chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • WBC2023日本代表に寄せて

    体の奥底から熱いものがこみあげてきたのは、フルカウントから投じられたスライダーがマイクトラウトのバットをすり抜けた瞬間でも、激闘を戦い抜いた男たちが抱き合う時間でも、英雄たちが胴上げでマイアミの宙を舞ったタイミングでもなく、世界中の興奮がいったんの落ち着きを見せた頃合いだった。 ああ、WBCは終わってしまったのだ。もうこのチームを見ることはできないのだ。そんなことを考えたら、寂しくなって、悲しくなって、でもなんだかうれしくなって、でもやっぱり寂しくなって、もうぜんぶ分からなくなって、とにかく涙が止まらなくなっていた。 チームが結成されてから、宮崎キャンプからカウントしても一か月ほどの期間しかな…

  • 文学フリマ東京35を経て

    口ロロに『マンパワー』という作品がある。高校生の時に聴いていたこのアルバムが、なぜか昨日今日の自分の脳裏によく響く。2013年、震災が後姿を見せ、東京スカイツリーが開業したあの頃の雰囲気がまるごと詰まった音楽だと思う。そのような時代性の帯電になぜいまこの時の自分が惹かれるのか、定かなことは分からない。それによく調べたら、このアルバムが出たのも、スカイツリーが開業したのも、どちらも2012年らしい。まったく適当なものである。たくさん聴いた音楽なのに。時代感覚が分からなくなっている。ひとの記憶とは案外そんなもので、大事だと思っていることだって簡単に忘れてしまうし、どうでもいいことばっかりは覚えてい…

  • 『silent』と草野正宗の言葉

    前書き(よまなくてもいいです) 歳をとるごとに涙腺が緩んでいくと聞いてはいたものの実際に自分が二十代も後半に差し掛かり思うのは自身の涙の価値がだんだんと下がっているということにある。いやそもそもの話てめえの汚い涙になんて誰も興味ないぜアホンダラと言われたらこぶしを握りしめて唇をかみしめるしかないのだが、しかしまあこの世に生を受けて日本国民の三大義務ぐらいは果たしている身としてそのぐらいの主張があっても許されるのではないか。 さて、何の話か。そうそう、なんか『silent』とかいうドラマが話題らしいじゃないか。ほう、どうやらスピッツが物語に大きくかかわってくるのか。一見すると「親と友達とこの世界…

  • 第167回芥川龍之介賞 受賞作予想

    第167回芥川龍之介賞の候補作は、以下の5作です。小砂川チト「家庭用安心坑夫」(群像6月号)鈴木涼美「ギフテッド」(文學界6月号)高瀬隼子「おいしいごはんが食べられますように」(群像1月号)年森瑛「N/A」(文學界5月号)山下紘加「あくてえ」(文藝夏季号)#芥川賞 — 日本文学振興会 (@shinko_kai) 2022年6月16日 勝手に芥川賞受賞作予想企画、今回も実施します。誰が読んでるのか分からんけど。 初めに、受賞作を予想するにあたって重要視したポイントをあきらかにしておくと、それはひとえに前衛性という部分に集約される。「芥川賞は、雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文…

  • 湯浅政明『犬王』

    『犬王』を見てきた。最高だった。勢いで、人生捨てたもんじゃないなとツイートした。はた目からは病んだ人間のつぶやきにしか見えないかもしれないが、まあそういうわけではなくて、エンターテインメントの素晴らしさ、つまり、想像力には現実に美しい色を添える力があるのだと、改めて確信できた点に重きがある(のだが、変に邪推されないか不安でもある)。 本作の題材となった犬王は、室町時代に活躍したとされる能楽師であるが、作品は現存しておらず、いわば忘れられたポップスターとでも言えようか、彼がどういった舞を見せ、どのように人々を魅了してきたのか、その手掛かりは残滓すら残されていない。では、犬王や彼の舞を目にした人々…

  • 第166回芥川龍之介賞 受賞作予想

    芥川賞候補作を全て読み終わったため、各作品の感想と受賞作の予想を書き記す。 最も身体に迫る気迫を感じたのは砂川文次「ブラックボックス」であった。読了後しばらく鉄アレイで後頭部をぶん殴られたようなショックからしばらく抜けだすことができなかった。いわゆる”社会の底辺”で生きる男が破滅していく様が描かれる物語。そのように記せば得てして社会派小説と受容されかねないが、本作はそれ以上にひとりの人間の生をひたすらに描かれており、社会という問題を語る以前に存在するひとりひとりの人間の生を現前させる。また、「保険とか扶養とか、見るだけで言葉の意味と音とが空中分解sるような単語をつかいこなせることが大人になった…

  • 2021年12月31日の日記

    大晦日。犯罪的な寒さ。実家に帰るかどうか迷った挙句、3時間の大作ということで後回しにしていた『ドライブ・マイ・カー』を観るために吉祥寺に行くことにした。JR吉祥寺駅駅直結のアトレを通って、北口の平和通り(調べたらそういう名前らしい)を歩いてパルコへと向かう。寒い。地下二階のアップリンク吉祥寺で半券を購入。時計を見ると、いや、スマホを見ると、12時を少し過ぎたところ。上映自体は15時からなので時間がある。だいぶ早めに到着したのには、というよりオンライン決済をせずに現地購入を選んだのには理由があって、なんと年末はメンテナンスでオンライン決済ができないらしく、早めにやってきた。時間つぶしに街をめぐる…

  • 2021年邦楽マイベスト(シングル)

    1. ミツメ / Basic(feat.STUTS) 今年は今まであまり聞いてこなかったポップミュージックを意識的に聴くようにした一年でしたが、結局はずっと前から好きなミツメが一番でした。STUTSとのコラボが功を奏し、サイケデリックさを維持したままポップにまとめられており、圧倒的な仕上がりとなっている。 2. Vaundy / 踊り子 Vaundyについてはあまり知らなかったのだが、この曲は他のどの曲よりも圧倒的に良いと思った。低体温ながら確実に身体に忍び込んでくる音と言葉の心地よさが何度も曲を再生せてしまう。米津以降の我が国のポップ音楽シーンにおいて、現在のところ最高地点にいるのではないだ…

  • 2021年10月3日の日記

    起き抜けの体に最大照度の陽光が打ち付けている。枕もとに置かれたスマートフォンを手に取る。9時3分。休日の膨大さに甘えて、即座に起き上がることはなく、布団の中でぬくぬくとしている。YouTubeやTwitterを何周かして、伸びをすると、気が付くと10時。時間どろぼうめ。 顔を洗って、今日一日なにをしようか考える。何も予定はないが、これほど良好な天気の下で何もしないのも罰が当たる気がする。計画を立てるためにグーグルマップを適当に開く。海に行きたいとか思ってみたが、武蔵野からまともな海を拝むためには結構な遠出となる。一番近くて江の島か(お台場や芝浦は海だが海ではない)。往復運賃は1500円以上と出…

  • 文化力の敗退

    五輪閉会式を見た。真っ先に思い出したのは、角川書店創業者・角川源義による「角川文庫発刊に際して」の文章である。 第二次世界大戦の敗北は、軍事力の敗北であった以上に、私たちの若い文化力の敗退であった。私たちの文化が戦争に対して如何(いか)に無力であり、単なるあだ花にすぎなかったかを、私たちは身を以て体験し痛感した。西洋近代文化の摂取にとって、明治以降八十年の歳月は決して短かすぎたとは言えない。にもかかわらず、近代文化の伝統を確立し、自由な批判と柔軟な良識に富む文化層として自らを形成することに私たちは失敗して来た。そしてこれは、各層への文化の普及滲透(しんとう)を任務とする出版人の責任でもあった。…

  • 昭和歌謡ベストソングス30

    ミュージック・マガジン 2021年 7月号 ミュージック・マガジン Amazon ミュージックマガジンの特集「昭和歌謡ベスト・ソングス100[1970年代編]」が面白かったため個人でもやってみようという試みである。 対象は昭和の時代にシングルとしてリリースされた邦楽曲全般。両A面などもありとする。ただし歌謡曲の範疇から外れると判断したアーティスト(具体的にはサザンオールスターズ、PRINCESS PRINCESS、THE BLUE HEARTS、エレファントカシマシなど)は意図的に除外している。山下達郎や松任谷由実などのシティポップの系譜の扱いについては最後まで迷ったが、今回は対象とした。 1…

  • 今泉力哉『街の上で』

    愛おしい映画だ。 下北沢の街で繰り広げられるこの物語は、いってみれば大したことは起こらない。若葉竜也演じる男と彼を取り巻く四人の女性が繰り広げる群像劇なのだが、そこでは劇的な演出や会話が徹底的に排除されている。どもり、つっかえ、聞き逃し、聞き返し、謎の間の連続で、それゆえに映画の中にどこかぎこちない気まずさが流れることもある。しかしそのことが映画に圧倒的なリアリティ強度を与えている。よどみなく自分の気持ちを吐露する作られた登場人物は皆無であり、この世のどこかに確かに存在する人々の生きざまを垣間見ているようで、ほほえましく優しい気持ちになれる。 ここで描かれているのはあなたの身近な日常と大して変…

  • 地図に穿つ

    これまで訪れてきた場所を余すことなくグーグルマップに登録しようと思っている。ひとりで勝手に進めている極めて個人的なプロジェクトだ。誰に見せるわけでもない。何かに役立つわけでもないだろう。ただ個人的な記憶の外付けハードディスクとして、電子地図を活用しようとしているだけだ。自分と少しでもかかわりを持ってもらった場所を忘れてしまうのが悲しいから、いつまでも覚えていたいから、こんなことをしている。 いままでたくさんの土地を訪れた。日本国内はもちろんのこと、学生時代はバックパッカー気取りで少なくない国に降り立ってきた。当時から訪れた場所をグーグルマップに登録しておけば面倒はなかったのだが、Maps.me…

  • しんにょう(あるいはしんにゅう)

    幼いころの記憶に残るしんにょう(あるいはしんにゅう)は辶であったけれど、いまモニターに映し出される「辻」のしんにょう(あるいはしんにゅう)は何度目を凝らしても辶だった。ふたつも点が乗っている。おかしな形に困惑しながら、しかしこれはつい今しがた自分がキーボードで打ち込んだことにより生み出した文字であるという事実に直面する。PCが表示する文字に誤りはないはずであり、そうすると、先ほどまで私の記憶だと思っていたものが私の記憶ではなかったのかもしれない。いや、騙されるな。私には確かな記憶がある。 小学生の僕は、かび臭い教室の片隅で、「道」という文字を何度も書き写している。その文字はいささか見るに堪えな…

  • 光の粒

    微かな温もりをはらみ始めた潮風が自由気ままに荒ぶる二月の砂浜は、どこまで行っても誰もいなくて、いつか見たあの景色に似ている。寄せては返す波のごとく、心に去来する寂しさが心地よくなるころには、生きる意味さえも超えていく。 真っ白な砂浜に横たわる君が死んでいく。君は、うつろな目をして遠く見つめながら、すべてが海であった時のことを思うのだろう。初めて光を見た刹那に流したうれしさの涙を懐くのだろう。 僕らは君の大きな体が朽ちてしまう日を待っている。じっくりと涙に溶けていく日を待っている。君と過ごした日々が霞の彼方に見えなくなる日を待っている。それでも、触れては消えてしまうような脆さで、君は息をし続ける…

  • よくわからない

    あるひ私は一大決心をして文庫本の中にもぐってやった。物語は思ったよりも深さが無くてがっくりしたけれど、横の世界はどこまでも続いていて胸が高鳴る。水中から浮き上がってくる言葉たちを吸って吐いていれば息はいつまでも持つようである。 ずっと泳いでいくと、水中に宙遊するとても大きな一軒家が目に入った。窓から老婆のような物体が手招きしているので、お言葉に甘えて(といっても彼女は一言も発していないのである。これが言葉の綾というものだろうか)玄関を強めにノックした。だれも出てこないからドアノブをつかんだら、鍵がかかっておらず、そのままドアを引いて中に入ることができた。 三和土でスニーカーを脱いでお邪魔すると…

  • 撃たれなかった拳銃

    「チェーホフがこう言っている。物語の中に拳銃が出てきたら、それは発射されなくてはならない、と」「物語の中に、必然性のない小道具は持ち出すなということだよ」 村上春樹『1Q84』より この言葉に出会って、私は一種の怒りを覚えた。意味があることがそんなに偉いのかと。意味のないものが物語から締め出されるのであれば、私のような、たいていの人生に何の影響も及ぼさないような人間は、物語の登場人物にすらなれないで死んでいく。そんなのさみしいではないか。私は憤怒で燃えていた。 燃え滾っていたら、引火して、街に燃え広がった。めっきり雨の降らない2月の東京は乾燥しきっていた。瞬く間に広がっていく光景が滑稽で、意味…

  • 想像力の限度

    ずっと自分の中で燻り続けているモチーフがある。極夜の東京。そんなものを想像してみると楽しくて仕方がない。もともと、ceroの「orphans」という曲で歌われる白夜の街という設定がすごく素敵に思っていた。単純な思考であるが、では逆に極夜とはどういったものなのか。それも、東京という街が昼間を失ったらどうなってしまうのか、気になってしょうがない。 それで、そんなモチーフから何かを抽出して創作物を作り出してみようと考えた。掌編でもいいので、みじかい物語を紡ぎたい。そういった野望で文字を打ち続けてみた。しかし、いざ文字にしようとすると全くダメなのである。イメージはあっても、言葉として成立させることが困…

  • 踊る理由が街にあふれて

    片想い「踊る理由」のライブ映像をYouTubeで見ていたら、こんなコメントを見つけた。 ぞくぞくした。震えた。自分は何で泣いてるんだろう 投稿は1週間前、いいねも返信も一つもついていない。コメント主がどのような思いでこの言葉を残したのかは分からないが、このとき彼(女)が何か切羽詰まる感情に襲われていたことは容易に想像できる。彼(女)が吐き出そうとしたのは、懐かしい青春の日々に対する絶望にも似た望郷の想いかもしれないし、人生の輝きを垣間見てしまったときに胸の底で巻き起こる幸福な焦燥感かもしれない。とにかく、この「ぞくぞくした。震えた。自分は何で泣いてるんだろう 」という言葉は、彼(女)が、もはや…

  • Homecomingsというバンド

    Homecomingsが昨年クリスマスに行ったライブ「BLANKET TOWN BLUES」を視聴した。本来であれば会場に赴いて直接お目にかかりたかったライブだが都合がつかず、その後アーカイブ配信をしていたのも知っていたのだがタイミングを逸していて、けっきょく配信最終日に視聴する羽目となったのだが、見逃さなくて本当によかったと思える出来であった。 曲が良いことはもちろんなのだが、今回はボーカル畳野彩加の歌唱が安定したことで、演奏としてのクオリティが格段に向上した。バンドの最大の強みであるコーラスワークの素晴らしさも健在で、ストリングス部隊もはまっており、文句なしのライブだ。そして映像も高画質で…

  • 【受賞作予想】第164回芥川龍之介賞

    芥川賞候補作全部読む企画第三弾。今回も粒ぞろいでした。さっさと作品ごとの感想に移ります。読了順。 尾崎世界観 「母影」 母影(おもかげ) 作者:尾崎 世界観 発売日: 2021/01/29 メディア: 単行本 クリープハイプは実は食わず嫌いしているバンドの一つだったりして、世界観さんの作品もこれまで読めていなかったのだが、『25の短編小説』というアンソロジーに収録されていた「サクラ」という短編が案外と地味で暗くてかっこつけすぎていなくて好きだったりしたので、最近少し気になってはいた。本作も同様に地味で暗い作品であるでよかったと思う。特筆すべきはその文体で、小学生の少女が出会うふわふわとした世界…

  • 『地球の歩き方』東京編 を買う

    J01 地球の歩き方 東京 2021~2022 発売日: 2020/09/02 メディア: 単行本(ソフトカバー) 自分がほかの人からどのように見られているのか、とても気になる人間だ。そんなの気にしないで自分らしく生きようぜみたいなノリの人は全員とは言わずともたいてい偽善者だと思っている。で、それは領域を少し広げて、自分の住んでいる街や国がどういう風にみられているのか、という思考にも繋がってくる。ついに刊行された『地球の歩き方』東京編は、そういった興味関心を満たしくれる面白い一冊だと思う。たいていの場合、海外旅行の第一印象はその国に降り立った瞬間ではなく『地球の歩き方』を読んだときに植え付けら…

  • 2020/7/23の日記

    人生2回目のコストコ。全てが馬鹿デカくてアメリカンな気分に浸れるのが良いのだけれど、すごい密な状態でこのご時世に少し心配ではある。吉本ばなな『TUGUMI』を初めて読む。エンタメ的なストーリー展開の中で時折ひかる情景描写の鋭さが魅力的。これが80年代感とでもいうのだろうか。ところでテン年代的ってなんなんだろう。

  • 2020/7/22の日記

    アパートの外廊下に信じられない大きさのクモが巣を張っている。コバエとか害虫を捕食してくれるので有難い存在だと決めつけて駆除していないが大丈夫だろうか。

  • 2020/7/21の日記

    Pavementの「Spit On A Stranger」が最高だ。在宅勤務中もずっと聴いている。もともとはhomecomingsのガバーで知った曲。この黄昏感がたまらない。話は変わるけれど、2020年という時代の何処かには我々の知らないもう一つの世界線が広がっているような気が最近している。それくらいの妄想を楽しんでもバチは当たらないだろう。

  • 2020/7/20の日記

    『天気の子』公開から一年が経ったらしい。YouTubeでPVを見返したけれど、たった2分でこんなにワクワクさせる予告は他にないんじゃないか。天気ってのは人間にはどうすることもできないことのメタファーであって2020年の状況とリンクしてる云々も語りたいがちょっと野暮か。とにかく、「ねえ、今から晴れるよ!」この台詞がいまこそ一番求められているはず。そして、去年はしっかり「夏」があったんだよなーとか思ったりも。映画館でもう一度見たいぜ。

  • SaToA

    youtu.be 最近はずっとSaToAを聴いている。とってもポップなんだけれども、ちょっと不安になることがある。心地よい不穏。なんだか今村夏子の小説を読んでいるような気分にさせてくれるバンドなのだ。 むかし、rumania montevideoというバンドがあった。それにも似ている。虚無感が溢れ出してくる感じ。こちらは自覚的でなっかったような気がするが、SaToAは確信犯だと思う。根拠はないけど。 外は暑い。蒸す。ほこりっぽい室内を扇風機が巻き上げるような昼下がりにでも聴くのがぴったりです。午睡のお供にいかがでしょうか。 youtu.be

  • KAITO『青のフラッグ』

    青のフラッグ 8 (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:KAITO 発売日: 2020/06/04 メディア: Kindle版 高校三年生の太一は、ある日クラスメイトの二葉から相談を受ける。それは、太一の幼馴染・トーマへの恋慕の話であった。太一は、二葉とトーマをくっつけるために奔走するなかで、二葉への想いもつのらせていき・・・。親友か恋人か。ただそれだけならよくある青春三角関係物語なのだけれど、トーマにとって太一の存在が親友以上の重みを持ち合わせていることが、事態をややこしくする。三角の矢印が完全な形で循環する彼らの青春は、眩しさとか恥ずかしさとか美しさとかをたっぷりと含んで深まっていく…

  • ここしばらく

    4/27月 雨。一日在宅でデスクワークしていたせいなのかわからないが椅子に座っていると地震でもないのに揺れている気分を感じる。エコノミー症候群?憂さ晴らしに昨日配信されていたサンボマスターのライブ映像アーカイブ(すでに削除済み)を見て発狂していた。「青春狂騒曲」「美しき人間の日々」聴きながら気づいたらベッドの上ででんぐり返ししていたけどお隣に怒られないかしらん。コロナ終わったら絶対ライブ行く。 4/28 水 祝日の天気は晴れ。いよいよ春らしくなってきた。江ノ島でも行きたいところだが、かわりに『三体』に影響されて購入した「文藝」2020春号の中国SF特集をずっと読んでいました。昨今の中国文学に関…

  • ここしばらく

    4/17(金) 在宅勤務に嫌気がさしたので有給。免許期限が迫っていたため石神井までチャリを飛ばして延長手続き。途中で通りかかった石神井公園がとてもいい感じだったので落ち着いたらまた来たい。坂道を思いきり下る時、全身に受ける春の風がなんだか寂しくて嫌になる。 4/22(水) 話題の『三体』に遅ればせながら取り掛かったが最高だ。ハリーポッター以来の興奮といって伝わるだろうか。このスケール感はやみつきになる。 三体 作者:劉 慈欣 発売日: 2019/07/04 メディア: ハードカバー 4/24(金) 『三体』ついに読み終わった。感動ものですね。6月に二作目が出る。しかも上下巻だ。骨太。想像力を掻…

  • ここしばらく

    4/13(月) あまりに時間がありあまるこの機会に古典を読もうという気概が生まれたので、ひとまず解説付きの『徒然草』を読んだのだが、これが案外おもしろかった。説教臭い生真面目な本だと思っていたのだが、酒飲んではめ外して暴れまわったとかあほなことが書かれていたりして、そういうの好き。古文なのでたいそうなことが書かれているのだろうという先入観と、くだらない内容というギャップがツボ。思えば、森見登美彦とかすゑひろがりずとかが好きなのも同じ原理かもしれない。ちなみに『徒然草』で一番好きなエピソードはこれ。 4/14(火) 今日も今日とても終日在宅勤務。夕方ごろ、あれコンビニに行ったのって朝だっけ?昼だ…

  • 「#うちで踊ろう」騒動に思う

    あまり政治的な問題には立ち入らないようにしてきた。あらゆる主張や表現が人を離れてイデオロギーの問題に回収されてしまう気がして気に食わないからである。それでも今回の騒動にはさすがに呆れ返ってしまって、心のだいぶ深い個所から感情のあれこれが吹き上げてきてしまっので、言いたいことを言わせてもらう。騒動の発端は、安倍晋三首相が自身SNSに以下のような動画をアップしたことにある。 友達と会えない。飲み会もできない。ただ、皆さんのこうした行動によって、多くの命が確実に救われています。そして、今この瞬間も、過酷を極める現場で奮闘して下さっている、医療従事者の皆さんの負担の軽減につながります。お一人お一人のご…

  • ここしばらく

    2020/4/4(土) 昼過ぎ、本当に久しぶりに街に繰り出す。書店で『映像研には手を出すな』全5巻を大人買いしてしまった。アニメを追いきれなかった後悔は深い。あまり人が多そうでない小さめのスーパーに立ち寄って買い出ししようと思ったが品ぞろえが少なく、結局自転車を漕いでやや混みのサミットに足を踏む混んでしまった。少し走った後、自炊。焼きそば、おいしかった。19時から友人たちとリモート飲み会(酒飲んでないけど)。オンライン大富豪を久々にプレイした。また、空いた時間で滝口悠生『高架線』を読み返す。やっぱり大名作だ。自分の中で、氏の作品の最高傑作を『死んでいない者』と争う。 2020/4/5(日) 休…

  • 滝口悠生『高架線』

    高架線 作者:滝口 悠生 発売日: 2017/09/28 メディア: 単行本 どろどろに煮込んだカレーにはたくさんのスパイスや具材が溶け込んでいるかもしれないけれど、出来上がるころになればその一つ一つはもとの形もわからないほどぐちょぐちょになってもう何が何だか分からなかったりする。そりゃあ、じゃがいもやにんじんのようにそこそこ原型をとどめるやつもいるが、たいがいはそんなもの入ってたのという感じで忘れ去られていくものであろう。それでも、その得体のしれないものたちがなければカレーの深みとか風味だとかそういうものは成立しないわけで、よくわからない消えていった何かに思いを馳せながら食べ物をほお張るのも…

  • くま井ゆう子「みつあみ引っ張って」

    初めてそれを感じたのは、祖父母の家へと向かう車の窓から街の鉄塔を眺めた時だったと思う。幼少の自分は、決して触ることのできない記憶の破片が心の何処かに隠されていることを知った。思えば自分の人生は、その瞬間に芽生えたあの謎の感情を追い求める人生であったと思う。車窓を流れる知らない街の景色であったり、空気公団の音楽であったり、『ジョゼと虎と魚たち』の美しいカットであったり、そういったものたちが与えてくれる憂と哀しみに心を沈めてきた。この曲も、また、同じ境地に自分を導いてくれる。 まさに隠れた名曲だ。『三丁目のタマ』というこれまた隠れた名作アニメ(小学校の漢字ドリルのキャラクターだ!)のエンディングテ…

  • マスクと動揺

    マスクを発掘した。そろそろ持ち合わせが切れそうで、どうしようかと悩んでいたところだった。引越しの際に念のため買っておいた一箱分が食器棚の奥にそのまま放置されていた。ひとまず向かう2ヶ月は困らないだろう。 それにしてもこの騒動の影響力はたいへんなものである。普段割と社会と接点を持たない自分の生活にもしっかりと忍び込んできやがった。毎日ネットで情報を漁り、働き方も変わり、マスクを見つけて大喜びしている。かなり俗っぽいではないか。 いまが大変な事態であることは間違いない。罹患して苦しむ人や、自粛風潮によって職を失う人もいるだろう。自分の身だってわからない。それでも、とても不謹慎だと思うのだが、この非…

  • ここしばらく

    ここ数日はNetflixで『水曜どうでしょう』三昧だ。ベトナム縦断編、ずっと爆笑している。脱輪したまま放置された大型バス、フロントガラスの大破した対向車、接触事故を恐れぬバイク乗りたち。カブ旅のなかで出会う、日本の基準を激しく逸脱した景色たちの馬鹿馬鹿しさの前に私たちはただ笑うしかないのである。旅慣れていくなかで忘れてきてしまったアジアの混沌さに対する純粋な驚きを思い出させてもらっています。また旅に出よう。 時のシルエットaikoJ-Pop¥2139 さて、aikoのサブスク解禁も一大トピックでろう。健全な日本国民なので正座して聴きびたっております。熱心なファンというわけではないなだけれど、a…

  • 角幡唯介『旅人の表現術』

    旅人の表現術 (集英社文庫) 作者:角幡 唯介 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2020/02/20 メディア: 文庫 ノンフィクション本大賞『極夜行』で一躍名を馳せた極地旅行家兼ノンフィクション作家・角幡唯介。本書は、彼がこれまで発表してきた対談や書評をまとめた一冊である。本書の魅力は、繰り返し語られるふたつのテーマ—「人が冒険する理由」「書くことと旅することのジレンマ」—に凝縮されている。 なぜ人は冒険するのか。氏の見解では、まず冒険とは「脱システム」的な行為である。すなわち、「体制(システム)としての常識や支配的な枠組みを外側から揺さぶる行為」であり、それは結果的に、開高健の言葉を…

  • チェーンメールの思い出

    思い返すと2000年代は今よりもだいぶいかがかわしいものに溢れた時代であった。今であればググれば一発でわかるようなデマとか悪戯もも横行していたように思える。そのひとつがチェーンメールだ。21世紀を迎えたこの時期に、不幸の手紙のようなあからさまな非近代的諸行は流石に流行らなかったが、今でも記憶に残っているのはテレビ番組『学校へ行こう』を騙ったものである。当時はもちろんLINEなどなく、ガラケーのキャリアメールが人々のコミュニケーションツールを一手に担っていたと思う。ガラケー自体についても一晩みっちり語りたいという願望があるのだが今回は割愛しよう。とにかく、ある日突然こんな内容のメールが友人から届…

  • 豊田徹也『アンダーカレント』

    たまたまブックオフで100円で売り出されていたために購入した『アンダーカレント』という単巻完結のコミックが思いの外素晴らしかった。とても映画的な作品である。あらすじ。主人公のかなえは、夫の突然の失踪に戸惑いながらも家業の銭湯経営に邁進する。従業員として雇用した同年代の男性堀と微妙な距離感を保ちながら、物語は終始「不在」の外周を回り続ける。夫はなぜ姿を眩ませたのか、銭湯従業員を敢えて志望した堀の真の目的とは、そしてかなえの抱える心の闇とはいったい…。徐々に明らかとなるさまざま事実を、語りすぎず、一方的な解釈の押し付けを排して描いていく様が気に入った。それに、あだち充作品に登場しそうな愉快さと実直…

  • ここしばらく

    ずっと観たかった『ロマンスドール』を観賞。ベタな演出や不要な場面が目立ち完成度に不満は残るが、狂気を直視しようとする高橋一生の演技に見入ってしまった。ただ、あの爽やかなラストはどうなんだろうか。創作をテーマにした作品はどうしても『地獄変』と比較してしまうのでヌルさを感じざるを得ない。話は変わって、ついにNetflixにも加入したのである。早速『ストレンジャーシングス』を見ているんだけど面白いです。海外ドラマを殆ど見てこなかったのでここから巻き返していきたい。『全裸監督』『火花もこれから手を出そうと思う。ただ、読書の時間が減ってしまうかもしれないので悩みどころ。町屋良平『坂下あたると、しじょうの…

  • ここしばらく

    ある日。電車内、週刊誌の中吊り広告。グラビアのキャッチコピーは「25歳。遅咲きのシンデレラストーリー」。同い年の女性がビキニ姿で。自分は遅咲きですらない。何者にもなれず青年と呼ばれる時代も終わる。 ある日。友人たちと酒を交わす。久しぶりに飲みすぎたようで記憶に残るのは言葉の残骸だけ。本当にどうしようもなかった自分の中学時代のエピソードトークをある種の不幸自慢だと指摘されたことは覚えている。少し熱くなった。結局終電を逃す。同方向の友人がいたので、タクシーを拾うことに。せっかくだから一駅分歩こうということで、夜の東京を闊歩した。どうしようもないのだけど、何か美しさを感じた。何者にもなれずにここまで…

  • 平賀さち枝とホームカミングス「かがやき」

    かがやき/New Song 発売日: 2020/01/31 メディア: MP3 ダウンロード 平賀さち枝とホームカミングスの新曲『かがやき』のPVが公開された。『白い光の朝に』で奏でた何もかも肯定する絶対的な多幸感は後ろに退き、低く立ち込めた曇天が気怠い寂しさを物語る。バンドも聞き手も誰もが歳を重ね、青春のかがやきが確かに翳りつつある。「さぁ永遠よ 寂しいニュースが届くより早く! 通り過ぎていくひかりを掴まえて」何度も紡がれる<永遠>というフレーズが、生きることの儚さを響かせる。それでも、人は生きなければならない。胸が詰まる冬の寂しさが今日も夏を待つ。

  • 今週(1/13-1/19)

    今週はなんと言っても芥川賞直木賞発表という一大イベントがあった。詳細は別の記事に譲るが、今回初めて芥川賞候補作全5点を読んだ上で発表日を迎えられたので、今まででいちばん思い入れのある回となった。発表当日には、下北沢本屋B&Bにて開催された「ニコ生with本屋B&B ~第162回芥川賞・直木賞受賞記者会見パブリックビューイング~」に参加するなど、芥川賞への熱は最高潮に達しているのだが、周りで話せる人がほとんどいないので寂しい。さて、第162回芥川龍之介賞は古川真人「背高泡立草」が受賞。乗代雄介「最高の任務」を激推ししていた身としては残念ではあるが、受賞会見のぐだぐた加減ですっかり古川ファンになっ…

  • 【受賞作予想】第162回芥川龍之介賞

    今年も芥川賞の季節がやって来た。半年に一回だけど。候補作全部読むぞと毎回意気込みながら成し遂げられていなかった。発表までに単行本で出揃わないことが多く、全ての作品に目を通すためには文芸誌のバックナンバーを漁らないといけないなど、意外とハードルが多い。とは言ってもやる気と時間とお金をやりくりすればなんてことはないのだが、その三者を自己内部で揃って醸成させることがなかなか難儀であるのは理解してほしい。 しかし今回はついに、受賞作発表前に候補作全部平らげることに成功した。なぜ今回は成し遂げられたかというと、M-1グランプリで個人的に優勝者予想を立てていたのだがこれが思いの外楽しかったため、すっかり「…

  • 村田沙耶香『変半身』

    変半身(かわりみ) (単行本) 作者:村田沙耶香 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2019/11/28 メディア: 単行本 二作収録。人間の内に潜むどろどろとした何かが共通のテーマだろう。まずは表題作。信仰とは何か。身体はただの入れ物なのか。文化や伝統を相対化した先に残るのは何であろうか。問いが無限に続く。人間とは何か。「満潮」では、潮というより即物的な対象がモチーフになる。共に潮吹きへの願望を抱えた夫婦の話。卑猥な話に映るかもしれないが、夜明けの海で遭遇する老婆たちの描写と、最後風呂場での夫の顛末がとにかく美しい。それにしても、村田沙耶香の世界では、どんな狂気にも必ず理解者が現れる。…

  • ここしばらく(1/1〜8)

    さくらももこ 『ちびまる子ちゃん』を旅する (38) (別冊太陽 太陽の地図帖 38) 作者: 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2019/12/24 メディア: ムック 年始は何をしていたのかよく覚えていない。いつの間にか過ぎ去っていきやがった。悲しい。休日最終日に購入した別冊太陽の『ちびまる子ちゃん』特集を貪るように読んだ記憶だけが残った。表紙がもう素晴らしか。一冊まるまるまる子。本来ならすっかり忘れ去られてしまうような70年代あのころカルチャーをポップに昇華させていたんだなと気付かされる。あのころ。さくらももこにとっての70年代は自分にとってのゼロ年代だ。そういえば、ゼロ年代を回顧す…

  • 美空ひばりAI騒動に思うこと

    NHK紅白歌合戦にて披露された「美空ひばりAI」が炎上しているようだ。騒動を簡単に説明すると、当時の音源などを手掛かりにAI等最新技術によって蘇らせた美空ひばりの仮想実体に新曲を歌わせたら、「不気味だ」「倫理に反している」「何か生命に対する侮辱を感じます」等々の意見が噴出したという感じ。恐らく、ただ単に美空ひばりAIに歌唱させたのであればこれほど大きな問題にならなかったと考えられる。問題は完全創作の語りかけを曲内に挿入してしまったことにあるのではないだろうか。 お久しぶりです。 あなたのことをずっと見ていましたよ。 頑張りましたね。 さあ私の分まで まだまだ、頑張って 歌唱という行為は(シンガ…

  • 2019大晦日

    12/31 人生で初めて一人で年越しすることにした。特に意味はない。今年は、ホーチミンに行っていたり、その後の体調不良でほとんど年末気分を味わえていなかったが、ここ二日で「たけしの公開オーディション」「アメトーーク」あたりのバラエティ特番を見ていたら気分が上がってきた(「正解は一年後」は残念でしたね)。「たけしの公開オーディション」でも披露していたけど、レイザーラモンRGの「『ロード』のものまね」が下らなすぎて最高に好きだ。既に過ぎてしまったが、クリスマスソングとしてはHi, how are you?の新曲「あわゆき」がぴったりなので聴いて頂きたい。 あわゆきHi,how are you?オル…

  • ホーチミン旅行④(完)

    12/27 最終日。喉は相変わらず痛い。本日は、ホーチミンから約100キロ離れたタイニンへとバスで向かう。この街にはカオダイ教の総本山がそびえ立つ。カオダイ教について知らない人も多いと思うのでここは私の博学を生かして分かりやすくご説明しましょう。カオダイ教は、ベトナムの新宗教。1919年(1920年説あり)、ゴ・ミン・チェウ(ベトナム語: Ngô Minh Chiêu / 吳明釗, 1878年2月28日 - 1932年)[1]とレ・ヴァン・チャウン(ベトナム語: Lê Văn Trung/ 黎文忠, 1876年 - 1934年12月19日)によって唱えられた。五教(儒教、道教、仏教、キリスト教…

  • ホーチミン旅行③

    12/25 喉痛が若干緩和。カオダイ寺院という名所に行きたいので明日のツアーを探しに街にくりだす。途中、ハイランズコーヒーに寄ってベトナムコーヒーを注文。悠久なるメコン川を想起させる深い苦味の中に微かだが確かな甘さが光る。なーんて頭の中で気取った食レポをしていたら喉痛がぶり返してきやがった。珈琲は喉に悪いという教訓をしっかり本国に持ち帰りたい。その後も気ままに歩き続けていたのだが、とにかく空気が悪い。マスクをしていたがそれでも街を歩くだけで喉がひたすらに消費される。2020年に地下鉄が開通する予定らしいが、それによってどれだけバイクが減り空気が良くなるのか注目したい。 途中の路地で出会った謎の…

  • ホーチミン旅行②

    12/25 メリークリスマス。こちらベトナムはホーチミン。本日は宿でアレンジしたメコンデルタツアーに参加する。のですが、少々由々しき事態が。日本を発つ前から喉を痛めていたのですが、こちらに来て悪化しているのです。飛行機の乾燥や慣れない土地へのストレスもありますが、ホーチミンの空気の汚さが大きな要因を占めているように思えます。うがいをすると何とも下品な色の唾液が飛び出してくるのですが、喉以外の体調は問題ないため予定通りツアーに出かけます。 朝8時のピックアップ。ミニバスで目的地のミトーという街へとへと向かう。1時間半の移動時間中、M-1グランプリ決勝のぺこぱのネタを思い出しては脳内で延々と爆笑し…

  • BEST BOOKS 2018

    対象は2018年に刊行された単行本および文芸誌に掲載された文章。 20. 古川真人『窓』 新潮 2018年 07 月号 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/06/07 メディア: 雑誌 この商品を含むブログ (1件) を見る 19. 畑野智美『水槽の中』 水槽の中 作者: 畑野智美 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/07/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 18.岩井圭也『永遠についての証明』 永遠についての証明 作者: 岩井圭也 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/08/31 メディア: 単行本 この商品…

  • 森見登美彦『熱帯』

    「重い、真摯なものを避け、斜めに書く姿勢をよしとしている作風が鼻につく」と難癖をつけられてからはや12年。時は満ち、ついにリベンジの時。森見登美彦の新作『熱帯』が満を持して直木賞へと突き進む。 君はもう読んだであろうか。この傑作を。 この本を最後まで読んだ人はいない 謎の小説「熱帯」。その存在を知る者は、皆決まって結末まで辿りつけなかったと語る。なぜ人々は読み終えることができないのか。誰が何のために書いたのか。そもそもそれは実在するのか。『熱帯』は、そんな一冊の本の謎を巡るお話だ。 ところで森見登美彦といえば妄想である。『太陽の塔』に始まり『四畳半神話大系』も『有頂天家族』も全て、現実からちょ…

  • 石田祐康『ペンギン・ハイウェイ』

    ぼくはそのふしぎさをノートに書こうとしたけれど、そういうふしぎさを感じたのはノートを書くようになってから初めてのことだったから、うまく書くことができなかった。ぼくは「お姉さんの顔、うれしさ、遺伝子、カンペキ」とだけメモを残した。 夏休み。今では光の速さで過ぎ去ってしまうこの季節を、幼いころの僕たちは一生のような長さに感じたのだろう。家を飛び出し、町や山に繰り出す少年たちにとって、この世界は無限に広がる永遠そのものだ。そんな冒険のさなかには、かならずしも知っていることや共感できるものばかりが転がっているわけではない。訳のわからない不気味なもの。それを<謎>と呼ぶ。そんな経験を通して、この世界の全…

  • 新しいという不気味の快楽 ―鴻池留衣「ジャップ・ン・ロール・ヒーロー」を読んで―

    分かりやすいということは心地よい。それは僕らの存在を一見無条件に肯定してくれるから。良いものが悪いものをうち倒すという明快なストーリーに世界の溜飲が下がる。同じ感情を共有するという安楽に包まれて、僕らは自分が世界に生きていることを再度確認する。それが、僕らが物語を求めるひとつの動機であることは否定できない。 しかし、物語にはもうひとつの終着点がある。それはまったく真逆で、つまり全く何を言っているのか分からないという瞬間、その刹那を僕らは首を長くして待ち焦がれる。 新しい何かを前にすると、不気味という感情が溢れ出す。それはたしかに、心の平穏を溶かす危ない何かだ。まるでエイリアン。そんな存在、消え…

  • 鄭義信『焼肉ドラゴン』

    「言わなければ分からないじゃないか」と言う人がいる。コミュニケーションができなければ人間として価値がないのだとでも言うように。でも、本当の痛みは言葉にはなれない。はっきりと言える人間に、この苦しみが分かるのだろうか。 この『焼肉ドラゴン』という映画では、想いが言葉にならない家族の生き様を描かれる。壮絶ないじめに会い言葉がしゃべれなくなる時男はもちろん、在日一世の父ちゃん母ちゃんが話す日本語はたどたどしいし、逆に日本で育ったその子供たちは韓国語をうまく話せない。みんな、ある意味でどこか言葉に不器用だ。その代わりに彼らは、大きな感情にぶつかたとき、叫ぶ。その姿は痛々しいけれども、それでも彼らは生き…

  • 平野啓一郎「ある男」

    「自分とは誰なのか」という問題に一度は突き当たったことがあるのではないか。今まさにここにいる自分と、一秒前にここにいた自分が同じ人間だとだれが断言できるのだろう。この世界には無数の自分がいて、その時々で違う自分が顔を出すのかもしれない。このように考えてしまえば、自我の確立というものは幻想の彼方に消えていく。そういった自己分離が起こらないように、名前があてがわれる。名前を背負ったものは、その名前が辿った過去も背負うことになる。ここに、名前と過去を与えられた一人の自分というものが存立する。それでは、名前を失った人間はどうなるのだろうか。名前と同時に、その人間の過去まで消えてしまうのか。 この作品で…

  • 崎山蒼志という怪物の衝撃

    崎山蒼志という怪物の才能に踏みつぶされてしまった。AbemaTV「日村がゆく!」で披露されたその楽曲の素晴らしさに魅せられた人は多いのでは。向井秀徳を彷彿とさせる存在感。不安定なボーカルと疾走するそのギターは、自転車でぐっと冬の坂を下るときのような焦燥感を薫らせる。それなのに本人は自転車に乗れないというのも最高だ。そして歌詞。でたらめな輩どもが使いたがるような大げさな漢語も難しげな語彙も一切なしに、ほとんど簡単な和語だけで作り上げたことばの世界が美しくきらめく。 冬 雪 ぬれて 溶ける 君と夜と春 走る君の汗が夏へ 急ぎだす こんな歌詞を中学一年で作れるとは人生何週目なんだと問いただしたくなる…

  • 山田尚子『聲の形』 投げて、落ちて、拾われる

    『リズと青い鳥』の興奮に便乗して、恥ずかしながら見視聴だった『聲の形』をTSUTAYAで借りてきた。 全体のモチーフをさりげない描写の一つ一つに投射していく丁寧さ、言葉の外への真摯なまなざし、観る人の感情を動かすエンターテインメント性。傑作である。途中何度か泣きそうになった。しかしながら、これが山田尚子監督の最高傑作かと問われれば、首をかしげざるを得ない、というのが全体的な感想である*1。兎にも角にも、心を動かされた作品である。どういった点が素晴らしかったのか、『リズ』との比較も交えながら綴ってみたい。なお、ここから先、ネタバレ有り。ただし『リズ』に関しては見ていない人もわかるようなものとなっ…

  • 山田尚子『リズと青い鳥』 互いに素の美しさ

    どうやら、完璧な美しさに出会ってしまったらしい。 Homecomingsのエンディング目当てだった『リズと青い鳥』という映画にすっかりやられてしまった。京都の高校を舞台に、二人の少女の関係を描いた90分。自分には訪れることのなかった麗しき青春を前にひれ伏す。原作も知らなかったし、アニメ自体ほとんど見てこなかった非オタの自分(外見はオタクという突っ込みは無視します)ですが、一週間で二回観に行きました。人類はこんな素晴らしい物語を作ることができるのだという感動と、もはやこれ以上の物語を見ることはできないだろうという絶望が現在入り混じっておりますが、この特別な感情を多くの人に共感してほしいと思い、少…

  • 私の理想郷を返してください

    赤の他人の旅行なんて、とことん興味がないものである。 この荒涼としたインターネット砂漠に星の数ほどのさばる旅行記を見るといつもそう思う。ほら、よくバックパッカーがやってるでしょ。訪問先の国で体験したあれこれを書き連ねたブログ。確かにそういうのって、その国をこれから旅行しようとする人間にとってはとびきりに役に立つものなんですよ、実際自分も情報収集において大変お世話になっています。でも、情報源としての機能を除けば、読むに堪えない文章で構築されているものが大半。ここにに行ってきた!!!!すごいでしょ!!!!という勢いにかまけて、それはそりゃあすごいんだけれど、旅行先のコンテンツ力に頼りすぎているとい…

  • 国分拓「ノモレ」

    集団の記憶というものが、ある。 脳裏に蘇る光景が、なんだか自分一人の記憶でない気がしてくる。それは確かに僕が見た景色なのだけれども、僕ら(・・)が見ていたような感じもする。そんな体験が、ある。 新潮 2018年 02 月号出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2018/01/06メディア: 雑誌この商品を含むブログを見る アマゾン奥地で文明社会との接触を断って暮らすイゾラドとの接触を、「文明化された」先住民の目線から描いた国分拓「ノモレ」。ノンフィクションとしての面白さとと、手に汗握る物語の共住。そして、随所で語られる共同体としての記憶に触れる時、一つの身体に縛られない文学のあり方に気付くだろう…

  • BEST BOOKS 2017

    2017年に刊行された単行本と文芸誌に掲載された作品が対象 10.橋爪駿輝『スクロール』 9.坂元裕二『往復書簡 初恋と不倫』 8.森見登美彦『太陽と乙女』 7.佐藤正午『月の満ち欠け』 6.こだま『夫のちんぽが入らない』 5.石井遊佳「百年泥」 4.滝口悠生『高架線』 3.前田司郎「愛が挟み撃ち」 2.国分拓「ノモレ 第一部 救世主の山へ」 1.又吉直樹『劇場』 多様性と共感の時代に、あえて反感の一人称小説を創り上げた又吉が圧倒。言葉にならなかった言葉たちへの敬意は「百年泥」にも通ずるものがある。声が多きい奴らだけのために世界があるのではないという痛烈なささやき。

  • ミツメ「エスパー」

    あれは高校二年生の時だったか。冬。新宿のタワーレコードであるポップが目に入った。「スピッツとくるりのいいとこどり」たしかこんなうたい文句だったと思う。視聴してみた。泣いた。こんなにも自分の理想と合致したバンドがあることに、舞い上がってしまうような嬉しさと、先を越されてしまった悔しさがこみ上げた。「クラゲ」という曲。ミツメのファーストである。 mitsume アーティスト: ミツメ 出版社/メーカー: mitsume 発売日: 2011/12/12 メディア: CD 購入: 2人 クリック: 71回 この商品を含むブログを見る ポップというものは才能である。そのメロディに乗せる日本語の感性はもっ…

  • スピッツ『オーロラになれなかった人のために』

    オーロラになれなかった人のために アーティスト: スピッツ 出版社/メーカー: ポリドール 発売日: 1992/04/25 メディア: CD この商品を含むブログ (22件) を見る エスキモーの言い伝えによると、死んだ人間はオーロラになるという。「オーロラになれなかった人」とは、「死んでも死にきれなかった人」であろうか。死と生の境界線は日常の感覚よりもはるかに曖昧で、その間を魂は簡単に飛び越えていく。それは生から死への一方向だけでない。逝っちまったあいつのことを想うとき、そいつはひょっこり蘇る。そう信じていたいし、思い出すことがこっちに留まる人間の役目では。なんだか説法みたいになってきたが、…

  • 前田司郎「愛が挟み撃ち」

    文學界掲載の前田司郎「愛が挟み撃ち」を読んだ。 文學界2017年12月号 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2017/11/07 メディア: 雑誌 この商品を含むブログ (1件) を見る 「愛の挟み撃ち」ではなく「愛が挟み撃ち」であるところがまず信頼できる。二人の男の愛に板挟みにあう女みたいな学芸会レベルの発想を、それは許さない。確かに登場するのは二人の男と一人の女であるが、そこでは愛はそれぞれの人間の専有物ではない。実存の関わり合いの中にだけ、愛はある。そしてその愛を信じる男と、信じない女の間に生まれた「本物」の愛。破滅が待っている気がする。とにもかくにも、平凡の外側で展開される平凡な…

  • 三島由紀夫『仮面の告白』

    本日快晴。外では木枯らし一号が吹き荒れる。真っ青に晴れた高い空の下で、冬の訪れを感じさせるカラッとした北風に吹かれる瞬間の感情。夏の反対側に来てしまったという悲しい喜びが、憂いの光を浴びた冷たい頬を染めていく。こんな気持ちをみんなと分かち合いたいと思うのだけれども、社会側の感動のコードに合致しないのではないかという不安。同時に、この良さが分かるのは自分だけだという傲慢さを感じさせてしまうのではないかという不安。僕らは黙る。そして、一瞬の感情は消えていく。 仮面の告白 (新潮文庫) 作者: 三島由紀夫 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2003/06 メディア: 文庫 購入: 9人 クリック…

  • 前野ひろみち『ランボー怒りの改新』

    蘇我入鹿ロケットランチャーをぶちかますこの本を、読んだ人間の十人に八人は阿呆の世界だと表現するだろう。あとの二人は阿呆である。 ランボー怒りの改新 (星海社FICTIONS) 作者: 前野ひろみち,KAKUTO 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/08/11 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (3件) を見る 私事であるが奈良に行った試しがない。京都のバーターとしての修学旅行先という鉄板の出会いを果たすことのなかった奈良と私は、月日が流れても交わることがなく、大仏の御姿もシカの闊歩もついぞ拝んだことがないまま過ごし、思えば関西で唯一行ったことのない県になって…

  • 佐藤正午『月の満ち欠け』

    輪廻というものがあるかと問われたら、何と答えるだろうか。「科学的」に答えるのならば、そんなものはないよとうそぶくほかない。死とは、向う側のない完璧な絶望である。人間は死んだら、一つの肉塊となるのだから、脳の活動停止とともに魂も消えるし、魂が何かに乗り移るということは絶対にありえないと、今世紀を生きる科学の子たる僕らはそう答えるであろう。それでも、それは科学という認識の中での話にすぎない。精神の世界で、輪廻というものがあればそれはそこに現れる。「ない」ものも「ある」と思えば、それは「ある」のだ。そんな世界も面白いのではないか。 月の満ち欠け 第157回直木賞受賞 作者: 佐藤正午 出版社/メーカ…

  • 石井遊佳「百年泥」

    新潮新人賞「百年泥」を読んだ。 新潮 2017年 11 月号 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/10/07 メディア: 雑誌 この商品を含むブログ (1件) を見る インドのチェンナイで日本語教師を務める女性の物語。作中、特に何かが起きるわけではなく、下手をすると異国の地で暮らすグローバルなワタシかっこいいでしょ的な似非インテリ臭をまき散らすだけの自己満足体験記に終始してしまいそうな題材である。それでも、その辺と一線を画す要因は、排気ガスですすけた大空を滑空する翼の生えた通勤者や、泥の下からひょこり現われる人間たちなど、随所にちりばめられたマジックリアリズム的想像力の展開が、一つ…

  • キューバ ~カリブ海の小インド~

    リアルタイム 8/13 東京 ご無沙汰しております。中南米旅行をとうに終えて、実家でポケモンgoとかやりながらのんきにしてます。これまでブログを更新してこなかった言い訳としては、キューバ滞在中の一週間ほとんどネットが使えず記事を書けなかったことがまず挙げられます。 一回中断してしまうと何事も億劫になってしまう性質でして、その後もなかなか手をつけずにおりました。まあ手短に言えばめんどくさかったんですわ。しかしまあそんなに面白いことばっかり起こるわけでもないのに脚色して記事にまとめるこっちの立場にもなってみてください、たいして「いいね」も貰えないし。 その後、韓国とスリランカにも赴きましたが、それ…

  • タコス、トイレ、ピラミッド。 メキシコシティとテオティワカン遺跡

    リアルタイム 6/29 東京 とっくに帰国しています。キューバにいた間にネットが使えず、メキシコの記憶が曖昧になったりして更新面倒くさすぎてさぼってました。 5/20 いよいよ南米ともおさらば。朝一の飛行機でクスコ→リマ→パナマを経由してメキシコシティに到着!四か国目、メキシコ!時刻は翌日午前1時。とりあえず空港泊。ここでも寝袋が大いに役に立つ。 5/21 空港のベンチにて5時ごろ目覚めると、すこぶる体調が悪い。実はアメリカ在住の日本人の友人が6時ごろの便でやって来て合流する予定だったのだが、痛烈な便意に襲われトイレに籠城。こんな感じでその友人とおよそ半年ぶりの再開を果たしたわけだが便意が強す…

  • スタンド・バイ・ミーでマチュピチュへ

    リアルタイム 6/21 メキシコ 腹痛でタコスが思うように食べれない。6/12 インカ帝国の首都クスコに到着。クスコとは、ケチュア語(いわゆる「ネイティヴアメリカン」の言語の一)で「へそ」の意。その名の通りインカ帝国においてクスコは世界のへそ、中心であった。そして今でも、旅行者にとってはマチュピチュやアマゾンツアーなど、観光スポットの拠点となるいわばペルー、いや南米観光の中心地である。素晴らしい街並みなのだが、いかんせん坂が多い。標高3600mに加えてこの坂道、さらに安宿は大抵心臓破りの坂の上にあるのでとても体に応える。しかし、ボリビア以降ずっとこんな感じで、なんだか高地トレーニングしてるよう…

  • レインボーマウンテン

    リアルタイム 6/23 メキシコ プロ野球が気になってきた。坂本が首位打者って、信じられん。6/16 休養日。何したか全く記憶がない。とりあえず、マチュピチュツアーで削られた体力の回復に努める。明日は通称レインボーマウンテンへのツアーに参加する。レインボーマウンテンといってもボスの缶コーヒーではなく、その名の通り7色の色をした標高5000mの山である。地球の歩き方には乗っていないが、現地クスコでは旅行者に大人気。写真を見せてもらったが、本当に色鮮やかなレインボーでびっくらこいた。これは見に行くしかない!と思ったがよく考えたら写真の加工しだいでいくらでもごまかせるよな、と猜疑的に。しかもまた山登…

  • ペルーにて、スマホを買う

    リアルタイム 5/18 ペルー 今日は休養日。5/9 ラパスにて、特にやることなし。ちょっと奮発して日本食レストランに行こうとしたが、あいにく休業日。しかし、どうしてもアジア料理が食べたく、中華料理店でチャーハンを食す。ボリビア入ってずっとリャマ肉と揚げ物ばかりだったのでそろそろ日本食への禁断症状が。松屋のみそ汁ですら恋しい。夜、宿の日本人の方々とビールを頂く。5/10 朝8:00のバスで、ペルー側の国境の街プーノへバスで向かう。Bs.70 (約1050円)。途中、聖なる湖ティティカカ湖をボートで渡る。 湖畔の街コパカバーナでのバスの乗り換え、国境での出入国検査を経て、夕刻、プーノの街に到着。…

  • おばちゃんプロレス、通称「おばプロ」を見てきた

    リアルタイム 5/16 ペルー 歩き疲れた。明日も山登り。5/7 iPhoneのことは忘れて、夜行バスでポトシからラパスへ移動。確かBs.40(約600円)。道が悪く、途中ひどい乗り物酔いにかかり、危うく地球の裏側で醜態を晒すところだった。朝目覚めるとちょうどお天道様もお目覚め。そのままiPodでくるり「グッドモーニング」をかける。夜行バスに乗るといつも聞いてるなあ。「夜行バスは新宿に着いたよ 予定より30分早く 冬の真夜中のようさ」って歌詞も、眠たげな歌声も、まどろんだサウンドも本当に早朝にぴったり。珈琲があればなお良いが。そんなかんやでボリビアの実質的首都ラパスに到着。憲法上の首都はスクレ…

  • さらば愛しの我がiPhone

    リアルタイム 5/11 ペルー クソまずいサンドイッチを食べながら5/6 スマートフォンが出た手の頃、iPhoneというのはどうしても鼻持ちのならない存在であった。所詮意識他界系のおもちゃだろ、と斜に構え、ガラケーをやめてからもずっとandroidを使っていた。しかし3年前、別名電動式カイロことアローズからiPhone5cに、理由は忘れたが変えることにした。驚いた。なんという電池持ち。写真も綺麗!発熱もしない!使いやすい!ジョブズ万歳!と手首がちぎれんばかりの掌返しをきめ、それから今まで、途中落として画面がバキバキに割るという修羅場もあったが、肌身離さず持ち歩いた。沢山の旅行を一緒に過ごし、沢…

  • ポトシで鉱山体験

    リアルタイム 5/9 ボリビア 味噌汁が飲みたいです。5/3 ウユニツアー解散後、とりあえず宿探し。地球の歩き方にも載っているHotel Avenidaに決定。シングル一泊Bs.50(約750円)。ホットシャワー付きと言われたが、ぬるかったのは不満。特にやることなし。5/4 今日は本当にやることがない。ひとまず、明日のポトシ行きのバスチケットを買いにいく。Bs.30(約450円)。その後市場で腹ごしらえ。リャマ肉たっぷりのスープがBs.12(約180円)。チリで同じものを頼めば500円くらいはしただろう。ボリビアは物価が安いので助かる。その他シャンプー等を購入して日が暮れた。5/5 日本ではこ…

  • ウユニ塩湖 どこまでも真っ白な、地上の雲海

    リアルタイム 5/9 ボリビア ここで断っておきたいのは、現在ボリビアは雨季ではなく乾季。塩湖に水はなく鏡張りのような景色は見れないということ。「なんだあの鏡の写真が見たかったからページ開いたのに、時間と通信料返せ」という人はゴメス。しかし乾季のウユニ塩湖も素晴らしい景色であったので、時間があれば最後までご覧ください。5/3 ウユニツアー三日目。本日は遂にウユニ塩湖に上陸します。朝、宿を5時に出発してウユニの朝日を見に行く。のだが、途中ガス欠で一時停止。予備のガソリンを入れ換えてどうにかなったのだが、日の出に間に合うかギリギリの時間に。出発前に入れておけよ、アメリカなら訴訟もんだぞ。まあ運転手…

  • いざ、ウユニツアーへ

    リアルタイム 5/7 ボリビア iPhoneをスラれたので、iPhone撮影の写真をすべて紛失いたしました。渡部陽一も度肝を抜かす素晴らしい写真ばかりだったので残念です。5/1 本日はついにサンペドロ発ウユニ塩湖2泊3日ツアー初日。宿までピックアップが来るはずなのだが、予定の7:30になっても音沙汰なし。昨日のこともあったので、また来ないのではと不安になったが、結局8時くらいに迎えの車がやって来た。今回のツアーの同伴者は日本人の男性とご夫婦一組、タイ人のぴーたー、加えて自分の5人。ウユニ塩湖到着は最終日の3日目で、それまでにボリビア南部の大自然を満喫する。 まずサンペドロ郊外のイミグレーション…

  • サンペドロ 月の谷と壮大な砂漠

    リアルタイム 5/3 ボリビア 現在富士山並みの標高にいます。酸素と共にユーモアも不足しているようで、書いてみたらつまらない文章になってしまいました。ただ結構綺麗な写真がとれたので、写真だけでもご覧ください。4/28 サンペドロ・デ・アタカマのバスターミナルに到着。カラマまでのフライトが遅れたせいもあり、日はすっかり暮れてしまい心もとない。ひとまず、ホステルワールドで予約しておいた宿に向かう。バスターミナルから徒歩3分ほどの位置だったのは幸いである。宿の写真は撮り忘れてしまったが、詳細はこんな感じ。料金は金曜以外の平日はドミトリー一泊6900チリペソ(約1100円)で、それ以外の曜日はもう少し…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、okbさんをフォローしませんか?

ハンドル名
okbさん
ブログタイトル
中南米、巡ってます
フォロー
中南米、巡ってます

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用