東京下町。細い路地の商店街。 「中華そば」の暖簾をかける小さな店がある。 店主95歳。 息子夫婦と3人で、店を元気に切り盛りしている。 壁に貼った黄ばんだメニューの右端には、 「ラーメン 200円」の文字が。 いま現在の価格であり、 開店当初から変わっていない価格である。 30数年前の開店時でも安い。 店主は、 「お客さまに美味しいものを安く食べさせてあげたい」 という思いから、ずっと値上げせずにやってきた。 物価の上昇で苦しい時も多々あったことだろう。 多少値上げしたところで、客は逃げなかったはず。 もし、いま400円だったとし..