評伝で大正期へと迫る (3) ~輝かしき芥川の出発
(こんなアンソロジーが宝島社から刊行れている)名作短篇と見なされているものを列挙してみよう。・羅生門・鼻・芋粥・藪の中・地獄変・蜘蛛の糸・杜子春・戯作三昧・玄鶴山房・枯野抄・河童・歯車・侏儒の言葉ざっと数えても短篇に限ってこれだけあるのは、他の作家を圧倒している。つまり純文学作家、作品として。大正時代は、芥川龍之介の時代であったのだ。「第四次新思潮」の発刊が大正5年、芥川の自殺が昭和2年のこと。(よく知られた友人ちと記念写真。上のは親友井川恭と。下のは右より成瀬正一、龍之介、松岡譲、久米正雄)(第3短篇集なる「傀儡師」のリメイク版、頂点へ上りつめる)この「傀儡師」には、「奉教人の死」から「地獄変」まで11篇の作品がならんでいる。ほかに「枯野抄」「蜘蛛の糸」「袈裟と盛遠」「ある日の大石内蔵助」「毛利先生」「...評伝で大正期へと迫る(3)~輝かしき芥川の出発
2025/03/31 11:27