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2019/10/03

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  • 小さき花-第4章~6

    話は少しわき道に入りましたから、前の話しに続きましょう。私は病気が全快してから三ケ月の後、父は愉快な旅行をさせてくれました。これはわずかに二週間の旅行でありましたが、私は世間というものを知り始めた最初であって、どこへ行っても可愛がられ、褒められ、歓び迎えられて、この十五日の間はちょうど花ばかりに取り囲まれておりました。聖書にも「この世界のつまらぬ事の為に、心が蕩かされるならば、悪を嫌う精神までも惑わされるようになる」(知恵の書4の12)という句がありますが、まことにその通りで、この十歳前後の時代は、精神が容易く暗まれ惑わされる時でありまして、私はこの旅行が愉快であったと自白致します。読んでくださってありがとうございます。yui小さき花-第4章~6

  • 小さき花-第4章~5

    もちろん、私には少しの手柄もありませんから、それをあてにしません。ただ全徳と至誠にて在す御方によりすがるであります。そうすれば天主さまは必ず、私の弱く小さいにも関わらず、そのほうに力を尽くすのを見て満足せられ、私をご自分まで引き高められ、イエズス様ご自身の御功績をもって私を覆い囲い、以って私を聖女としてくださるでありましょう。しかし、そのとき私は「聖人になるには、多大の苦しみ悩みを舐めなければならない必要がある」という事をまだよく知りませんでしたから、前にも申し上げたように、私に艱難辛苦をもって、この神秘をお示しくださったのであります。読んでくださってありがとうございます。yui小さき花-第4章~5

  • 「聖母マリアへのまことの信心」(聖グレニョン・ド・モンフォール著) 255-

    「聖母マリアへのまことの信心」(聖グレニョン・ド・モンフォール著)著作権が切れていないので、原文から一部欠の部分をDeepLで機械翻訳しました。検索すると、他のサイトにあるのを発見できると思います。[255]SESTAPRATICA.PerringraziareDiodellegrazieconcesseallaVerginesantissimareciterannospessoilMagnificat,sull'esempiodellabeataMariaDoigniesediparecchisanti.聖母に与えられた恵みを神に感謝するために、福者マリア・ド・ワイニや何人かの聖人に倣って、しばしばマニフィカトを朗読します。IlMagnificatèl'unicapreghierael'unicaoperac...「聖母マリアへのまことの信心」(聖グレニョン・ド・モンフォール著)255-

  • 「聖母マリアへのまことの信心」(聖グレニョン・ド・モンフォール著) 229-254

    「聖母マリアへのまことの信心」(聖グレニョン・ド・モンフォール著)著作権が切れていないので、原文から一部欠の部分を機械翻訳しました。検索すると、他のサイトにあるのを発見できると思います。[229]NellasecondasettimanasiapplicherannointutteleloropreghiereeazioniquotidianeaconoscereMaria.ChiederannotaleconoscenzaalloSpiritoSanto.Potrannoleggereemeditareciòcheneabbiamodetto.Reciteranno,comenellaprimasettimana,lelitaniedelloSpiritoSantoel'Ave,stelladelmareei...「聖母マリアへのまことの信心」(聖グレニョン・ド・モンフォール著)229-254

  • 小さき花-第4章~4

    ところが、この時、私は一生涯の中において、一番優れた一つの恩寵を受けました。私はその時まだ今日のように、天の光を浴び心が照らされておりませんでしたが、「唯一の真の榮譽というのは永遠に続くところの榮譽であって、これを受けるには強いて優れたわざをするとか、人目を惹くような事をする必要がない、ただこれに必要なのは、却って反対になるべく一目を避けるよう、また自分自身にも知られないようにして、ただ天主さまのために力を尽くすという事である」という事を悟されました。それで私は榮譽を受けるために生まれた者であると思い、この目的に達する方法を探しておりますと「私にとっての榮譽はこの世間の人々の目に現れない榮譽であって、聖女になるに限る」というお諭しをも受けました。その時分、私は殊に欠点の多き者で、また数年間修道院生活をしている今...小さき花-第4章~4

  • 小さき花-第4章~3

    私は英雄豪傑の事柄の書いてある書物を読むときに、折々人生の真の方面を充分に悟る事が出来ませんでした。そしてこのフランスの英雄・女傑・ことに聖女なるジャンヌダルクの事柄を読んで、深くその愛徳的動作に感じ、これらの人々に倣いたいという望みが起こりました。読んでくださってありがとうございます。yui小さき花-第4章~3

  • 小さき花-第4章~2

    また、私は御絵を見たり、読書をすることが楽しみでありました事を申し上げませんでしたが、ポリナから見せて貰いました美しく綺麗な御絵のおかげで、私に善徳を行う為に余程励みとなり、一番愉快な喜びと強い感じを以って徳を行う心を引き起こさしめました。これを見ながら時間が経つのを忘れてしまいます。特に私等の愛の激しさのために囚われた聖子の絵…即ちイエズス様を愛する霊魂が小さき花にかたどられ……聖櫃の中に在すイエズス様と共に描かれている御絵などを見て、精神が恍惚となって、ああ私もこの小さき花のごとく、清く身を捧げてイエズス様を慰めたい、聖櫃に近づいて御眼差しを受けたい、そして御手づから育てられ、摘み取られたいような心地が起こります。また私はあまり遊ぶことを知りませんでしたから、読書を何よりも楽しみとしておりました。幸いにも姉...小さき花-第4章~2

  • 聖ラファエラ・マリアの伝記 リンク先を 修正

    聖心侍女修道会の創立者聖ラファエラ・マリアの小伝と伝記が公開されていて無料で読む事が出来ます。御存じのない方もいらっしゃると思いますので、ご紹介させていただきます。以前ご紹介したのですが、場所が修正されています。聖心侍女修道会日本管区から、入って頂きまして、共同体私たちの歴史聖心侍女修道会の歴史に小伝があります。伝記は、こちらにありました。「いしずえ」という邦訳です。以前は、本の表紙があったと思うのですが、いまは無くなっています。霊的手記は、こちらにありました。「神とのかたらい」という邦訳です。お忙しい中を、ブログにお越しくださいまして、ありがとうございます。yui聖ラファエラ・マリアの伝記リンク先を修正

  • 小さき花-第4章~1

    ここで私はポリナが「カルメル会修道院」に入って後。最初に訪問した時の事を思い出しました。この愉快な日の朝、もし後に私がこの修道院に入るならどういう名をつけられるであろうかと思いました。ここには、今一人イエズスという童貞がありますから同じ名をつけることが出来ませんが、私はどうしてもテレジアという美しい名を改えたくない…と考えているなか、ふと深く愛しておりました幼きイエズス様の事を思い浮かびましたので、おお、それよ、もし私が「幼きイエズスのテレジア」と呼ばれるようになるならば、どんなに幸せであろうかと想いに耽っておりましたが、そしてこの希望を、母様に打ち明けないように注意しておりましたのには、その時私との談話の中「私の愛する小さき娘よ、あなたが私等の仲間に入るとき「幼きイエズスのテレジア」と命名しましょう」と仰せら...小さき花-第4章~1

  • 小さき花-第3章~19

    この悲しみ、苦しみか、天主様の特別な試しであったか、或いは悪魔の仕業であったか、それは確かに聖主の聖寵であったに相違ありません。何となれば、姉マリアがテレジアが治ったと叫びましたとき、その顔が光り輝きその至誠の籠ったる容姿、不思議にも超自然的の光を持っておりました。それは疑いもなく、聖母マリアが現われなさったごとく深く感ずるのであります。読んでくださってありがとうございます。yui3章ここまで、次から4章小さき花-第3章~19

  • 小さき花-第3章~18

    敬愛なる母様はちょうどそこに居られまして、どれほど私を親切に迎えてくださいましたでしょうまだご存じでいましょう。その時他の修道女にも会いまして、私の全快したことにつき、いろいろの事を彼女らが訊ねました。ある人は「聖母マリア様が幼きイエズス様を抱いておられましたか」とか、ある人は「天使が随いておられたか」とか、口々に訊ねました。私はこれらの問いによって心が乱れ心配するようになりましたので、ただ一言「聖母マリア様は至って美しき御方に見えました。私の方に進まれて微笑をされたのを見ました」と答えたのであります。しかし修道女達は直美続いて、他のいろいろの事を考えだすのを見て、私が偽りを言ったのではなかろうかと思われるのではあるまいか、ああ、私はこの秘密を保ったならば幸福をも失わなかったろうにと、しかしこの苦痛、心配は聖母...小さき花-第3章~18

  • 小さき花-第3章~17

    私は病気全快の後「カルメル会」に入った時、小さきポリナが聖母の会の服をつけて居られたのを見て非常に愉快に感じました。二人のため、いかに喜ばしい瞬間であったでしょう。そしてその時互いに話すべきことが沢山ありましたが、二人とも余程苦しんでおりました胸が一杯になり、いろいろの感情のために話の出来かねた程であります。読んでくださってありがとうございます。yui小さき花-第3章~17

  • 小さき花-第3章~16

    マリアは、私が前に申したように、聖母は、ただ私の病気を治したばかりでなく、なお何か神秘的の恩寵を与えてなさったに違いないという事を、深く信じまして、私とたった二人になった時、彼女は深切に何回も繰り返し繰り返して頻りにその事を問い質しますので、私はこれを答えずにおられぬようになりました。そしてマリアが私にかかるこの秘密を、まだ一言も云わない前に知っているのは不思議である、と思いましたので、遂に私は何事も隠さず詳しく打ち明けてしまいました。ああ、ここにおいて私は先に誰にも語らないと決心したことも水の泡となり、折角得た幸福も思った通り悲しみと変りました。そしてこれから後4年というものは、この大いなる恩寵を思うたびに、私の霊魂上に、大いなる悲しみを与えたのでます。のち、私がパリ市に行き「勝利の姫君」の天主堂に参りました...小さき花-第3章~16

  • 小さき花-第3章~15

    私は心の中に「聖母マリア様は私の方に進まれ、私に向って微笑まれた、ああ、何という幸いな者であろうか、このうえは、この大いなる恩寵を秘密にして誰にも語らず、もし他人に語るならば、この幸いがなくなるから」と、そしてこの奇妙に感じて後、自然に眼を下げましたが、その時始めて長姉のマリアを認め知ることが出来ました。彼女はなにかに感動されたような愛の目をもって私を見ております。そしてちょうど私は聖母から恩恵を受けたことを察しているように見えました。まことに聖母の微笑みなさった何とも言えない恩寵を受けたのは、全く彼女の熱心な祈祷のおかげでありました。彼女は私が聖母の御像を見つめているのを見て「テレジアが治った!」と思っておりました。実際その通りこの「「小さき花」は聖母の温かき恩寵によって生き返り、恐ろしい敵から救い助けてくだ...小さき花-第3章~15

  • 小さき花-第3章~14

    この九日間中、窓の下で書物を見ているレオニアと一緒に私を残して、マリア一人庭園に出ました。私はしばらくするとマリアマリアと小さい声で呼びましたが、傍にいるレオニアはこういう声を聞きなれておりますので、別段気に留めません。それで私は大きな声で再びマリアを呼びますと、今度はマリアが帰ってきました。その時私は確かにマリアが部屋に入るのを見たのですが、どういう訳か急に妙な風になって、その人がマリアであるかどうか、はっきり分からないようになりました。そこで私は側を見たり庭や窓の方を見まわしているうちに、強いられたように、思わずまたマリアマリアと叫びました。これは実に何とも言えない苦しみでありましたが、恐らく側にいたマリアは私よりも一層苦しんでいたでしょう。それで彼女は私はマリアですと言いながら、是非その事を私に悟らせよう...小さき花-第3章~14

  • 小さき花-第3章~13

    わたしはこうして病床に就いておりましたが、少し良い時には雛菊や瑠璃草を以って美しきサツキの中央に聖母のために花冠を造るのを楽しみとしていました。時は皐月の中半で自然界は春の花で飾られているのに、ただ一つこの「小さき花」が病気のために、色が褪せて衰えるほど萎んできました。しかし私の寝台の傍の一つの星…即ち天の元后の不思議な御像がありましたから、この小さき花が度々その花冠を愛すべき星のほうに向いておりました。ある日、父は私の部屋に入って来られましたが非常に心配した様子で姉マリアのほうに進み「今すぐにパリのノートル・ダム・デ・ビクツアール(勝利の姫君)の天主堂に書簡を出し、この小さき女王の全快を願うために、9日間のミサ聖祭を捧げて貰うよう、願いなさい」と申しました。ああ、私はこれを聞いて父の篤き信仰と愛情をいかに深く...小さき花-第3章~13

  • 小さき花-第3章~12

    しかし、天主様は、このような悪魔に対して私に近づく事を許されると同時に、見える天使等を遣わして私を慰め強めてくださいました。すなわちマリアは私の側をしばらくも離れず、退屈するような風も現さず、心を籠めて厚く世話をしてくれました。それゆえ私も彼女を慕い、食事の時に乳母が代わって来てもマリアマリアと呼び、ただミサに与る為とか、ポリナを訪問に行く時よりほかは決して外出する事を黙っておりませんでした。またレオニアも小さきセリナも私に対してどんなに親切に尽くしてくれたでしょう。日曜日には愚かなものに似ている哀れな貧しい子供を連れてきて、私を慰める為数時間部屋に閉じこもっていました。なおまた叔母も私に対して深い愛情を以って毎日いろいろの見舞い品を持って私を訪ねてくれます。この病気中は叔父と叔母に対して私の慈愛がどれほど増し...小さき花-第3章~12

  • 小さき花-第3章~11

    アグネス童貞となったあなたの着衣式が近づいてきました。叔母や姉達は私がその日式に与ることが出来ないから、そのような話しを聞かせると嘆くであろうと思い、私の前ではわざとこの話しを避けるようにしました。しかし私は心の中に「天主様は必ずこの日ポリナに逢わせてくださる」という事を深く信じておりました。なぜならば憐れみ深き聖主キリストは、ポリナが最早私の病気の事を知って大いに心配しておったから、この愉快な日に私の顔を見ることが出来なければさぞ辛い事であろうと思し召され、必ず私がその式に与ることが出来るよう、取り計らってくださるに相違ない」と思ったからであります。ところが果たしてその当日、私は幸いにも美しく純白な被いを受け、、純白な修道服を着ている清きポリナを眺める事が出来、その笑顔を観ることが出来、なおその膝の上に抱かれ...小さき花-第3章~11

  • 小さき花-第3章~10

    この年の末、絶えず頭が痛みましたが、さほどの事もありませんでしたから、辛抱して翌年の御復活の祝日まで学校に通いました。そのころ父は姉達と共にパリ市に赴かれたので、セリナと私の二人が叔父の家に預けられておりました。ある夜、叔父と私の二人が家に残っておりました時、叔父がふと私の母についての事柄を、いろいろと非常に愛情深き言葉を以って話し聞かせてくれましたので私は痛く感動して涙を流しました。すると叔父は私が年齢が若いにもかかわらず、感情の激しい者であるとさとって心配せられ「夏休みの間いはいろいろ気晴らしをさせてやろう」と申されました。しかし天主様は私に対して、他の聖慮があったのであります。この夜、私は頭の痛みが激しくなり、夜通し身体が妙にふるえました。叔母は本当の母親のように片時も離れず、この病気中、非常に親切に介抱...小さき花-第3章~10

  • 小さき花-第3章~9

    この10月2日の午後、私は父と共に「イエズスのアグネス童貞」という名に代わった親愛なる姉のポリナを訪問して修道院の鉄格子のうちにいた彼女たちに面会しました。おお、私は彼女の応接場にどれほど辛い感じがしたでしょう。私がいま自分の霊魂上の履歴所感を述べるのですから、何事も隠さず申すはずですが、日頃何事も小さき母に心を打ち明ける習慣となっていた私に対しては面会ごとに父や姉が話してから僅か2・3フンしか与えられませんから、涙が先立ち、胸が塞がって話が出来ずに帰ってしまいます。私は度々30分間、各々に許されても良いのになぜ父や姉に長く許して、私のために少ないのであろうか……どうもその理由が分かりませんでしたから、心の中に「最早、私にとってポリナは無くなったのである」と囁きました。その苦しみの中に、私の精神は非常に発達して...小さき花-第3章~9

  • 小さき花-第3章~8

    1882年10月2日が来ました。私は涙を流した日、また恩寵を受けた日でもあります。この日聖主は一番初めの花(ポリナ)を摘み取られ、この選り抜きの花はわずかの年月の後、その妹たちの母様になる筈であったので、父はこの最初の犠牲を捧げる為叔父と従姉のマリアを連れて「カルメル山」に登られ、私は叔母や他の従姉妹等と共に、ミサ聖祭に与るため聖堂に行きました。その入口で私等の眼が皆湿っているのを不審そうに観ましたが、私はなお悲痛に堪らず涙を流しながら「どうして対応が、まだこの世界に輝くことが出来るのかと想いました尊敬する母様、私はこの悲しみをあまり誇大にすると思いなさるかもしれません。無論、この離別は私を異様にまで悲しませるはず出なかったという事は今よく悟っておりますが、その時にはまだ私の霊魂がよく熟達しておりませず、私は平...小さき花-第3章~8

  • 小さき花-第3章~7

    この小さき母ポリナは、どれほど深い親切で私を慰めてくれたか、決して忘れません。彼女は私に修道生活の説明をしてくれました。そうしてある夜、私は彼女から聞いた話をいろいろと思いめぐらして「カルメル会修道院は、天主様が私を隠すために選んでくださった沙漠である」という事を感じました。この感じは、私の心に少しも疑いを残さないような強い感じでした。豹変しやすい子供の空想ではなく、確かに天主様に招かれたのであるという強い感じでした。これによって大いに心の平和を覚えました。翌日、私は私の希望をポリナに打ち明けましたところ、ポリナは「これは必ず天主様の聖慮(おぼしめし)であろうから、修道院長にこの事を願うため、日曜日に「カルメル会」に連れていこう」と約束してくれました。その日になって、意外にも、従姉のマリアも私たちと共に修道院に...小さき花-第3章~7

  • 小さき花-第3章~6

    これからお話ししなければならない事は、私の悲しい別れ……胸も砕けんばかりに辛かった事です。私の深く愛していた第二の母ポリナが、イエズス様の招きに応じて修道院に入った事です。ある日私はポリナに向かって「私はこの世間を離れて、あなたと一緒に遠い沙漠に行きたい」という事を申しますと、ポリナは「私も同じ希望を持っているから、あなたが大人になるのを待って、一緒に行きましょう」と答えました。もちろんこれは実行される事ではありませんでしたが、小さきテレジアは真面目にこれを信じて喜んでおりました。ところがポリナは間もなく「カルメル会」に入るという事を、姉マリアに語っているのを聴いたときの私の心の苦しさ、悲しさ!私はまだ「カルメル会」とは何か、少しも知りません。が、ポリナは私が大人になるのを待たないで、ある修道院に入って私と別れ...小さき花-第3章~6

  • 小さき花-第3章~5

    ある晩、姉がセリナに向かって「初聖体を受けてからは全く新しい生活をしなければなりません」という事を話しているのを聞いて、私は初聖体を待たずに、これからセリナと共に新しい生活を始めようとしました。セリナは初聖体を受ける準備として黙想をするため、童貞の寄宿舎学校に行って家に帰りませんでしたので、その間私はセリナの帰りを待ちかねていました。そのうちにいよいよセリナの初聖体の喜ばしい当日が来ました。その時私はこれはちょうど自分が初聖体を受ける準備であるかのように想い、大変に愉快な感じがいたしました。ああ、この日私はいかほど多くの恩寵を受けたか、いまだにこの日を生涯中の喜ばしい日の1つのように思います。それなので、この忘れがたいことについて、少し後戻りした次第です。読んでくださってありがとうございます。yui小さき花-第3章~5

  • 小さき花-第3章~4

    ここでちょっとセリナとの新しい関係をお話ししましょう。このリジュー市に来てから二人の仲は、以前とは反対にセリナは小さな腕白者となり、テレジアに至っては柔和な娘となり、また大変な泣き虫になったのです。それでこれを保護する人が必要でしたから、いつもこのセリナはその腕白をもって妹を保護していました。またこの二人はたとえわずかなものでも取り遺して楽しんでいました。その時に私たちの霊魂はまだ作られたそのままの美しさで、ちょうど朝露を受けるのを望んでいる春の花のように、また、この花が暖かく緩やかな風を待って咲くように、いかにも望み多く歓喜の多い境遇でした。そしてこの歓びは相互であるという事を、親愛なるセリナの喜ばしい初聖体の日に、一層よく感じました。その時私は7歳で、まだ寄宿舎に入る前でした。セリナの初聖体の覚悟の思い出は...小さき花-第3章~4

  • 小さき花-第3章~3

    私との子のマリアの二人は時々叔父の家で、小さな野菜畑と小屋だけで、祈りと苦業に身をゆだねる隠遁者のような真似をしていました。それはいかにも真面目で、何事も心を合わせて沈黙を守り、一心に祈り黙想をしました。そしてもし何かの用事が出来て他人から呼ばれた場合には、残った隠遁者が変わって祈りをするというように代わる代わる用事を済ませつつ、祈り黙想を続けて、散歩のために市中に出る時も歩きながら祈り、また人目につかないようロザリオの代わりに小さい指を折り数えて、天使祝詞を誦えておりました。ある日、この小さき隠遁者テレジアは、施しとして僅かのお菓子を受けましたので、これを食べる前に十字架のしるしをしました。数人の無宗教者があざ笑いましたが、少しも頓着しませんでした。また、二人の希望の一致がときどき極端なまで走る様なことがあり...小さき花-第3章~3

  • 小さき花-第3章~2

    毎週木曜日は学校の休日でした。しかし、この休暇は、ポリナと一緒に物見台で過ごしたような休みとは、だいぶ違っていました。私は他の生徒の様な遊び方をあまり知りませんから、彼女たちが気に入らないだろうと思って、出来るだけ彼女たちに習うように努めましたが、全くのダメでした。それで、私はいつも離れないセリナと、もう一人いつも私の好きな遊びをしてくれる従姉のマリアを探して、共々に遊んでいました。彼女たちと私とは意志も希望もよく一致して、ちょうどこの後、天主様が「カルメル会修道院」の中で、同じ生活をさせるという事を、前もって知らせてくださったかのようでした。(訳者:この従姉のマリア童貞は1895年8月15日「カルメル会」に入りました。そして「聖体のマリア童貞」と命名されて誓願を立てて、殊に貧窮と堪忍の徳が現れていました。最後...小さき花-第3章~2

  • 小さき花-第3章~1

    小さき花-第3章~1姉レオニアが学校の寄宿舎を出た時、私は8歳6か月でしたから、すぐに代わってリジューのベネディクト会の修道女院に入りました。同じクラスの生徒はみな私よりも身体が大きく、そのうち14歳になる一人の生徒は、知恵が鈍いにも関わらず、いつも他の生徒の頭領となって腕白を極めていました。私はいたって幼く、また試験の成績がいつも一番で、先生(童貞)達にも可愛がられていましたので、絶えず彼女たちにねたまれ、いろいろな方法で苦しめ困らされていました。私は内気な性格の上に、身体も弱いほうでしたから、抵抗する事も、言い訳する事も出来ずに、ひそかに泣いていました。その憂いを、セリナや姉達にも告げませんでした。このような些細な事を耐えるのに充分の善徳を持っていませんでしたから、私の心は大いに苦しんでいたのです。幸いにも...小さき花-第3章~1

  • 小さき花-第2章~11

    私は、6・7歳の頃、はじめて海を見ました。ああ海!海!この海の光景は幼い私の心に深い深い感動を与え、少しも目を離すことが出来ませんでした。広々とした大海原、荘厳な景色、美しい波の花、一つとして私の霊魂に天主様の偉大な事、全能であることを告げないものはありません。私はそのとき父に伴われて、浜辺に立ってこの荘厳な景色を眺めていますと、そばにいた二人の人が馴れ馴れしく父に向かって「こちらは、あなたのお子さんですか……、大層美しい小さなお嬢さんで……」と挨拶しました。父はこの子供の前で、そんなに誉めてくださるな、というような目付きをしました。私は自分では愛らしく思いませんから、姉達は私の子供らしい、無邪気と質朴を失わせるような言葉は決して用いませんでした。父から今の言葉を聞いて、この知らない人々のいう事を別に気に留めま...小さき花-第2章~11

  • 小さき花-第2章~10

    ああ、天主さまはいかに愛深い御方でありましょうか。いかに憐れみ深い御方でありましょうか。主は苦難、試練を与えるとき私たちの能力に釣り合うように計らってくださいます。本当にその時、私はいつか父が死ぬだろうという事さえも恐れずに考える勇気がなかったのです。ある日、父が梯子の上部に昇り、私はその下に立っていました。すると父は「私のちいさき女王よ、もし私が上から落ちたなら、お前を押し潰してしまうから、早くそこを逃げなさい」と言いました。早速、私は心に反発を感じて、そして梯子の下に近寄って、こう思いました。「もし、父が落ちたなら、私と父は一緒に死ねるのだから、私は父の死ぬのを見る苦しみも悲しみもない」ですから、なおさらそこを動きませんでした。実際、私はどれほど深く父を愛していたか、とても、これを言い表すことが出来ません。...小さき花-第2章~10

  • 小さき花-第2章~9

    その時、姉マリアが、あなたと一緒に隣の部屋に居りましたが、私は大きな声で「お父さん、お父さん」と呼んだ変な声を聞いて、不審に思い、恐れの念を懐いて、長女のマリアは自分の驚きを隠して「あなたはなぜお父さんを呼ぶの?今アランソンに行っておられるのに」と諭すように話したので、私は今見た一切の事を詳しく話しました。すると姉は、私に、安心させるため「それは大方、うちの乳母が、前掛けで頭を隠して、あなたを怖気させるためにしたのでしょう」と話しました。乳母はその時刻は台所にいましたから、乳母ではありません。男性でした。確かに父に似ていました。そして、みんな一緒に庭に降りて松林の中に行きましたが、何も見当たりませんでしたので、姉達は「もうそんなことを思ってはいけません」と申しましたが。私はどうしてもこの事を忘れることができず、...小さき花-第2章~9

  • 小さき花-第2章~8

    私の平素の行いと、自宅の勉強の成績によって、毎年一度、褒美を受ける賞品授与式がありました。私はいかなる喜びをもってこの式が来るのを待っていたでしょうか。ただ私一人で別に競争する人もいませんが、その褒美は実に公平なもので、行いの善悪、勉強の熱心・不熱心が詳しく調べられていました。この日、私は家族一同が集まっている面前に出て、父から種々の成績が発表されるのを聞き、終わって褒美を受けるのですが、これはちょうど私の公審判の象り(かたどり)であるかのように思う事の度に、胸騒ぎがしていました。ああ、その時父は、いつもにはない歓びの顔をしているのを見て、後に、この父が大いなる苦難に遭わなければならないというような事を少しも思いもよりませんでした。でも、ある日、天主さまが私に不思議な幻をお与えになって、父が後に受けなければなら...小さき花-第2章~8

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