院内は、温度がきちんと管理されていて寒い日も快適である。私の入院している病院では、病衣貸出につき後から実費の請求がある、節約のためか、自前の着慣れたジャージやTシャツ姿の患者も多い。私も着慣れた綿の、ダボダボTシャツと長年愛用の着心地バツグンのスウェットだ。今日から初めての入院だと言う女性が部屋に入って来た。私に、最初に放った言葉が「え?そんな格好でいいんですか、?え~、私パジャマわざわざ買ってきたんですよ~高かったけど買ったんですよそれも2着も。。。あ~早く言ってヨ~」彼女はひどく落胆しながら持参して来たモコモコ分厚い生地のプーさんのパジャマ可愛いでしょと。そして、続いて取り出した、フリルのついたフワフワのガウン・・・『それも着るんかい、暑くないんかい』私は心の中でつっこみを入れた。室内は暖かい・・・乙女のお...忘れていた
病室では、それぞれのベットの横には必ず小さなゴミ箱が用意されている。ある日お散歩から戻ると、私のゴミ箱がビニールのお菓子の空き袋で一杯になっていた。「?」と思った。とりあえず大きなゴミ箱に捨ててきた。すぐにそのお菓子のごみは、お向かいベッドのおばあちゃんの仕業だと解った。何しろ、おばあちゃんは食事の制限があるのに大のお菓子好きなようでカーテンを閉め、むしゃむしゃ食べている気配がよくある。だから看護婦さんに知られるのを恐れていた。それでもどうにも我慢できなkったのでしょうか少し可哀想に思えて、何も言わずそのままにしていました。ところが、次の日も又次の日も私のゴミ箱はお菓子の空き袋でいっぱいになる。そのうち、私は看護婦さんに言われました。「おかしいわねー、あなた、こんなにアレコレ食べているのに何で低血糖が続くのかし...いつのまにかゴミ箱がいっぱい
入院患者の数少ない楽しみと言えばやはり、1番は食事だ。食事の前には、まずアツアツのお茶が配られる。看護師さんが、大きなヤカンで各ベッドを回って玄米茶を注いでくれる。希望する人には希望する分注いでくれるので水筒を準備して、一日中お茶を楽しんでいる人もいる。しかし、食事に小さな牛乳のパックが付いてくることも多い。冷たくヒエヒエの水滴をつけた牛乳!・・・牛乳大好きな私には堪らない。しかしお向かいのベッドのおばあちゃんは、いつも牛乳のパックには手を付けない。看護師さんが「後で飲んでネ」とテーブルの上に置いて行こうとすると、「いつも言ってるけど、オバーは絶対に牛乳は飲まないってば!オバーは人間だから、牛の乳は飲まん!絶対、牛乳は飲まんよー!」・・・想像を超えた理由があった。オバーは、牛乳は飲まん!
入院中、髪の毛が抜ける症状の人もいる。ニット帽を被ったりバンダナを使ったりするようだ。とってもデリケートな問題だ。同室に、かつらをつけたおばあちゃんが一人いる。、しかし、お昼寝中はやはり油断しているようで、かつらが少しずれていく。少しずつ、少しずつ横へ横へとずれていく。おばあちゃんは、一日中カーテン開けっ放しでしかも、部屋の出入口のベットなのでトイレにいくたびおばあちゃんの頭部に目が行く、顔は横を向いているが髪は正面を向いている。「いかん、いかん、頭部を見つめてはいかん」と思うものの、おばあちゃんの髪が気になってしょうがない。お散歩に行くときも、おばあちゃんの髪を確認!朝昼晩、食事の上げ下げの時も、おばあちゃんの髪に目が行く。とにかく、気になってしょうがない・・・「ああ、もうちょっと右、右よー」と思ったりする。...おばあちゃん、もうちょっと右向いて
私は近視の上、強めの乱視でもある。だから私にとってメガネは、無くてはならないものだ。入院した時から、ベッドのテーブルにメガネを置きっぱなしにしていた。ある日、いつのまにかメガネが無くなっていた。私は必死に捜した。ベッドの隅々まで丁寧に調べ、毛布をめくり、引き出しの奥まで引っ掻き回し何度も何度も確認したが・・・無い・・・・・お手洗いや洗面所、お風呂場まで思い当たるところを捜しまわりバタバタと行ったり来たりしていた。すると、お向かいのベッドのおばあちゃんが「どうしたの?、さっきから何してるの?」と話しかけてきた。「いやー、実は私のメガネが・・・」と言いながら、そのおばあちゃんの方を振り返ってみるとなんと・・・メガネをかけたおばあちゃん、「それ、私の・・・です!」メガネが無い!
毎朝回診の時間になるとぞろぞろと6~7'8人のチームでやって来る。廊下を歩いている姿で,誰が一番偉いのかひと目でわかる先頭を手ぶらで歩いている人が、たいてい偉い先生のようだ。そのチームの後ろに、見るからに一番若い先生がカルテの束を抱えて今時風な、イケメンで背の高い先生がカルテの束を持ってついて来る。その若いイケメン先生を気にいったおばあちゃんは満面の笑みで「イヤ~、先生かっこいいね~、ジャニーズ系だね~うちの孫と結婚しないね~うちの孫、美人だよ!まだ中学生だけどさ~」と・・・すると先生は「ゴメンね、ボク先生じゃあなくて看護師だし子供もいるんだ~」と苦笑いした。ボク看護師です
隣のベットのおばあちゃん「最近、頭がドンドン大きくなってドンドン重たくなってきてるサー昔より首も肩も固まって、歩くのも大変‘‘‘このこと一応、言った方がいいかねえ」心配そうに話しかけてきた。「気になる事は先生に言った方が良いと思いますよ」と答えた。そして回診おばあちゃんは、おそるおそる先生に小声で申し訳なさそうにゆっくりと話した。「私の頭がどんどん大きくなっている気がするんです、毎日少しずつ重くなって肩も凝るし・・・、実は頭がでかいと有名だった亡くなったオジーが憑りついていると思うんです、どうにかなりませんか?」と話した。私は先生が何と答えるのだろうかと、いけないと思いつつも、聞き耳を立ててしまった。すると先生は「きっと、オジーが守ってくれてるから、すぐ良くなると思いますよ」流石!、先生のありがたいお言葉でした...頭がどんどん大きくなって・・・
私の入院生活はまず絶飲食の生活から始まる。その後〝水”のみOKとなり次にスープばかり3種類でおかゆの上澄みのような腕もあります。一つはカボチャのトロトロスープもう一つはグリーンのスープ、恐らくほうれん草色の飲み物ばかり・・・赤ちゃんのための離乳食に似ている。つまり全部飲み物である。噛む必要はない。そして数日後次は「いつも飲んでる好きなもの飲んで良いですよ!と言われた。ヤッター、ヤッター、ヤッターマン!こぶしを突き上げ歓喜に涙が出そうになった。私は嬉しくて、フラフラしながらも力を振り絞り売店へ急ぎ大好きなリンゴジュースを4パックも買いテーブルの上に並べていた。もうニコニコである。この日、この時を待ちに待っていた。そのすぐあと、先生が他の用事で私のいる病室へ来た。なんだか、いやな予感・・・・・先生はテーブルの上に並...さよならカリウム
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