音を観る
音は聞くもので、見るものではない。そう思っていませんか。観音菩薩は音を観る仏様と書きます。人にも音を観る能力があるのかもしれません。私は山で迷った時、笛の音を頼りに山道に導かれました。夜中の訪問で道に迷った時、鈴の音で案内されました。坂道で自転車を必死にこいでいた時、後ろでバタバタする音に振り向くと、天使の羽根音がして押されているのが分かりました。教会の中に鳩が飛んでいる音がしました。すべてが心で音を観ていたのでしょうか。音を観るという話に江戸時代に千利休の孫に千宗旦(せんのそうたん)がいました。自分の子供たちを分家させて、表千家、裏千家、武者小路千家を作った人です。宗旦の所に仲良しの京都の安居院(あぐいん)の住職が珍しく咲いた椿の小枝を小僧に届けさせました。所が小僧はつまずいて転んでしまい、花が落ちてし...音を観る
2023/06/30 02:07