2-XIV-14
私の思い描くような環境をどうやってあなたのために作れるかを考えていたとき、男爵の友人の二人がこんな提案を私にしてきたのです。非合法の怪しげな溜まり場で途方もない利益が上げられるという驚くべき話がある。では堂々と賭博場を開設してはどうだろうかと。パリの住人であろうと外国人であろうと、自由な考え方を持つ教養人としての嗜みがあり、お金をうんと持っている人間であれば誰でも入れる賭博場を。ある程度慎重な予防策を取りつつ、社交界に影響力を持ち得るような女性のサロンにそのような賭博場を作れば、それは実行可能なのではないかと彼らは判断したのです。それで私のところに話を持ってきたというわけです。私に彼らの協力者兼管理者になってくれないかと頼みに……。自分がどういうことに関わろうとしているか深く考えもせず、私は同意しました。...2-XIV-14
2025/03/29 16:15