私はお気に入りのものを使うだけじゃなくて手で掲げて、ボーッと眺める。これの何が楽しいのかうまく説明出来ないけどやってしまう。つまりこれは、本来あるべき保管場所から持ち出すことを意味するので、当然お気に入りのものをよく失くす。お気に入りほど失くし易い。レリーフ加工のブルーアイズアルティメットドラゴンに、金色のバトル鉛筆、色々部品を組み合わせた自分だけのドクターグリップ、ゼンハイザーのいい音がする有線イヤホン、彼女とお揃いで購入したレザーのしおり、バイト先の店長から貰った高いボールペン。今まで失くしたものは数え切れないほどある。どこか思い出ごと紛失したような気がしてただのモノ以上にダメージを受ける…

先週末の風俗店にて。「そろそろ挿れるね」だらんと仰向けに寝転んだ私に対して風俗嬢が言う。その光景を見てはたしてこれは挿れているのだろうかと違和感を感じた。 性行為の動作を直接的に表す動詞はいくつかある。「挿れる」「ハメる」「突く」などポルノに慣れ親しんだ私からすると見慣れた表現ばかりだ。こういった動詞は全て、男性がどうするかを表す動詞であり、こういった性行為に関する語彙は酷く男性主体に構成されているように思える。 もちろん女性が主語となって使うこともある。「挿れる」だって風俗嬢が挿れようとしていたように女性が主語になれる動詞だ。だがその場合も男性器を目的語にとって挿れるわけで、性行為に関する語…

少し前から、メンズアイドルにハマっている。Netflixで配信されていた、timelesz projectを視聴したことがきっかけである。元々私は男性の美貌を好意的に捉える質があって、少し前だと吉沢亮の美貌に身を震わせていた。これは前々からの持論なのだが、美貌を楽しむなら異性よりも同性の方が良い。女性アイドルのライブ会場に行き、必死に推しのソロパートで手を伸ばしていても応援や美貌への喝采をすると同時に20%くらいは「セックスしたい」の気持ちが入っている。恋愛対象ではない性別だったらこうはならずに、叶わない無駄なセックス願望のリソースを応援に回せる。 こういう持論を持っていたので、男性アイドルを…

散歩をすると心が晴れやかになる。適当に歩いてるときだけは時間が持つ強迫的な様相は控えめになる。私は26年も何も成し遂げずに生きてしまった。大人になってからの数年で悟ったことだが、恐らく今の若い時期と中年になってからそして老後は割と地続きで繋がっていて気付いたらいつ死んでもおかしくないところまで来ているのだろうと思う。「もう何歳」と死ぬまで毎日思いながら生きていくのだろうけども、散歩しているときだけはそのミクロな時の流れに身を任せて自由に居る気がする。私にとって散歩は時の流れの早さを緩和させて、なんとか今という時間に目を遣らせる作用がある。 散歩はしばしば分岐する。数分後の自分が何処に居るかはそ…

ようやく季節性の憂鬱な気分が和らいできた。二カ月超に渡る壮絶なセルフネグレクトの結果として今もなお、ウーバーイーツで注文したジャンクフードの容器が自宅の床に散乱している。最近は少しずつ片付けているがさっぱりとした床を見るのは当分先になりそうだ。二カ月以上に渡ってブログを、ましてや下書きすら書かないのは19歳の夏から数えて初めてのことであり、本憂鬱期間の深刻さを物語っている。 だからといって全く文章を書かなかったわけではない。文章を書くというか文章を書いて指示を出していた。本憂鬱期間では、chat GPT様のアシストを借りて空想のスケベ設定を山程作っていた。例を上げると、「国家資格認定風俗士の概…

朝、目が覚めると布団の中で、足を縮こませて、布団の面積の3分の1ほどを余らせていることに気づく。身も心もコンパクトにまとめて、冒険的な野心を消失していく季節。私はそういう季節の生まれだ。母親の産道から何とか出てきて産声を上げると同時に、外界の過酷さを悟ったことだろう。出てきた瞬間、「ムリっすムリっす」と言いながら子宮に戻ろうとしたに違いない。縮こまっている朝は、「ムリっす」を思い出す。 はじめての外界への感想がそんなものだったら、当然私みたいな非力な人間に育つ。夏に生まれてたらきっと「ムリー！生きていけるかー」と陽気にツッコんでいただろうし、春か秋だったら「ふーん、こんなもんね」と肝の据わった…

僕には推しの風俗嬢がいる。単に性的に満足を与えてくれるから好んでいるだけだけど、便宜上"推しの風俗嬢"と呼称している。推しは冗談みたいに胸が大きい。その冗談を活かして、趣味でコスプレをしている。二次元美少女なんて元々冗談みたいなものなのだから、推しにお誂え向きである。 推しは、お客さんとは一線を引くタイプなので個人情報はあまり教えてくれない。だからコスプレイヤーとしての彼女は、会話の中でだけ垣間見える。前はハロウィンに甘露寺蜜璃のコスプレをしたらしい。僕はキモい人間なのでそのコスプレ写真を載せている趣味用のSNSを特定して閲覧している。 推しのSNSを見ると、おいしそうなシュークリームの写真や…

社会人と呼ばれるようになってからもう少しで3年が経つが、未だに自分が会社でまともに働いていることにふとした瞬間驚く。しかしながら、もっと驚きを隠せないのが、社会人になる前の私が非社会人であったという事実に対してである。 非社会人と聞くと、まるで国家転覆でも目論んで日夜、良からぬ集会に出席している人を想像するが実際は昼は粛々と学業に励み、夜だけは自慰行為を楽しむ至ってまともな人であった。確かに自慰行為には全くもって社会性がない。その行為は専ら自分と向き合って楽しむ。そんな行為ばかりしていたからといって非社会人は言い過ぎではないか。あのときの自分は社会に非ずな状態だったのだろうか。非社会人であった…

美味しいタバコが吸えなければ生きている意味がない。女の子とSEXが出来なければ生きている意味がない。文章を書けなければ生きている意味がない。女の子とSEXしたら美味しいタバコが吸える。自己満足の文章を書いたら美味しいタバコが吸える。文章→SEX→煙草であるべきなのか、SEX→文章→煙草の方が良いのか、はたまたSEX→煙草→文章→煙草であるべきなのか。何にしろ全ての道はタバコに通じる。将来の夢は定期的に美味しい煙草を吸える生活を送ることだ。毎日じゃなくてもいいからそういうことがしたい。ちなみに今までで一番美味しかった煙草は、大学時代に行った演劇公演の後の喫煙所での一本である。あれは旨かった。 女…

お盆休みに青春18切符を使って、浜松まで移動をした。所要時間は約6時間。まるで大層な冒険譚を読むように、駅の間や途中下車でのタバコ休憩、それらを脳裏に焼き付けながらの移動だった。。そしてお盆休みが終わり、9月に入り台風の季節になった。台風は西日本をゆっくりと通過し、僕の住む水戸でも天気は荒れて洪水が起きた。道路でドアの下部まで水に浸った車のエンジンを心配しながら走るのはスリリングで少しだけ楽しかった。 雨が降るから、少々ましにはなっているけど相変わらず猛暑と言って差し支えない程の気温が続く。それに加えて天気は不安定だから質が悪い。晴れの日の午前、半年ぶりにベッドのシーツを干した。少し昼寝をして…

先日のこと、ミラーレス一眼を購入した。スマートフォンで写真が撮れるのにわざわざ重たくて写真を撮ることしか出来ない機械を持つことにした。 ここ2、3年は意識的にスマホで写真を撮るようにしていた。動機は女の子から受けた影響だとか、孤独を感じているからだとか色々ある。一方なぜ、これまで写真を撮らなかったのか。スマホでなんでも写真に収めるという行為は、クラスのイケてる奴らがよくやっていた。当時その行為は酷く俗っぽいものに見えた。でも、高校を卒業してクラスから解放されて、ましては社会人になった今ではそういう俗っぽさへのアンチテーゼはほとんど意味を為さなくなってきている。よく思い返すと、小学生のときは友達…

男の子は旅に出る 9連休もあれば男の子は旅に出る。コホン…もう25歳なので男の子じゃなくなったのだった。でも男だとか自称して、勃起したおちんちんを見せびらかす気にもなれないので便宜上男の子とする。私は勃起を自慢したりする性分ではない。では改めて…9連休もあれば便宜上の男の子は旅に出る。 ということでお盆で9連休になったので内3日を使って旅に行った。目的地は兵庫県豊岡市城崎町、城崎温泉を目指した。もちろん旅行じゃなくて旅に行くと豪語するわけだから、それなりに枷を履かせた。1人で行くこと、あんまり予定を立てないそして鈍行電車を使う。ほとんど自分の趣味趣向でしかないけど、ギリギリ旅に行くと言ってもい…

9連休もあれば男の子は旅に出る。コホン…もう25歳なので男の子じゃなくなったのだった。でも男だとか自称して、勃起したおちんちんを見せびらかす気にもなれないので便宜上男の子とする。私は勃起を自慢したりする性分ではない。では改めて…9連休もあれば便宜上の男の子は旅に出る。 ということでお盆で9連休になったので内3日を使って旅に行った。目的地は兵庫県豊岡市城崎町、城崎温泉を目指した。もちろん旅行じゃなくて旅に行くと豪語するわけだから、それなりに枷を履かせた。1人で行くこと、あんまり予定を立てないそして鈍行電車を使う。ほとんど自分の趣味趣向でしかないけど、ギリギリ旅に行くと言ってもいいのではないかと思…

先週末にTOKYO IDOL FESTIVAL、通称TIFに行ってきた。友人に誘われて、行くことになったのだけど現在進行系で追いかけているアイドルがいないこともあって参加には消極的だった。 タイムテーブルを印刷して僕が大学時代に何度かライブに足を運んだことのあるグループに印を付けた。それから、知らないグループもYouTubeで検索して曲とかコンセプトを吟味した。僕は基本的に怠惰で直情的に生きているのでイベントを事前に準備することはないのだけれども、アイドルとなると少し話が変わる。19歳〜20歳くらいのときに通っていたアイドルグループがあって、彼女らはもう解散してしまった。けれど人目を憚らずに所…

18歳から若年者という括りが始まるのだとすれば、25歳の私はもう後期若年者にさしかかる。後期若年者になるとだんだんと自分の持っている少年性みたいなものが恥ずかしくなってくる。休みの日の昼に寝ぼけた頭で散歩をして、未来のこととかをぼんやりと思い浮かべる。そういう思春期っぽいことをいつまでもやっている。後期若年者は思春期をいつ捨てるのかという葛藤といつも闘っているのだ。 そんな私も一丁前に仕事をしているので、日常的には思春期を押し込んで生活出来ている。目標と達成のことだけを考えて生きている。ところが、つい最近デッドデッドデーモンズデデデデストラクションという映画を観た。作品内の思春期っぽい倦怠感に…

人生で一番幸せだった瞬間は、もう二度と更新されないのかと思い時々憂鬱になる。 大学時代、サークルの同期で好きな女がいた。結果的に言うと彼女とは付き合ったのだけれども付き合う前の方が幸せだったと今になって思う。 その日、サークルの結構な人數で肉寿司を食べる飲み会があった。僕は大人数の飲み会が苦手であるので、必死に酒を煽り、自分が自分でなくなる程度まで酒に酔っ払った。 当然の帰結として、飲み会後半では会話すらおぼつかない状況になる。会が終わり、盛り上がったものは二次会に行き、もう良いかなという者は帰路についた。僕は当然後者で、楽しみきれない屈辱の飲み会を酔っ払った頭を振り払いながら、一人ぼっちで歩…

先週から別の支店に出張に来た。そこの支店にはわたしの1年下の後輩が居る。そこに呼ばれたのには「歳の近い者同士で切磋琢磨させる」という如何にも体育会系らしい理由があった。彼は今歩きで営業をしているので、わたしが営業先まで車で毎日送ってあげている。切磋して琢磨する車内、通称切磋琢磨号にてこういうやり取りがあった。 「楽しくないさん、俺やばいっす。この支店居たら潰れます。」 「いや〜大丈夫?支店長もうるさいもんね」 「俺、この前支店長に詰められ過ぎて倒れて病院運ばれたんですよ」 「え、まじで?、え、本当大丈夫なの?」 そこから、彼が如何にしてこの会社で病んでいるかを聞いた。わたしは理解のある、柔軟な…

電子書籍で読書 ここ数ヶ月、久しぶりに本を読みたい気分になっている。本当は紙の本を読みたかったんだけど、kindleで無料で読めるやつがたくさんあったのでとりあえずそれを読み進めていた。でもって、仕事の最中に衝動的に買った電子書籍もいくつかある。 紙の本でしか味わえない感覚があると信じて25年間生きてきたけど、電子書籍も全然悪くない。ページを捲る感覚だったり、左手で持っている紙の厚みがどんどん薄くなり物語の終わりを名残惜しく思う感じ、本を閉じて表紙をまじまじと眺めて読後感に浸る感じ。そういう感覚が無いのは少し寂しいところだけど、電子書籍の手軽さは捨てがたい。興味、関心が高ぶったときに買うことが…

ここ数ヶ月、上司の言動に不快感を感じながら過ごしていた。現在、私がやっている仕事の進捗は芳しくない。そして朝、営業先に向かうため事務所を出ようとするときに上司は私の肩をポンッと叩き「今が踏ん張り時だからな」と私にエールを送る。上司は私のことを気にかけてくれているし、叱ることなく応援してくれている。だけど、そういう熱い雰囲気の言動に辟易としてしまう。 会社の出世したおじさん達は常々"奮起"だとか"踏ん張る"といった男の子っぽい言葉を使う。"踏ん張る"なんて私は"ウンコを〜"ぐらいでしか使ったことがない。今日に至っては「この支店は背水の陣だ」とか言っていた。それに対し私は「よっ！男の子！カッコイイ…

今朝、いつもの時間にホームで電車を待っていて、何気なく「そういえば、あの"ブス女子高生"いるかな」と辺りを見渡した。"ブス女子高生"とは最寄り駅から同じ電車に乗る、顔が大きくて、容姿的には少しアレなのだけれども電車内で誰よりも熱心に鏡を見つめて前髪を気にする女子高生のことである。異常な容姿への執着と、そんな努力虚しく隣のナチュラル風JKの方が可愛いという現実。その光景がなんとも、私をいたたまれない気持ちにさせた。 だから「負けるな!」という気持ちで彼女のことを気にしていた。 しかしよく考えてみればそれはもう2年前の話なのだ。何気なく辺りを見渡したけども、もう彼女は卒業している可能性が高い。彼女…