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  • 映画『アラジン』感想&あらすじ/実写版よりアニメ版がいい おすすめ度 ★★★☆☆

    2019年公開 1992年のアニメ版アラジンを実写でリメイクした作品です。 あらすじ アラジンは猿のアブーといっしょに、小さな盗みを繰り返して生きていた。ある日市場で困っている美しい女性を助ける。実は彼女は王女様だった。 王女に恋をしたアラジンは、金持ちになりたいがために、王国を乗っ取る野心を持つジャファーの誘いで、洞窟に魔法のランプを取りに行くのだった・・。 感想 1992年のアラジンは、ちょうど子育て期だったので、ビデオテープが擦り切れるほど見ました。何度見てもハラハラどきどきする大傑作でした。 さあ、その傑作から27年。その頃のことを知らない人がずいぶん増えましたが、ふふふ、この私はしっかりおぼえていますよ。アニメ版がどんなに優れていたか。 オリジナルとリメイクを比較することにあまり意味があるとは思えませんが、アラジンに関してはほぼ同じ内容で実写化ですので、どうしても比較するしかないことになります。 そして、「すべてにおいてアニメのほうが良かった」と言わざるを得なくなってしまいます。実際には、けっこううまく作られていて、生まれて初めてアラジンを見る人にとっては、迫力ある、素晴らしい娯楽作品に見えるのでしょうが・・。 しかし、92年のアラジンを感動して見た記憶のある人にとっては、「あれ、もっとすごいのできなかったのかな。今の技術で」という感じではないでしょうか。 特に気になるのは、「ダイヤの原石」であるはずのアラジンが、それほど魅力的な人物ではないこと。もう一つは、悪役のジャファーがアニメ版の恐ろしいオジサンの雰囲気が全くなく、むしろ善人のように見えてしまうこと。この2点に尽きると思います。 ジャスミン王女の歌声も素晴らしく、広瀬アリス似できれいな人なのに、それにあのウィル・スミスのジーニーは本当に頑張ってる!でもジーニーの青い肌のCG処理はあれでいいのかしら。全身を青く塗っただけに見えてしまうのは私だけ? ジーニーとジャスミンの頑張りと相殺して、一応合格点ですが、「これはおすすめ」と手放しでは言えません。 ウィル・スミスはミュージシャンでもありますが、「アラビアンナーイ」と歌い上げるような歌は、慣れないステージで頑張って歌ってる感がありました。 それでもジーニーとしての演技は抜群ですので、それは見るだけの価値はあるかもしれないです。

  • 映画『雲の向こう、約束の場所』感想&あらすじ/おすすめ度 ★★★☆☆

    2004年 新海誠監督の初めての長編アニメーション作品。すべてがまだ未熟な作品ですが、とてつもない才能と可能性を感じさせてくれます。クライマックスで「あ、このシーンは・・」となるところが。それはのちの「君の名は。」へと繋がる場面です。 雲のむこう、約束の場所 あらすじ これは、もう一つの日本が舞台。1996年日本は南北に分断されていた。共産国家「ユニオン」が世界の半分を支配し、エゾにとてつもなく高い塔を建造しつつあった。 津軽半島に住む中学生の浩紀と拓也は、白く高い塔に憧れ、飛行機を作って塔まで飛ぼうという計画を練っていた。そこにクラスメートの佐由里が加わり、必ず塔まで連れて行く、と約束していた。しかしある日佐由里は突然姿を消してしまった。 塔まで飛ぶ計画はいつの間にか忘れ去り、3年後浩紀は東京の高校生に、拓也は反ユニオン組織で塔の秘密の解明に当たっていた。 塔は平行宇宙を観測し、高度な未来予測をするためのものであり、塔の設計者は佐由里の祖父だった。そんなとき、佐由里が原因不明の奇病で3年間眠り続けていることがわかる・・。 感想 いろいろな設定を盛り込んだ、スペクタクル巨編なのですが、惜しいことに全てにおいて未成熟です。 今、この作品をもう一度作っていただきたい。 そう思う人が他にもたくさんおられたからでしょうか、2018年に舞台化されています。 日本が南北分断され戦争が始まるという中での、少年たちの純愛。面白そうなストーリーだなと思って見始めましたが、何もかも盛り込み過ぎて、理解が追い付かず、見ているほうは消化不良で終わってしまいました。 また、背景がとてつもなく美しいのですが、人物が雑すぎて、そのギャップが大きかったです。 しかし、大人が見るためのアニメーションの世界がどんどん進化しつつあったんだな2004年は、と感じた作品ではありました。そして、実際にその後ものすごいスピードでアニメーションは進化しました。 日本のアニメーションが、世界における日本文化になった。新海監督もその先駆者の1人と言えるでしょう。

  • 映画『ほしのこえ』感想&あらすじ/おすすめ度★★★☆☆

    あの「君の名は。」の新海誠監督の、最初の劇場公開作品です。短編ながら、その後開花する才能を予感させるには十分な作品でした。ただ、この作品が完璧なものではまだ無いとは言えるでしょう。 ほしのこえ あらすじ 2046年 中学3年生のミカコとノボルは、互いにほのかな思いを抱き、同じ高校への進学を夢見ていた。しかし地球外生命体タルシアンの脅威にさらされていた地球人は、若い選抜メンバーを1000人以上宇宙へ派遣することを決めた。リシテア艦隊として、タルシアンを討伐するためだ。そして、ミカコもそのメンバーに選ばれていた・・。 感想 宇宙に行った恋人と、携帯のメールでやり取りする。そして地球から遠のくにつれ、メールは届くのに時間がかかるようになり、ワープした15歳のミカコのメールは、24歳のノボルにようやく届く・・。なんて哀しいお話でしょう。そして、宇宙に行くって、なんて寂しいのでしょう。 宇宙まで遠くなくても、遠距離恋愛になってしまった恋人同士には、メールや電話で繋がっているとはいえ、会うことができない状態って、とてつもなく寂しいもの。ほんとうに独りぼっちになってしまったような、それはまるで宇宙に1人で浮かんでいるかのように。 短い作品でしたが、とても深いテーマで、なんとも悲しいお話でした。2001年と言えば「千と千尋・・」などの日本のアニメが世界的に市民権を得た時代です。 そんな中でこの掌編が、将来の日本アニメ界を席巻する監督の誕生を予感させるものであることは、言うまでもありません。

  • 映画『スラムドッグ$ミリオネア』感想&あらすじ/おすすめ度 ★★★★★

    2008年 アカデミー作品賞含め8部門受賞。インドが舞台のイギリス映画です。映画に新しい風が吹いてきたのを感じてワクワクした作品でした。 スラムドッグ$ミリオネア (字幕版) あらすじ インドで放送されている人気番組「ミリオネア」。スラム街で生まれ育ったジャマールは、その最終問題に挑んでいた。 ジャマールは幼い頃、暴徒に母親を殺されていた。兄や同じ浮浪児のラティスという少女と3人で寝食を共にしていたが、怪しい施設に収容され、そこから逃げる途中でラティスとはぐれてしまい、なんとか再開したが、彼女を取り戻すために大金が貰える番組に応募したのだ。 たまたまこれまでの人生経験で答えることができた問題だったが、最終問題のところでジャマールはテレフォンを選択し、兄の携帯を鳴らした・・。 感想 主人公のジャマール役のデーヴ・パテールは、一躍スターとなり、その後ハリウッドで活躍しています。インド系移民のイギリス人だとWikipediaには出ています。 この映画を見たとき、「これは素晴らしい映画だ」と感激したのを憶えています。物語の展開が早く、またインドという馴染みのない風景がとても新しく感じました。欧米の映画ではこれほどまでには感じない身分の差、貧富の差。そしてクイズ番組という題材。回想の形で語られるストーリー。何もかも新しい風に思えて、すごく感動。 でもそれはインドという大きな国の魔法だったかもしれない、としばらくして思ったものの、そういう魔法のような雰囲気にいざなわれて、作品賞まで取るっていうところが、すでにこの映画が素晴らしい映画だということかな、とも気付きました。 見逃している方、これは確かに映画史に残る映画です。

  • 映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』感想&あらすじ/おすすめ度 ★★★★☆

    これぞゴジラ映画!ようやくハリウッドが本気を出してくれました。前作の「GODZILLA ゴジラ」から5年、ゴジラファンが納得できる作品がようやく完成しました。 あらすじ 2014年のゴジラ来襲で息子を亡くしたマークは心の傷が癒えず、未確認生物特務機関「モナーク」で巨大怪獣による世界の破滅を防ごうとしている妻のベラと距離を置いている。 あるとき何者かの組織がモナークの基地を襲い、モスラの幼虫を盗み出した。一緒にいたベラと娘のマディソンも拉致されてしまう。さらにその組織によって「ギドラ」も眠りから覚めてしまうのだった・・。 感想 ついに目覚めてしまったギドラ。いや、日本で言うとキングギドラ。そしてラドン、モスラ。みんなおなじみの怪獣ですが、素晴らしいCGでなんとも美しい怪獣になっている。動きも何もかも綺麗。だけど鳴き声はあのおなじみの声だ。 声と言えばゴジラの雄たけび。ああ懐かしい。だけどダイナミックに再現されている。今回のゴジラは心底ゴジラ映画をリスペクトしている人たちによって作られたんだな、とわかります。 ゴジラが好きな人、怪獣が好きな人は絶対に見るべきです。 そうでもない人にとっては、ありきたりの面白い映画と言えなくもないので、★☆は4つとなりました。 とは言え、ストーリーは、なぜ巨大生物が存在するのかという謎に迫り、ではギドラはどうして他の生物を操って世界を滅ぼそうとするのか、果たしてゴジラは味方なのか、というなかなか納得できる展開になっています。「王の覚醒」というサブタイトルがここで意味を持ってきます。 ただ、ひとつだけ私にとって残念なことが。あとはすべてパーファクト。芹沢博士も素晴らしいし、音楽も聞きなれた曲がメインテーマになっており鳥肌なのですが、ひとつだけものすごく残念なのが・・ ゴジラの顔。ハリウッド版ゴジラの顔がどーしても受け入れがたい。あれは違うでしょ。私だけがそう思うのかなあ。私が持ってるメルトゴジラのフィギュアの顔、違うんだよね・・。

  • 映画『LION/ライオン ~25年目のただいま~』感想&あらすじ/おすすめ度 ★★★★☆

    Google Earthってすごいですよね。地球上のあらゆる場所を、いろんな方法で検索できる。ほんとうに地球の上から探し出せる。これはそういう話じゃないけど。 LION/ライオン 25年目のただいま(字幕版) 2016年 オーストラリア・アメリカ・イギリス合作。ノンフィクション本の『25年目の「ただいま」 5歳で迷子になった僕と家族の物語』の映画化です。 あらすじ インドの田舎町で母親と二人の兄弟と暮らすサルーは、あるとき仕事に向かう兄に、どうしても連れて行ってほしいとせがみ、列車に乗って付いていく。 しかし5歳のサルーはどうしても眠たくなって寝てしまい、仕方なく兄は駅に寝かせて、「ここから離れるな」と仕事を探しに行く。その後目を覚ましたサルーは兄を探して回送列車に乗ってしまい、またそのまま寝てしまう。 動き出した列車は、1万キロ離れたカルカッタに到着する。自分の住む町の名さえ知らないサルーの運命は180度変わってしまった。それから2年間浮浪児として生きていたサルーは孤児院に収容され、やがてオーストラリア人夫婦に引きとられることになる。 20年後、裕福な家で暮らし、大学で学ぶサルーは、しかし心にぽっかり穴が開いたままだった。あるとき友人に、Google Earthで探してみては、と提案される・・。 感想 予告編や、ホームページのあらすじで、映画の筋書きはすべてわかってしまうのですが、それでも見る価値のある作品でした。 人間の心のあたたかさ、複雑さ、冷たさ、インドの街の臨場感、貧しい家でも愛にあふれるお母さん。 おそらく今でもまだ世界のどこかで、家の無い子供たちは、このように劣悪な環境下で生きなくてはならないのか、と改めて思います。 兄を演じた少年の俳優さん、切ない表情が兄のやさしい心をとてもよく表現しています。そしてサルーの子供時代を演じたサニー・パワールくんの可愛くて素晴らしい存在感。 ニコール・キッドマンもさすがの演技。夫役の俳優さんは「ロード・オブ・ザ・リング」のファラミア、お久しぶりです。 LIONという題名の意味が最後にナレーションで出てきます。「そうかぁ・・」という余韻を残します。 期待を大きく上回る作品ではないですが、心にしっとり響く、いい映画でした。

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