冷たい熱‐3

「そういえば」「うん？」「前の、ああいうホテルって、未成年は入っちゃだめなんじゃないの」「ああ、うん。まあ、そうだけど」「あ」朝がからだを屈めて、わたしの食べていたバニラのアイスクリームにかぶりついた。黙って朝を見上げると、彼はへらっと笑い返す。「いいでしょ？おれのおごりなんだから」「だれも頼んでない」わたしはむっつりとアイスをプラスチックのスプーンですくって、口にふくんだ。昨日と同じくらいの時間に、また同じように通りを歩いてたら、見覚えのある髪の色が目に留まった。色とりどりの光の中、風景の中からその色だけが浮かんで見えた。「今日も来てたんだ」わたしがなんとなく歩み寄って、朝は相変わらず、へらへらわたしに笑いかけた。もう二度と会わないだろうなと思ってた。こんなにたくさんのひとがいる通りだから。でも、ここが朝にと...冷たい熱‐3

ひとりの海辺

黄色い日差しと、潮の香り。ひとりきりも、心地よい。<!--藍色HOLIDAY/きの-->ひとりの海辺

冷たい熱‐2

冷たい熱‐2「朝（とも）って外国人なの？」ベッドに腰掛けて、足をぶらぶらさせながら聞いてみた。「え？なんで？」「ヘンな色の髪。ヘンな色の目」きょとんとしたあと、彼はあはは、と声を上げて笑った。「これは染めたの。目はカラコン。決まっているじゃない」ほら、と朝は片目からコンタクトレンズを取り出してみせてくれた。黒い色のつやつやした瞳が、薄暗い照明の向こうからわたしを見ている。「ヘンなの」つぶやくと、朝はまた笑ってそのままレンズを入れ直した。「ねえ」「なに？」「よかったの。ホテル」「だってユウちゃん、家に帰りたくないんでしょ？」「わたし、お金ないよ」「いいよ。おごったげる」朝はわたしとは反対側から、すとんとベッドに腰を下ろした。スプリングがぎしぎしと鳴って、わたしまで軽く弾む。「ヘンなの」わたしはまたつぶやいた。朝は...冷たい熱‐2

冷たい熱‐1

冷たい熱‐1「だめ」「どうして？」「だめなの。わたし」「したくないの？」「したい。でも」日は暮れたばかり。夜の繁華街。こわいくらいにひとがいた。ピカピカ明るいネオンの光。そのほんのりした影の中、昼間よりもたくさんのひとが、ざわざわわだかまっている。こんなにごちゃごちゃ、いったいどこから来たんだろう。いったいどこまで行くんだろう。「ね、ユウちゃん。いいじゃん」「だめ」「したいんでしょ？」ただでさえちっぽけなからだを、もっとちいさくして通りを歩いてたら、ナンパされた。はじめて。それも、ヘンな色の髪のひとに。「ユウちゃんてば、どうしていやがるの」淡い赤色の前髪の奥から、灰色の瞳がふたつ、わたしを覗き込む。わたしは安っぽいラブホテルの狭い路地のほうに歩いて行って、薄暗がりからヘンな髪のひとを手招きした。そのひとはふいに...冷たい熱‐1

girl

あたしたちには、あたしたちだけの苦悩があるの。girl

春まとう君に

迷走しながら、やたら時間がかかった。本当はね、スカートの裾にもね、ちみちみ小花柄をね、描いたのですけれどね。・・・・・・どなたか、拡大して見つけてください。自分は、かなり非効率的な描き方をしているのだろうなと、この頃、つくづく思います。春まとう君に

微熱

今日、福島の実家からまた上京したのですが、はしっことはいえ、東北の寒さと関東の寒さはやっぱり全然違いますね。向こうは染み透るような寒さでした。今週末には大阪と京都へ旅行に行く予定なのですが、京都はまた福島とは質の違う寒さだと聞いています。思い切り着ぶくれて行くつもりです。インフルエンザ、ノロウイルスと流行りに流行っているようですし、寝込まないよう、気をつけましょう。微熱

相棒とたばこの火

まだまだスタイラスペン。男前を、きっちり男前に描けるようになりたい。相棒とたばこの火

月にかわって

お仕置きよ。2月2日のツインテールの日に描きはじめて、放置し、遅れに遅れて本日、完成。ちょっと年増な感じがありますねえ。でも、わたしの中の元祖ツインテールヒロインといえば、やっぱりうさぎちゃんだと思ったのです。月にかわって

Color Girl

もっぱら、スタイラスペン。もっとモノクロな感じにしようと思ったのに、気がつけば真逆の配色。軍手一丁の女の子って、どうよ。スマホでは、はだかの女の子ばっかり描いています。よりによって。スマホで。ただいま、帰省中なので、両親の目が痛いです。でも、むしろこれからは積極的に父母にアピールしていきたいとも思います。お父さん。お母さん。わたし、こんなはれんちならくがきが趣味です！ColorGirl