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2016/03/09

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  • 始まりは唐突に 6

    「パルチザン!」茂みの向こうに蠢くような異様な気配を察知するやいなや、レインは杖をかざしながら呪文を唱えて固有魔法を繰り出した。一斉に放たれた無数の長剣が樹枝の間を縫うように命中し、地面を大きく揺らして激しくのたうち回っている様子が窺える。攻撃の手を緩めずに標的目がけて立て続けにパルチザンを浴びせると、木々をなぎ倒す凄まじい音とともに、茂みの中から全長15メートルほどの巨大な蛇が姿を現した。じっと睨...

  • 蜜夜 後編

    全身がぽかぽかと温まるなり、オーターと交互に身体と髪を洗い、レインは再び湯を張った真っ白な琺瑯のバスタブに浸かった。男ふたりで入っても、ゆったりと脚を伸ばせる広さだ。アメニティとして用意されていたラベンダーの香りがするエプソムソルトを加えた湯は、ちょうどいい温度を保っている。「オーターさんってタフですよね。気もよく回るし」「そうか?」グラスに注いだミネラルウォーターで喉を潤してから肩越しに言うと、...

  • 密夜 前編

    三月中旬の金曜日。その日、レイン・エイムズはオーター・マドルとともに、魔法界の東部エリアに出張していた。午前中は現地視察のため、ほうきに乗って街を一巡して市民の暮らしぶりを見て回り、午後は魔法局東支部のそばにある老舗ホテルで開催された、魔法魔力及び魔法道具に関するシンポジウムに出席した。魔法界の首都には統治機関である魔法局本部が設置されているが、東西南北の四つのエリアの主要都市にそれぞれ支部が置か...

  • 微睡みの朝

    う…ん……、という小さな声とともに傍らで身じろぐ気配がして、唐突に目が覚めた。無意識に瞼に触れながら、顔を横に向ける。ぼやけた視界に飛び込んできたのは、寝返りを打ってこちらを向いた恋人の姿だった。目の焦点が合わない中、徐々に意識がはっきりしてくる。ベッドからわずかに上体を起こしたオーター・マドルは手を伸ばし、サイドテーブルに置いていた丸眼鏡をかけた。恋人であるレイン・エイムズが羽根枕に片頬を埋めたま...

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