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  • 嫌いな言葉は「熱量」です

    この夏のクソ暑い中でも、涼しげな美人をたまに見かける。いったいどんな構造で出来上がった人間なのかと思うくらい、ちっとも汗が感じられない。そんな人が稀にいる。そもそも俺たちとは素材が違って、セラミックでも使って作られているのだろうか。そんな美人がなんとまあ俺が目指す朝定食の松屋に一歩先に入っていったから、これはいい日になるかと思った。けれど、特にそんなことはなかった。仕事の帰りにジムに寄った。だがサウナには入らず、案外と混んでいるプールを縫うようにして500mほど泳いだだけ。最近ジムではあまりサウナに入っていない。汗を出して、すぐ体重計に向かう同好の士を見て、自分の姿を見るようで醒めてしまったの…

  • 若返りたいから押上の大黒湯へ行った

    久しぶりに、入った瞬間に自分が最年少だと確信できる浴室だった。 最近はもうね、自分が最年長のサウナ室も珍しくなくなってしまったから、「もとはこういう世界だったんだよな」と懐かしい気分になった。 頭上にヒーターがある遠赤外線サウナは入れて4人、水風呂も1人だろう。 カランも隣と隣が詰まっている。 大黒湯は1949年(昭和24年!)の創業で、それ以来のレイアウトかどうかはわからんけど、これがかつての日本人のサイズだったんだろうと思った。 書いていて気づいたけど、確か1949年は俺の親父が生まれた年だったな。 スカイツリーが見えるウッドデッキで休憩しながら、ハンモックに乗る勇気は出なかった。 ひとり…

  • 『月刊サウナ』の連載第7回

    朝6時15分に起きて、6時30分から働いていた時代があった。毎日5時間半働いても、日給は5000円に届かなかったと思う。それでも働き続けていたのは、欲しい金額とのギャップを埋めてくれるものがそこにあったからだ。口調の強い甲州弁で、仕草がいちいち荒っぽくて、しかし腕は確かで、話せば「ちゃんとメシは食ってるか?刺身でも焼き物でも好きなの持って帰れ」と気持ちはやさしい魚屋のおじさんたち。働き盛りだったおじさんたちは、今はもうおじいさんになってしまって、代わりに俺がおじさんになった。それだけの月日が流れてしまった。当時の俺はいつも昼まで働いて、いつも同じ店で吉田のうどんを食べて、いつも泰安温泉のサウナ…

  • 懐古主義だから業平橋の薬師湯へ行った

    懐古主義者なので、「とうきょうスカイツリー駅は業平橋駅のままであってほしかった」「東向島駅も玉ノ井駅のままがよかった」とは思う。 しかし「スカイツリーラインのスカイツリー駅で降りてください」なら、外国人にも日本人にもわかりやすくて、案内が簡単だ。 ここではわかりやすさが正義なのは、わかる。 本当にポジティブな人間なんてそうはいない。 「俺、ポジティブなんで」はバーベキューの後片付けをせずに、さっさと二次会の居酒屋に向かうヤツがよく使う言葉。 俺にはねえ、季節も気温もなにも関係ないんだよ。 年中無休で元気がないので。 みんな同じレールの上を走っている。 だから終点もみんな同じ場所。 それは救いだ…

  • 「朝顔に水をあげておいて」

    6時50分起床。誰の足音もしない静かな朝。パンもご飯もなかったので、ゆで時間7分で納豆パスタを食べる。出勤途中に大阪にいる妻から「朝顔に水をあげておいて」とLINEが入る。午前は働く。昼には『月刊サウナ』の初校を眺める。午後も働く。快活CLUBで漫画を読んで帰りたかったけど満席であきらめる。帰宅。また納豆パスタを食べる。「来週には論文の査読結果を送る」とのメールを見て、やることはやったのだからと達観した思いを抱く。たった今、和歌山に移動した妻から「朝顔に水はあげた?」とLINEが入った。どうしてか外に出たい気持ちになってしまったので、これから境南浴場に行ってくる。 以上

  • 立川の女性たちはみんな素敵

    昼メシを求めて研究室を抜け出したら、いつのまにか立川競輪場の食堂に着いていた。 もつ煮定食ひとつ。 「ここの席が一番風が当たるから、涼しいわよ」「たくさん食べて栄養つけていって」「これ、お茶はウーロン茶が入ってるから、暑い日はサービスしてるの」 「あら、私も写真撮ってもらっちゃおうかしら」 夏休みに親戚のおば…お姉さんの家に来たような立川競輪場だった。 そして素晴らしい47.4倍の車券をプレゼントしてくれたのも、ガールズケイリンの近澤諒香さんだった。 立川の女性たちはみんな素敵。 涼を求めて研究室を抜け出したら、いつのまにか立川の梅の湯の前に立っていた。 水風呂はこれぞ多摩の水!といった印象の…

  • 夏がしんどい季節になってしまった

    俺は絶対に医療従事者ではないけれど、神奈川で、新型コロナウイルス感染者数の増加に連動してまずいことになる仕事に携わっていて、実際にまずいことになっている。 毎日暗澹たる思いになる現状と数字が目に入ってきても、空は青いし、サンマーメンは3分で出てくるし、闇営業の居酒屋には行列ができていて、横浜市長選の候補者は駅前で大声でカジノの話ばかりをしている。 すべてが現実なんだけれど、なにがなんだかもうわからない。 新生児の命すら守れないくせに(これは本当に聞いて苦しかった。悔しかった)、子どもたちにはパラリンピックを観て学べという。 (『府中白糸台日記』「いったいどう暮らしたらいいのかわからない」より)…

  • オリックス・バファローズの前半戦

    終わってみれば刹那の記憶だけが残る。 確かにたくさん勝った。 49勝32敗2分け、貯金17は上出来の上出来の上出来だ。 それでも前半戦のオリックスは、あの甲子園での一戦に尽きると思う。 オリックスの和製大砲コンビが土壇場にアーチで競演した。1点ビハインドの9回1死で頓宮裕真捕手(26)が左越えに起死回生弾を放つと、2死から杉本裕太郎外野手(32)が左翼席中段まで運ぶ特大の勝ち越し弾。虎の守護神・湯浅を打ち砕き、劇的な逆転勝利に導いた。 (スポーツ報知) かつての京セラドームには、目の前の試合はそっちのけで、阪神リードの途中経過が流れた瞬間が一番盛り上がる、そんなオリックス戦があった。 当時の京…

  • 今日は暑いから森下の常盤湯へ行った

    今日のサウナは、いつのまにか急行がほぼなくなってしまった、都営新宿線の森下駅から歩いて深川温泉 常盤湯へ。 サウナに入ると五感が研ぎ澄まされる、なんて話をかなり前に聞いたことがあるけれど、実際にはどうなんだろう。 今日の俺はサウナに入った後、露天で休憩しながら蚊取り線香の匂いに取り憑かれてしまった。 だからわざわざそれが置かれている、灯籠の横の椅子を選んでゴロゴロしていた。 大麻も覚醒剤もいらないよ、俺には蚊取り線香があればいい。 今年の夏は10回、東京の東側に来ることになっている。 今日はその2回目で、前回は三ノ輪の改栄湯に寄った。 残念ながら銭湯を回りに来ているわけでもなくて、用件は別にあ…

  • 「みんな違ってみんないい」

    金子みすゞは好きじゃない。 ごめん、金子みすゞ本人に罪はないんだ。 金子みすゞは「みんな違ってみんないい」の人だ。 わかりやすくて短いフレーズなので、特にSNSではよく使われているのを見る。 しかし今日、目の前の人に「それってみんな違ってみんないいですよね?」と言われて、暗澹とした気持ちになってしまった。 他人の言葉を適当に使うなよ。 金子みすゞは20代半ばで、娘の親権を取られて自死してしまった人なのだ。 少しくらいは言葉の背景、どんな人が生み出した言葉なのか考えてほしかった。 もっとも人が死んで、その人の言葉まで一緒に死んでしまうとしたら、世の中は言葉不足になってしまいそうだけれど。 今日の…

  • 幻の妻

    安いはずの酒を中くらいの金で飲んだ、そんな夜だった。 俺は新宿で飲むと、甲州街道を歩いて笹塚まで歩く。 なんとなく、罪滅ぼし。 雷の雨まで降ってきたらそれは罰なのだが、結局カミナリ雲は埼玉までで、東京には入ってこなかったらしい。 笹塚のマルシンスパを過ぎたあたりで、どうしてか左手にあったマンションに引っ張られた。 誰に腕を掴まれたわけでもないのに、引っ張られた。 そしてオートロックの番号に「1137」を入力した。 いいサウナ、これはまるっきり酔っ払いの行動だ。 しかしインターホンの向こうから「はーい」と明るい女性の声が聞こえてきて、扉が開いた。 俺は酔っ払ってはいるが、それにしても酷すぎるので…

  • 自分が死んでしまう前に猫を飼いたい

    うちのマンションでも猫は飼える。そういう決まりになっている。だんだんと「小さな子どもがいる家」の雰囲気を失い始めた今になると、狭い我が家でも猫が運動不足にならない程度のスペースはなんとか確保できそうだ。しかし猫を飼いたがっていた上の子は、習い事で外に出る時間が長くなり、猫よりも友だちと関わりたい年頃になったように見える。そもそもうちは共働きで、家に誰もいない時間が長く、電気代が高騰する中で猫に快適な環境を用意して留守番をお願いするのも難しそうだ。よっぽど下の子に「猫を飼いたい!猫を飼いたい!飼ってくれたら両親の老後の面倒は全部みる!」と宣言される事態にでもならなければ、我が家は猫とは無縁のまま…

  • 夏だから春の湯

    三鷹の春の湯のサウナに入っていたら、天井が波打って見えた。 俺もとうとう本格的に頭がおかしくなったかと思ったら、不安よりも安堵の感情が勝った。 これで終われるかもしれない。 もう本能は人生をやめたがっているのだ。 しかし残念なことに、近づいて確認すると天井は本当に波打っていて、俺の見る目は確かだった。 内装部分がたわんできているのかもしれないが、まあ、落ちてこなければ問題ないのか。 脱衣所では「ここは週末は空いてるんだよ」との声が聞こえてきた。 三鷹市も19万の人口がいるはずなんだけど、それでも昼間に人が集まって働くための街になっているのだろうか。 三鷹市役所の職員から、三鷹のために働いている…

  • これが43歳のリアル~俺はとにかく左膝が痛かった~

    15:00頃 左膝にもやもやとした違和感を覚える 15:30頃 もやもやが痛みに変化する 16:00頃 痛みが強くなり脂汗が出てくる 16:05頃 鬼の形相で同僚に「整形外科を持ってきてくれ!」と訴える 16:15頃 逃げるように職場を出る 16:20頃 強まる痛み。足を引きずって整形外科へ向かう 16:25頃 タクシーを拾おうとするも、運転手と会話をする気力がなく徒歩継続 16:35頃 あまりの左膝の痛みに崩れ落ちる 16:40頃 なんとか整形外科着。受付で痛みを訴える。救急扱いにはならず順番待ち 16:50頃 初診の記入用紙に脂汗が垂れる。どうして救急車で来なかったのかと後悔する 17:0…

  • 気分がいいから三ノ輪の改栄湯へ行った

    死にたい日は働く。 気分のいい日があれば好きなことをする。 今日は後者だったので、仕事を早めに切り上げて、東京の東側に向かった。 今日のサウナは三ノ輪の改栄湯。 毎時00分、20分、40分のロウリュは、最初のタイミングを合わせればだいたい毎回受けられるようになる。 通常はオートロウリュで、不定期の人力ほうじ茶ロウリュが「当たり」らしい。 16時00分のロウリュがほうじ茶ロウリュだった。 いつのまにか肌がつるつるしていて、出掛けにここは軟水の銭湯だったことに気づく。 この後は湯どんぶりに行こうか、それとも堤柳泉に行こうか。 そんな銭湯を梯子するアイデアは、改栄湯でビールを飲んでしまって断念するこ…

  • イーロン・マスクはもっと老いた

    今のところAPI制限というやつには引っ掛かっていないのだけれど、たぶん妻から「部屋から出てこないで」と言われる程度の風邪をひいて、ずっとツイッターでもしているしかない一日ができてしまったら、そこでは引っ掛かってしまうのだろう。 暇つぶしに使えないツイッターなんて、意味がないよ。 意味のないアプリなんて、滅ぶしかないよ。 それでも振り返れば、ツイッターを通じて仲良くなった人たちとは、今後も連絡は取れそうな気がする。 具体的に連絡の手段を持っている人もいるし、住所と名前まで知っている人もいる。 テントサウナに行くとなれば、家の前まで迎えに来てくれるありがたいお坊さんもいるしな。 特に心配はしていな…

  • 空前のサウナブームだからユーランド鶴見へ行った

    思い浮かぶのは、その日の大相撲の結びの一番を密集して眺めているシーンで、ユーランド鶴見のサウナ室には正直汗くさいイメージがあった。 それが約2年ぶりに来てみたら、カラッとした空気の爽やかなサウナになっていた。 見るとどうも最近、板を貼り替えたらしい。 新しい木の香りに深呼吸をして、体の中まで熱くなっていく。 水風呂は痛覚が刺激される一歩手前だったので、おそらく14℃あたりだろう。 ここの水風呂はかつて10℃を切る設定がされていて、実際に当時のデジタルの水温計に「7.9℃」なんて表示がされているのも見たことがあった。 自前の水温計を持ち込んで計ってみたら12℃だったなんて話を聞かされて、「無粋だ…

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