親子日記 Ⅱ 菊地北星 帰省する息子には 布団を干しておくことにする 親の温もりが感じられるように 子は父の指切りげんまんを信じない 父はそのことを 大方覚えていないからだ 子のためを思って充分にした記憶がなく 子どもの代わりにロボットを買ってきて 対話する日々が続くこ...
こどもオノマトペうた Ⅲ 菊地北星 ほうかご ばいばい みんながかえる ぼくは うろうろ みちくさしちゃう わたし ぴょんぴょん うさぎとび みんな すくすく のびざかり にいちゃん ぐうぐう おなかがうなる ねえちゃん ぺこぺこ おなかがうごく あせを たらたら ながして...
親子日記 Ⅰ 菊地北星 子育てを 忘れたかのように ペットとじゃれあう母親 構ってほしいと 子が泣きじゃくる 親の雲と 子の雲は ついたり離れたりする 我が家と同じか 自然現象も 産むだけで 育てることから逃げていく それでも母といえるだろうか 小さな命を 捨てていい...
こどもオノマトペうた Ⅱ 菊地北星 おにわは ぽかぽか いいきもち じいちゃん ちょきちょき えだをきる わたぐも ふわふわ ういている おひさま ぎらぎら まぶしいな にいちゃん とんとん こやつくり こいぬが はあはあ かけてくる あさから むしむし ふろみたい とうさ...
教師日記 Ⅱ 菊地北星 教師であるなら 子を笑わずに 子と笑う 慕われる教師も 信じられる教師も同じ姿勢です 学校に 寄せてくる波も 教師を 泣かせる波も 返したくても 返せない波なのです 愛の鞭を 与えた子らと 夢で会うときがあります 肩を組み合って 泣き笑いして...
こどもオノマトペうたⅠ 菊地北星 ひとりぼっちじゃ ないよぼく ぼくのともだち アヒルさん ガアガアおしりを ふってくる いじわるなんかじゃ ないよぼく あそびあいての ワンくんが キャンキャンおをふり じゃれてくる おこりんぼうじゃ ないよぼく かたにとまった セ...
教師日記Ⅰ 菊地北星 裕福とは言えない家庭だが 子どもの瞳は こんなに明るく輝いているじゃないか 卒業式の日の壇上で 春の陽を独り占めしてるじゃないか 子らの夢は その100パーセントまでは駄目じゃない 1パーセントでも2パーセントでも 持てる部分を伸ばし...
僻地の子どもたちと 菊地北星 昭和三十九年四月 北東北の山間の村 M村の僻地校T小学校に講師として着任 受け持ちは単学級の四年生 そう、 「山びこ学校」のような学校と子どもたち 嬉しかった だが、 翌年の四月には U分校と統合されて 新たにM小学校として開校される...
<現代詩> 米国出身芸人曰く 菊地北星 アメリカ出身お笑いタレント厚切りジェイソンはテレビ番組で大声で言ってる 「そんなにすごくない日本の文化に対して感動しないといけない」 ジェイソンに言いたい 「感動しない人に無理やり感動しなさいとは言ってないのよね」 ジェイ...
こねこ 魂を売った分だけ買う団子 愚痴る散る夜に溶けては現れる 節分で豆を撒いたらポチたべた 雪を見てはしゃぎたいのに反抗期 左手に右手寄り添う寒くない 占いをしても心は決まってる 反省はするが学習しない猿 孫の手が無く不自由な四十過ぎ せっかちな母の半熟目玉焼き テレビ観...
たぶん 行列は遠くにならぶルールかな 午後からは相手チームに双子ゐる どちらからどちらまで同人はゆく 積み木の高さぶんだけない不安 蜂の出る番組録画するした日 ヒロ ゴミを持ち見送る先には収集車 こねこ 心臓の鼓動聞こえる日曜日 完璧な君に付いてる御飯つぶ 譲りあう相合傘で...
米沢幸子 10.8 写真みて秋田の文字(もんじ)どっち取る 一文字で意味の繋がる秋田弁 詳子 10.6 亡き友が耳元でまたささやいた 台風が鉢の移動の応援だ 葉の萎れ水が欲しいと花の声 元乙女 10.4 エンジンのかからぬ身体もてあます 朝トレに雑草相手こんくらべ リハビリ...
深川美恵子6.29 散歩道戦中摘んだ草に会う 終わる目途付いてさっさと手が動く おむすびもよろこぶ孫の顔に似る 元乙女6.28 男気に脱帽しての婦随仲 抽出しに昔の私住んでいた 小野丹左衛門6.25 山里に住めば身に合う風が吹く 昼休み白黒並べ知恵比べ 藤井智史 怯まずに詰...
田村恵美子 2018.10.29 煮こごりは母の自慢の家の味 千鳥足肩貸す人も千鳥足 無人駅遊びに来たと赤トンボ 中原 恵 10.24 猛暑から解放されて天高し 天高く元気印が目をさます 鈴木貞子 10.19 朝市の端数おまけにもう一つ 先を行く歩幅があわぬ急ぎ足 おすすめ...
須田五郎7.11 かたつむり紫陽花蓑に梅雨凌ぐ 傘寿越え一息いれて米寿へと 意固地止め老いを認めて気が楽に 佐藤 文7.10 月変わり病の様子変化なし 何故かしら思い出多い涙出る 初メロン戴きものを味わって 男鹿伊達也7.9 どこを向き誰を狙うかイージス砲 屁理屈が媚びり付...
配管工恋の手管は請け負えず・・・斎藤千代 文芸で脳の活性ボケ防止・・・中田達雄 手の甲のマニキュアだけが威張り顔・・・岩井タカ ああ今日も二つ忘れた内緒なの・・・澤田幸代 そろそろと歩いていても転ぶ年・・・佐藤スヱ 孫の尻たたいて疼く右のひじ・・・鎌田宏子 みそかそば食べて...
笑いたい心隠して咳払い・・・清水 実 さざ波も笑いじわならまいいか・・・八巻俊子 賽銭をケチらせている不況風・・・荻原栄悦 留守電にかすかにもれる息づかい・・・深沢清子 誕生でアフガンテレビひと休み・・・小松士郎 北風は心身共に強くする・・・中西節子 人生をリセットしたい新...
朝が来てやっと一句ができあがる・・・三ツ木 広 面談日力も入る腹まわり・・・高山みどり 叩いたり撫でたりする手我が心・・・冨樫和子 手をかけて育てた息子どこへ行く・・・稲打八郎 新婚で迎えた酉がひとまわり・・・網谷待代 力水朝明け雲に身を託し・・・石井直明 手にとって活字を...
虚栄心捨てれば楽になるものを・・・佐藤スミ かっこいいだけじゃないよね競走馬・・・細越裕美子 君を乗せ馬の里から風になる・・・小林立栄 目が覚めて遠くの娘思い出す・・・淀川ミヨ 紺青の皿の苺に夢を見る・・・鈴木ヱミ子 裏を知り乗ったふりする口車・・・佐藤十三 色彩は豊かにし...
背を向けてびっしり並ぶ未読本・・・水谷新一郎 鳩の杖貰って年の重さ知る・・・伊藤静江 花束に隠れて笑う母米寿・・・今野登美子 折り紙の記憶をたどる孫達と・・・古井浩子 3時です休憩しようダイエット・・・指宿憶良 来る年はひげを頼りに明けてくる・・・高橋弥三郎 およなりに我が...
今日という一日終えて以下余白・・・岩藤 忍 腕を組む二人を送る春の駅・・・坂口美智子 芽吹く春気分のままにピンク着る・・・平田朝子 寝転んだ芝生に悩み置いてくる・・・幸野谷十全 信じ合う垣根に四季の花が咲く・・・北野邦生 飛ぶ鳥という勢いを見せられる・・・弘兼秀子 誇るのは...
愛の賛歌 ← →兄の喧嘩 赤いランプの終列車 ← →荒いダンプの運転者 明日はお発ちか ← →足は炬燵か ああモンテンルパの夜は更けて ← →ああ燃えるルンバの娘は老けて 憧れのハワイ航路 ← →たそがれの婆いい頃...
恋のバカンス ← →こういうの馬鹿でやんす ニューヨークヤンキース ← →入浴いやーんキス! あの娘が泣いてる波止場 ← →あの婿が泣いてるベランダ デンデンむしむしカタツムリ ← →全然無視無視勝ったつもり 誰か為に鐘は鳴る...
星影のワルツ ← →干しかけのパンツ 君こそ我が命 ← →黄身こそ卵が命 ガード下の靴みがき ← →鼻の下の口もがき あの娘が泣いてる波止場 ← →あの婿が泣いてるベランダ 赤と黒のブルース ← →朝と夜のズロース...
4.語呂合わせ 君の瞳に恋してる ← →黄身も白身もポイしてる ユドヨノ大統領 ← →湯殿の大僧正 恍惚のブルース ← →骸骨のズロース 浪花節だよ人生は ← →何するんだよ先生は 世界は二人のために ← →政界は...
―「私は閣外から出る」 ―「雨が降り続けると―――」 ―「ヘリコプターにまた一人吊り上げられました」 ―「全然大丈夫です」 ―「今の現状では―――」 ―「大卒就職率の下げ幅が…」 ―「薄っぺらくなっている」 ―「この後 生電話でお伝えします」 ―「まっ茶色な水が―――」 ―...
―「キャピキャピした明るい子」 ―「犬と猫と鳥が一緒に共生してます」 ―「車の車検の時にもね」 ―「そんなキョクカン(極寒)」の地でも…」 ―「水の使い方を冷静に行うことが…」 ―「~は、キュウジュウク(九十九)人です」 ―「取り残されている被災者が○○人居ります」 ―「東...
<意味不明> 彼に言わせるとこのようになる。 …「最も醜なるものこそ最も美なるものである」 <自称哲学者> 男1…生は死だよ。 男2…いや、死は生だよ。 <討論> まるで体言を並べるだけの討論。 …彼等は二時間の討論をし終えた。 <酷評> 「これは奥さん欲求不満の絵ですね...
<哲学者> 哲学者と呼ばれたいために彼がしたことは? …いつも「生・愛・死」という語を組み合わせて喋った。 <不必要な言葉> 意味ありげに言うが無くてもいい言葉は? …「なんとなく」「なにか、こう」「そういう意味では」「つまるところ」 「けっきょく」「等々」「言ってみれば」...
<脂ぎった女> 太りすぎだよね。 …欲望のかたまりなんだよ、きっと。 <気取り屋> あの男はいつも無い品物を注文するよ。 …過ぎたる気取り屋なんだよ。 <教師> 教師の仕事って一口に言うと? …物事をきわめて解りにくく教え込む職業。 <唯物論者> あの唯物論者は晩年になって...
<石ころ> あいつのことを石ころみたいだって笑ってやったよ。 …でも、その後で石ころに躓いてしまった。 <日記> 今日のことをしっかりと書いておこう。 …明日は偶然かも知れないからな。 <ピカソ> 上手下手なんてどうでもよかったんだなあ。 …ピカソは。 <激論> 宴会で、あ...
とおくから、からすのこえ。 つばくろぼうや:あっ、からすのおばあちゃんだ! ぼくは、ここにいるよーっ! からすのおばあちゃん:つばくろのぼっちゃーん、おむかえにあがりましたよーっ。 つばくろぼうや:あ、やっぱりからすのおばあちゃんだ! おばあちゃーん、もう、げんきになったん...
つばくろぼうや:よおし! それじゃおたがいに、フルスピードをだしてみようよ。 のらいぬ:よおし! それっ! つばくろぼうや:よおし! ありったけのちからをふりしぼってやれ! あと、三十メートルだぞ。あと、二十メートル。あと、十メートル。いまだぞっ!おーい、みてみなよのらいぬ...
ひゅーっととびたつおと。 すぐあとから、のらいぬがはしるおと。 つばくろぼうや:うふふふ。うまくいったぞー。あっ、からすのおばあちゃんが、おがわのほうへにげていく。よかったなあ。うふふ、のらいぬめ、からすのおばあちゃんのことはすっかりわすれて、いっしょうけんめいはしってる。...
*きのえだが、かすかにゆれるおとがする。 つばくろぼうや:ふふん。のらいぬめ、まだ、からすのおばあちゃんをにらみつけているな。よおし、うしろからまわって、おしりをつっついてやる! *ぴゅうーっと、とびおりるおと。 つばくろぼうや:えいっ! えいっ! えいっ! ぴゅうーっと、...
つばくろぼうや:でも、おばあちゃん、おばあちゃんをこのままここにおいて、ぼくだけにげるなんてことはできません。 からすのおばあちゃん:いいえ、わたしはかまいません。わたしは、こんなよぼよぼです。どうせ、そのうちしんでしまうんだから。でも、ぼっちゃんはちがいます。わかいのだか...
*まちの、うるさいおとがとおのいていく。 つばくろぼうや:ふうっー、おどろいた。まちってあんなにうるさいところとは、ちっともしらなかった。にんげんって、あんなにうるさいところにすんでて、きがくるってしまわないんだろうか。にんげんだけじゃなくて、とかいにすんでいるつばめたちだ...
*ひゅーん、ひゅーんと、かぜをきるおと。 つばくろぼうや:わあ、すごいなあ。たんぼやはたけが、あんなにとおくみえる。どうろが、しろいへびみたいに、くにゃくにゃまがってる。ぼく、ずいぶんたかいところをとんでるんだな。へへん、どんなもんだい。こんなたかいところは、おかあさんだっ...
でてくるもの つばくろぼうや おとうとつばめ いもうとつばめ ひばりのおじさん からすのおばちゃん のらいぬ *そよかぜとことりのさえずり。 *つばめのなきこえ。 つばくろぼうや:みなさん、こんにちは。ぼく、いなかにすんでいる、つばめのつばくろぼうやです。もう、...
カラス3:ぜんぶじゃないわよ! しろいカラス:なにが、なにがちがうっていうの? カラスたち:はねよ、はねのいろよ! しろいカラス:えっ? はねのいろ? カラスたち:あなたのはねは、まっしろよ! しろいカラス:あっ、そうだった! カラスたち:ほら、みなさい。あなたはカラスじゃ...
しろいカラス:カア、おいしい! カア、おいしい! ハトたち:カラスよ!”カラスだわ! しろいカラス:えっ! なんですか? ハトたち:あなたは、ほんとうは、カラスね! しろいカラス:い、いいえ、となりむらの、ハト、ハトですよ! ハト1:でも、あなたはいま、カアおいしい、カアお...
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