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  • 正常受精が確認できていない胚盤胞

    「正常な受精」は、2 つの前核と 2 つの極体が存在することとして定義されます。 このような正常な受精が確認できなかった胚に由来する、非前核胚(0PN)、単前核胚(1PN)および三前核胚(3PN)から生じる胚に関する証拠は不足している。低グレード胚盤胞と同様、非 2PN ...

  • PCOSでAMHが高値であればFSH投与量が増加する?

    多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS)の方で抗ミュラー管ホルモン(AMH)が高値であれば、FSH注射の反応が悪くなる可能性があるという報告をご紹介いたします。 Huang et al. Reproductive Biology and Endocrinology (2023) 2...

  • 低グレード胚盤胞でも、妊娠すれば流産や周産期転帰などは良好胚と変わらない

    低グレード胚盤胞は、妊娠率は低いものの出産につながる可能性はあります。低グレード胚盤胞移植後の臨床転帰については、臨床データが少ないために十分に研究されていません。 低グレード胚盤胞が出産する可能性と、単一胚盤胞移植を受けたカップルの周産期転帰と胚盤胞のグレードの影響を評価...

  • 携帯電話が精液所見に影響をあたえるか?

    携帯電話と精液所見に関する報告が発表されましたのでご紹介いたします。 Fertility and Sterility® Vol. 120, No. 6, December 2023 0015-0282 およそ 6 組のカップルに 1 組のカップルが不妊症にと報告されていま...

  • 失業と流産の関係

    流産は、臨床的に確認できた妊娠の 11 ~ 21% が流産となり、流産の約 0.3 ~ 0.5% は死産になると報告されています。 これまでの報告では、母親の高齢化、染色体異常、ライフスタイル要因、遺伝的背景など、流産の原因が明らかになっています。さらに、自然災害、大気...

  • HRTでプロゲステロン低下症例にて、坐薬補充にて妊娠率の低下を防ぐ

    ホルモン補充療法凍結胚移植(HRT-FET)において、移植前のプロゲステロン値が低いと妊娠率も低くなる可能性があります。そのため、移植前のプロゲステロン値が低い方に坐薬でのプロゲステロンを追加した場合、妊娠率が変化するか検討した報告をご紹介いたします。 Human Repr...

  • 胚盤胞の虚脱は妊娠に影響する可能性あり

    胚盤胞の虚脱についての報告がありましたのでご紹介いたします。 Human Reproduction, Volume 38, Issue 10, October 2023, Pages 1891–1900 妊娠率の高い胚を選択する手段としてさまざま開発されてきています。胚盤...

  • 原因不明不妊症に対するERHREのガイドライン

    生殖補助医療モニタリング国際委員会 (ICMART) は、「原因不明の不妊症」を「明らかに正常な卵巣機能、卵管、子宮、子宮頸部、骨盤を持ち、適切な性交頻度を持つカップルにおける不妊症」と定義され、割合は約30%ほどと報告されています。この報告では年齢 40 歳以下という項目...

  • 妊娠前の抗生剤は妊娠率に影響するか?

    妊娠前の抗生剤投与が妊娠に影響するか検討した報告をご紹介いたします。 抗生剤は、日常的に使用されており、調査によると妊娠前の30 日間に、デンマーク人女性の 4.9% が抗生剤の処方箋を受け取っていたようです。アモキシシリン、ゲンタマイシン、またはサリノマイシンなどの抗生...

  • 採卵時期と凍結胚移植の成績

    季節により体外受精の成績が異なるという報告や季節とは関係がないという報告があります。 Human Reproduction, 2023, 38(9), 1714–1722 Vandekerckhoveらのベルギーの報告では、日照時間が長くなり、雨の日が少なくなり新鮮胚移植...

  • 卵巣機能低下症例で正倍数性胚盤胞を1つでも獲得できる可能性

    卵巣機能低下症例で正倍数性胚盤胞を1 つでも獲得できる可能性を検討した報告をご紹介いたします。 Fertility and Sterility® Vol. 120, No. 3, PT. 2, September 2023 0015-0282 卵巣機能低下(POR)を定めた...

  • 新しい着床前診断の報告

    異数性着床前遺伝子検査(PGT-A)は、胚の着床する部分である栄養外胚葉の細胞を5−10個ほど採取し異数性の有無を調べます。しかし、胚に侵襲を伴うものであり、胚生検のリスク、手技によっては着床に影響する可能性もあります。ここで2013年Paliniらが、胚生検の代わりに胚...

  • 新鮮胚盤胞移植は新鮮初期胚移植と周産期転機は変わらない

    体外受精(IVF)/顕微授精(ICSI)において長期胚培養(受精後5日または6日の胚盤胞の段階での胚移植)は、ここ10年間で着実に増加しており、 初期期胚(受精後 2 または 3 日)よりも、胚移植あたりの妊娠率および生児出産率が高くなり、選択的単一胚移植により多胎妊娠の...

  • "poor responder"において卵巣刺激を変更する必要があるか?

    注射に対する卵巣の反応が悪い"poor responder"においてどういう卵巣刺激のプロトコールが最適であるか、また、初回採卵後、次の刺激は他のプロトコールに変更することにより良い結果につながるかどうかはわかりません。卵巣刺激・排卵抑制のため、さまざま薬剤がありますが、...

  • 一方の卵巣が摘出された後は、もう片方の卵巣の反応性が上昇する

    片側卵巣切除術が FSH に対する胞状卵胞の反応性が変化するか検討した報告 Human Reproduction, Volume 38, Issue 6, June 2023, Pages 1168–1182, 片方の卵巣が無くなると卵子の半分が急になくなることとなります...

  • AMHと流産の関係

    非 PCOS および PCOS におけるAMHと流産に関して調査した報告をご紹介いたします。 Reproductive Biology and Endocrinology (2023) 21:35 抗ミュラー管ホルモン (AMH) は、卵巣内の前胞状卵胞や小胞状卵胞の顆粒...

  • HPV感染は胚の動態や妊娠率に影響するか?

    ヒトパピローマウイルスが胚の動態や妊娠率に影響するか検討した報告をご紹介いたします。 Reproductive Biology and Endocrinology (2023) 21:39 ヒトパピローマウイルス (HPV) 感染は、性的に活発な男女の半数が罹患する可能性...

  • 自然排卵周期の胚移植決定で、LHのみを指標にすると排卵日推定がずれる可能性あり

    排卵日により胚移植を決定する際、LHを指標にすると、胚移植の最適なタイミングを外す可能性があるのではないかという報告をご紹介いたします。 Reproductive Biology and Endocrinology 2023 21:47 凍結胚移植(FET)において、排卵...

  • 胚移植日周囲のプロゲステロン濃度

    今回は、胚移植周囲のプロゲステロン濃度が低い症例に、プロゲステロン補充を行うと、プロゲステロン濃度が正常群(10 ng/mL以上)と生児獲得率が変わらないという報告をご紹介いたします。 Fertility and Sterility® Vol. 119, No. 6, Ju...

  • ホルモン補充周期で卵胞発育があった場合

    ホルモン補充周期による凍結胚移植の際、卵胞発育がみられることがありますが、このときの妊娠転帰や周産期合併症についての報告をご紹介いたします。 Fertility and Sterility® Vol. 119, No. 6, June 2023 0015-0282 胚移植に...

  • 採卵数と生児獲得率に関連があるか

    体外受精 (IVF) では、質の良い卵を複数個回収するため、性腺刺激ホルモンで卵巣を刺激し複数の卵胞の発育を行います。理論的には、複数の卵を回収すると、移植に利用できる胚の数が増加し、生児出産の可能性が高まります。しかし、多数の卵胞を発育させると、卵巣過剰刺激症候群(OH...

  • 新型コロナウイルスワクチン接種後、流産のリスクは増加しない

    でご紹介したように新型コロナワクチン接種により、体外受精の妊娠に関しては悪影響を確認できませんでした。この中の検討で新型コロナワクチン接種後の流産率は変わらないという結果でした。 今回、新型コロナウイルスワクチン接種後の流産のリスクを調査した系統的レビューとメタ分析が発表さ...

  • 月経1周期に2回採卵するduostimについての報告

    年齢が高く、卵があまり取れない方は、採卵後の高温期にもう一度採卵することで、月経1周期に2回採卵し、卵を確保するdual ovarian stimulation (duostim)という方法があります。 体外受精において、生児獲得率は、採卵数と相関関係があります。 卵の獲得...

  • 精子採取から人工授精まで時間についての報告

    精液採取と 人工授精(IUI)の間隔が長いと、累積継続妊娠が有意に改善され、妊娠までの期間が有意に短縮されたという報告をご紹介いたします。 Human Reproduction, Vol.38, No.5, pp. 811–819, 2023 IUIは、軽症の子宮内膜症、原...

  • タイムラプス培養器で得られる胚の動態と臨床特徴を組み合わせることで胎児心拍を確認できる胚を予想する

    妊娠率・出産率の高い胚の選択は現在、胚の見た目で妊娠しやすいか判断する形態学的評価が一般的です。形態学的評価は、胚を培養器から取り出し顕微鏡下で授精後1日おき胚を観察する静的評価と培養器に入れながら胚を10分おきに評価する動的評価があります。ただ、胚の形態学的評価は、観察す...

  • 男性の職業と精巣機能

    不妊症は、カップルの約 10 ~ 15% と推定されており、男性が由来する不妊症が 40% を占めています。 さらに、過去数十年間に精液の質も低下していると報告されています。 これまでの男性の生殖能力に関する疫学文献のほとんどは、環境化学物質、食事、BMI、身体活動に焦点...

  • プロゲステロン投与が切迫流産の治療に有効か

    今回プロゲステロンの切迫流産予防効果があるか、検討した報告をご紹介いたします。 Human Reproduction, Volume 38, Issue 4, April 2023, Pages 560–568 Hasanらによると性器出血を伴う切迫流産は、すべての妊娠の約...

  • 新型コロナワクチン接種による妊娠への影響

    SARS-CoV-2 に対するワクチン接種またはワクチンの種類が、生殖補助医療における卵巣機能に影響を与えるかどうかを評価した報告をご紹介いたします。 Fertility and Sterility® Vol. 119, No. 4, April 2023 Pages 61...

  • 油性造影剤を使用した卵管造影検査の安全性

    油性造影剤を使用した卵管造影検査の安全性についての報告をご紹介いたします。 Reprod Biomed Online. 2021 Jun;42(6):1119-1129. 卵管の疎通性を診断する一般的な方法として子宮卵管造影検査があります。この卵管造影検査を行った後は妊娠率...

  • 検査会社によりPGT-Aの精度が異なるか

    染色体異数性は、胚発生不全および反復性流産の最も一般的な原因です。 胚盤胞の細胞を採取し、染色体を調べる研究所において正倍数性胚盤胞率に差が出るかを検討した報告がありますので、ご紹介いたします。 Fertility and Sterility® Vol. 119, No. ...

  • 胚盤胞の形態学的評価や胚生検が出生時体重に影響するか

    胚盤胞の形態学的評価や胚生検が出生時体重に影響するか検討した報告がありましたのでご紹介致します。 ”Fertility and Sterility Volume 119, Issue 1, January 2023, Pages 56-66” 胚盤胞の形態学的評価に使用され...

  • 体外受精-胚移植における睡眠の影響

    体外受精-胚移植に対する睡眠の影響を調査した前向き研究が発表されていましたのでご紹介いたします。 Fertility and Sterility Volume 119, Issue 1, January 2023, Pages 47-55 睡眠に関する報告は様々あり、 K....

  • 長期の胚盤胞凍結は妊娠転帰に影響するか?

    胚の凍結保存は一般的となってきていますが、長期の凍結が妊娠転帰に影響するか調べた報告をご紹介致します。 Fertility and Sterility Volume 119, Issue 1, January 2023, Pages 36-44 W. Liらの胚の保存期間が...

  • 子宮筋腫と腺筋症が妊娠に影響するか②

    今回は腺筋症についてご紹介いたします。 ②子宮腺筋症 子宮腺筋症とは、子宮筋層への子宮内膜の浸潤を特徴とする非腫瘍性の良性子宮疾患です。 実際、異所性子内膜腺・間質は、子宮筋組織内に見られ、肥厚性・過形成性の子宮筋層に囲まれています。一般的に後壁が多いと報告されています。子...

  • 子宮筋腫と腺筋症が妊娠に影響するか①

    今回、子宮筋腫と腺筋症に関する報告がありましたのでご紹介いたします。 BioMed Research International Article ID 5926470 妊娠の成立には、胚と子宮内膜の両方が重要な働きをします。また、内分泌障害、遺伝性および後天性の血栓形成傾向...

  • 卵巣の老化を緩和する

    次に、卵の老化を軽減し、生殖能力の向上につながる可能性のある物質について Reproductive Biology and Endocrinology (2022) 20:156の続きです。 ①コエンザイムQ-10(CoQ10) CoQ10レベルは年齢とともに低下し、CoQ...

  • 卵巣機能の低下に関する報告

    卵巣機能低下に関するレビューが発表されていましたので一部ご紹介いたします。 Reproductive Biology and Endocrinology (2022) 20:156 女性の出生率は、20 代前半でピークに達します。 その後生殖能力の低下が続き、 35 歳以降...

  • 反復着床不全に対し子宮収縮抑制薬は有効か?

    今回、不妊治療で苦慮する反復着床不全について、子宮収縮抑制薬であるオキシトシン受容体拮抗薬(アトシバン)が有効か調査した報告をご紹介いたします。 ”Reproductive Biology and Endocrinology (2022) 20:124” 反復着床不全(re...

  • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)における卵巣ドリリング前後のAMH値

    多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)において、卵巣ドリリング前後のAMHが妊娠成立に影響するか検討した報告をご紹介いたします。 Reproductive Biology and Endocrinology (2022) 20:129 PCOSは、月経異常、アンドロゲン過剰症、およ...

  • 甲状腺機能と多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

    今回甲状腺機能と多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に関する報告がありましたのでご紹介致います。 Reproductive Biology and Endocrinology (2022) 20:133 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、女性に多くみられる内分泌・代謝障害の一種で...

  • 血圧とART治療成績

    血圧とART治療の成績が関係しているか調べた報告をご紹介いたします。 Human Reproduction, Vol.37, No.11, pp. 2578–2588, 2022 ARTに対する臨床的妊娠には、母体年齢、卵巣予備能、不妊期間と不妊原因、ホルモンレベル、子宮内...

  • 不活化Covid-19ワクチンは、凍結融解胚移植の出生率、新生児転帰に影響しない

    不活化Covid-19ワクチンは、凍結融解胚移植の出生率、新生児転帰に影響しないのではないかという報告をご紹介いたします。 Human Reproduction, Vol.37, No.12, pp. 2942–2951, 2022 2019 年の新型コロナウイルス (Co...

  • 妊娠の方法と早産のリスク

    妊娠の方法と早産のリスクを人口ベースの研究を行なった報告がありましたのでご紹介いたします。 Fertility and Sterility® Vol. 118, No. 5, November 2022 0015-0282 不妊治療の有無に関わらず多胎妊娠率が上昇すれば早産...

  • 喘息と妊娠

    妊娠と喘息の関連を調べた人口ベースの調査をご紹介いたします。 Human Reproduction, Vol.37, No.12, pp. 2932–2941, 2022 喘息は生殖年齢の女性の間で最も一般的な慢性疾患の 1 つであり、有病率は一般に 8 ~ 10% と報告...

  • ARTを行った女性の内膜症性嚢胞および深部浸潤性子宮内膜症の有病率

    経膣超音波検査を慎重にすることにより診断する子宮内膜症性嚢胞と深部浸潤性子宮内膜症 (DIE) の有病率について調査して報告をご紹介いたします。 Fertility and Sterility® Vol. 118, No. 5, November 2022 0015-028...

  • 原因がわからない不妊症において、待機治療と卵巣刺激した人工授精はどちらが良いか

    機能性不妊症とは、避妊しないで性交を 12 か月続けても妊娠しないカップルで、不妊検査で異常が見られない場合に診断されます。このようなカップルは、自然妊娠と比較して妊娠率を高めることを目的とした卵巣刺激を伴う IUIーOSで治療されることがよくあります。女性の年齢、不妊期間...

  • 3Dエコーでの卵胞測定2Dエコーより成熟卵数を予測する?

    一般に卵胞型を測定する場合、2 次元エコーで長径を測定もしくは、2箇所を測定し平均値にて卵の成熟を予想します。この報告では3 次元エコーにて卵胞体積を測定することで採卵時の成熟卵獲得を予想出来るか検討していますのでご紹介いたします。 Fertility and Steril...

  • 子宮内膜症の有無により卵巣がんの危険因子が異なるか

    子宮内膜症の有無による卵巣がんの危険因子の影響について報告がありましたのでご紹介いたします。 Fertility and Sterility® Vol. 118, No. 5, November 2022 0015-0282 子宮内膜症は、子宮内膜外の子宮内膜腺および間質を...

  • ご夫婦に染色体異常があり2回以上の流産した方の妊娠転帰

    ご夫婦に染色体異常があり2回以上の流産した方の妊娠転帰を調べた報告がありましたのでご紹介いたします。 Fertility and Sterility® Vol. 118, No. 5, November 2022 0015-0282 反復流産 (Recurrent preg...

  • 計画的卵子凍結の費用対効果

    今回は、年齢が上昇すると妊娠しにくくなるため、若年のうちに卵子を凍結しておく計画的卵子凍結保存の費用対効果についての報告が発表されましたのでご紹介いたします。 Fertility and Sterility® Vol. 118, No. 5, November 2022 0...

  • 非男性因子において媒精が良いか顕微授精が良いか

    体外受精において、せっかく採卵したのに全ての卵が受精しなかったという経験をしばしばしますが、それを避けるために精子は問題ないが細胞質内精子注入法 (ICSI) を実施するクリニックも多いかと思います。van der Westerlakenらによると、精子をふりかけるだけの...

  • 新型コロナウイルスに対するワクチン接種が体外受精に影響するか?

    疾病管理予防センター (CDC) の COVID-19 サーベイランス システムによると、COVID-19 感染症は妊婦の集中治療室 (ICU) への入院、人工呼吸器の必要性、および COVID-19 感染後の死亡のリスクが高いと報告しています。したがって、妊娠中または妊娠...

  • 卵巣刺激にタモキシフェンやレトロゾールを併用することで採卵数に影響するか

    がんを治療することで命を救うことができますが、卵巣予備能には悪影響を及ぼすためがん治療は不妊症を引き起こすリスクがあります。乳がんは生殖年齢の女性に最も多い悪性腫瘍です。乳がん治療前に、卵や受精卵を保存するという選択肢があります。ただ、短期間ではありますが、高レベルのエスト...

  • 男性側が原因の胚異数性と男性の年齢、BMI、精液パラメーターに関連があるか

    父方由来の胚の異数性の原因が父方の年齢、BMI、精液所見に関連しているか調べた報告をご紹介いたします。 DOI:https://doi.org/10.1016/j.fertnstert.2022.04.020 胚の染色体異常は、流産の約60% で発生し流産の最も多い原因と考...

  • 採卵数が少ないと加齢に関連疾患のリスクが高まる

    卵巣の老化は、加齢に伴う卵巣原始卵母細胞プール内の卵の量と質の両方の低下と考えられます。卵巣老化の行き着く先は正常な月経周期を維持するには卵胞が少なすぎて閉経に至ります。閉経年齢の中央値が51歳で、その約10−15年前に妊孕能の低下が始まります。卵巣の老化が加速すると、10...

  • ビタミンDと流産

    今回ビタミンDと流産に関するメタアナライシスが発表されましたのでご報告いたします。 流産は身体的・心理的な負担を強いられ、妊娠の約15.3%におこります。世界的の女性の10.8%が1回、1.9%が2回、0.7%が3回の流産を経験しています。重要なことに、女性の不育症(RM...

  • トリガー日を最適化すれば、ARTの治療成績が良くなる?

    本日は採卵時のトリガー日を最適化するために機械学習アルゴリズムを使用すると、E2レベルを安全な範囲内に保ちながら、結果が改善される可能性があるという報告をご紹介いたします。 Fertility and Sterility® Vol. 118, No. 1, July 202...

  • 精子を選別するためにヒアルロン酸を使用した報告について

    ICSIの際、ヒアルロン酸を用いて精子を選別するPICSIに関する報告が発表されていましたので一部ご紹介します。 精子DNAq(精子DNAの質)が低下するとIVFの成功率は低下する可能性があるため、生児獲得のために精子DNAの質の向上は不可欠と考えられています。 ICSIは...

  • ヒト細胞株によるrhCGを卵巣刺激に用いると体外受精の治療成績に影響するか?

    今回、ヒト細胞株による組み替えhCGを卵巣刺激に用いることで体外受精の治療成績に影響するか調査した報告をご紹介いたします。 Human Reproduction, Volume 37, Issue 6, June 2022, Pages 1161–1174 絨毛性ゴナドトロ...

  • コロナ禍での体外受精(新鮮胚移植)

    新型コロナウイルスが体外受精に影響するか調査した報告をご紹介致します。 Human Reproduction, Volume 37, Issue 5, May 2022, Pages 947–953 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、重症急性呼吸器症候群コロナ...

  • 新型コロナワクチンは体外受精に影響するか?

    今回新型コロナウイルスワクチンが、体外受精の成績に影響するか検討した報告をご紹介致します。 Fertility and Sterility® Vol. 117, No. 6, June 2022 0015-0282 2019年12月に中国の湖北省で最初の症例が発見されて以来...

  • 片側卵巣摘出術を行ったら出生率と妊娠率の両方が大幅に低下する

    卵巣を片側切除した女性の妊娠・出産についての系統的レビューとメタアナリシスが発表されましたのでご紹介いたします。 Fertility and Sterility® Vol. 117, No. 5, May 2022 0015-0282 片側卵巣摘出術(UO)は、悪性や良性の...

  • 胚盤胞期胚の静止画像をAIでランク付けする

    本日は、胚盤胞期胚の静止画像をAIでランク付けする報告が発表されましたのでご報告いたします。 Fertility and Sterility Vol. 117, No. 3, March 2022 0015-0282 胚の評価と選択は、体外受精の手順で最も重要なステップの1...

  • 無症候性の新型コロナウイルス感染症のmRNAは生殖器系に検出されるか

    無症候性のSARS-CoV-2感染では生殖器系にmRNAは確認できなかったという報告をご紹介いたします。 Human Reproduction, Volume 37, Issue 2, February 2022, Pages 235–241 SARS-CoV-2は、RNA...

  • 培養液が違えば、異数性胚率は変化するか

    胚培養液はさまざまありますが、培養液により異数性率や胚発生に変化があるか調べた報告をご紹介いたします。 Human Reproduction, Volume 37, Issue 2, February 2022, Pages 226–234 176人より獲得された胚を、2P...

  • 自然妊娠に関する情報②

    前回の報告の続きの自然妊娠、出産に関する報告をご紹介いたします。 Fertility and sterility, 2022-01, Vol.117 (1), p.53-63 ・喫煙 喫煙は出産に関してはかなり悪影響を及ぼします。 10,928人の喫煙女性と19,128人の...

  • 自然妊娠に関する情報①

    今回は自然妊娠、出産に関する報告をご紹介いたします。 Fertility and sterility, 2022-01, Vol.117 (1), p.53-63 妊娠の可能性は、一般的に避妊しない場合、最初の数ヶ月で最も高く、その後徐々に低下します。約80%のカップルは、...

  • 内膜症手術において、術前よりジェノゲストの方がGnRHaを使用するより卵巣予備能を維持できる?

    今回、嚢腫切除術の適応となる子宮内膜症患者の卵巣予備能維持のために、周術期にジェノゲスト投与した方がゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト(GnRHa)治療よりも有益という報告をご紹介いたします。 Reproductive Biology and Endocrinology ...

  • 正倍数性胚盤胞移植においてBMIは流産率に影響する

    本日は正倍数性胚盤胞移植を行った方でBMIと流産率について調べた報告をご紹介いたします。 Reproductive Biology and Endocrinology (2021) 19:186 BMIが高いと、インスリン抵抗性では観察されなかった非肥満の女性と比較して、臨...

  • 卵巣刺激時のLH製剤の違いでARTの成績に影響するか

    卵巣刺激時のLH由来の成分が、遺伝子組み替えか尿由来かで臨床成績に違いが出るか調べた報告をご紹介いたします。 Reproductive Biology and Endocrinology (2021) 19:182 外因性ゴナドトロピンの投与は、複数の卵胞の発育を可能にしま...

  • ジドロゲステロンの周期的および連続投与は、子宮内膜症の女性の慢性骨盤痛を軽減するのに効果的

    子宮内膜症治療にジドロゲステロンが有効という報告をご紹介いたします。 Fertility and Sterility Vol. 116, No. 6, December 2021 0015-0282 子宮内膜症は、慢性骨盤痛、月経困難症や卵巣予備能の低下、胞状卵胞数の減少、...

  • BMIと妊娠

    BMIと妊娠についての報告は様々あります。 今回、BMI 20〜25 kg / m2であれば不妊のリスクを最小限に抑えるのに最適であるという報告をご紹介いたします。 Human Reproduction, Volume 36, Issue 12, December 2021...

  • プロゲステロン投与後の子宮内膜の厚さの変化は、正倍数性凍結胚盤胞移植の妊娠に影響を与えない

    今回、正倍数性の凍結胚盤胞移植においてホルモン調整周期でプロゲステロン投与後の内膜の変化は妊娠に影響しないという報告をご紹介いたします。 Fertility and Sterility Vol. 116, No. 6, December 2021 0015-0282 子宮内...

  • 精子DNA断片化は累積出生率に影響する?

    スウェーデンの子供の約4%は、IVFやICSIの生殖補助医療によって妊娠しています。患者や社会への負担を最小限に抑えるためには、出生率を可能な限り上昇させることが重要です。媒精cIVFにするかICSIにするかはswim up後の精液所見によって決まることが多いです。精子DN...

  • 女性の年齢における胚盤胞異数性率に基づく反復着床不全

    胚の異数性はARTが不成功になる原因であり、胚の発育停止、流産、妊娠しない主な原因です。35歳未満の女性でも胚盤胞のほぼ半分は異数性であるため、着床に悪影響を与える他の要因がない場合でも、移植されたすべての胚が着床して出生することを期待するのは非現実的です。また、女性の年齢...

  • 着床前遺伝子検査は、X染色体異常のある患者には推奨されない

    X染色体は、女性の体の発達と卵巣の維持に極めて重要な役割を果たします。数的および構造的異常を含むX染色体異常(XCA)は、不妊女性で最も一般的なタイプの染色体異常です。 1つのX染色体が完全にまたは部分的に欠如している女性は、ターナー症候群(TS)を患っていると定義されます...

  • 刺激周期直後の周期に凍結胚移植したほうがよい?

    今回ご紹介するのは、刺激周期の直後の月経周期で凍結胚移植を行った方が良いのではないかという報告です。 Human reproduction, 2021-04-22, Vol.36 (7), p.1832-1840 凍結胚移植は妊娠率やOHSS予防などを考慮し行われることが多...

  • 凍結胚移植の黄体補充に腟剤単剤より経口プロゲステロンを併用したほうがよい

    プロゲステロンは、子宮内膜を胚の着床を可能にする分泌期を引き起こす重要なホルモンです。体外受精では、黄体期の補充のために外因性プロゲステロンが投与されます。しかし、腟壁を介したプロゲステロンの吸収には個人差があります。凍結胚移植後の微粉化プロゲステロン腟剤と比較して、ジドロ...

  • 新型コロナ感染症後の精液所見

    新型コロナウイルス感染症は、今までのコロナウイルス株と比較して毒性が低いが、強い感染性を示し、女性よりも男性の方が致死率が高いとジョンズホプキンス大学が報告しています。 SARS-CoV-2ウイルスが性腺に局在する可能性が報告されており、活動性のあるCOVID-19感染にお...

  • POSEIDON基準を用いて分類した累積妊娠率

    体外受精を行う際、年齢や卵巣予備能により薬剤の量を決めたり採卵数を予想したりします。 POSEIDON基準は年齢と卵巣予備能を組み合わせて分類しています。 女性の年齢は、卵の異数性との関連があり、AFCやAMHなど卵巣予備能検査は卵巣刺激の反応性・採卵数を予測します。卵が獲...

  • 初回体外受精に子宮内膜スクラッチをしても妊娠率改善しない

    体外受精の英国の出生率(LBR)は約27%であり、世界的に成功率が近年減少しています。妊娠率を上昇させようと、さまざまことが行われています。その一つに子宮内膜スクラッチがあります。子宮内膜スクラッチは炎症性メディエーターの放出や膜の安定性に関与する子宮内膜遺伝子の調節など、...

  • 排卵誘発剤と乳がんのリスク

    排卵誘発剤は性腺ホルモンレベルの急速な上昇に伴い、エストロゲン感受性組織、特に乳房組織にこの薬剤の直接的および間接的な影響、乳がんリスクに対する直接的および間接的な影響は不明であり、臨床的にも非常に重要です。 乳がんは女性の8人に1人が罹患しています。未産は乳がんの危険因子...

  • 新規組換えヒトFSHを使用した報告

    現在日本で使用されている遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモン製剤は、チャイニーズハムスター卵巣細胞株に由来します。今回ヒト由来の宿主細胞株で発現する新規組換えヒトFSHであるフォリトロピンデルタについての報告がありましたのでご紹介いたします。 Fertility and Ste...

  • 精子DNA断片化の影響

    精子DNA断片化(SDF)の影響についての報告がありましたのでご紹介致します。 Fertility and Sterility Vol. 116, No. 1, July 2021 0015-0282 従来の精液検査における精液量、精子濃度、運動率、形態などはWHOの基準と...

  • 人工授精における総運動精子数は妊娠率に影響する

    今回37,553 人の合計 92,471 回の人工授精を調査し、洗浄後の総運動精子数が妊娠率に影響するのではないかという報告をご紹介します。 Fertil Steril. 2021 Jun;115(6):1454-1460. 以前より洗浄後の総運動精子数が人工授精の妊娠率に...

  • 亜鉛と妊娠

    亜鉛は、身体機能に必要な必須微量元素です。亜鉛不足は、人体に異常を引き起こす可能性があります。世界保健機関(WHO)は、世界の人口の3分の1が亜鉛を欠乏していると推定しています。 身体の成長や、胃腸、免疫機能、抗炎症作用に重要な役割を果たしています。亜鉛が不足すると感染症に...

  • ERA検査を初回移植前に行っても妊娠率は改善されない

    体外受精はSteptoe and Edwards時代のサイクルあたり6%の臨床妊娠率から現在では正倍数性胚の移植あたりの出生率が47%-57%まで、比較的短い歴史の中で劇的に改善されています。ただ、正常な胚を移植しても、妊娠率は100%ではなく、着床の窓(WOI)と呼ばれる...

  • 卵巣予備能低下している方は正倍数性の胚盤胞の発生率が低い

    出産に至るために重要な要因として卵の質がありますが、加齢により卵の質と量の両方が低下することは確立されています。それでも、卵巣予備能指標である抗ミューラー管ホルモン(AMH)や卵胞数(AFC)は、女性により大きなばらつきがあります。 このような卵巣予備能の低下(DOR)して...

  • 男性にビタミンEを服用した場合、IVFの結果に影響するか

    男性因子の不妊症は、不妊症のカップルのほぼ50%に影響を及ぼすと報告されています。世界保健機関(WHO)の基準に従った精液検査は男性不妊の検査の基本ですが、不妊状態の予測因子としては限界があります。 DNA断片化や活性酸素測定などの他の方法において、WHO基準で正常と見なさ...

  • ARTで生まれた子供の成長パターン

    ARTによって妊娠した子供の成長パターンを自然に妊娠した子供と比較している報告をご紹介致します。ノルウェーの母子コホート研究(MoBa)に参加した81,461人の子供を対象に、胎児期から7歳までの成長を評価しています。17歳での体の大きさのは、兵役のためにスクリーニングされ...

  • 初期胚の受精・卵割スピードは出産できる胚と関係している

    体外受精において、妊娠・出産には最適な胚を選択することが重要となります。そのためにはガードナー分類など胚の形態から妊娠・出産しそうな胚を選択したり、タイムラプス培養器を使用し分裂具合で良好な胚を選択します。 速い発育動態は、胚の細胞数、胚盤胞形成、着床率、妊娠率と関連してい...

  • 採卵時に卵の獲得ができない時の人工授精

    卵巣刺激を受けている20人のうち約1人は、5つ以上の成熟卵胞を獲得できないと報告されています。反応の悪い患者さんは、人工授精への変更や採卵周期のキャンセル、もしくはそのまま採卵を行います。2つ以下の卵胞が確認できる場合、IVFとIUIの生児獲得率が2.6倍高かったという報告...

  • 流産処置の違いでその後の妊娠までの期間は変わるか?

    流産の頻度は、年齢にもよりますが、約10%から15%ほどおこると報告されています。 残念ながら流産された場合、待機的にみる方法や手術する方法、海外では薬物療法などあります。どの方法にもメリット、デメリットがある何が一番よいという方法はなかなか難しいです。手術療法には、子宮穿...

  • 非0PN,1PN由来の凍結胚盤胞移植後の産科および新生児の転帰

    生殖補助医療の領域において、正常受精は授精後16〜18時間で2個の極体と2個の前核(2PN)の存在もしくは極体の断片化によって確認されます。0個の前核(0PN)および1個の前核(1PN)は、異常受精または受精できなかったため生じると報告されています。一部の0PNおよび1PN...

  • アッシャーマン症候群の方は子宮内膜の厚さは妊娠率に影響しない?

    胚移植において子宮内膜の厚さは妊娠率に影響すると報告する研究が多いですが、アッシャーマン症候群などの子宮内病変のある患者が除外されていることが多いです。 アッシャーマン症候群とは、Khan and Goldbergらにより、痛み、月経困難症、月経不順、不妊症などを引き起こす...

  • 提供卵子では、新鮮胚移植と凍結胚移植のどちらがよいか?

    ガラス化凍結保存技術の出現以来、凍結胚移植(ET)後の妊娠率は大幅に改善され、選択的凍結胚移植が非常に一般的になっています。自身の卵を利用した場合、凍結胚移植は新鮮胚移植と比較して、妊娠率と出生率が高くなることが示されています。胚の凍結保存は、出生時体重の増加とLGAの発生...

  • 甲状腺自己免疫のある女性の妊娠転帰に対するレボチロキシンの効果

    甲状腺の自己免疫は、出産可能年齢の女性の甲状腺機能低下症の最も一般的な原因であり、世界中の女性の最大17%で確認されていると報告されています。甲状腺自己抗体の存在は、流産と早産のリスクが2〜3倍高くなる可能性がありますが、レボチロキシン投与が妊娠転帰に及ぼす影響を調べる臨床...

  • ビタミンDとIVFに関するsystematic reviewとmeta-analysis

    ビタミンDを食事からは十分に摂取することは難しく約20%ほどで、残りの80%は日光に当たることにより皮膚からで合成されます。 ビタミンDの作用は腸管からのカルシウムの吸収を促進し、恒常性(適切な血清カルシウムとリンの濃度)を維持し骨の石灰化の促進に関与します。その他にも様々...

  • カップルの体重と妊娠

    妊娠前の肥満度指数(BMI)と妊娠までの時間(TTP)の関係を調査した報告をご紹介いたします。 Fertility and Sterility ”Couples’ prepregnancy body mass index and time to pregnancy amon...

  • 裸化前の卵母細胞培養の延長は、臨床妊娠率、生児獲得率、および累積生児獲得率の増加と関連する?

    採卵から受精の間の数時間の培養は、元々Trounsonらによって1982年に導入されました。 細胞質の成熟と発生能の獲得を可能にするために一般的に行われているプロセスであり、初期の研究では受精率と胚の質の改善が報告されています。Trounsonらによると短期間では不十分で卵...

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