『ミッキー17 MICKEY17』 原作:エドワード・アシュトン (ミッキー7) 監督:ポン・ジュノ 出演:ロバート・パティンソン/ナオミ・アッキー/スティーブン・ユアン/トニ・コレット/マーク・ラファロ 借金が返せなくて地球脱出を考えた主人公ミッキー、何度でも生きかえられるという、いいんだか、わりぃんだかわからん仕事にサインする。長い旅路の果てに到着した星で、業務についた途端、使い捨て人間(エクスペンダブル)として、殺されては生きかえる悪夢のような人生が始まった。命の大切さが主題なのかもしれないが、何度も生き返る精神的な辛さという面はユーモアを交えて軽妙に済ませて置いて、現場で起こる事件が重…
ピエール・ルメートル「わが母なるロージー」(文春文庫)2019年 パリ警視庁、身長145cmのカミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ3部作の4作目。なんだって? 3部作の4作目って日本語おかしいだろ! でも3部作の4作目なのだ。 ①「悲しみのイレーヌ」、②「その女アレックス」、③「傷だらけのカミーユ」の3部作はすでに完了していたが、出版社からの依頼で出来上がった物語だそうで、せっかくなのでカミーユにも出て来てもらおうということになったようだ。 順番としては②と③の間に起こった事件だそうだ。でもこれだけ読んでも単品として楽しめる。3部作は各々400ページ前後あるのに「わが母なるロージー」は半分の2…
『少年と犬』 原作:馳星周 監督:瀬々敬久 出演:高橋文哉/西野七瀬/伊藤健太郎/伊原六花/柄本明/宮内ひとみ/斎藤工 北から南へ犬が旅をしながらいろんな人に会うほのぼのした映画かと思ったら、問題山積み映画だった。東日本大震災をきっかけに飼い主を失った多聞(たもん)という名の犬。さまよう多聞に巡り合う人々が人生に悩んだり失敗したりしている姿が映し出される。多聞に出会い自分を見つめ直す機会を得る人々。優しさを取り戻す人々。犬の映画だから子供向きかというとそうでもない。 原作は読んでない。ストーリーが単純に時系列に語られるわけでもなく、時が進んだり戻ったりしながらエピソードが語られるので油断せずに…
「ミロ展」@東京都美術館 「ホアン・ミロ」かと思ってたら「ジョアン・ミロ」になったりしてたのに近頃は「ジュアン・ミロ」と呼ばれている。調べたら「ホアン・ミロ」はカスティーリャ語発音、「ジョアン・ミロ」は英語発音、「ジュアン・ミロ」はカタルーニャ語発音だそうで。日本語表記が定着しちゃってから変わると違和感が生じるけどしかたない。「ツヨイコノ・ミロ」 約100点を集めたミロの大回顧展。都美の地階・1階、2階が展示室になっていて、最後の2階フロアのみ写真撮影が可能となっている。ミロは昔から好きなほうだった。好きな作品もあれば好きじゃない作品もあるっちゃあるけど。 初期の写実的作品は何の絵なのか見れば…
『Flow』 監督:ギンツ・ジルバロディス 出演:動物 大洪水の中を動物たちがヨットで旅、というか漂流していくアニメ映画。ラトビア生まれの監督が手がけた長編2作目。すごくいい。大きな目玉の黒猫がメインキャスト。 この映画にはセリフは無い。猫はにゃーにゃー、犬わんわんわん、猿うききききー。普通はそうだからすごく自然なアニメになっている。「腹減ったにゃー」とか「お前は森の王になるのだ」とか余計なことはしゃべらない。人間の言葉はしゃべらないけれど、人間が造った船に乗り、人間が築いた壮大な建造物の脇を流されて行く。 洪水でどんどん盛り上がってくる水面や、嵐に翻弄されるヨットのシーンはコワイくらいリアル…
『知らないカノジョ』 監督:三木孝浩 出演:中島健人/milet/桐谷健太/風吹ジュン/眞島秀和/中村ゆりか/八嶋智人/円井わん 大人気作家になった夫と、ミュージシャンになる夢を諦めた妻、それでもうまくいっているように見えた二人だったが、いつしかふたりの人生の歯車が狂い始める。ある時、目覚めた夫は、自分が出版社の編集社員になっていて、妻は売れっ子ミュージシャンに変わっていることを知る。反転しただけでなく、妻だった人は夫の顔さえ知らない他人になっていた。 この異様な状況に納得できない夫は当然ながら妻のはずの大スターに超接近してストーカー呼ばわりされてしまう。これで厳重な警備が入れば映画は終わっち…
『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』 監督:ジェームズ・マンゴールド 出演:ティモシー・シャラメ/エドワード・ノートン/エル・ファニング/モニカ・バルバロ/スクート・マクネイリー 若き日のボブ・ディランを描いた作品。まだ誰にも知られてなかった若い男が、田舎からフラリとやってきたニューヨークで、秘めたる能力を発揮してあれよあれよと言う間に人気者にのし上がって行くアメリカンドリーム。 ミュージシャンの出世物語を見ると大抵、なかなか目が出ず落ち込んだり、悪いやつに金持ち逃げされたり、ふんだりけったりな人生が描かれる。ボブ・ディランにはそういう事はあったのか無かったのか。そりゃ音楽的な…
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