アダムズ・シズマン著『ジョン・ル・カレ伝』を読んでるけど、思いがけない小ネタがいろいろ出てきて面白い。『寒い国から帰ってきたスパイ』が世界的なベストセラーになり突然、富裕層の仲間入りをしたジョン・ル・カレがウィーンに住むために借りた邸宅の前の借主はヘルベルト・フォン・カラヤン。次の借主はヴィーラント・ワーグナーだって。ル・カレがウィーンに住んでいたことがあったというのも初めて知って少し驚いた。で、これが税金対策だったというのだから、当時のイギリスの高額所得者に対する税率の凄まじい高さにびっくり。最高税率88.75パーセントだって!ウィーンのジョン・ル・カレ
昨日は近江楽堂でおこなわれたコンサート《工藤あかね&松平敬「VoiceDuo2.0あいうえお」》を聴いてきた。午前中から時間の余裕があったので、散髪したあと、神保町のディスクユニオンでカーゲルやノーノのCDを買い、揚子江菜館で五目ラーメンを食べた。薄めのスープが絶妙で、ひとつひとつの具材の滋味が嬉しい、いつもながらの美味しさ。そして午後からは楽しみにしていた公演を聴くために初台に向かった。今回は人生初の電子チケット。実は数日前からスマートフォンの調子が悪くて、たぶんバッテーリーの経年劣化によるものだろうけど、突然シャットダウンしたり電源が入らなかっりしていて、案の定、会場に到着する直前に電源が落ちたきり入らなくなった。焦ったけど、数分間の格闘ののち、なんとか復旧し無事に入場。工藤あかねと松平敬のデュオコンサート...工藤あかね&松平敬「VoiceDuo2.0あいうえお」
飯山陽著『イスラム2.0SNSが変えた1400年の宗教観』(2019年河出書房新社)の感想文です。イスラム2.0:飯山陽|河出書房新社イスラム2.0インターネットの発達がイスラム教徒を覚醒させた──誰もがコーランやハディースの知識に触れることで原点回帰が起きたのだ。気鋭の...河出書房新社 著者によれば現代のイスラム教は、インターネットの普及によって一般のイスラム教徒が啓示に簡単にアクセスできる「イスラム2.0」時代であり、イスラム法学者という一握りの宗教エリートが啓示を独占していた「イスラム1.0」時代と劇的に変わっているという。イスラム2.0時代の具体的な様相が豊富な事実とデータを積み上げることで鮮やかに浮かび上がる。それは衝撃的な世界の「現実」だ。私は現代の世界で起きている事態に驚くとともに、大いに反省し...飯山陽『イスラム2.0SNSが変えた1400年の宗教観』
2017年に出版されてベストセラーとなり、おびただしい数の書評が様々なメディアに掲載された呉座勇一著『応仁の乱ー戦国時代を生んだ大乱』(中公新書)を今ごろになって読んだので、感想文を書きます。まず何よりも単に政治過程や戦闘の経過を説明するだけでない本書は大学で『満済准后日記』を必死に勉強した私にとってツボにハマりまくる内容だった。『経覚私要鈔』の著者である経覚と『大乗院寺社雑事紀』を著した尋尊から見た視点を軸として応仁の乱の全体像とその前後の歴史を丁寧に見通し良く辿る。著者が「事実関係を淡々と書き連ねるだけでは意味がない。戦乱の渦に巻き込まれた人々の生態をそのまますくいとることが肝要である」という意図は十分に達成されている。それにより、戦後歴史学のマルクス主義の影響や内藤湖南に代表される「過剰な意味付け」を排し...呉座勇一著「応仁の乱ー戦国時代を生んだ大乱」
2017年に出版されてベストセラーとなり、おびただしい数の書評が様々なメディアに掲載された呉座勇一著『応仁の乱ー戦国時代を生んだ大乱』(中公新書)を今ごろになって読んだので、感想文を書きます。まず何よりも単に政治過程や戦闘の経過を説明するだけでない本書は大学で『満済准后日記』を必死に勉強した私にとってツボにハマりまくる内容だった。『経覚私要鈔』の著者である経覚と『大乗院寺社雑事紀』を著した尋尊から見た視点を軸として応仁の乱の全体像とその前後の歴史を丁寧に見通し良く辿る。著者が「事実関係を淡々と書き連ねるだけでは意味がない。戦乱の渦に巻き込まれた人々の生態をそのまますくいとることが肝要である」という意図は十分に達成されている。それにより、戦後歴史学のマルクス主義の影響や内藤湖南に代表される「過剰な意味付け」を排し...呉座勇一著「応仁の乱ー戦国時代を生んだ大乱」
2019年に読んだ本のベスト3です。第1位松平敬著「シュトックハウゼンのすべて」(2019年アルテスパブリッシング)日本における現代音楽演奏のトップランナーであるバリトン歌手・松平敬氏によるカールハインツ・シュトックハウゼンの全作品の解説。作品が時系列で紹介されるため、そのままシュトックハウゼンの伝記としても読むことができる。全てのページからシュトックハウゼンの音楽に対する愛情と敬意が伝わってくるだけでなく、記述の正確さへの執念を感じる文章に強く引き付けられた。今後、日本でのシュトックハウゼン作品についての論述はこの著作を参照することが必須となるだろう。シュトックハウゼンのすべて–アルテスパブリッシング現代音楽を代表する作曲家の全作品・全生涯を演奏・研究の第一人者が徹底的に解説する日本初のシュトックハウゼン入門...2019年に読んだ本ベスト3
昨年の12月22日、西川竜太指揮・女性合唱団暁の公演を聴いてきました。18時からJTアートホールアフィニス演奏された曲は権代敦彦「SongofInnocence&Experience無垢の歌・経験の歌」児童合唱とピアノのためのop.71(2002)篠田将伸「この世の果ての代数学」(2017委嘱作品・再演)近江典彦「聖歌“言が肉となった”ヨハネによる福音書第1章から」(委嘱新作・初演)南聡女声合唱とピアノのための「春のマドリガル集」(2008)の4作品当日は冷たい雨の降る中、人気の全くない日曜日の霞ヶ関を歩いて、人気のないJT本社ビルのなかの会場に辿りついた。寒々とした気分は、演奏が始まると一瞬で消えてしまった。そこには、あふれるような豊かな音楽があった。ひとつひとつの作品と演奏に心と体が奥深く暖められていくよう...女声合唱団暁第12回演奏会
私の母校である國學院大学が箱根駅伝で総合3位という快挙を成し遂げました。昨年に続き2年連続のシード権獲得ができれば嬉しいなと思っていたのですが、なんとまさかのベスト3!この快進撃を引っ張ってくれた浦野選手は卒業してしまうけど、復路での頑張りを見ると来年も期待できるなあと胸を膨らませております。【箱根駅伝】10区で逆転の国学院大が史上最高の3位前田監督「しびれた」土方主将も涙スポーツ報知箱根駅伝で3位!
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