さった事を深く感じました。翌日私等は新しく居住する家に行きました。そこはリジュー市のブイソネ町というところで、近くに「星の庭園」という有名な公園があり、至極閑静なな町です。父の借り入れた家はなかなか広く立派で、高い物見台からは遠くまでも見え、正面には英国風の美しい庭園があり、億のほうには大きな畑...小さき花-第2章~3

  • テレーズ 小さき花 について

    すでに現代語訳が出版されています。ドン・ボスコ社さんから、「幼いイエスの聖テレーズ自叙伝その三つの原稿」私も持っていますが、非常に美しい訳です。いまの投稿をする前から、正確に言うと、「愛の力」の前から、その本の訳を意識しないようにするため、読んでいません。「小さき花テレジア」宮城春江さまの訳は、ちょっとだけ読んだことがあります。他にもあるかもしれませんが、もう一つが、シルベン・ブスケ神父さまの訳された、いまテキスト化しているものです。この本の特長は、教訓と思い出という章があって、それが特に素晴らしいのです。それなら、それだけ引き出せばと、仰る方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、当初の予定通り最初から、少しずつ、テキスト化して行くつもりです。ブスケ神父さまの訳の「小さき花」で、国会図書館には、別の古いものがあ...テレーズ小さき花について

  • 小さき花-第2章~2

    人々は朝から晩まで私等の気を晴らそうと、いろいろに努めて、私等は慈愛なる母の事を片時も忘れません。ある日もセリナが立派なアンズを貰いましたが、直ぐに私の側に来て少し身を屈めながら「これを食べずにお母さんに差し上げましょう……」と言った事をもまだ記憶しています。ああ、哀れにも病める母は、もはやこの地上の果物を味わう事が出来なくらいに悪くなっていましたので、もうこれから地上の食物では満足せず、ただ天国のみ光栄にあかされるはずであります。そうして晩餐の時に、聖主がお話しになりました、不可思議なる食物は父の国で私等に分け与えようとの御約束なされた所の、その不思議なる糧、すなわち福楽のみを望んでおりました。母が終油の秘蹟に感ずべき式の事柄は、私の霊魂の深い感想が刻まれております。いまでもそのとき、私が跪いていた場所をまだ...小さき花-第2章~2

  • 小さき花-第2章~1

    私の母の病気の有様については、詳しい事柄までも記憶し、殊にこの世を離れる前の数週間の事は一層よく記憶しております。この時セリナと私はちょうど島流しにでもなったように、毎朝ある夫人に連れられてその家で一日を過ごしておりました。ある朝、夫人はいつもよりは早く私等を迎えに来られたので、祈祷を為す時間もなく自宅を出ました。ところが途中でセリナは私に「まだ祈祷が済んでいないという事を夫人に告げましょうか」と申しましたので「もちろん、それを言わねばなりません」と答えました。それで夫人の家に着くと、セリナは少し遠慮するような態度で、恐る恐る夫人にその事を申しますと「それならこの部屋で祈祷をしなさい」と言うので、二人を広い部屋の中に入れ、自分はそのまま出て行きました。この夫人の仕打ちがなんとなく物足りない心地がして、セリナも私...小さき花-第2章~1

  • 小さき花-第1章~7

    ああ母様!私はその時代にいかに幸福であったでしょう。私はただ身長が伸びるばかりでなく善徳は非常に私の心に惹きつけていました。善徳を修める点については、今日と同じ心持ちであったと思います。何を為すにも自分の欠点に打ち勝とうと努める良い習慣を養いました。それは例え私の品物が取られても不足を言わず、理由なしに咎められたときにも、これを言い訳せず黙って耐えているという良い習慣をつくりました。別に力を尽くす訳ではありませんから、私にとってあまり功績であるということは出来ません。自然に行うようになっておりましたから。ああ、私のこの幼年時代!陽気にして愉快でした。この幼年時代がいかにも早く過ぎ去りましたが、私の霊魂にはいかに愉快で深い印象を残した事でしょう。私はいつも、日曜日に母と共に郊外に散歩した時の事を、喜びをもって想い...小さき花-第1章~7

  • 小さき花-第1章~6

    また、一日田舎に住居しているところに行かねばなりませんでした。そのとき母はマリアに向かって「テレジアに一番好きな衣服を着せ、腕を露わさないようにしなさい」と命じました。私はこれを聞いて扮装などは一向に頓着しないというような顔をして黙っておりましたが、腕を露わすようにして下さったならば、私はもっと可愛らしい風に見えるのに……と、心の中に思いました。私の性質は斯様に悪い傾向がありましたので、もしもこれが信仰の無い、徳の無い親に育てられたならば行く末必ず悪い者となり、自ら己の霊魂をも滅ぼすような哀れな者となったかも知れません。しかし幸いにも聖主は自分の小さき許婚に恩恵を垂れ、御眼を注いで下さったのでこの多くの欠点は利益になるようにお計らい下さいました。それでその欠点を矯め、これに打ち勝つようになり、ついにこれが善徳に...小さき花-第1章~6

  • 小さき花-第1章~5

    私は、もし父母を悲しませるような事をするか、父母の悲しそうな風でも見ると、そのままに済ます事が出来ぬほど、心が耐えられぬ様になり、直ぐに悪かったという事を悟って謝るが、これを慰めようと努めました。その証拠には母の手紙の中に次のような事が記されてありますから分かります。「……ある日私は、一度テレジアを抱き寄せようと傍に行きました、が、良く眠っているように見えていたので、せっかく寝ている者を……と思い、そのまま部屋を出ようととすると、マリアは「お母さん、テレジアは確かに良く眠っている真似をしているのですよ」と申しましたから、私は可愛く思い、彼女の頬に私の顔を当てて抱き上げようとすると、てれじかは毛布で頭を隠し、甘えたような口調で「見られるのは嫌!」と言いました、それで私はこれを不満足に思いその様子を彼女に見せました...小さき花-第1章~5

  • 小さき花-第1章~4

    母様!私の母が、訪問会に寄宿しておった姉ポリナに送れられた手紙を、あなたから見せて頂いた事がありますが、私はその手紙に書いてある事を未だに記憶しております。此の手紙は母の書いたものですから、無論私の事を誉めてありますが、それは私の幼い時父母に対して愛情を表した方法の一端を知る事が出来ますので、今この手紙の一部をそのまま書き取りましょう。「……この節、幼児はたいそうませて来て、可笑しい程私の機嫌を取ろうと努めております、時々「お母さん、早う死になさい」と言うので、「なぜそんな事を言うか」と叱ると、直ぐに謝りますが、その時いかにも不思議そうな態度をして申すには「しかしお母ちゃんが天国へ行くには、死んでから後でなければ行かれぬ、と言っておられますから……」と幼な心にも母を早く天国の楽園に行かせようと思っているのです。...小さき花-第1章~4

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