2013年1月、アスリートの施術に特化したNakajima整骨院を横浜・桜木町駅徒歩2分の場所に開業。本田圭佑選手がオーナーを務める「SVホルン」にてトレーナーも務める。
「選手に寄り添う仕事」としてトレーナーへの道を選び、柔道整復師の国家資格を取得。その他にもNSCA-CPT 、NASM-PESとしての資格も有します。 インディバアクティブ、高濃度酸素カプセルを配備、トレーニングスペースも併設しトレーニング指導も行っております。 https://www.youtube.com/watch?v=lECRMXhxHRw
選手のトーナメント管理と回復戦略(トレーニングへの適応が最終的に確実にプラスへの結果をもたらし、マイナスの効果:オーバートレーニングの徴候を最小化することが重要になる)
大会中のチームメンバーは短期間の集中的トレーニングと競技会のために集合します。 このような状況における疲労の残余は、どのような大会の試合においてもチームパフォーマンスを損なうであろうことは明らかです。 長時間の移動やなじみの環境から離れることから生じる問題(睡眠パターンの混乱、食事内容や食事時間の変化、新しい環境に置かれることによる注意力散漫、気温や湿度などの環境条件など)によって、この状況は選手にとってもサポートスタッフにとっても悪化する可能性があります。 下記は、IRB(国際ラグビー評議会)における大会前のトレーニングキャンプや、試合直前のトレーニングにおいて利用可能な実践的な回復戦略をタイプごとに簡単にまとめたものになります。
運動後のタンパク質同化としては大豆より牛乳が優れている(筋タンパク合成率は無脂肪乳摂取後のほうが34%も高くなった)
日常的にレジスタンスエクササイズを行う(すなわち、少なくとも週に4日トレーニングする)8名の若齢男性を対象として、片側性レジスタンスエクササイズを利用して大豆と無脂肪乳を摂取するクロスオーバー法で調査した研究があります。 規定の朝食を終えた後、動脈血と静脈血および筋生検サンプルを採取し、その後、被験者に規定のレジスタンストレーニング(レッグプレス、レッグカール、レッグエクステンションを80%1RM×10レップ×4セット、セット間の休息時間2分)を実施させ、その後、直ちに、2回目の血液および筋生検サンプルを採取します。 次に被験者は無脂肪乳500ml、または窒素的およびエネルギー的に等しく、かつ同等の主要栄養素を含む大豆飲料、すなわち745kJ(178Kcal)に相当し、糖質23g、タンパク質18g、脂肪1.5gを含む大豆飲料を摂取し、摂取後3時間にわたって1時間おきに動脈血、静脈血と筋生検サンプルを採取します。 このような測定法と、超音波パルス・ドップラー法や、初回抗原刺激を受けた代謝トレーサーの継続注入とを組み合わせることによって、エクササイズを行った脚全体におけるアミノ酸の吸収と、筋タンパク質分画合成速度を算出することが可能になります。 実験の結果、大豆と無脂肪乳のどちらもタンパク質のネットバランスを増加させますが、無脂肪乳による増加のほうが有意に大きいことが示されました。
成熟度とバイオバンディング(トレーニングや試合でアスリートを観察することも、競技特異的なスキルのパフォーマンスや傷害リスクの増加に影響を及ぼす変化の程度を見極めることに役立つ)
トレーニング教育と実施の両方を、成長と成熟の評価と解釈に関する訓練を受けた人、また、多分野横断的に統合されたアスリート支援プログラムの一員として活動するコーチ、スポーツ科学者、また医療スタッフが実施すべきです。 成長がスキルパフォーマンスに及ぼす影響を軽減する様々な方策を実施でき、その中には、ウォームアップや技術セッションに基本的な運動スキルを統合すること、運動スキルのトレーニングにより重点を置き、パフォーマンス向上を強調する機会を減らすこと(すなわち量より質)、視覚的また運動、反応、運動コーディネーションのトレーニングを行うこと、機能的能力(ランニング、リフティング、ジャンプの着地のメカニズムなど)再トレーニングを行うことなどが含まれています。
脳と認知機能における運動の役割(運動により学習・記憶を司る海馬での脳由来神経栄養因子(BDNF;Brain Derived Neurotrophic Factors)が増加することが明らかされている)
最新の脳神経科学の知見では、運動により学習・記憶を司る海馬での脳由来神経栄養因子(BDNF;Brain Derived Neurotrophic Factors)が増加することが明らかされており、その生理機能は神経可塑性、神経栄養伝達、学習能力改善、脳神経細胞保護、および食欲・代謝調節の多岐にわたります。 ラットを7日間自由に走行させた際の海馬における脳由来神経栄養因子のメッセンジャーRNA(mRNA)の発現を観察した実験では、安静コントロール試行時よりも有意に遺伝子の発現が認められ、脳由来神経栄養因子の蛋白質を比較した場合、運動群では約2倍も増加していることが明らかになりました。 さらに、運動群では30%以上もメイズの学習能力や記憶テストの成績が高いことが報告されており、その詳細な分子メカニズムも明らかにされています。
足部機能障害(下肢キネティックチェーンに含まれる筋や関節(すなわち腰椎、骨盤、股関節、膝関節、足関節)といった足以外の外因的なコンディションが足部回内に影響を生じさせる)
すべての足部機能障害が足に内因する筋や骨から生じるものではないということです。 下肢キネティックチェーンに含まれる筋や関節(すなわち腰椎、骨盤、股関節、膝関節、足関節)といった足以外の外因的なコンディションが足部回内に影響を生じさせます。 機能評価として、オーバーヘッドスクワットといったエクササイズを実施することがクライアントにとってどの修正エクササイズよりも優先されます。 重要なことは、足部回内を引き起こしている要因が足部そのものにあるかを見極めるために、初期に下肢キネティックチェーンの機能評価を実施することです。
脊椎屈曲エクササイズの利点(脊椎の屈曲は椎間板後部の厚さを37%減少させるため、椎間板後部全体へのグルコースの十分な供給が保証され、小さな溶質の拡散と大きな溶質の流入が増加する)
ダイナミックな屈曲エクササイズが、実際、脊椎に有意な障害リスクを課さないとしても、それらのエクササイズを行うことは、スタティックなエクササイズを行う以上の潜在的利益をもたらすのか、という疑問に対して確認できる研究報告があります。 第一に、脊椎の運動により、椎間板へ栄養がいきわたりやすくなることが知られています。 その作用機序は、椎間板の中と外へ分子の運搬および拡散を増大させるポンプ作用に関係があると理論付けられています。
運動と食事摂取における代謝調節の概要(65%VO2max’(最大酸素摂取量)以上の強度では、CHOの利用率が圧倒的に高いのに対し、脂質の酸化が減少する)
運動と摂食の間における基質の利用調節は、生化学者の間でも長年研究されている分野になります。 従来のグルコース-脂肪酸回路とは対照的に、現在では、インスリンが脂質の酸化を制限するだけではなく脂質の分解も抑制するという事実から、運動中の脂質の酸化は主として糖質(CHO)の利用可能量によって制御されるということが広く認められています。 さらに、運動前のCHOの摂食が脂質の分解率と酸化に及ぼす抑制効果は、食事の摂取後最大4時間継続します。 この点で、グリセミック指数が低~中強度にランクされる(したがってインスリン反応性の低い)CHO摂取は、グリセミック指数の高いCHOほど脂質分解と脂質酸化を低減しないと考えられます。
パフォーマンスにアップに役立つMIPS(筋力やパワーに及ぼすパフォーマンスの改善は、クレアチンモノハイドレート、βアラニン、カフェイン、分岐鎖アミノ酸(BCAA)とされる)
若年アスリートの間では、MIPSなどのエルゴジェニックサプリメントの定期的な摂取が、2010年以降、64%も増加しました。 市販のMIPSの増加とアスリートによるこれらの製品の増加にもかかわらず、それらの製品が筋力やパワーなどに及ぼすパフォーマンスの改善は、通常、わずか4種類の主要成分、すなわちクレアチンモノハイドレート、βアラニン、カフェイン、そして分岐鎖アミノ酸(BCAA)によるとされています。
EMSトレーニングが筋力に及ぼす効果(筋力の増加を媒介するものは、主として筋の活性化増大などの神経系の適応がある)
健常な筋においては、EMSトレーニングによって引き起こされる筋力の増大は、従来の随意的なトレーニングによって達成されるものと同程度(かつ補助的位置付け)であり、それを上回ることはありません。 Baxらの研究によると、大腿四頭筋が損傷している(受傷後または手術後)場合、EMSトレーニングは随意的トレーニングよりも有効な可能性があるが、大腿四頭筋が損傷していない(健常)場合は、EMSトレーニングの効果は随意的トレーニング様式よりも低いと示されました。
女子体操選手における成熟の遅れは、成長板が反復的な圧力や極小外傷、また衝撃などの不都合な力学的要因に長期的にさらされる結果、慢性脊椎傷害の潜在的危険因子となることが確認されています。 バイオバンディングの応用により、若いダンサーの成熟度の個人差を受け入れて、それに応じたトレーニングや評価を調節し実施することは可能であるとされています。 成長スパートの過程にあるダンサーたちのためには、トレーニング負荷を調節し、量ではなく質や多様性により重点を置き、一方、晩熟なダンサーの場合は、対応する調節と評価を成長スパートの後まで延期するとよいとされます。
長距離選手の筋力トレーニング(筋におけるパワー発揮を高める:中枢神経系に刺激を与え運動単位の動員を促し、ランニング効率と持久的パフォーマンスを向上させる)
適切な種類の筋力トレーニングプログラムを用いれば、長距離走のパフォーマンスを向上させる可能性があります。 筋力の向上は、力(筋力)とスピードの積である筋パワーの向上をもたらし、運動能力は、その人が発揮し、維持することができる力とパワーの量によって決まります。 力とパワーに影響を及ぼすものは、骨格筋の有酸素的および無酸素的代謝能力のほか、神経-筋コーディネーション、骨格筋の力学およびエネルギー学的要素、および代謝性パワーの機械的パワーへの変換効率になります。
グルタミンの役割(高強度運動時の免疫低下現象の予防、試合期の骨格筋維持、アンモニア蓄積による中枢性疲労の軽減につながる)
グルタミンは、筋力系および持久系アスリートに向けて販売されている製品に含まれる一般的なアミノ酸になります。 グルタミンはグルタミン合成酵素の働きによりグルタミン酸塩とアンモニアから生合成されるため、大抵の状況では必須アミノ酸ではありません。 しかし、大きなストレスのかかる状況ではグルタミンの合成が阻害されるため、条件的に必須アミノ酸となります。 骨格筋はグルタミンの合成にかかわる主要な組織であり、高い確率でグルタミンを放出することが知られており、この事実によりグルタミンは、試合期を通して骨格筋を維持することに関心のあるアスリートからの注目を集めています。
必須アミノ酸と障害リハビリテーション(EAA摂取により筋タンパク質のターンオーバーが維持されることで、筋の機能的な筋原線維が多く生み出され、筋の機能が維持された)
必須アミノ酸(EAA)の摂取の利点は、外科的手術後の入院期やリハビリテーション期のように、不活動を余儀なくされる時期に骨格筋量と機能を維持する能力にあります。 重要な事として、EAA摂取に対する筋タンパク質同化の急性反応は、異化作用の条件となる安静期にわたって、継続的に転移され、維持されることになります。
クレアチンの摂取とトレーニング(筋クレアチンとクレアチンリン酸の濃度が上昇し、除脂肪体重、筋力、スプリントパフォーマンス、パワー、力の立ち上がり速度、筋の直径などが増大する)
Kreiderがクレアチンに関するクレアチンの研究では試合中のアスリートや大学生の上級アスリートを対象として、パフォーマンスに及ぼすクレアチンサプリメントの効果を評価しました。 発表された結果からは、クレアチンの摂取が、フットボール、アイスホッケー、スカッシュなどの筋力/パワー系アスリートのパフォーマンスを改善したことが報告されました。 クレアチンサプリメントによるプラスの効果を証明する臨床研究が多数発表されていることから、クレアチンは、現在利用できる最も効果的な栄養サプリメントであるとの結論が導かれます。
試合間の空き時間が長い場合は、低脂肪高糖質高タンパク質の食事を控室で摂取し、試合後は、タオルで汗を落としてからショーツ姿で計量し、何よりも脱水状態に陥ってないかどうかをチェックします。 計量は試合後のできるだけ早い時間に実施し、その後の水分摂取をさせ、次の試合の試合前計量から水分補給率を算出し、それに従って必要な分だけ摂取させます。
男女の水泳時における腹腔内圧の比較(女子の絶対的な筋力は、男子の3分の2程度であり、特に体幹部では男子の63.8%になる)
泳速度、ストローク頻度(SR)、ストローク長(SL)、随意最大IAP(腹腔内圧)、水泳時のIAPおよび%maxIAPを示したものであり、最大努力泳(女性)と最大下努力泳(男性)におけるIAPを比較したものになります。 泳速度および性別が異なるために、単純に比較することはできませんが、努力度の高い方が高い値を示しました。 また、各被験者の随意最大IAPをみると、女性よりも男性のほうが著しく高い値を示しました。 この背景として、一般的に男子と比較して女子のほうが筋肉量は少なく、さらに女子の絶対的な筋力は、男子の3分の2程度であり、特に体幹部では男子の63.8%になります。
バイオバンディングにおける成熟の個人差と発達上適切なトレーニングプログラムの提供(思春期の成長スパートは、青少年がオーバーユース傷害と成長に関連のある傷害を一層負いやすくなる期間である)
成熟の個人差と発達上適切なトレーニングプログラムの提供の考察を通して、現場指導者は、発達とトレーニング負荷に伴う傷害リスクを低減できるとされています。 思春期の成長スパートは、多くの場合、青少年がオーバーユース傷害と成長に関連のある傷害を一層負いやすくなる期間であることが示唆されています。 少年サッカー選手の間でみられるオスグッド・シュラッター病やシーバー病などの骨端関節外傷のお客数の増加は、思春期の成長スパート中かその直前でそれぞれ最大となり、その発生曲線は身長の成長速度曲線に非常に似ています。 シーバー病の発症率の初期の増加は、足の成長スパートが大概、上腿部や下腿部の成長よりも6ヶ月早く起こるという事実を反映しています。 この理由付けと一致して、オランダサッカーアカデミーの選手のオーバーユース傷害は、予測されるPHV年齢とその直前で増加することが指摘されています。 このような傷害の追加的な危険因子には、この性別(男子)、神経筋コントロール、オーバートレーニング、ランニングやジャンプおよび突然の方向転換を必要とするスポーツへの参加などが含まれます。
デプスジャンプ(DJ中に使われる弾性特性と神経系の増強効果の活用は、VJパフォーマンスの向上をもたらす可能性と、収縮性タンパク質のトレーニング効果を引き出す可能性がある)
DJトレーニングは、下肢のパワーとスピードを改善するためによく用いられるトレーニング様式になります。 VJで測定されるパワーがDJトレーニングにより増大することは、すでに証明されています。 前述したように、DJでは、より優れたトレーニング効果を引き出すために、筋系と神経系の伸張反射による増強効果だけではなく、筋の弾性特性も利用されます。 Bosco&Komiは、DJ後のVJ能力の向上は、弾性エネルギーとSSC要素の活用に起因することを明らかにしています。 この研究はSSCと弾性エネルギーの利用がVJの改善をもたらすと結論づけました。
アイソメトリック(等尺性)な安定性の優れた基礎が構築されていると、動作の必要性が生じた場合に、固有感覚、すなわち動作を伴う関節安定化の作用によって、より素早く効率的な反応が調整されます。 固有感覚を向上させることで、関節とその支持機構の過小活用または代償活用を防止できます。 バイオメカニクス的な効率は、障害予防に役立つだけではなく、筋力向上、パワー発揮、およびスピード向上を最大限に引き出す重要な前駆としての役割も果たします。 スタビリティボールを用いたエクササイズは、コアの安定性を向上させ得られますが、身体パフォーマンスの向上には直接結びつかない可能性のあることが、Stantonらによって明らかにされています。
加速と減速(身体が地面と接地している時間が長いほど、脚筋がより大きな負の力積と仕事を生み出し、身体の推進力と運動エネルギー(KE)を減少させる脚の力が大きくなる)
減速に使用される主な筋群は大腿四頭筋と腓腹筋になります。 しかし、加速局面の短縮性筋活動とは異なり、この2つの筋群は慣性による推進力が吸収され、分散されるようになり伸張性筋活動を通じて働きます。 推進力によって伸張された脚は、身体に対して作用する純粋な前方後方の力と結びついて、潜在的な危険な体勢となりますが、接地前に発生する大きな伸張性の力の吸収に役立ます(負の仕事=伸張性の力×COMの下方変位)。 減速局面中、身体の運動エネルギー(KE=1/2mv2)は減少します(推進力をもたらす短縮性局面の前に、下方へ向かう(負の)速度が0に近づくため)。 KEは失われるのではなく、弾性エネルギーへと移行し、直ちにその後の運動に利用されるか(方向転換、ジャンプなど)、完全な停止の場合は熱や音として消散します。
競技における減速(減速はスプリントの相対速度にかかわらず、身体の質量中心(Center&Mass:COM)の速度を低下させるためにあらゆるスプリントのあとで必要になる)
減速はスプリントの相対速度にかかわらず、身体の質量中心(Center&Mass:COM)の速度を低下させるためにあらゆるスプリントのあとに必要とされます。 COMの速度を低下させるために割り当てられる時間/速度の量は、多様な因子に依存し、競技の個々の要件によって決定されます。
急性外傷受傷後の適切な処置RICE(皮膚温が10~15℃まで下がると、代謝は低下し、神経伝達が抑制されるために局所的な麻酔効果も期待でき、弾性ラップによる圧迫が皮膚温や深部温をより効果的に低下させる)
アイシングの基本は、氷嚢やビニール袋に氷と水を入れたアイスパックでの患部冷却になります。 これは、0°程度の氷(溶けかかった氷)が最も熱を奪うのに適しているからです。 アイシングを行う際に、冷たいからといって皮膚とアイスパックの間にガーゼやタオルを当てる光景をよく見かけますが、乾いたタオルを当ててアイシングをした場合と、皮膚に直接アイシングをした場合とでは10℃以上も組織の温度変化が異なるとされ、組織温度を十分に下げることができず、アイシング効果が得られにくくなります。
超高齢化社会を迎えた今日、寝たきりのクライアントや慢性的な運動不足者、体力の低下した人々、あるいは過度の肥満や整形外科的疾患などのために、有酸素運動を行えない人々が多数存在します。 さらに、糖尿病合併症や心血管系合併症などの臓器障害により運動制限を必要とするクライアントも多く認められます。 このような人々は、身体の不活動がもたらす不利益を受けなければならない状況にあり、有酸素運動やレジスタンストレーニングなどの代償となる運動方法の開発が望まれていました。
「相乗的適応(Synergistic Adaptation)」といわれるように、この原理は、アスリートのトレーニングプログラム(技術要素が獲得されていると仮定する)と、成熟段階を補完するトレーニング刺激をアスリートに経験させる必要があるということになります。 思春期前には、筋力とパワーの最適な増大は、神経筋コーディネーションの促進を通して達成されます。 思春期の間また思春期後の筋力とパワーの最大の増大は、神経適応と構造的適応の両方の組み合わせを通して達成されます。 後者はホルモンや代謝の変化、トレーニング刺激そして栄養などを含む様々な因子の組み合わせに起因します。
EMSトレーニングと競技特異的トレーニングの併用(電流の「強度(ミリアンペア)」とそれによって「引き起こされる力(%最大随意収縮)」は強い相関関係がある)
個人競技、団体競技において、EMSトレーニングを利用することで競技特異的トレーニングを過度に妨げることがなく筋力と無酸素性パフォーマンスを向上させる可能性があります。 EMSトレーニングはトレーニングセッションの初め(すなわち準備段階の最初)に1回10~15分で、3~4週間にわたって週に2~3セッション行うことが最も効率が良いと報告されています。 電流の「強度(ミリアンペア)」とそれによって「引き起こされる力(%最大随意収縮)」は強い相関関係にありますが、EMSトレーニング強度をきちんと定量化するためにはこの2つを常に厳密に制御しなければなりません。 また、少なくとも最初の数回のトレーニングセッション(トレーニングプログラムの最初の週)は、EMSエクササイズの方法論と生理学的側面に詳しいトレーナーまたはコーチによる実施も重要になります。
EMSトレーニングが競技パフォーマンスに及ぼす効果(最大筋力、無酸素性発揮パワー:垂直跳びとスプリント能力の有意な向上が認められた)
個人競技や団体競技のアスリートを対象とした複数の研究が、EMSトレーニング後に最大筋力(等速性あるいは等尺性ダイナモメーターを利用して測定)の有意な向上と、場合によっては、無酸素性の発揮パワー(マットスイッチと光電管を利用して測定した垂直跳びとスプリント能力)の向上が認められたことを報告しています。
シングルレッグスクワット/ステップアップ動作については、大腿四頭筋の高い筋活動を生じさせる効果が示唆されており、また、非支持脚側のウェイトを重くすることで、股関節外転筋とコア筋群の筋活動もさらに増大させます。 タックル動作の受傷リスクを低減し、パフォーマンスを向上させるためには、これらの筋群をすべて強化させなければなりません。
クランチによる筋肥大と伸張性筋収縮(伸張性エクササイズは筋のより大きな損傷を伴い、乳酸、水素イオン、無機リン酸などの代謝産物が増加することにより、筋肥大が誘発される)
クランチとそのバリエーションは、他のコア(体幹)の筋群よりも腹直筋に特に的を絞ったエクササイズであることが知られています。 McGillによると、クランチのバリエーションは腹直筋の最大随意収縮(MVC)の約50%を活性化ましたが、これに対して、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋、大腰筋はそれぞれMVCの20%、10%、10%、10%だけ活性化したことが示されました。 筋の横断面積と筋力との直接的な相関関係が指摘できるとすれば、筋肥大は、広範囲なコアの筋力を必要とするアスリートにとって特別な重要性をもちます。
有酸素性運動のためのHMB摂取の有益性(回復を促進し、筋損傷を軽減、2週間のHMB摂取によりVO2ピークまで時間が延長(8%)、血中乳酸濃度蓄積開始点の%VO2maxが向上した)
持久系アスリートにおけるHMB(ロイシンから合成されるHMBには、細胞内での筋たんぱく質合成を制御する働きがあります)の効果に関する研究は多くはありませんが、その結果はかなり有望です。 Knitterらの研究において、HMBが回復を促進し、長距離走後の筋損傷を軽減することが明らかになりました。 また、Vukovichらの研究では、エリート自転車競技選手において、2週間のHMB摂取によりVO2ピークまで時間が延長したこと(8%)、さらに、血中乳酸濃度蓄積開始点の%VO2maxが向上したことも示されました。
オフシーズンは回復かそれとも準備か?(プレシーズンへ向け、筋サイズや筋力の低下、筋の動員パターンにおける神経系の低下を防ぐトレーニングが重要になる)
オフシーズンとは、シーズン終了直後から新たなシーズンがオープン戦で開幕するまでの期間であり、多くのアスリートとコーチにとって、オフシーズンは長かったシーズンからの修復、再生、回復に費やすべき時間と定義されています。 ※定義上、オフシーズンには、ポストシーズンとオフシーズン、さらにプレシーズンの準備までが含まれます。 数十年前であれば、アスリートは、オフシーズンを使って、自分が通常行っているスポーツ以外のスポーツに従事していました。 ピリオダイゼーションモデルの中には、相互に類似性のないスポーツに積極的に参加することは、アスリートに有益であると示唆するモデルもありましたが、1980年台の初めに、パフォーマンスの向上を図り、選手寿命を延ばすためには、アスリートは1年を通してトレーニングを続ける必要があるということが示されました。
長期的アスリート育成モデル(LTAD:Long Team Athlete Development)は、世界的に認められた最初のアスリート育成モデルであり、若年アスリートを指導する多数の組織が採用し、実施しています。 LTADモデルは、若年アスリートの発達は、「好機(Windous of opportunity)」といわれる特定の成熟発達段階に、適切なトレーニング刺激を実行することにより加速され、最適化すると提案しています。 著者らは事前の評価と思春期の成長スパートの評価およびモニタリングを通して個々のアスリートの発達段階に応じてトレーニングプログラムを改変することが可能であり、それによってアスリートは潜在的な利益を最大限に獲得できると提唱しています。
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