「来週は逢える?」 「来週逢おうね。」 だけど... 彼からの具体的な日取りの連絡はない。 「今週は逢えないの?」 「ごめんね。バタバタと予定が入ってしまって、今週逢うのは無理なんだ...。」 それって言ってくれてもいいことなのでは? 彼はいつもそうだ。 人は言葉で嘘をつき、行動で嘘がつけない。 逢いたいなんて思っていないんじゃないかと不安になる。 「こんばんわ~」 ひとりぼっちの夜が嫌で、いつも行くワインバーのドアを開けた。 「いらっしゃいませ」 いつものように優しい笑顔を向けてくれるソムリエール。 「彼が忙しくて逢えなくなっちゃったの...」 「彼氏さんはお仕事忙しいのね」 「なんだか私、…
私は小さなワインバーで働いていて、あのひとは時々みえるお客様。 どういう経緯でかは覚えていないけれど、オフの日に一緒に食事をする約束をした。 お店の予約はあのひとがしてくれて、互いに一本ワインを持ち寄ることになった。 自宅のワインセラーを覗きながら、どのワインにするか迷っていた。 迷って困ってではなく、迷って楽しい♪ 今まであのひとと話した記憶を、必死で辿っていた。 あのひとがいつも飲むワインはどんなだった? どんなワインが好きだって言ってた? 確か...もうすぐ誕生日だったんじゃなかった...?! 誕生日なら泡がいい。 待ち合わせ前にワインショップに寄ることにした。 誕生日なのだからシャンパ…
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