子3「おっかあ! タラチネって、何だ?」 母「母にかかる枕詞(まくらことば)ことばだな。和歌とかに出てくる。漢字だと、垂れた乳の根っこと書くことが多い」 子3「あー、なるほど!」 母「言っとくけど、別にそういう意味で母を飾ってるわけではないと思うぞ」 子3「し...
「ねえ、シチリケッパイって、知ってる?」 「知らん」 「シチリは、距離の七里。ケッパイは、結界。意味は、七里四方に結界をはりめぐらしたいほど、大っ嫌いで近寄せたくない気持ち。『七里ケッパイ、いやだ』って感じで使うんだけど、正岡子規とか内田魯庵の文章に出てくるんだけど...
あるいは、魔法のカギ なんだか、家内が空海にはまっている。 日本に真言密教を伝えた人なのだが、宗教家である以上に、政治コンサルタントであり、教育者であり、プランナーである。最澄とくらべると、信仰の対象となるくらいのカリスマ性をもつ一方、経歴・人間関係などなんか胡散臭...
掲載した記事が増えてきたので、内容別に分けてみました。 大学生からの言語学に関するQ&A 講義に出席している学生からの質問に答えたものです。 言葉の質問箱 ネット上で受けた、言葉に関する質問と、その回答集です。 自閉症と言語について 自閉症者が取...
Q. 日本語で「ア」と言えば「あ」と読むのに、英語で「a」と書いてもいろいろな発音があるのはおもしろい。 発音記号 が、日本語にはないからだとも思うが。 A. 日本語で「ア」と書いても、実際の発音は多様です。一つではありません。君がそう思いこんでいるだけ...
腐儒の言語学 (132) 音が多い言語をあやつる人の脳は発達してるのか?
Q. 日本人の頭の中では、一つに認識されている音を、違う音として認識する外国人の脳は発達しているのか? A. もしそれが正しいとすると、上記のような区別ができない脳は、「発達していない」ことになります。 脳の発達とは関係なく、言語にはそれぞれ特徴のある「...
腐儒の言語学 (131) 英語話者が区別できない日本語の発音
Q. 英語話者が、日本語において、区別できない、発音できない音にはどんなものがあるか? A. 長母音と短母音: 「おばさん」「おーばさん」「おばーさん」 撥音の引き延し: 「(荒城の月)はーなーのーえんー」 ...
腐儒の言語学 (130) 「テーシャツ」と「ティーシャツ」…音韻的な価値について
Q.「テーシャツ」「シーデー」 と発音する人は、「ティーシャツ」「シーディー」と聞いたとき、頭の中でどのように理解しているのですか? A.「テーシャツ」「シーデー」 。 実は、あまり困らないのです。 「ティ・ディ」などの外来音で、音の聞き分けができな...
Q. 「か」は「が」(有声化)しても口が閉じない(調音点が同じ)のに、「ふ」が「ぶ」になると、口を閉じない(調音方法がかわる)と言えない。何か理由があるのか? A. 「k」と「g」は、ともに、軟口蓋・破裂音です。 前者は「無声」後者は「有声」の一点だけが違います。 ...
Q. 同じ単語でも、次に来るコトバで、音が変わるのはなぜ? 例.「ばか」「ばかじゃないの」 A. 語頭にくらべて、語中の音は単語の弁別に寄与する度合いが低いので、しばしば発音がゆるくなります。 「ば」は正確に発音されますが、「か」以下はゆるんでも通用します。 ...
Q. 「ん」のほかに、実際の発音に違いがあるものは? A. 「っ」促音も、違います。また、「きた(北)」「~です」の発音は、東京語の場合、ほとんど「kta」「des」となり、実際には母音が発声されていません。 また、ほとんどの子音は後続する母音の種類によって、調音の位置が...
Q. 腹話術は口を動かさないで発音しているように見えるが、その音声は、厳密には日本語の発音と違うのか? 他言語でもできるのか? A. 厳密には、 「①ほんの少し口を開き」 「②下あごを動かさないで」 「③唇の動きをみせないで」 発音します。 ...
Q. 自閉症の方のための音声ソフトは開発されていないのか? A. 自閉症にかぎらず、声を失った人のための発話装置はあります。 音が出る文字盤レベルのものから、文イントネーションまでつけられるものまであります(物理学者のホーキング博士が使っているようなやつ)。 自閉...
Q. 後天的に耳が聞こえなくなった人も、しゃべるとちょっと違う感じがするがなぜか? A. われわれは、つねに自分の発音を聞きながら、話しています。 つまり、自分の発声をとらえて、微調整が働くわけです。 その機能がないと、音の高低・強弱などが、少しずれます。 それが気...
Q. 耳の聞こえないヒトはどうやってコトバを習得するのですか? A. 確かに「音声」情報に接することはできませんが、脳の中での「音のイメージ(音韻)」に相当するものを形成することはできます。 また、世界からの情報を「単位」にわけること、それを組み合せることもできます...
Q. 耳が生まれた時から聞こえない方も、健常者と同じ「音声」を作りだすことができるのか? A. できるとは思います。 ただし、自分の聴覚で、それをとらえることはできないので、かなり難しいのは確かです。 よい指導者と訓練が必要です。 また、会話をするとなると、相手の話を...
Q. 人格はコトバに左右されていると思う。 もし、コトバがなかったら、今ほど「千差万別」な思想をもった人間ではなくなるのか? A. 二つの相反する力が働くことになります。どちらもロクでもない結果です。 互いが理解し合えるのはコトバによるところが大きい。コトバ...
Q. コトバを知らない赤ちゃんが、母のお腹の中にいる様子を覚えていると言うのは本当か? A. 胎児には感覚器があり、快・不快を感じ、自発的運動もしています。すでに脳の情報処理活動はありますので、記憶していても不思議ではありません。 ただし、後年の言語化された記憶とは...
Q. コトバは今も変りつづけているのでしょうか? 気づけないのですが、そのようなことを考える必要があるか、も疑問です。 A. コトバは今も変りつづけています。コトバをつかう一人間としては、気づけなくてもかまわないと思います。 ただし、社会に埋没していると、「社...
Q. 時代の流れによって「発音」が変化するのはわかるが、発音がかわらないのに、意味が変るのはなぜ? (例.あからさまなり) 「発音」と平行して意味もかわるのか? A. 「ぜんぜん」という副詞があります。 ① 明治以前、漢文で「まったく」という意味の副...
Q. 過去の発音は、どうしてわかるのか? A. 日本語の場合は、奈良時代は「万葉仮名」の 「漢字音(中国語の発音)」から。 平安時代は、中国語やサンスクリットの韻学書 (音の研究書)の記述から。 また、「かな文字」の使用法から。 室...
腐儒の言語学 Q&A 主に学生との問答をまとめたものです。 腐儒の質問箱 一般の方からの質問と、回答です。 腐儒の日常 日記的な記事です。
Q. 高校で漢文を習っていたとき、友人が、 「こんな文章は現地も読まないから、やっても意味はない」 と言っていたのですが、本当ですか? A. 「漢文」は、もともと「古代・中国語・文章語」です。 中国古典はこの文体で書いてありますので、それに関心のない人に...
Q. 「こんにちは」は「こんにちわ」と書いてはいけないのか? A. 「は」を「wa」と読むのは、係助詞の場合に限定されます。 この場合は、挨拶の定型句となっており、もう係助詞とは言えません。 従って、規則に従えば「こんにちわ」と書くのが「正しい」。 しかし、古...
Q. 昔の書物を見たりすると、漢字だらけのものや、漢字とカタカナの組み合せの文章です。コトバに対応して、文章の文字も変化しているのでしょうか? A. 文字と文章について言えば、日本語の不幸な歴史の結果です。 ① 日本語に文字はなかった。 ② 国家の成立とともに...
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