2019年4月
(C)2013 Worldview Entertainment Capital LLC & Dragonfly EntertainmentInc. 原題:The Green Inferno 製作年:2013年 製作国:アメリカ・チリ合作 配給:ポニーキャニオン 監督:イーライ・ロス 製作:イーライ・ロス、ミゲル・アセンシオ・ジャマス、ニコラス・ロペス、クリストファー・ウッドロウ キャスト:ロレンツァ・イッツォ、アリエル・レビ、ダリル・サバラ、カービー・ブリス・ブラントン、スカイ・フェレイラ ほか (以上、映画.comより) (あらすじ) 女子大学生ジャスティン(ロレンツァ・イッツォ)は、アレハンドロ(アリエル・レビ)率いる積極行動主義グループの演説を目にし、関心を持つ。彼らは原住民のヤハ族を迫害し僻地の開発をする大企業を止めるべく、アマゾンへ発つ事となり、ジャスティンも同行することとなった。現地でデモ活動をし成功を収めた彼らは、帰りの飛行機で事故を起こし、そこで原住民ヤハ族に捕らわれる事となる…。 77点/110点 映画「ホステル」のイーライ・ロス監督による、スプラッターホラー映画である。話としては、意識高い系の大学生が浅はかな考えでアマゾンに行ったところ、食人族に襲われてしまう…というもの。容赦ないゴア描写があるため、グロ耐性がない人は絶対に見てはいけない。 イーライ・ロスは多くの映画作品に関わっているが、その中でこの映画の比較対象として挙げるとすると、やはりホステルであろう。過激なゴア描写があり、また、主人公達が異国の地へ旅した先で監禁されてしまうという事も共通している。だが、この映画グリーン・インフェルノは、ホステルと明確に違う事がある。どちらも理不尽なストーリーではあるが、ホステルの場合は、全く無実な(不注意ではあるが)若者達がターゲットとなる。
(C)2009 Versus Entertainment S.L. All Rights Reserved. 原題:Buried 製作年:2009年 製作国:スペイン 配給:ギャガ 監督:ロドリゴ・コルテス キャスト:ライアン・レイノルズ (以上、映画.comより) 75点/100点 狭い棺の中。面積にして一畳ほど。首を起こす程度の高さもない。そのような環境の中で90分行われるライアン・レイノルズの一人芝居である。棺の外のシーンは一切なし。究極の低予算映画であり、究極のシチュエーション映画である。これ程に徹底したソリッド・シチュエーションの映画は恐らく、未来永劫作られる事はないのではないのだろうか。これだけで大変に、映画界で価値のある作品だと言える。 ということで、先日は狭い狭い洞窟を探検する映画「ディープ・サンクタム」のレビュー記事を書いたが。今回のテーマはその繋がりで「狭い映画」である、「リミット」である。なお原題は「Buried」生き埋めである。この「Buried」という原題も実に絶妙であり、主人公ポールが入れられている棺が、地中に埋められているという事がタイトルでわかるという加減である。狭い棺の中で地中に埋められている。大変だ。 さて、ではこの映画はそんな狭さで、しかも外のシーンは一切描かず、いかに90分持たせているか?例えば携帯電話がある。それを使い電話をしたり動画を撮ったりする。また、お酒とライターがある。それらを使って火をつけてみたりする。そして、生き埋めということなので勿論、空気がなくなりそうになる問題や砂が降ってくる問題も出てくる。 それらの積み重ね、積み重ねで、気づけば90分経っているのだ。これは凄い事である。この映画が面白いかどうか以前に、よくこの限られた条件下での映画を一本成立させた、と感心させられる。そしてそれだけではない。この映画は「面白い」のだ。そうなるとこれは、物凄い事である。テイストとしては、スリラーの形を取りながらも真相を究明しようとする、どうにか脱出しようと工夫する、ということでミステリーの要素も大きい。そのためハラハラするだけでなく、観客の好奇心も煽り実に退屈しない90分を楽しむ事ができる。終わり方もエッジの利いたなかなかのもので、納得できる。
原題:La cueva 製作年:2013年 製作国:スペイン 監督:アルフレッド・モンテーロ 製作:アルフレッド・モンテーロ、フアン・ゴルドン、マルコス・オルティス 脚本:アルフレッド・モンテーロ キャスト:マルコス・オルティス、マルタ・カステジョテ、ホルヘ・パエス、エバ・ガルシア、ソエル・フェルナンデス ほか (以上、映画.comより) (あらすじ) 遊び盛りの若者、男女5人。秘境の島でバカンス中の彼らは羽目を外して楽しんでいた。キャンプの翌日、洞窟を見つけた彼らは興味本位で探検する事にした。狭い洞窟は分かれ道が多く入り組んでおり、帰り道がわからなくなってしまい… 70点/100点 洞窟を探検しに来た若者達が、迷って洞窟から出られなくなってしまうよ、という単純明快なストーリーの映画。日本語版タイトルは、巨大洞窟を探検する映画「サンクタム」から取っている事は明らかであるが、中身としてもしっかり似た系統の作品である。しっかり洞窟を探検するし、しっかり迷うし、しっかり殺し合いもする。怪物も出てこない。サンクタムが好きでこの映画を観てみる人でも、ある程度楽しめるだろう。 さて、ではサンクタムとはどう違うか?というところで、この映画のキーワードを挙げてみよう。「休暇」「おバカな若者グループ」「旅行」「人里離れた地」「携帯の電波がない」。おわかりだろうか。これはもう、映画「死霊のはらわた」などの系譜と言っていいのではないだろうか。つまり、日本語タイトルとして拝借しているサンクタムとは少し毛色の違う、B級ホラー映画である(サンクタムは、割と真面目な路線のスリラー映画である)。しかしこのB級映画のパターン化された、様式美とも言える作り。人を選ぶと思うが、面白いのである。正直私はこの系統の映画はいくらでも飽きずに見続けられる。注意すべきこととしては、幽霊や怪物、地底人等は出てこないということ。
原題:Searching 製作年:2018年 製作国:アメリカ 配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 監督:アニーシュ・チャガンティ 製作:ティムール・ベクマンベトフ、セブ・オハニアン、アダム・シドマン、ナタリー・カサビアン キャスト:ジョン・チョウ、デブラ・メッシング、ジョセフ・リー、ミシェル・ラー ほか (以上、映画.comより) (あらすじ) 主人公デビッド・キム(ジョン・チョウ)は、娘マーゴット(ミシェル・ラー)と二人で暮らしていた。以前は良好な家族関係であったが、妻のパメラを癌で亡くしてからはマーゴットと疎遠になっていった。ある日、マーゴットは勉強会に参加するために外泊すると言って出かけたが、その晩にデビットが就寝中、マーゴットからの着信が三度あった。そして翌日に連絡するも一向に返事がない。不審に思ったデビットは警察と協力し、マーゴットのSNSやPC内の情報から、消えたマーゴットの行方を捜す…。 83点/100点 物語のキーがSNSであり、パソコンの画面が多用される実に挑戦的な作品。ジャンル的にはスリラー・サスペンス映画に分類されているが、実際はミステリー映画である。人々の様々な言動、そしてSNS内の画像や文章に手がかりが散りばめられており、注意深く鑑賞すれば観客もしっかり推理できる。とても良質なミステリー映画作品である。 ストーリーとしては、前述したように消えた娘の行方を父親が探すという単純なものであり、最後までぶれない。しかしその中でも話は二転三転し、飽きさせない作りは大したものだ。はたして娘がいなくなったのは家出なのか、事故なのか、誘拐なのか、それともまた別の何かなのか。ハラハラしつつも、最後まで楽しく推理できる。
2019年4月
「ブログリーダー」を活用して、ももぞのさんをフォローしませんか?
指定した記事をブログ村の中で非表示にしたり、削除したりできます。非表示の場合は、再度表示に戻せます。
画像が取得されていないときは、ブログ側にOGP(メタタグ)の設置が必要になる場合があります。