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  • 放っておいたら記事投稿が不可に?

    昨年のブログに書きましたが、ここしばらく留学準備に没頭していました。 当初必要なかったはずのエッセイ6000ワードを泣く泣くイチから書き上げ、ようやく第一志望のケント大学(カンタベリー)の文学部大学院から合格通知をいただきました。 今年はコロナの影響でイギリスへの引越しが難儀なので、来年(2021年)の秋の入学に繰り越しをお願いしたところ承諾してもらうことができました。 怠けたい心境になること多々、その度に林先生の「いつやるの、今でしょ」の不朽の名言を口の中で呟きながらなんとか乗り切りました。 これから1年ゆっくりと本など読んで準備しようと思ったところ、ココログから「9月1日以前に記事を更新し…

  • TOEFLとクラプトン

    久し振りの投稿になりました。 過去記事に星をくださった方、コメを記入してくださった方に御礼申し上げると共に未読状態が続いていて失礼いたしました。 ここの2カ月ぐらいはTOEFLに向けて問題集をひたすら解くという、この年になって今更の受験生生活を送っていました。 イギリスの某大学院に留学したいと思っているのですが、なぜ米と英に通算20年以上も暮らしているのにTOEFLなのか、私もわかりません。 英語のネイティブでない人間は全て英語の試験による証明を要求している学校が多いのです。「過去5年以内に英語圏の学校で学位を取った者は試験が免除される」らしいのですが、私がフィラデルフィアの学校に行ったのは2…

  • 「切り裂きジャック」と「ディケンズ」がシンクロ

    このところチャールズ・ディケンズの「大いなる遺産」と服部まゆみ著「一八八八切り裂きジャック」に没頭していました。 切り裂きジャック(Jack the Ripper)は19世紀の後半、知られているだけで6人の売春婦を次々に惨殺しロンドンを震撼させた実在の殺人鬼。 「一八八八」は日本人の華族令息でロンドン警視庁に所属する鷹原が切り裂きジャック事件の捜査に関わり、彼の下宿に同居している帝大医学部の同級生で病理学者の柏木がシャーロック・ホームズのワトソン役よろしく巻き込まれていくミステリがメイン・プロットになっています。 が、謎解きものをはるかに超越して、二人の華族青年の視点から見たヴィクトリア時代の…

  • ユーライア・ヒープ 「対自核」で喝を入れる

    久々に酷い風邪でダウンしました。 38度台の熱が5日ぐらい続いて抗生物質も効かず、ピークが39度3分って一体いつ以来でしょうか。 とは言うもののブログが滞っていたのはそれ以前からなので言い訳にはなりませんが。 好きで始めたのに70数記事で早くも倦怠の波に見舞われておりました。 この辺で威勢のいい音楽を聴いて喝を入れてみましょう。 ロックの曲・アルバム名には不可思議なものが多いですが、「対自核」というのは意味不明さでも断トツといっていいでしょう。 1971年発表のユーライア・ヒープの3枚目、原題は「Look at Yourself」。直訳をすれば「汝自身を見よ」。 ミック・ボックスのアイデアでオ…

  • 豪の野ネコ200万匹毒殺処分の真相

    当ブログは時事ネタを扱うものではありません。 しかし今回は何日も頭から離れない件があるので書きます。 あらかじめお断りしておくと私はネコが好きです。大の猫好きです。 現在の2代目の茶トラ含めて20年以上ネコと同居していますが、イエネコのみならずライオン、ヒョウ、トラ、ピューマからイリオモテヤマネコ、ツシマヤマネコに到るまで、ネコ科に所属する全ての動物に思い入れがあります。 ちなみに犬はじめ他の哺乳類も好きですが思い入れの度合いに差があります。 ネコ嫌い、猫好き嫌いの方はさっとスルーしていただければありがたいです。 さて、きっかけは10日ほど前のYahooのニュースでした。 「オーストラリア政府…

  • キャラバンの『夜ごと太る女のために』

    「キャラバンの『ピンクとグレー』が良かったけど、次に何を聞けばいい?」と周りのロック好きに聞いたところ、二人からお勧めとして挙がったのが『夜ごと太る女のために』でした。 『To Girls Who Grow Plump in the Night』(原題は「女」というより「娘たち」ですが)は1973年の作品。 このアルバム制作の前にマッチング・モールに行っていたデイヴ・シンクレアの代わりに一時入っていたキーボードのスティーヴ・ミラーが脱け、さらにベースとメインヴォーカルを担当していたリチャード・シンクレアがパイ・ヘイスティングスと音楽の方向性で対立して辞めています。 アルバム参加メンバーはパイ・…

  • PPM のピーター・ヤーロウの隠れた名盤はカリブ・テイストが満載

    今回取り上げるのはロック名盤というブログのテーマからやや外れますが、個人的に懐かしい名盤、ピーター・ヤーロウ(Peter Yarrow) のソロ・アルバムです。 今時の若い方でPPMを聞かれる方は少ないかもしれませんが、「パフ」、「風に吹かれて」、「花はどこに行った」など多数のヒットで知られるフォーク・トリオのPeter Paul & Mary (PPM)は日本でも60年代に絶大な人気を誇りました。 私よりも少し上の年代が主なファン層でした。 1973年リリースのピーター・ヤーロウのソロ盤も学生時代の知人、というか先輩に聞かせてもらったアルバムでした。 プリミティブなイラストのジャケットが時代…

  • ELP の『恐怖の頭脳改革』(Brain Salad Surgery)

    久々にELPです。 『恐怖の頭脳改革』はエマーソン・レイク&パーマー(ELP)の4枚目のスタジオ録音で1973年のリリース。 このトリオの最盛期の最後を飾るアルバムと言われます。 私はこのアルバム収録の「聖地エルサレム」のおかげで大学の卒論にウィリアム・ブレイクを選んだレベルのミーハーですが、このアルバムを聴くのは久しぶりです。 ちなみにジャケットは、見る角度によって頭蓋骨になったり目を伏せた女性(画家の妻)の肖像になったりする作りになっていますが、当初はもっと露骨に卑猥なデザインだったのがレコード会社に却下されたためエアブラシで修正したとか。 『聖地エルサレム』(Jerusalem) もとも…

  • 生活空間にふつうに銃が存在している国アメリカ

    今回は音楽と関係のない話です。 昨日郵便受けに入っていたスポーツ用品店のチラシを何気なく見ていたら、上の写真のような銃の宣伝が載っていました。 ショットガンやライフルと並んで、ピストル、銃弾300個入りのプラスチックのバレルまで安売りの赤い数字が人目を引きます。 アメリカに長く住んでいて、何をいまさらという感もありますが、やはりこうお手軽に書かれると違和感を覚えます。 アメリカでは銃が簡単に手に入る、というのはよく知られている通りです。 私自身、拳銃を手にしたことも撃ったこともあります。 留学生として渡米して間もない頃、「実弾を撃たせてもらえる場所がある」という在米日本人の「大人」がいて、「何…

  • さようならピーター・フランプトン。とりあえず「ハンブル・パイ」を聴く

    たまたまコンサートのお知らせを見ていたら、10月に「ピーター・フランプトンのファイナル・ツアー」が北カリフォルニアに来る、とありました。 場所は私の居住地から電車で2時間もかかるコンコルドという街です。 普段ならそんな遠くのコンサートは億劫で行きません。 しかもその翌週にはすでに切符を買っているスティーヴ・ハケットのコンサートがあります。 かなり迷った末に、最後ならやっぱり見送ろうとかなりいい切符を買いました。(出費が結構痛い) ウィキペディアによると封入体筋炎という筋肉が萎縮し筋力が衰える病気で本当に今年が最後のツアーらしい。まだ68歳。もったいないです。 とはいえ、私はピーター・フランプト…

  • ツイン・リードが圧巻、ウィッシュボーン・アッシュの「アーガス」

    ウィッシュボーン・アッシュ(Wishbone Ash) といえば、アンディ・パウエルとテッド・ターナーのツイン・リードギターで有名ですが、この3枚目『百眼の巨人アーガス(Argus)』(1972)は特にツインリードの魅力がいかんなく発揮された必聴の名盤です。 全曲いいのですが、特に「戦士」と「剣を捨てろ」はギターという楽器が嫌いでない限り聴いておいて損はありません。 アーガス自体はギリシャ神話に登場する巨人ですが、このアルバムの曲には登場しません。 アルバムのジャケットといい、後半の数曲といい、どちらかといえば中世の叙事詩を思わせます。 ちなみにダース・ベーダー似の後ろ姿のジャケットはヒプノシ…

  • BB&A 『ライヴ・イン・ジャパン』は日本限定のお宝品

    ベック・ボガート・アンド・アピス(Beck, Bogert and Appice、BB&A)は、ジェフ・ベック(g)、ティム・ボガート(b)とカーマイン・アピス(d)によるギター・トリオです。 ボガートとアピスは「キープ・ミー・ハンギング・オン」のヒットで知られるヴァニラ・ファッジの元メンバー。 第1期ジェフ・ベック・グループの解散後にリズム・セクションを探していたベックの眼鏡にかなってトリオを結成する予定になっていたが、ベックの交通事故による入院で棚上げになる。 その間二人はカクタスという新バンドを結成、ベックは復帰して別のメンバーと第2期ジェフ・ベック・グループを結成してアルバムを2枚出し…

  • Wow! 誕生日プレゼントに同僚からサプライズでエラい物をもらいました。

    昨日1月19日は私の誕生日でした。 別にここで宣伝しても仕方ありませんが。 しつこいですが、ジャニス・ジョプリン、宇多田ヒカル、松任谷ユーミンと同じ日です。 前日の金曜日、打ち合わせから自分の席に戻ると大きな包みが。 開けてみると何と、何とギター。Ephiphone社のレス・ポール。 エピフォンはギブソンの傘下ブランドで製造がチャイナというのがアレですが、音は良い(らしい)。 同僚のロック青年が持っていたものに何人かで小型アンプやギターケース、チューナーを買って付けてくれたようで、思いがけないサプライズに感謝、感謝です。 それにしても身内でも親友でもない同僚にギター丸々もらってよいのでしょうか…

  • 名盤中の名盤『ブラインド・フェイス(Blind Faith)』

    皆さま、遅ればせながら明けましておめでとうございます。 さて2019年の50年前の1969年はウッドストックがあった年で、アルバムでもキング・クリムゾンの1枚目、ストーンズの『Let It Bleed』をはじめ名だたる名作が多く発表された年でした。 ブラインド・フェイスの『ブラインド・フェイス(Blind Faith)』もこの年のリリース。 元クリームのエリック・クラプトン(g、v)とトラフィックのスティーヴ・ウィンウッド(kb、g、v)のジャムから始まったこのバンドには、同じく元クリームのジンジャー・ベイカー(d)が加わり、さらにベーシストのリック・グレッチ(b、violin)が入ったスーパ…

  • 巨人、ドラキュラ、中世の村-空想旅行が楽しめる正統派プログレ『ジェントル・ジャイアント』

    さて今回はイギリスのプログレ・バンドGentle Giant (ジェントル・ジャイアント)で、1970年のリリースの1枚目『Gentle Giant』です。 バンド名は物語の登場人物で、旅の楽団に出会いその音楽に魅了される巨人に由来しているとのこと。 当時のメンバーはフィル(トランペット、サックス)、デレク(v)、レイ(b)のシャルマン3兄弟、ケリー・ミリア(kb)、マーティン・スミス(d)、ゲイリー・グリーン(g)。 ジャイアント(Giant) パイプ・オルガンを思わせるハモンドの荘厳な響きで始まる1曲目。 うねって動きまくる硬いベースの音はシャルマン兄弟の末弟レイ。 この曲、ベースもスミス…

  • ビートルズとストーンズの好きな曲3曲 [R. ストーンズ編]

    1960年代前半から半世紀以上やっていてスタジオ・アルバムだけでも30枚、ヒット曲数知れず、今なお現役というローリング・ストーンズ。 全曲を聴き込んでいるファンも数多いと思われる中で、部外者が言うのもおこがましいとは承知の上ですが、ストーンズが一番面白かったのは60年代、アメリカ的商業化にどっぷり浸かる以前ではなかったかと。 言ってしまえば今かりにストーンズのチケットを人からもらったとしてもそれほど熱は入らないかもしれないけれど(多分行きますが)、ブライアン・ジョーンズが存命していた頃のストーンズだったら何に替えても見たかったという気がします。 さて、毎日のように聞いても飽きない曲といえばまず…

  • ビートルズとストーンズの好きな曲3曲選んでみました [ビートルズ編]

    突然ですが、一番好きなビートルズの曲は何ですか? 多すぎて選べないという方が多いかもしれません。 話が逸れますが、NHKの連ドラ「ひよっこ」を最近になってDVDでまとめ見しました。 ご存知の方も多いと思いますが、1960年代が舞台のドラマでビートルズの来日公演がエピソードとして出てきます。 多くの熱狂的ファンが武道館公演のチケットが取れずに失意にくれる中、主人公と同じアパートに下宿するお坊っちゃま学生が、親のツテで切符を受け取ります。 彼いわく「僕はああいう音楽は苦手なんだけど、一曲だけいいなと思う曲があるんだ」 これを見ていた視聴者で、種明かしされる前に「ああ、これはあの曲に違いない」と思っ…

  • ピンク・フロイド『ウマグマ』の2枚目

    前回の『ウマグマ』の1枚目ライブ録音に続き、今回は2枚目、アビーロード・スタジオでの録音です。 この2枚目、リック・ライト、ロジャー・ウォーターズ、デイヴ・ギルモア、ニック・メイソンの順に4人のメンバーが一人ずつ書いて演じた曲が収録されています。 リック・ライトの「シシフォス組曲(Sysyphus)」 シシフォス(シーシュポス)はギリシャ神話の登場人物で、死を免れるために神々を欺き、その罰として巨大な岩を山頂に押し上げる苦役を与えられます。もう少しで山頂に届くという瞬間に、岩は重みのために麓まで転がり落ちてしまう。これが永久に続くという話です。 フランスの文学者カミュがこの神話の不条理をテーマ…

  • ピンク・フロイド『ウマグマ』のライブ録音は一押し

    『夜明けのパイパー』『神秘』『モア』とのろのろと歩を進めてきましたピンク・フロイド関連。 この記事進行のタラタラぶりでは『狂気』や『ザ・ウォール』ははおろか『原子心母』に達する以前にブログに飽きて放り出してしまう恐れもありますので、今回は『ウマグマ』で行ってみたいと思います。 ご承知の方も多いと思いますが、2枚組の『ウマグマ』は1枚目がライブ、2枚めがスタジオ録音という構成になっています。 ライブ盤は全4曲。 『夜明けのパイパー』に収録された「天の支配」、シングルとして発表された「ユージン斧に気をつけろ(Careful with that Axe, Eugene)」、『神秘』から「太陽讃歌」と…

  • 超超初心者、ジャズを聴く

    私はサンフランシスコのベイ・エリアのある町から隣の町の職場まで片道約30分運転して通っているのですが、この通勤時間の最大の楽しみは音楽を聴くことなのです。 この1ヶ月ほど「ベイ・エリア・ジャズ・ステーション」なる局にチューンインして毎日1時間ひたすらジャズを聴いています。 黄昏時から夜にかけて、前に連なる車のテールランプを眺めてアンニュイな気分に浸りたい時の音楽はずばりジャズ。これに勝るものはありません。 これがマンハッタンの夜景だったらさらに気分が盛り上がるかもしれませんが、そこは致し方ありません。 と言ってもジャズの入門者の門にすらたどり着いてない状態の自分がいます。 分る曲といえば「テイ…

  • CSN&Y『デジャヴ』こそは西海岸ロックの最高峰

    表題で言い切ってしまいましたが、まさに70年に発表されたこのアルバムこそ、60年から70年代の数多くのアメリカン・ロックの頂点を極めているのではないかと思います。 この『デジャヴ』、前回取り上げた『CSN』とライブの『4-Way Street』を聞いておけば、CSN&Y(クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング)は一応押さえたと言えるでしょう。 「キャリー・オン(Carry On)」 この曲はスティーヴン・スティルスの作で例によって恋人との別れがテーマですが、「青い目のジュディ」もこの曲もリズムとメロディがからっとしているので悲壮感がありません。 ギターのソロ、ベース、中盤から入るキーボード全…

  • 四人囃子の1作目『一触即発』が面白すぎる

    今を去ること30数年前、洋楽に没頭していた私に「四人囃子っていいよ」と言った知人がいまして、その時は「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」と「ブエンディア」をさらっと聞いて、「面白いね」と適当に話を合わせていた記憶があります。 今、『一触即発』をあらためて聴いて度肝を抜かれました。 これマジでめちゃくちゃ面白い。 当時一体何を聞いていたのでしょう。 1974年のメジャーデビュー1作目にして代表作このアルバム、収録曲は「hΛmǽbeΘ」「空と雲」「おまつり」「一触即発」と「ピンポン玉の嘆き」。CDバージョンには「空飛ぶ円盤」と「ブエンディア」がボーナストラックで入っています。(嬉しい紙ジャケ) 参加メンバ…

  • ノリノリのブギーはステイタス・クォーの『クォー』

    先週はホラー小説のレビューをアップしたところ、閲覧数がいつもの5倍ぐらいに跳ね上がっていて我ながらびっくりしました。 洋楽と並行して英国ホラーのブログをやろうかと一瞬考えましたが、そんな時間があるはずもなくそちらは老後のお楽しみにとっておこうか、と(笑)。 さて今回はステイタス・クォーの7枚目のアルバム『クォー(Quo)』(1974)です。『ブギに憑かれたロックン・ローラー』という何やらケッタイな邦題が付いています。 ステイタス・クォー(Status Quo)はロンドンのフォレストヒルズ出身のバンドで、かなりメンバーの変遷を経てきていますが、このアルバムではオリジナル・メンバーのフランシス・ロ…

  • 書評:結構怖いブラックウッドの『The Willows』(邦題は不明)

    今週は音楽ブログはお休みです。 というのも週末に読み始めた小説が途中でやめられなくなって音楽を聴く余裕がなかったせいです。 この短編小説『The Willows』の作者は英国人のアルジャーノン・ブラックウッド。20世紀初頭に主に活動していた怪奇作家です。 話はドナウ川(The Danube)がウィーンからブダペストに至る途中に通過するハンガリーの湿地帯の描写から始まります。 スウェーデン人の相棒とカヌーを操って川下りを楽しんでいる「私」は、嵐で川の水位が上がりすぎたため小島(中洲)にテントを張って一泊することになる。 一帯にヤナギが群生する小島に上陸した当初から「私」は奇妙な違和感を感じる。 …

  • 初めて買ったLPはムーディーブルースの『失われたコードを求めて』

    おそらくですが、これは初めて自分で買ったLPレコードだったと思います。 ムーディ・ブルースに関しては以前『セブンス・ソジャーン』について記事をアップしました。 londonvixen.hateblo.jp 『失われたコードを求めて(In Search of the Lost Chord)』は上記に先立つこと4年、1968年にリリースされた3枚目のレコードです。 『童夢』や『セブンス』ほど洗練されておらず、いかにも60年代後半のイギリスらしいサイケデリックな風潮を反映した作品です。 今回は『失われたコードを求めて』の特色と魅力を語ってみたいと思います。 探し物はなんですか というと井上陽水ですが…

  • ドゥービー・ブラザーズ『キャプテン・アンド・ミー』のなつかしいグルーヴ感

    これは懐かしいアルバムで昔LPでよく聴いていたのをCDで再入手しました。 ドゥービー・ブラザーズの3枚目のスタジオ録音でリリースは1973年。 トム・ジョンストン(g、ハーモニカ、ARPシンセサイザー)、パトリック・シモンズ(g、ARPシンセサイザー)、タイラン・ポーター(b)、ジョン・ハートマン(d、パーカッション)、マイケル・ハサック(d、パーカッション)が当時の正規メンバーで、ほとんどの曲をジョンストンあるいはシモンズが書いています。 それに加えてのちに正式メンバーとなる元スティーリー・ダンのジェフ・バクスター(g、スティールギター)、キーボードのビル・ペインとパーカッションのテッド・テ…

  • フランケンだけじゃないエドガー・ウィンター『They Only Come at Night』

    今晩は。ロンドンVixenです。今回はエドガー・ウィンター・グループです。 先日ウッドストック・パート3でジョニー・ウィンターの映像を探していたら、弟のエドガー・ウィンターの「フランケンシュタイン」のスタジオ録画が出てきて思わず見入ってしまいました。 『They Only Come at Night』(1972)はエドガー・ウィンター・グループとしては1枚目のアルバム。 キーボード等とヴォーカルのエドガーの他はロニー・モントローズ(g、マンドリン)、ダン・ハートマン(b、v)、チャック・ラフ(d、パーカッション)。 のちにギタリストとして参加するリック・デリンジャーは主にプロデューサーとして参…

  • 夏だ!祭りだ!『ウッドストック』最終回 -CSN&Y、ジミ・ヘンドリックス他

    今回は『ウッドストック』ボックスの4枚目、最終回です。 4枚目の出演者は CSN&Y ポール・バターフィールド&ブルース・バンド SHA NA NA ジミ・ヘンドリックス クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング(CSN&Y) CSN&Yはこのボックス・セットで最多の6曲が収録されています。 曲名は 青い眼のジュディ (Judy Blue Eyes) グィネヴィア (Guinnevere) マラケシュ行急行 (Marakesh Express) 4+20 シー・オブ・マッドネス (Sea of Madness) 自由の鐘(Find the Cost of Freedom) 最初の3曲は、以前ア…

  • 夏だ!祭りだ!『ウッドストック』その 3 -ジェファーソン・エアプレーン、ザ・バンド、ジョニー・ウィンター他

    今晩は、ロンドンVixenです。 先々週、先週に続き今回はウッドストック・ボックスの3枚目です。 3枚目の出演者は ジェファーソン・エアプレイン ジョー・コッカー カントリー・ジョン&ザ・フィッシュ テン・イヤーズ・アフター ザ・バンド ジョニー・ウィンター ジェファーソン・エアプレイン ウッドストックはバンドによって演奏時間が違いますが、多くが1時間前後のところジェファーソンは1時間40分も演奏しており、当時の人気を伺わせます。 ウッドストックに参加したのは、ヨーマ・カウコネン(g)、ポール・カントナー(v、g)、マーティ・バリン(v)、ジャック・キャサディ(b)、グレース・スリック(v)の…

  • 夏だ!祭りだ!『ウッドストック』その 2ーCCR、ジャニス、ザ・フー

    今晩は、ロンドンVixenです。 先週に続き今回はウッドストック・ボックスの2枚目です。 1969年8月に開かれた「愛と平和の祭典」ウッドストックの音楽フェスは40万人の若者を集めた一大イベントで会ったことは先週お伝えした通りです。 今回2枚目の出演者は キャンド・ヒート CCR ジャニス・ジョプリン スライ&ファミリー・ストーン ザ・フーなかなか豪華な顔ぶれです。 キャンド・ヒート(Canned Heat) キャンド・ヒートはアメリカのブルース・ロックバンドで、ウッドストックの参加メンバーはボブ・ハイト(v)、アラン・ウィルソン(g、harmonica、v)、ハーヴェイ・マンデル(lg)、ラ…

  • 夏だ!祭りだ!『ウッドストック』第1回ー反戦フォークとマウンテン

    今晩は、ロンドンVixenです。 今でこそ一般的になっているロック・フェスですが、その元祖と言えばウッドストック、モントレー・ポップ・フェスそしてイギリスのワイト島フェスあたりでしょう。 ウッドストックは1969年の8月15日から3日間、ニューヨーク州の農場に40万人の若者を集めた歴史的なイベントで、「愛と平和の祭典」として反戦、カウンター・カルチャー、ヒッピー文化という時代背景を体現したものでした。 1994年には25年目の節目として「Woodstock II」が開かれました。来年は50周年なのでまた大規模な音楽祭が開かれるのでしょう。 1999年に開かれた30周年のWoodstock II…

  • アメリカ国内の移動はファースト・クラスをお勧めする件

    今晩は、ロンドンVixenです。 今回は音楽と関係ない話です。 先週ポール・ロジャーズとジェフ・ベックのコンサートを観に南カリフォルニアに行った話は前回書いた通りですが、行き帰りのフライトの待遇格差についてお話ししたいと思います。 今回はサンノゼからロサンゼルス(LAX)の往路がアラスカ航空のファースト・クラス、復路が同じくアラスカ航空のエコノミーでした。 何故往復で買わなかったの?という話ですが、元々行きは電車(アムトラック)で行こうと考えていたのです。ゆったり車窓を眺める旅も良いのではないかと。 が、切符を予約した後にアムトラックが直通ではなく、バス2回、電車1回の乗り継ぎまた乗り継ぎでお…

  • ポール・ロジャーズとジェフ・ベックのコンサートに行ってきました。

    今晩は、ロンドンVixenです。 金曜日に南カリフォルニアのアーヴァイン(Irvine)までポール・ロジャーズとジェフ・ベックが出演するコンサートに行ってまいりました。 LA郊外のトーランスからLA在住のロック友達の車に乗せていただき渋滞をくぐること約2時間、アーヴァインの郊外に砂漠を切り開いて作ったような野外演技場(Amphitheatre)にたどり着きました。 前座は女性歌手とギターの伴奏者の二人組。この女性シンガー自信がないのか謙虚なのか「皆さん、私の名前は聞いたことないでしょ。これからポールやジェフが出るけどまず私の歌を聞いてね」と二度も繰り返す。 たしかに熱唱なんだけどインパクトがあ…

  • サンタナの『キャラバン・サライ』は壮大な交響詩

    今晩は、ロンドンVixenです。今回はサンタナの4枚目『キャラバン・サライ』(1972)で行ってみます。 当時サンタナの音楽はメガ・ヒット曲の「ブラック・マジック・ウーマン」「俺のリズムを聞いとくれ(Oye Como Va)」、「君に捧げるサンバ」などは聴いていたものの、アルバムを買ったのはこの『キャラバン・サライ』のみで、たぶんにジャケ買だった感があります。 砂漠の夕陽の中を進む隊商の駱駝。 異国情緒あふれる幻想的な写真もさることながら、ラテンの印象の強いサンタナがなぜキャラバン?というイメージのミスマッチが面白い。 「復活した永遠なるキャラバン(Eternal Caravan of Rei…

  • おぞましくもメチャ実力派、ブラック・サバスの1枚目『Black Sabbath』

    今晩は、ロンドンVixenです。 前回の爽やかなアメリカにうって変わり、今回は禍々(まがまが)しさ全開のブラック・サバスでいってみます。 かなり最近まで、ブラック・サバスというのはマリリン・マンソンのような本物の悪魔崇拝者の集団だと思っていました。 それが「ブラック・サバス」(1963)という映画が盛況なのを見て、「オカルトって受けるんじゃね?」とかで軽くバンドのコンセプトを決めたと聞いて、これはデーモン閣下のノリだったのかと。 実際ベースと作詞担当のギーザー・バトラーは当時かなり真面目に黒魔術に傾倒していて、住んでいた部屋を漆黒に塗りつぶし壁に十字架と悪魔たちの肖像を掛けていたらしい。ある夜…

  • アメリカという名前のバンドの1枚目

    今晩は、ロンドンVixenです。今回はアメリカのファースト・アルバム『アメリカ(America)』でいきたいと思います。 アメリカ、と言っても若い方はご存知ないかもしれません。 70年代初頭に主に活動したトリオで、メンバーはデューイ・バネル、ジェフ・ベックリー、ダン・ピーク。 ジャンルはフォーク寄りのフォーク・ロックで、アコギ2台+ベース+ドラムあるいはパーカッションというのが典型的な構成で、ハーモニーの美しさが特徴です。 このファースト・アルバム『アメリカ』は1971年の作。 曲調からしてアメリカ西海岸のグループと思っていたのですが、アルバムの裏表紙がどう見てもロンドンのキュー・ガーデンの温…

  • 何だかんだでメチャ楽しくノリにのった「YES」の結成50周年記念ライヴ

    今晩は、ロンドンVixenです。 一昨日になりますが、イエスの50周年記念ライブに行って来ました。 何だかんだでこれまでタイミングが合わず、Yesの公演に行くのは初めてなのですが、会場に着くまで今ひとつ気乗りがしなかったんですよね。 名ベーシストのクリス・スクワイアが逝去し、ジョン・アンダーソンはリック・ウェイクマンやトレヴァー・ラビンと別バンドでやっているし、黄金期のメンバーはスティーヴ・ハウとアラン・ホワイトぐらい、と。 会場は家から車で40分かかるサンノゼで、ちょっと面倒かもという気分を押して出かけました。 着いてまず会場の小ささにびっくり。収容人数せいぜい3−400人くらいでしょうか?…

  • ロキシー・ミュージックの「カントリー・ライフ」フェリー節が炸裂

    今晩は、ロンドンVixenです。 今回はロキシー・ミュージックです。 初めてロキシーを聞いたのは3枚目の「ストランデッド」の「マザー・オブ・パール(Mother of Pearl)」でしたが、ブライアン・フェリーの巧みなヴォーカルに圧倒されました。 ジェスロ・タルのイアン・アンダーソンもそうですが、独特のイントネーションでモノローグを延々やっていて全然飽きさせないという、まるで西洋版浪曲師のような技巧。 ウィキペディアにある逸話では、キング・クリムゾンでヴォーカルを探していた時に応募してきたのが何とブライアン・フェリーとボズ・バレルだったとか。結果的にはボズが採用されフェリーは落選したものの、…

  • ピンク・フロイドの映画音楽「モア」

    今晩は。LondonVixenです。 さて「夜明けのパイパー」、「神秘」ときた進んで来たピンク・フロイドですが、今回はサウンドトラックの「モア」です。映画「モア」はバルベ・シュローダー監督の1969年のデビュー作。 ヒッチハイクでパリにやって来たドイツ人学生のステファンは、知り合ったばかりの友人に連れられて行ったパーティで魅惑的なアメリカ人女性エステルに惹かれる。彼女はドラッグ常習者だった。エステルの後を追ってイビザ島に渡ったステファンは、そこで彼女が島の有力者で麻薬組織の親玉ウルフの愛人であることを知る。二人だけの生活を求めて、ステファンはエステルを連れて島の反対側に逃避行をする。青い海、島…

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