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認知症診療あれこれ見聞録 https://kotobukireha.hatenablog.com/

日々認知症診療に携わる病院スタッフのブログです。診療の中で学んだ認知症の診断、治療、ケアについて紹介していきます。

きた みちを
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2019/06/25

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  • パーキンソン症状を生じさせる疾患や原因

    前回まで「パーキンソン症状」を主訴に受診された「発達障害」傾向のある症例を3ケースご紹介しました。 今回は「パーキンソン症状」を生じさせる疾患や原因について整理してみたいと思います。 「パーキンソン症状」は「パーキンソニズム」とも呼ばれます。 そしてパーキンソン病によく似た運動症候(パーキンソン症状・パーキンソニズム)を呈する疾患群のことを「パーキンソン症候群」と呼んでいます。 パーキンソン症状を生じさせる疾患や原因には一次性と二次性があり、パーキンソン病ではない神経変性疾患でパーキンソン症状が生じるものを一次性パーキンソン症候群、別の原因疾患によって二次的にパーキンソン症状が生ずるものを二次…

  • 「パーキンソン症状」を主訴に受診された「発達障害」傾向のある症例(その3)

    前回に引き続き今回も「パーキンソン症状」を主訴に受診された「発達障害」傾向のある症例についてお話しします。 3番目の症例は70代の男性で「めまい」を主訴に来院されました。 職業は理容師であり、現在も理髪店を経営されています。 「めまい」は10年前から出現していて色々な病院に行って調べたけれども原因が分からずじまい。 1年前からはさらに「ふらつき」が強くなってきたため当院への受診に至りました。 以下が初診時の問診内容です。 ・10年前からめまいがあって、1年前から強くなってきた。 ・フワフワしたり、クラクラするめまいやふらつきがひどい。座っていると大丈夫だが、立つと途端にふらつく。 ・1年半前に…

  • 「パーキンソン症状」を主訴に受診された「発達障害」傾向のある症例(その2)

    前回に引き続き今回も「パーキンソン症状」を主訴に受診された「発達障害」傾向のある症例についてお話しします。 2番目の症例は「ふらつき」と「もの忘れ」があることを心配して家族に連れて来られた70代の女性です。 屋外独歩は自立しているけれども、階段の上り下りをすると家族から「見ているこちらが怖い」と言われるくらいバランスが悪くなっていると。 また忘れっぽさも出てきて「通帳がない!」などと夫を責めるようなことか出てきたので当院受診に至りました。 以下が初診時の問診内容です。 ・昔に比べると動作が遅くなって姿勢が前かがみになってきた。 ・もの忘れが出てきて、物の名前や日付などが出て来なくなった。 ・「…

  • 「パーキンソン症状」を主訴に受診された「発達障害」傾向のある症例(その1)

    前回はASD(自閉症スペクトラム障害)特性があると軽度のパーキンソン症状を合併しやすいというお話をしました。 今回は明らかなパーキンソン症状があるので各種画像検査を実施したけれども異常所見が認められず、実は神経変性疾患によってではなくASDによるパーキンソン症状だったという実際の症例についてお話しします。 初めの症例は50代後半の男性で妻と2人暮らしで会社の顧問をしており、海外赴任歴が長く、最近までに国内外含めて奥さんと2人で趣味のマラソンを100回以上完走されているという活動的な方です。 最近帰国されてから急に「ふらつく」ようになり、呂律も怪しくなった時期があったとのこと。 それで脳ドックを…

  • ASD(自閉症スペクトラム障害)とパーキンソン症状

    以前ご紹介した「認知症チェックリスト」の項目にもあるように、多くの認知症疾患で「パーキンソン症状」が合併します。 そのため認知症外来においては、軽微なパーキンソン症状であってもいかに見つけることができるかが非常に大事なのです。 そのため当院では認知症外来初診時に問診や神経学的検査、動作観察や書字検査などを通じて患者さんの症状や所見を把握していきますが、「パーキンソン症状があるかどうか」を見極めることも大きな目的の1つになっています。 ただ実際には、わざわざ細かい検査などをしなくても、すぐに「パーキンソン症状がある」と判断できることも少なくありません。 診察室に入室される患者さんの歩き方や姿勢、…

  • 「もの忘れ」を主訴に受診された「発達障害」傾向のある症例(その3)

    前回に引き続き今回も「もの忘れ」を主訴に受診された「発達障害」傾向のある症例についてお話しします。 3番目の症例は初診時40代後半の男性でやはり「もの忘れ」を主訴に受診されました。 妻と幼い子供2人と4人暮らしで、本人は金融関係の仕事をしているが、最近妻から「もの忘れ」がひどいと指摘され受診に至りました。 以下が初診時の問診内容になります。 ・人の名前が出てこない。特に最近会った人。 ・以前に比べて仕事が忙しくなっている。 ・妻から「何回も同じことを聞いて、あなた大丈夫?」と言われる。下手すると10回位同じことを聞いているみたい。 ・怒りっぽくなった。 ・去年の脳ドッグで脳の隙間が大きくなって…

  • 「もの忘れ」を主訴に受診された「発達障害」傾向のある症例(その2)

    前回に引き続き今回も「もの忘れ」を主訴に受診された「発達障害」傾向のある症例についてお話しします。 2番目の症例は初診時40代前半の女性でやはり「もの忘れ」を主訴に受診されました。 大学卒業後に一般企業にいったん就職するも退職して福祉系の大学に通い直し、卒業後は高齢者施設で仕事を続けてきたけれども、最近ひどい「もの忘れ」が出てきたため受診に至った方です。 離婚歴があり、子供2人と3人暮らしをしていますが、子供は2人とも「発達障害」で投薬治療を受けているということでした。 以下が初診時の問診内容になります。 ・最近、自分がやった仕事を後で見ても、自分でやったことを思い出せないことが続いた。 ・例…

  • 「もの忘れ」を主訴に受診された「発達障害」傾向のある症例(その1)

    前回まで「もの忘れ」を生じさせやすい「発達障害」の症状についてお話ししましたが、分かりにくい面もあったかと思います。 そこで今回からは実際の症例をいくつかご紹介していこうと思います。 初めの症例は初診時20代前半の男性で「もの忘れ」を主訴に受診された方です。 地元の高校を卒業後、上京してA大学商学部卒業して会社に就職したけれども、間もなく「もの忘れ」症状が出現してきたため受診に至りました。 まず本人が訴えられた症状を以下に挙げます。 ・今年就職したが、たまに同僚や上司の名前を忘れたり、家賃の金額を忘れてしまうようになった。 ・「もの忘れ」症状が気になるようになったのは就職して2~3か月後から。…

  • 「もの忘れ」を生じさせやすい「発達障害」の症状(後)

    前回は若年層や中壮年層の方が「もの忘れ」を主訴にして受診されてくる場合、ADHD(注意欠陥多動性障害)傾向があって「注意障害」をベースに持っていることが多く、また「もの忘れ」の出現の仕方も比較的「急に」というのが多くのケースで共通しているというお話をしました。 そして症状の出方が「急」であることについても理由があるとお話ししましたが、今回はその理由についてから話を始めます。 ADHD傾向がある若年層や中壮年層で「もの忘れ」を主訴にして受診されてくる方のお話を聞くと、最近「忙しい」「異動などで職場が変わった」「就職した」「管理職になった」などによって今までよりも本人が「ストレス」を受けている場合…

  • 「もの忘れ」を生じさせやすい「発達障害」の症状(前)

    前回まで「もの忘れ」に間違われやすい「認知症」症状として「失語」と「意識の変容」を挙げてお話ししました。 実は今回の内容も前回のテーマの中に含めてお話ししようと思いましたが、今回お話しする症状は「認知症」になってから出現するというより、どちらかというと「発達障害」の症状として元々持ち合わせているといったケースが多いので、新たなテーマの中でお話しすることにしました。 以前から「発達障害」傾向の強い方が「認知症」に移行しやすいということは何度もお話ししてきました。 (以下が「認知症と発達障害について」の過去記事一覧のリンク先になります。 https://kotobukireha.hatenablo…

  • 「もの忘れ」に間違われやすい「認知症」症状(後)

    前回は「もの忘れ」に間違われやすい「認知症」症状として「失語」を挙げてお話ししました。 今回はその続きです。 次に「もの忘れ」に間違われやすい症状として挙げられるのが「意識の変容」です。 「意識の変容」とは「意識がはっきりしている時とそうでない時が入れ替わる」症状のことです。 この「入れ替わり」は数秒単位から分単位、時間単位、日単位で起こることが多いですが、中には週単位、長いものだと月単位で起こる方もいて、様々なスパンで起こります。 「意識の変容」の症状が強いと診察中に急に「落ちる」ように頭が下がって眠ったようになり、しばらくすると「ハッ」と目が覚ますといったことを繰り返したりします。 また会…

  • 「もの忘れ」に間違われやすい「認知症」症状(前)

    「認知症」になると確かに「もの忘れ」症状が合併することが多いですが、もちろん「もの忘れ」イコール「認知症」という訳ではありません。 「認知症チェックリスト」でもご紹介した通り、「認知症」になると実に様々な症状が現れます。 それにも関わらず「認知症」とはすなわち「記憶障害による病的な『もの忘れ』がある状態」だと思われがちなのも事実ではないでしょうか。 というのも確かに「認知症」の症状の中には一見「もの忘れ」に見えたりするものがあり、それらを本人や家族も「もの忘れ」と表現されることが少なくないからだと思われます。 そこで今回はそのような「もの忘れ」に間違えられやすい症状についてお話ししていこうと思…

  • 【認知症チェックリスト】のまとめと使い方

    前回まで「もの忘れ症状は除いて認知症になると出現しやすい症状」リストの10項目について1つずつお話ししてきました。 もちろんこの他にも症状はたくさんありますが、このリストに挙げた症状は特に認知症になると合併しやすい典型的な症状になります。 しかしこの10項目の症状からだけでも、初めにお話ししたように認知症の症状は実に多種多様であり、症状の強さや出現の仕方、組み合わせ、表現のされ方などは100人いたら100通りあるということがお分かりいただけたのではないでしょうか。 リストに挙げた症状の説明だけでも内容が多岐に渡っていますので、なかなか全てを把握するのが難しいかもしれませんが、以下に10項目の見…

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