宮崎市内にいながら地鶏を食べないわけにはいかない。 翌日の夕刻、一番美味い地鶏との出会いを心から願ってニシタチを彷徨う。 上司と連絡を取り、評判の店で落ち合うことにした。 密かに有力候補に浮上していた店だが、上司曰く、地元の若者にお墨付きを得たというから、心強い。
社員旅行で宮崎に行くというのは、類まれな機会だ。多少の金があって仮に数日の九州旅行を楽しめるとしても、行き先の候補は福岡から埋まってしまう。 かく言う私は福岡、長崎、熊本、鹿児島を訪れたことがあるものの、宮崎は初めて。 日中は夏のような気温で、夜になっても温かな微風が心地よい。 宮崎市内には通称ニシタチ(=西橘通り)という県下一の歓楽街があると聞き、心が躍った。
昨夜はただ通り抜けただけの古町の商店街を歩き回る。 曇天だが日曜の午前中だからだろう、昨夜よりも人通りがある。 古町の西側に位置する西堀の道路沿いには、やけに目を引く地下街への入り口がぽつぽつとある。 冬場の寒気対策なのか、ガラスの壁にすっぽりと覆われており、入口に自動ドアがあるのだ。 その正体を知らない観光客は好奇心をそそられるに違いない。
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