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梨野礫・エッセイ集 https://nasino.muragon.com/

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

梨野礫・エッセイ集
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2016/06/23

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・84

    ■幼児語 【要約】 “かたこと”には2種類がある。一つは、成人語とは系統のまったくちがう“語”であり、もう一つは成人語からの音韻転化によってできている語である。子どもが最初に形成するのは、ほとんどが前者であり、前者をふくまない子どもはないのであるから、発生論的な見地からは...

  • 「袴田事件」再審判決の《ゆくえ》

    1966年に静岡県で起きた「袴田事件」の再審判決が9月26日に下りるという。検察側は、被害者遺族の「事実を精査し、真実を明らかにしてほしい」という意見陳述書を読み上げ、袴田巌氏の「死刑」を求刑したそうだが、あくまで袴田氏の有罪を主張するつもりらしい。袴田氏は死刑囚として4...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・83

    16 成人語の形成過程 【要約】 少なくとも現代の文明国では、子どもの最初の言語習得がその社会の成人の間で用いられている語形(成人語)を用いることからはじまることはない。はじめ子どもは“かたこと”を用いる。そのなかには、喃語発声、音声模倣に発生的な因果関係をもっているもの...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・82

    8 幼児語から成人語へ 【要約】 幼児語が成人語へ変化していく過程は、1歳のある時期に急速に進められる。この期に、ワンワンはイヌとなり、マンマががゴハンとなり、tick-tackがclockになり、miawがcatとなる。この変化が成人の子どもに対する訓練と、子ども自身の...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・81

    ■機能語(助詞) 《助詞機能の分化》 【要約】 日本語の助詞が、文ないし談話できわめて重要な役割を果たすことはいうまでもない。“山は高い”というとき“山”や“高い”はそれぞれ外延と内包をもっているが、助詞“は”にはそれがない。助詞は、同じ文の中のほかの語を規定したり、文を...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・80

    ■動作語 【要約】 一定の動作に伴って生じる一定の発声、あるいは“かけ声”は比較的早く慣用型の音声に近づき、よく分節している。これを“動作語”とよぶことにする。 自分の動作に伴う発声として、物を投げるときのパイ、ものを持ち歩くときのヨイヨイ、などが1歳3ヶ月までに生じ、...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・79

    ■要求語 【要約】 《初期発声》 不快、とくに空腹に連合して生じる最初の音声は[ma ma ma...]というような型であることが古くからいわれている(Jespersen.1922;Gesell and Amatruda,1947;Lewis,1948)。しかし、単母音[...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・78

    ■状態語 【要約】 “状態”とは、個体の側の内的な状態のことである。特殊な状態に対応する特殊な語が“状態語”であり、イタイ、ウツクシイ、カワイイなどがこれである。個人の内的な事象が表示されなければならないという点で、対象語の形成の過程とはかなり異なる。 “痛い”という状...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・77

    7 語の発生と分化(略) 14 初期の品詞分化 《発達論と品詞分類》(略) 《初期の語の性質》(略) 《対象語》 【要約】 1歳児の語彙は、はじめは感嘆詞であり、つぎにそこから名詞が派生し、つぎに動詞、形容詞、副詞がこの順に生じるといわれてきた(Stern u.Stern...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・76

    13 場面と談話 【要約】 場面の性質のちがいが同一人物の談話の性質や量を規定すること、場面の変化が談話に変化をもたらすことは、成人にも幼児にも共通した事実である。われわれの言語行動の特徴の一つは、現実場面による拘束からの離脱にあるけれども、それからの全面的な離脱は、(統...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・75

    《初期の質問の形式と機能》 子どもに“疑似質問”といえるものが存在する。真の質問と疑似質問との間の判別は容易ではないが、その基準のおもなものはつぎのようである。 ⑴ 子ども自身がその名を知らないものについて質問する。 ⑵ 答えてやると、その答を反芻する。 ⑶ 答えてやると...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・74

    《“質問期”》 【要約】 シュテルン(Stern u. Stern,1907)は、1歳6カ月の子どもに、あらゆる椅子を一つ一つ指示しながらその名をたずね、部屋中を駆け回る時期があったと報告し、初期質問は、名をたずねることであり、これは子どもが“すべてのものには名がある”と...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・73

    ■質問 《質問の機能》 【要約】 質問は“特定の明白な目的と、独自の聴覚的音声形式と、思考交流における重要な役割とをもつ、特殊な言語的伝達”(Reves,1956)である。質問は、質問者が自分の知らない情報を最も有効・迅速に知るためのすぐれた手段である。 質問が子どもの...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・72

    ■談話的指示 【要約】 対人的な場面での指示行為の機能は、主題の伝達ということである。場面にある特定の刺激事象を場面から分離し選択的にそれを表示することもふくむが、それが完全に行えないということも意味している。一つの指示行為は、主題がその人であることは表示できても、その人...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・71

    ■拒否と否定 《拒否》 【要約】 拒否態度は0歳2カ月ごろから、一定の形で明確に示される。哺乳瓶の代わりにおしゃぶりを与えると、頭を振り、怒って泣く。拒否は、もともと情動的な排除、あるいは嫌悪の直接の結果生じる行動であり、生得的な傾向である。拒否には、否定の性質である“真...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・70

    ■応答 《返事》 【要約】 応答の最も単純な型は、相手の呼びかけに対する、ウンとかハイのような返事である。この種の応答は1歳前後で生じるが、特定の相手の特定の談話に対する特定の応答(適応的な反応)が生じているのではなく、紋切り型に反響的に反応が起こっているのみである。 前...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・69

    ■呼びかけと要求 《呼びかけ》 【要約】 呼びかけは、現前する人、あるいは現れることが期待される人に対して伝達する欲求に動機づけられる発声である。注意をひきつける効果の大小に重点が置かれており、音量あるいは音調が重要な役割をはたしている。レベス(Revesz,1956)は...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・68

    ■感嘆発声 【要約】 初期の感嘆発声は、主として短母音または長母音の強い発出であり、情動の直接的な表出である。子どもの属する社会の言語音からの影響を受けておらず、生得的なものである。これは“一次感嘆発声”あるいは“自然感嘆発声”とよばれている(Revesz,1956;Le...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・67

    12 言語的伝達の諸型 ■サルの発声の型と機能 【要約】 京都大学の霊長類研究グループによる十数年間の研究成果が、最近、伊谷(1965)によってまとめられている。伊谷によると、ニホンザルの音声的伝達は機能的につぎの4種類に分類することができる。 ⑴ 叫び声(crying)...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・66

    ■母親の初語識別 《初語識別》 【要約】 通常、初語は子どもとたえず接している母親によって発見される。母親は、純粋に情動的あるいは喃語的な発声に対しても、これを自分への呼びかけ、あるいは、何かを自分に要求する有意味的発声と解釈しがちである。客観的に有意味とはいえない空疎な...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・65

    11 初語 【要約】 “語”は、文のなかの構成分でなければならないから、初語は“語”ではないが、初期の談話は、語に似たまとまり方で1音節ないし2~3音節から成り、機能的にみても、将来の本格的な談話の中に移行していくものが多いから、“語”とよんでも誤りとはいえない。word...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・64

    6 言語的伝達の機能の初期分化 【要約】 ここへきてようやく言語的な行動の第1歩がはじまる。それは、言語形式に従う適応的な伝達の開始ということである。この期から、子どもは言語を利用して外界に適応する方法を徐々に、しかし積極的に習得していく。 まず、初語の問題をとりあげ、...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・63

    ■言語理解の透明性 【要約】 音声は談話の聴取においては“透明”だといわれる。このことは、“話”という語がつぎのような広い意味範囲にわたって用いられる事実からも立証される。 まず、“話”という語は、言語行動の一形態としての意味に用いられる。 ⑴ 活動ないし能力(2歳児は十...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・62

    《自己行動調整機能の発達》 はじめ他者への伝達手段であった談話が、子ども自身が自己の行動を統制し組織化するための手段を分化すること、および、まえには二人のひとに分かれていた“話すー聞く”という機能が、のちに個人行動の中へ統一的に内化されること。この発達過程を分析する方法が...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・61

    9 言語理解 【要約】 言語理解は子どもの知的発達に大きな寄与をする。そのような寄与がどのように発達変化するか、その発達を規定する要因は何かについて考えてみたい。 ■ 談話の自己行動調整機能 自己行動に対する談話の調整機能の発達過程についての実験的研究の成果を検討する...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・60

    《代表過程と条件づけ》 【要約】 二つの事項間の任意的な関係は、言語的代表過程に限らず、非言語的過程にも存在する。接近連合、あるいは条件づけによって、連合される二つの事項の間に有縁性があってもなくても、両者間に結びつきが生じる。 連合における結合は、一つ一つが孤立してい...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・59

    《代表過程の二つの発達水準》 【要約】 代表過程とは、“代表するもの”と“代表されるもの”との間の分化である。ピアジェ(Piaget,1945)に従って、“代表するもの”を“能記”、“代表されるもの”を“所記”とよぶ。この二つの用語は、フランスの言語学者ソシュール(Sau...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・58

    ■範疇化 【要約】 代表過程の発生と発達を具体的に考えてみる。認知に対して作用する代表機能は、要するに、客観的事象を意味的なものへと変形することであり、範疇化することである。 特定の1匹の動物が特定の“そのもの”としてではなく、“イヌ”という範疇(カテゴリー)ないし級(...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・57

    《ピアジェの見解》 【要約】 ピアジェ(Piaget,1933,1934,1945)は、知覚が行為的経験を媒介としてはじめて発達すると考えている。前述したマッチ箱場面(父親が1歳4カ月の女児の目の前でマッチ箱をあけ、そのなかに鎖を入れ、箱の口を少しあけたまま彼女にさし出す...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・56

    ■認知と行為 【要約】 代表機能の最も単純で直接な水準は知覚である。知覚が行為的な経験とどのように因果的に関係しているかについて、二つの対立する見解がある。その一つは、人間の知覚は代表機能によって支えられるが、この機能は、人間においては視覚や聴覚とならんで一つの基本的で生...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・55

    ■非言語的な経験 《“内言語”の非言語性》 【要約】 言語的代表過程が形成されるための要件の一つとして、マイクルバスト(Myklebust,1960) は、“内言語”なるものを考えている。“内言語”はビゴツキーの“内言”とは異なる概念である。“内言”は談話の内面化ないし思...

  • おかしな話・純金製茶碗の盗難

    東京のデパートで開かれていた「大黄金展」の会場から1040万円の純金製茶碗が盗まれた。犯人Aはこの茶碗を古物買い取り店Bに180万円で売却した。古物買い取り店Bは同じ日に古物買い取り店Cに約480万円で転売した。 したがって、Aは180万円、Bは約300万円、Cは約56...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・54

    8 認知世界の形成 【要約】 子どもは、まず言語を学び、つぎにそれを基礎として意味的経験をするようになっていくのではなく、はじめに意味的経験をし、その経験を深めていく途中から、それを基礎として言語の影響を徐々に受けるようになっていくのである。意味的経験がなければ、言語の経...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・53

    ■聴力 【要約】 談話を聞く場合、談話の全体が必ずしも遺漏なく聞きとれるということはなく、また、つねにそうである必要もない。その理由の一つは、談話の行われる状況、談話そのものの置かれている文脈、あるいは広い知識・経験などが、聴取欠損部を補うのに役立つということにある。この...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・52

    ■音声識別と発声 【要約】 音声識別力が、子どもの漸次発達変化していく音韻とその体系化にそって発達することは明らかである。低い発達段階では、一部の音声だけを識別し他の音を無視するとか、特定の音声を彼自身の音韻範疇に従ってまとめたり相互交換したりする、ということが考えられる...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・51

    ■音声識別と場面 【要約】 “言語理解”が言語以外の条件(場面)によっている場合が多い。 カリツォーバは、成人が談話を与えるとき、その音調が一定であり、また身振りや場面も一定であるときだけ、要求している条件(“理解”)反応を示すことを実験的に確認している(Kogan,1...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・50

    ■音声識別 【要約】 音声に基づく談話の識別は、子どもが音声そのものに積極的で分析的な関心をもつまでは生じてこない。ルイス(Lewis,1951)によると、音声に対する子どもの関心は、原初的な音声模倣(音調をおもな手がかりにする談話“理解”期に対応する時期に生じる)が減退...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・49

    7 談話の識別 【要約】 ここで“談話の識別”とは、子どもが聞いた談話が、その特徴に応じて、安定した特殊反応をおこさせるようになることである。子ども自身の生産する談話が発達するための基本的な条件の一つは、他者の談話の識別にあることはいうまでもない。 ■音調・音色の識別 ...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・48

    4 言語理解の発達 【要約】 発声行動の言語化が子どもの聞く談話の言語的理解を基礎として生じてくることは明白であり、使用に対する理解の時期的先行が1歳6ヶ月から3歳0ヶ月ごろまでではほぼ2~3ヶ月の間隔で、もっとも顕著に現れるといわれている。 最初に、非言語的な側面にお...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・47

    《象徴遊びにおける発声行為》 【要約】 象徴遊び(“ふりをすること”“見せかけること”)に発声行為が伴うとき、その象徴的な特性はいっそう明瞭になる。 ピアジェ(Piaget,1945)による観察事例をみる。 ⑴Jという子どもは、1歳6ヶ月に、石鹸も水もその場になく、それ...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・46

    ■その他の音声的象徴行動 【要約】 身振りと音声模倣のほかに、重要な二、三の初期の音声的象徴行動がある。これらは、音声模倣と発達的に接続する関係にあり、本格的な言語習得過程の先行条件となるものである。 《半個人的な言語的表示》 それは形式的にだけ言語であり、機能的にはな...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・45

    ■言語音声の習得(省略) ■オノパトペ 【要約】 “オノパトペ”は、人間の音声以外の音や声(物音や動物の声など)に対する模写的な音声を意味する。オノパトペはその機能において、音声模倣とはかなり違っており、言語獲得以前の子どもの場合には、とくにそうである。 幼い子どもは、...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・44

    《音声模倣と自発的使用》 【要約】 上述の問題は、模倣された音声が子ども自身の自発的で、ある程度その場に適合した(意味的な)談話の形成にどのように寄与していくのかという、言語発達問題の核心につながっている。ここには顕現的な音声模倣とその音声の意味的―自発的な使用との発達的...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・43

    《音声模倣と意味》 【要約】 ギョーム(Guillaume,1925)は、音声模倣はその音声が子どもにとって意味ないし意味の縁辺を伴っているときだけ生じるのであり、意味からまったく離れた音声の模倣ということはありえないという。レオポルド(Leopold,1939)も、自己...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・42

    《同一視説》 【要約】 “同一視”とは、他者と自己を混同することをいう。精神分析の創始者フロイト(Freud) は、親に対する子どもの同一視が人格の基本要因であることを主張し、その後の人格理論、社会心理学、さらには学習理論をふくむ行動理論に大きな影響を与えている。フロイト...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・41

    ■音声模倣の機制 【要約】 語の形成は、喃語活動にふくまれる音声の自然の固定化によって達成されるとは考えられない。幼児は、必要な語を形成するさいに、新しい音声を習得する必要がおこってくる。さらに、多くの異なる音声を組み合わせて作られてくる反応を習得する必要があるが、これは...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・40

    《連続発達説》 【要約】 音声模倣の発達が連続的だとする見解は二つに大別することができる。一つは、音声模倣が出生後きわめて早期から認められるとする見解であり、もう一つはほぼルイスの第3段階から生じるとするものである。 前者に属する連続発達説はピアジェ(Piaget,19...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・39

    ■音声模倣の発達過程 【要約】 《音声模倣の開始期》 音声模倣は0歳2ヶ月から早くも始まると(Hoyer and Hoyer,1924;Lewis,1951;Stern u.Stern,1907)があるかと思うと、0歳9ヶ月~0歳10ヶ月になってはじめて音声は模倣される...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・38

    3 音声模倣 【要約】 言語習得がとりわけ音声模倣に依存していることはいうまでもない。言語発達が学習現象であるといわれるおもな理由の一つは、それが音声模倣を経てはじめて達成されるというところにある。 擬音あるいは擬声(オノマトペ)もまた、一種の模倣音声であるが、言語的で...

  • 自民党「裏金」議員の《処分》

    自民党は、4月4日、派閥の政治資金パーティー裏金事件に関係した安部派、二階派の議員ら39人を処分した。しかし、それで終わりではない、と私は思う。そもそも39人は「選ばれて」議員になっているのだから、選ばれた議員の悪行は、選んだ側にも責任があるのである。では、誰が選んだのか...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・37

    《発達的連関についての諸説》 大きく分けると三つの考え方があるようである。 第一は、音声と身振りとの間に連関は認めるが、相互の経験的な因果関係を問題にしない立場である。音声がもともと、人間においては行為を伴い、両者が生得的に密接に結合していることは認めるが、この2種の反...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・36

    ■身振りと談話 《音声的伝達の利点》 【要約】 音声による伝達の基本的特徴はつぎのようである。 ⑴聴覚刺激以外の感性刺激は、空間性ないし対象性が比較的大であるが、聴覚刺激はその時系列性ないし線状性のゆえに、事象の記号として、事象とそのものと区別がつけやすい。⑵聞き手が聴覚...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・35

    ■身振りによる伝達の限界 身振りで非現実事象を表示することは可能であるが、音声行動と比較すれば大きな制約がある。そのおもな理由としてつぎの三つをあげることができる。 ⑴大部分の身振りは、それが行われる事態に依存して表示の一義性を達成する。 ⑵身振りで高度に抽象的な事象を表...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・34

    ■自発的身振りの発達 《身振りと“内的言語感覚”》 【要約】 レベス(Revesz,1956)によれば、音声が“内的言語感覚”の影響を受けるようになるとき、音声言語行動が形成される。これと同様に、身振りもこの要因の関与によって、象徴化を開始するという。それは身振りの形では...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・33

    ■絵画的身振り 《絵画的身振りの意味》 【要約】 他者の身体運動を自己の身体運動で模倣しようとする傾向は0歳10ヶ月~1歳0ヶ月ごろからみられる。子どもの絵画的身振りはこのような人間行為の模写にはじまるようである。この場合、模写の媒体となる身体部位は、はじめのうちは一定せ...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・32

    ■表情 【要約】 表情は本来、内的・情動的状態の自然的な表出であり徴候であるが、音声言語行動の未発達な時期には、外的事象の表示手段としてもある程度利用される。聾幼児では、音声的手段をほとんどもつことができないために、表情を表示の手段として用いる傾向が強く、急速に発達する。...

  • 吉本芸人Mの《裁判》

    吉本芸人Mが「週刊文春」を名誉毀損罪で訴えた裁判が始まった。この裁判で明らかになることは何か。もちろん、「Mが性的加害を加えたか否か」という事実ではない。「週刊文春」がMの名誉を毀損したか否かという一点である。もし「週刊文春」が裁判で負ければ、Mの性的加害は「なかったかも...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・31

    ■提示 【要約】 身振りは、その表示方法の上で2種類に分けることができる。一つは、現前場面に依存せずに、対象ないし事象そのものを模写的にあるいは象徴的に絵画化する仕方であり、もう一つは、現前場面に依存する対象ないし事象を指摘する仕方である。後者の典型的な場合として指示行為...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・30

    ■指示 【要約】 対象そのものの絵画化を伴わない象徴的身振りの典型的なものとして、指示行為をあげることができる。単に対象に手を伸ばす動作、あるいは注視と到達行為との協応が開始されるのは0:3~0:5であり、比較的個人差はない。はっきり指示の徴候が認められるの行為は0:10...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・29

    5 身振り 【要約】 身振りの発生はおそらく自然的であって、身振りとして学習されたものではないが、のちに慣用される身振りの観察と模倣行動とを通じて学習され、伝達の手段として意図的に用いられる。この発達的変化のなかで最もいちじるしい面は、その象徴化に認められるべきであろう。...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・28

    《遊び》 【要約】 遊びは新しい外的環境に対して、すでに獲得している活動を適用することであり、積極的で自主的な活動である。さらに遊びは、発達の過程のなかで漸次その象徴的特性を現し、それを最も高度に示す行為でもある。人間の精神発達を適応の過程としてみるならば、適応は模倣の調...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・27

    《延滞模倣・観察学習》 【要約】 人間行動における模倣の実用的価値は、延滞模倣に最もいちじるしくみとめられるが、それはどのような性質のものであろうか。 近年、“代理経験”あるいは“観察学習”として研究されている問題がこれに密接に関連している。これらの用語は、他者の行動を...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・26

    【要約】(ピアジェ・模倣の発達段階論) 《第1段階》(0歳0ヶ月~0歳1ヶ月) “反射を通じての模倣準備期”として特徴づけられる。他児の叫喚によって叫喚が生じるという一見模倣的な傾向は、①他児叫喚によって生じた不快が原因であると解釈するか、②他児叫喚から直接生じた反射反応...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・25

    ■模倣 《ピアジェの模倣の発達段階論》 【要約】 一口に“模倣”というが、そこには種々の次元、あるいは型の模倣が考えられる。そのおもなものはつぎの五つであろう。 ⑴ 即時模倣(直接模倣)と延滞模倣。前者は与えられた手本を即時模倣する場合であり、後者はその間に時間が経過して...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・24

    4 模倣と遊び 【要約】 ここでは、初期表象機能の最も活発で顕著な現れとしての、模倣と遊びについて考察し、それらが言語発達の過程とどのように関連するかを示唆したいと思う。 模倣と遊びとは同じ時期に発生し、平行して発達変化するものでありながら、ある面で対照的な性格をもって...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・23

    ■初期の象徴活動 【要約】 象徴機能の特性として、つぎの諸点が注目される。 ⑴ 必ずしも音声的に発現されず、しばしば非音声的行動に現れる。 ⑵ 欲求の充足に動機づけられていない。 ⑶ 対人的・社会的な性質がない。 ⑷ 代表機能の原初形態として発現する。 このような特徴は...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・22

    ■代表機能と象徴機能 《“代表機能”と“象徴機能”の定義》 【要約】 バーラインは、“象徴反応”についてつぎのように述べている。“行動主義的観点からすれば、記号と象徴とは二重の側面をもつ。それらは生活体によって作られた反応の産物であるとともに、行動に深刻な影響を与える刺激...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・21

    2 象徴機能の発生 【要約】 言語行動を最も外見的にとらえるならば、それは一種の筋の運動である。きわめて複雑にはちがいないが、結局はそうである。しかし言語行動が高次の精神過程にその基礎をもち、それに規定された行動であるという面に注目しないかぎり、言語行動の形骸を追うという...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・20

    ■喃語と談話 【要約】 音声言語の種類を異にする社会に生まれた子どもの間で、最初のうちは、発する音声に差がない。この差が生じてくるのはいつごろからであろうか。また、このような発達的変化は連続的に移行するのか、それとも非連続であろうか。 《喃語音声の生得性》 中島・岡本・...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・19

    《外的強化と自閉的強化の共存》 【要約】 ごく大まかにいえば、外的強化は対人場面で、内的強化はひとり場面で、主として作用すると考えられる。チャーチは、“幼児は他者に対すると同じ程度に自分に向かって話す。反応する聞き手が存在することを知って驚き、ものをいわなくなることがある...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・18

    《自閉的強化説》 【要約】 喃語活動は、子どもがひとりでいるときにも生じる。喃語活動が維持され、活発化する原因を、人から与えられる即応的強化にだけ求めるわけにはいかない。他の原因の一つとして、マウラー(Mowrer,1952,1954,1960)は、“自閉的強化理論”(a...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・17

    ■喃語活動の活発化 【要約】 喃語活動は、談話活動の一般的な特性の発達的基礎と考えられるので、つぎの二つの問題を検討しておく必要があると思う。 ⑴ 喃語活動の活発化、あるいは生起頻度の増大 ⑵ 喃語にふくまれる音声の明瞭化、あるいは母国語音韻化 《達成動機説》 ルイス(...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・16

    ■喃語の反復性 【要約】 喃語の反復性は、心理学的にはどのように説明されてきただろうか。 《循環反応仮説》 ・ハートレー(Hartley,1810)、オールポート(Allp0rt,1924)、ホルト(Holt,1931)。 “いま発声のための筋が活動していたとする。言語音...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・15

    ■喃語の形式 【要約】 《喃語の音声面》 初期にはbaba....のような1音節単位の反復が多く、その後にbaba,baba,....のような反復性の多音節単位の反復が生じ、さらに、その後bama,bama,....のような非反復性の多音節を単位とする反復が生じ、さらに変...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・14

    《非叫喚音の発生時期》 【要約】 非叫喚発声ははじめから言語的特性を十分にそなえているわけではない。最も初期の非叫喚発声は呼吸運動によって大きな拘束を受けており、その音声の調音化は漸次的である。呼吸活動のもとで音声が多様化してくるということは、発声が呼吸活動ならびに情動か...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・13

    ■非叫喚発声 《非叫喚発声の発達的意義》 【要約】 非叫喚発声は叫喚よりもよく統制された呼吸活動と調音活動のもとで生じる。叫喚よりも変化に富んだ発声である。叫喚が強力な発声であるため母親の注意をひきつけ、その結果として自己の欲求をみたすのに役立つのに対して、非叫喚は弱い発...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・12

    2 喃語 【要約】 喃語(babbling)は非叫喚音から成る一連の音声パターンをいう。それが談話と区別される点は、調音化がきわめて不十分であり、かつ意味が不明であり、伝達的意図に動機づけられていないということである。それは“意味のわからない話”である。(喃話という方が適...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・11

    《育児者の役割・意味形成》 【要約】 現実に対する子どもの認知は、成人(多くは母親)との接触を通じて形成されていく。それは成人の側からの積極的な働きを契機としている。成人が子どもの行為を子どもにとって興味のあるものにするための手段として、成人はいろいろな働きかけを子どもに...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・10

    《発声行動の手段化とその要因》 【要約】 子どもはいつごろから外界刺激の特性に対応するような行為をするようになるのか。また、このことはどのように確証されるのか。 “(新生児は)手足をランダムに屈伸し、特殊な、つまり特性記述可能な行為をしない。「有意味だ」といえる運動が発...

  • 「させていただく」な!

    国会中継や記者会見などで、議員がやたらと「○○させていただく」という文言を使うことが鼻につく。議員は選挙民に選ばれて「議員にさせていただいて」いるのだから当然かも知れないが、「説明させていただく」だとか「使わせていただく」だとか、「調べさせていただく」だとか、自分の行為ま...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・9

    ■初期音声における意味 《叫喚の発達》 【要約】 言語学者サーピアは、初期叫喚の“意味”に関連して「・・本能的な叫喚はどんな厳密な意味でも伝達(communicationn)とはならない。」(Sapia,1921)と述べている。初期の本能的叫喚はたしかにサーピアのいうよう...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・8

    《音素型の測定と記述》 【要約】 初期音声発達の解明に大きな貢献をしてきたのがアーウィンである。アーウィンを中心とする研究者の業績をアーウィン自身(Irwin,1952)がまとめたところによると、0歳2ヶ月~2歳6ヶ月の間では次のような発達傾向が認められる。 ⑴音素の種類...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・7

    【要約】 予期吸啜反応はいっそう直接的な、一部の子音生産の下準備となりうる。予期的に吸啜反応をしているときに呼気が生じると、これが唇音[p][b]、鼻唇音[m]、鼻歯音[n]を作り出す。歯舌音[t]の生じる可能性もある。このように吸啜反応は、唇、歯、鼻腔、舌の関係する広範...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・6

    《摂食運動と調音活動》 言語音声(母音・子音)を出すためには、呼吸活動と声帯の開閉との間の協応だけでなく、口腔の姿勢や運動を伴うことが必要であり、特定の言語音声を発するための特定の姿勢や運動は、“調音”(articulation)とよばれる。調音をつかさどる器官は呼吸器官...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・5

    ■その後の音声の変化 《叫喚音声の変化》 【要約】 単調だった初期叫喚は、まもなく変化を示しはじめる。それは発声の持続時間・リズム・強さ・高さ・音色などの上にあらわれる。ビューラー(Buher,C,1930)によると、少なくとも0歳3ヶ月にはこれがはっきりしてくる。おおま...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・4

    《叫喚と非叫喚との識別》 【要約】 0歳1ヶ月ごろになると、叫喚よりおだやかで静かな音声がときおり生じはじめる。これは“cooing”とか“whining”とかいわれる非叫喚音である。それまでは声量の調節ということはできなかった子どもが、0歳1ヶ月以後調節することができは...

  • 吉本芸人Mの「笑い」

    フランスの劇作家マルセル・パニョルは「笑いについて」(岩波新書)の中で、「笑い」には3種類ある、と述べている。その1は、強者が弱者を見下して馬鹿にする笑い、その2は弱者が強者を皮肉る笑い、その3は人間同士が楽しみや喜びを分かち合う連帯の笑い、である。日本でも「嘲笑」「哄笑...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・3

    《新生児の叫喚》 【要約】 新生児(生後1ヶ月間)が叫喚に費やす時間は全生活時間の5~6%といわれている。これは、睡眠時間の70%と摂食時間の15%を考えるとき、おきていて吸乳していないときには、叫喚していることが非常に多いことを物語っている。 叫喚がどんな原因で生じる...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・2

    1 乳児初期の発声 【要約】 ‘うぶ声’にはじまる人間の発声は日々急速に変容して、まもなく明白な技能的統制が生じてくる。これと平行して、音声に‘意味’も感じられるようになる。これらの変化は明らかに人間の高次神経機構の整備によるものである。しかし、このような初期の段階におい...

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・1

    【序】 私は今、自閉症児の「言語発達」について考えている。「言語発達」の遅れは、自閉症児の行動特徴(症状)の一つに挙げられているが、助詞、助動詞、人称代名詞の誤用、紋切型で抑揚のない語調(口調)などが指摘されているだけで、その実相や原因はそれほど究明されていないように思わ...

  • 「性加害」の《本質》

    吉本芸人Mの「性加害」という問題が取り沙汰されて2か月が経とうとしているが、その《本質》が忘れられたまま、不毛な対立・抗争が続けられている。「性加害」の《本質》とは何か。それを明らかにするためには、まず「性」とは何かについて考えることが必要だ。「性」とは「男と女」という区...

  • 「障害乳幼児の発達研究」(J.ヘルムート編・岩本憲監訳・黎明書房・昭和50年)抄読・7

    Ⅶ 幼児ー母親の相互交渉の型と刺激の特性《映写観察を使用したセット場面での行動的相互交渉の評価》 A 背景 ・(幼児ー母親の相互交渉を「映写観察」〈その記録を分析〉することにより)、刺激パタン、刺激の数や多様性、回数・強さで示される刺激の量、刺激時間の評価が容易にできるよう...

  • 「障害乳幼児の発達研究」(J.ヘルムート編・岩本憲監訳・黎明書房・昭和50年)抄読・6

    Ⅵ 母親の行動と幼児ー母親の相互交渉《録音面接の際の母親の叙述とそのときの幼児ー母親相互交渉についての観察者による逸話記録に基づいた研究》 A はじめに ・録音面接時の母親の叙述は、面接時の観察者による幼児ー母親相互交渉の描写と比較された。それによって、一致を示した相互交渉...

  • 「障害乳幼児の発達研究」(J.ヘルムート編・岩本憲監訳・黎明書房・昭和50年)抄読・5

    Ⅳ 方法 A 被験者 1.選択 ・母親と幼児被験者は、Illnois大学病院の小児科部門から得られた。被験者は、次のような基準に基づいて対象にされた。 ⅰ. 年齢:30カ月未満 ⅱ. 異常行動:異常行動のリストにあげられた1つ以上の異常状態。 《幼児の異常行動》(リスト) ...

  • 「障害乳幼児の発達研究」(J.ヘルムート編・岩本憲監訳・黎明書房・昭和50年)抄読・4

    Ⅲ 親子関係に関する批判と「障害乳幼児の発達研究」(J.ヘルムート編・岩本憲監訳・黎明書房・昭和50年)抄読・3幼児ー母親相互交渉の研究 A はじめに ・環境は、児童期の精神的、社会的、情緒的発達に影響するという概括的な仮定は、発達に及ぼす大切な環境要因は、親のパーソナリテ...

  • 「浅草資産家一家の事件」で思うこと

    4歳の女児(次女)を殺害したという疑いで両親が逮捕された。資産家一家の事件で、女児には10歳の兄(長男)と8歳の姉(長女)がいる。私がまっさきに思ったことは、両親が逮捕されていなくなった家で、この10歳と8歳の兄妹は、今後どのように暮らしていくのだろうか、という一点である...

  • 「吉本興業」と「週刊文春」の不毛な《対立・抗争》・2

    昨年末「週刊文春」が吉本芸人Mの言動に言及してから2か月が経とうとしている。私はこれまで吉本芸人Mの「芸」など興味がないので見聞していないし、「週刊文春」の記事なども読んでいないので、どのようなことが取り沙汰されているか、詳細は知らないが、連日、ネットを開くと、連日、吉本...

  • 「障害乳幼児の発達研究」(J.ヘルムート編・岩本憲監訳・黎明書房・昭和50年)抄読・3

    「障害乳幼児の発達研究」(J.ヘルムート編・岩本憲監訳・黎明書房・昭和50年)に収録されている論文「正常幼児と異常行動をもつ幼児の母ー子相互関係行動の比較」(ナーマンH.グリーンベルグ)を精読する。 Ⅰ はじめに ・この報告は、異常行動をもたない幼児と母親(M-CI)および...

  • 「障害乳幼児の発達研究」(J・ヘルムート編・岩本憲監訳・黎明書房・昭和50年)抄読・2

    【Ⅱ 社会的ディプリペーション環境下の養育から生まれてくる異常行動】 ・赤毛ザルの社会的発達に影響するパラメーターを調査するために、Wisconsinの研究室の実験者は、母ザルと仲間ザルの中で養育される環境を、体系的な代償と、この環境における社会的要素をとりのけることによっ...

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