山口県宇部市、広大な常盤湖のほとりに、「飛上り地蔵尊」という妙な名前のお地蔵さんが静かに佇んでいます。何故そんな名前が付いたのか知りたくありませんか?実はこのお地蔵さんは、地域の歴史と人々の信仰が奇跡的な出来事によって深く結びつき、現代にまで語り継がれる特別な存在なのです。 宇部市の発展を支えた「常盤湖」と「本土手」の壮大な歴史 飛上り地蔵尊の由来を知るには、まず「常盤湖」の歴史を紐解かなければいけません。常盤湖は、江戸時代に福原氏の家老である椋梨権左衛門俊平が、領主・広俊の命を受け、並々ならぬ苦心の末に築造したかんがい用溜池です。長州藩最大級の規模を誇り、そのかんがい面積は300〜400ヘク…