届かない恋心 切ない大人の童話 〜「やさしい訴え」小川洋子
「やさしい訴え」(小川洋子、文春文庫)を読みながら、読み終えて、しばし考えました。この小説について、なにか書くべきなのか...。以前、このブログである恋愛小説を取り上げたとき、以下の趣旨のことを書きました。 いい恋愛小説はただ共感できるか否かであり、それ以外の小賢しい評は蛇足でしかない、と。今思えば「偉そうに...」wwなんですが、本によって、読者が接すべき態度が異なるのは当然だと思います。 この作品に関して書くことは、共感を離れて、意地悪な客観的視線で見直すことになります。野暮ですよね〜。それでは、できるだけ野暮にならないよう努力して簡潔に蛇足を記します。 <わたし>は一人、林の中にある古い…
2024/08/29 20:39