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ひたすら文学を研究するブログ http://www.kikikikikinta3.com/

文学研究やってます! 今はタクティクスオウガの研究に勤しんでおります。 ゲームばっかしてます。

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野々村聡
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2019/08/26

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  • 「こころ」/夏目漱石についての読書感想文その31(バグ)

    ということで前回からですが、バグと文学との関連性についてですけど、これに関しては非常に根の深いところがあるように思っています。例えばですが、次の例ですね。 子ザルが死んだ後も母ザルが死体をミイラとなった後も背負い続けるという話です。 https://www.pri.kyoto-u.ac.jp/press/20100427/index-j.html…

  • 「こころ」/夏目漱石についての読書感想文その30(矛盾の話)

    本当に感想文チックになってきましたが、まあこういうのもいいかと思いつつ。いろいろな感想とかあって、それがあてずっぽで見当違いのものであったとしてもまあ「枯れ木も山の賑わい」みたいなもので、あって参考になることはあってもマイナスになることはないかなと勝手に考えてます。 ・ということで「こころ」の感想文を外れて私の経験談になってますが、私もそれについて今一つよくわかっ…

  • 「こころ」/夏目漱石についての読書感想文その29(「こころ」は薬足り得るか?)

    あーまだこの「こころ」というお話を誤解していたなと。誤解というより誤読だし、客観的にだのやれ評論だのといった話でしようと思ったら、それは確かに必要ではあるけど、しかしまだ誤読し続ける。もっと主観的であり経験的に語られなくてはならない、そういうものがあったことにすら気づかずにいるなと。 ということで、この先生の経験はオレの経験そのものだなと思ったわけです。 …

  • 「こころ」/夏目漱石についての読書感想文その28(続卑怯)

    卑怯について前回書いたが、これはもしかするとけっこう本題からは外れるものかもしれないなあと思いつつも。 まあ読書感想文なので別にいいかと(笑) ・卑怯ということに関して言えば、そもそも「人は卑怯なようにできている」ということと「その卑怯な生を生きない」という卑怯があるということで前回書いた。さらには先生が御嬢さんをかっさらうという具体的な卑怯もあるにはあ…

  • 「こころ」/夏目漱石についての読書感想文その27(卑怯の種類)

    ということで終わりにして次のテーマに進もうと思ったらちょっと思いついたことがあるのでまとめることにする。 先生とKとの卑怯の差異について。 ・先生の卑怯というのは具体的にはKに打ち明けられているのにも関わらず、奥さんに言って御嬢さんをもらったことだと言える。卑怯な真似をしてかっさらってしまった、そしてそのことが誰かにバレはしないかと怯え、Kの死後にもその意…

  • 「こころ」/夏目漱石についての読書感想文その26/本当に感想文

    今回は本当に個人的な感想文です。 ・一冊目が書き込みだらけで読めなくなったんで、買いに行ったら一冊も置いてなかったのにビビりました(笑)そんなに売れているのか、はたまた本屋さんが仕入れを忘れているのか怠っているのか(笑) ・そもそも文学なんてものは役に立ってナンボだなって感じが強くあります。「こころ」だってそもそもたまたま読んでいたから再び手に取ってみた…

  • 愛についての考察

    「愛について」なんて書くと急に真面目な顔して肩ひじ張って話さなくてはならなくなるかのような印象がありますが、別にだらだらしながらでもあくびしながらでも大丈夫です(笑) ただこの現象っていうのはちょっと病的だよなあって話で。 愛って言葉に関わる時、なんで我々はこうも病的にマジメになるんだろうかって話です。 ・「愛」ってことについて話すと、時たま「…

  • 「こころ」/夏目漱石についての読書感想文その25(先生についてのまとめ)

    ということでまとめますと、Kの死の時点では先生の内にあったのは一過性の不安、一過性の罪悪感、そして強烈な依存心(そしてすっころばされた依存心)といったものだと言えるのではないかと思います。 一過性の不安というのは、先生がズルしてしまったことによる不安であり、それがKにばれやしないかと怯えるような性質の不安です。 一過性の罪悪感というのはそれとかなり近いもので、…

  • 「こころ」/夏目漱石についての読書感想文その24(先生の内にある依存心)

    ということでKは別に悪感情を持っていないし、無関心とその空虚さの中で自殺したということを書きましたが。そうなると残される先生と御嬢さんは結婚するし、別に幸せになるなら思い残すこともないなと。そのことを本当に喜ぶものであったにせよ、それ以上のわだかまりなどというものは死ぬ直前にはなかったのではないかと考えられるかと思います。そのぐらいすっぱりと割り切れていた。 とこ…

  • 「こころ」/夏目漱石についての読書感想文その23(Kの死についての分析)

    ということでしばらくKは実は先生や妻に対して強いわだかまりを残していたんじゃないか、悪感情をたくさん残したまま死んだんじゃないかという立場から書いてみましたが、残念ながら行き詰まりました(笑) そうやって物語をさかのぼっていくと、いろいろと辻褄が合わないことが多々あることが分かってきます。書いていると実はけっこうおもしろかったんですが(笑) ・Kという男は…

  • 「こころ」/夏目漱石についての読書感想文その22(叔父に執着していた先生の醜さ)

    これはもう本当に感想だけになりそうですが、「執着」ということがこの話の根に繋がるところがあるように思います。先生はものすごく執着しているし、こだわりがある。過去のことであり、叔父との関係のことが常に先生の念頭にあるんですが、その執着という流れは物事の経緯をすっ飛ばすだけの力があるなと思いますし、ある意味物事の流れであり経緯というのと同列に並んでいる、いやもしかしたらそれ以上かも…

  • 「こころ」/夏目漱石についての読書感想文その20(からくりを看破したK)

    こうして今までは一体なんだったんやというくらいに見方をがらっと変えて書こうと思いますが、こうなるとKについて書くことが増えるようになるというのは恐らくたまたまではないなと。先生側からの見方が多いというのは偏っているということでしょうし、普通ならもう書くことのないK側からの視点というものを意識できるということが見方が変わっているということでもあると思います。そもそもが「単発であり…

  • 「こころ」についての読書感想文その19

    ということでここまでで先生の経緯であり流れというものを意識して書いてきたのだが、ここにきて違和感を感じ始めるようになってきたのでそれについて書くことにする。今までの話は一体何だったの、というくらいの変わり様なんだけどまあそう思っちまったんだから仕方がない。 違和感というのはKの死についてのものだ。 Kの死は失恋死ではない。この先生の感想であり主観的な見方…

  • 「こころ」についての読書感想文その18

    先生はKの死をきっかけとして内面的には破滅した。じゃあ、これは元に戻るようなものなのだろうか。回復可能なものかどうか、というのは非常に重要な基準だと思える。要するに最終的には「殉死」で死なねばならないようなものだったにせよ、ある時に「こうしたら直りますよ」と言われて直るようなものであるならば、そこまで心配する必要はないしそもそもこの「こころ」は「こころがいずれ回復する話」というこ…

  • 「こころ」についての読書感想文その21

    ということで前回書いたように、Kの内心にある祝福とは真逆な気持ちとしての呪詛(じゅそ)ということは重要でしょう。Kは意図的に先生に先手を打った、ところが先生は先生で先生の考え得る限りの手でKに反逆したし、Kの方ではそれがあまりにもセットになっていすぎるがゆえに看破した、というのが前回の話です。 ところで、先生の言葉を借りて言えば奥手で慎重なはずのKが心を打ち明けるということは、それには…

  • 「こころ」についての読書感想文その17

    生の意義、即ち有意義か意義がないか(有意義とはいうのになぜ無意義とはいわないのだろう、と思ったら、調べたら普通に出てきたので無意義という言葉を使う)、という基準から見ればKの死というのはあまりにも意義がない。優秀で、いくら前途有望でも死んでしまったものはもうどうしようもない。それを思えばKの死をもたらしたその大本に当たるところのKが従っていた教義というものがいかに素晴らしく、いかに…

  • 「こころ」についての読書感想文その16

    自分で思っておいてなるほどと思ったのは、この先生って人はKの死後であり物語の終盤に破滅しているわけです。その破滅というのは生活的なもの、経済的要因においては全然破滅していない。それこそ働かなくていいどころか「自分の死後残された妻が生活に困らないほど」の余裕があるわけですから、まあかなり裕福な側だと思って間違いない。そうではなく、先生は内面的な意味合いにおいて破滅しているわけです。…

  • 「こころ」についての読書感想文その15

    ・書く内容はあるんだけど、前回前々回とかと内容がかぶる →あーめんどくさいな、はしょろうかな →言わなくてもわかるでしょ →そもそもほとんど書かない →書かないといけない前段階がないから書けない →めんどくさいからはしょる 的な流れになってガンガン削ってそもそも何の話をしているかわからなくなる的な流れがあるなと思った…

  • 「こころ」についての読書感想文その14

    ということですが、あまり書く内容がなくなってきたので(笑)とりあえず箇条書きにしてまとめておこうと思います。 ・前回とも重なるが、五十三のくだりにはこう書いてある。 「自分が最も信愛しているたった一人の人間すら、自分を理解していないのかと思うと悲しかったのです。理解させる手段があるのに、理解させる勇気が出せないのだと思うと益悲しかったのです」 …

  • 「こころ」についての読書感想文その13

    最後の五十六にはこうある。 「私は妻を残していきます。私がいなくなっても妻に衣食住の心配がないのは仕合せです。私は妻に残酷な驚怖を与えることを好みません。私は妻に血の色を見せないで死ぬ積りです。妻の知らない間に、こっそりこの世から居なくなるようにします。私は死んだ後で、妻から頓死したと思われたいのです。気が狂ったと思われても満足なのです」 最後の最後ま…

  • 「こころ」についての読書感想文その12

    奪い合いの先に答えはあるのか、譲り合いの精神が大切なのか、それともそれらの複合形か……まあ究極を言えば「臨機応変」ってことになりそうですが、具体的にそれがどういう形になるのかはわかりませんね(笑)そもそも、奪い合い人はガンガンいくでしょうし、譲り合う人は下がる一方でしょう。それを思えば、「ベストな形は臨機応変だよ」なんて言ったところでそんな器用なことできる人がこの地球上に果たして…

  • 「こころ」についての読書感想文その11

    ということなんだが、今日は別に「こころ」の本文に入らずにグダグダと考えてみることにする。 まあ読書感想文なんだから、正解らしき正解なんてのを追究しなくたってたまにはいいだろう。ほっといても追究したくなるのはやまやまなんだが(笑)まあ正解といえば、Kの自殺の原因は失恋ではないのではないかと先生が思う(一読者として私も思う)だけの話で、失恋のせいじゃないって確固たる証拠…

  • 「こころ」についての読書感想文その10

    前回は国語的な読書と文学的な読書は違うという話を書きましたが。客観的ということを突き詰めていくとどこかで主観的なこととか個別具体的なこと、特殊な事というのを含めていくという方向性が必要になってくると思います。そもそも客観的なことということでさえ、その元は主観であるということです。主観的なものの集まりが客観を作る以上、「主観的だ」ということは客観を形作る石垣になりはするでしょうが…

  • 「こころ」についての読書感想文その9

    ・国語と文学の決定的な違いというのはどこにあるかと言われれば、恐らく意味性においてだろうなあと思います。 例えば「ば」「か」「ち」「ん」なんて四文字並べたところで、これが海外の日本語学習者にとってはいくらやったって「ば」「か」「ち」「ん」と繰り返すだけでしょうし、それは別に私たちだって英語の単語帳を開いて似たようなことをやっているわけです。「dictionary」とあっても「で…

  • 「こころ」についての読書感想文その8

    ・毎日定期的に書こうったってそうポンポン浮かんでくるわけねえだろうがと思いつつも、いざやってみるとポンポン浮かんできたりするからある程度定期的かつ強制的に見返してみるってのは意外と有効なのかもと思いつつ。 ・Kの死について先生はどう思うのかについて知りたい場合は317ぺージ末、五十三の末あたりに次のように書いてある。 「同時に私はKの死因を繰り返し繰り返し考…

  • 「こころ」についての読書感想文その7

    ・この「文学的な」範疇の話ってのがいかに理解され難いかというのは、そもそも普通の話であり普通の次元の話であるとは言い難いところに発していると考える。恐らくはこの世界の「普通」の次元というのはまあそりゃあ普通であり、特殊な範疇に別に入らなくても一生生きていける、そしてその特殊な「穴」みたいなものに落ち込むことさえなければ別に何事にも気づくこともなく一生を終えることは十分可能なのだ…

  • 「こころ」についての読書感想文その6

    ・大学の頃図書館に毎日通っていましたが、その頃思っていたのは、図書館というのは昔からの偉人たちの叡智であり、やって来たことの結晶、そしてその集まり、ということになるのでしょうけれど、その大学に山ほどある本で、自らの内にある疑問、不満、そうしたものを満足させられるというのはいかにも幸せなことだなと。でももしも、その不満をもしも満足させることができなかった場合はどうなのか。それは不…

  • 「こころ」についての読書感想文その5

    ・正直上はそこまでいらん気がするのではしょります。 ・下が始まって短い期間、先生と叔父さんの描写が続く。 「何も知らない私は、叔父を信じていたばかりでなく常に感謝の心をもって、叔父をありがたいもののように尊敬していました」 こうして先生の叔父に対する気持ちというのは圧倒的にプラスの気持ちであることが明かされる。 ところがこの「叔父夫…

  • 「こころ」についての読書感想文その4

    Kの自殺に大した意味がない……ということは重要だと思う。これは我々の盲点を衝いており、我々は「あの優秀で前途有望なKが自殺をした、となるとそこにとんでもなく重大な動機があるはずだ、じゃあその秘密を解明しなくては」となるようにできている生き物だと思う。ここでは自殺と動機とがセットになっている。つまり「自殺」という箱が我々の前に示されれば、当然その箱の中身を開けてみなくてはならず、開…

  • 「こころ」についての読書感想文その3

    かつて神風特攻隊で特攻していった後に残された人たちの文章を読んだことがある。ふとその時の事を思い出した。その時はそうは思わなかったし、今となってはよくわかるのだが、その残された人たちの文章というのは非常に無個性的なものを感じさせたことをよく思い出せる。罪悪感というのはもっと個性的なもの、というより個々の内面の問題であるからもっと個性的で一人ひとり違っていてもよさそうなものだ…

  • 「こころ」についての読書感想文その2

    ・Kが自殺した原因については小説内に書かれている通りであり、先生の回顧でも見られるとおりだが、恋愛だけが問題で自殺したとは考えられないというその先生の思いは正しい。何しろきちんとそれはそう書いてあるのだからそれはまさにその通りであり、Kが失恋して自殺したわけではないことは全文を読めば容易に知ることができる。 とはいえ、高校の教科書というのは全文を扱えないのでどうしても切…

  • 「こころ」についての読書感想文その1

    ということで成り行きで「こころ」についてある方が書いた文章を読むことになり、じゃあその前に改めて読んでみるかと開いてみたのだが。これが改めて考えてみると高校以来だから20年近く放置していたことになる。手元にあったのに全く読んでいなかった。これってのは非常に怖いことで、「こころ」とくれば「あれか」と思うわけだけどそれがその「こころ」と全然一致してないどころか本編読めばわかるじゃんと…

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