医療、特に緩和ケア・訪問診療・看取りに関する話題。
元ホスピス医、現訪問診療医。ライフワークの緩和ケア、認知症治療、看取りに関する話題です。
終末期の患者さんに、「どのような治療を受けたいか」、 あるいは「受けたくないか」を決めて頂くことは、しば しば難しくなります。意識がはっきりしていない事も 多くありますし、記憶や判断力が落ちた状態での「意思」 を、御本人の本当の意思として捉えて良いのかという 問題もあります。もちろん「出来るだけ本人の望み通り」 と考えている家族が多いと思いますが…。例えば終末期の患者さんがせん妄状態になり、幻視や 妄想が出現している。ずっと自宅で最期まで、という 本人の希望でみんな頑張って来た。しかし、患者さん は「つらいから入院したい」と言い出した…。考え方は大きく分けてふたつあると思います。考えが 変わる…
認知症の患者さんのご家族が患者さん本人に対して、 出来事や約束をどうにか思い出してもらおうと画策する ことがあります。これは当然の心理ですが、相手が認知症 の患者さんである以上、この試みはうまくいきません。 よく見掛けるのは、約束事を書いて壁に貼り付けたり、 「念書」を書かせたり、あるいは写真や動画を撮って後で 見せたり。しかしこれを見て「そうだったわね」と思い 出す方は、そもそもこんな事をしなくても説明だけで思い 出すのではないでしょうか。特にアルツハイマー型認知症では、初期には印象に残る エピソードは覚えていたり、気遣い、取り繕いなど記憶 以外のことはさほど失われていないことも多いので、 …
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