「適正賃金」(第5回)、賃金インフレ・賃金デフレを避ける
「適正賃金」を考える場合、伝統的に重視されているのは「賃金インフレ」を避けることです。今回の欧米の8~10%を上回るインフレを金利に引き上げで抑えようというのも、「金利引き上げ→経済活動の抑制→雇用逼迫の緩和→賃金上昇の抑制→インフレの抑制」を狙ったものです。インフレについての経験的常識というのは、「原油など輸入価格の高騰→国内物価上昇→物価上昇を超える賃上げ→賃金インフレ発生」というプロセスです。「賃金インフレ」は、正式にはWage-cost-pushinflationで、海外物価の上昇で輸入インフレが起き、それが大幅賃上げの原因となって賃金インフレが起きるというパターンです。日本でも1973年の石油ショックで消費者物価が20%上がり74年春闘で33%の賃上げが行われています。その結果、消費者物価の上昇...「適正賃金」(第5回)、賃金インフレ・賃金デフレを避ける
2024/03/30 14:48