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2014/12/25

  • AI活用の原点を考える

    チャットGPTが生れてAIというものが急に身近になって来たようです。チャットGPTは固有名詞ですが「生成AI」という一般用語も生まれてきたようです。普通の言葉で質問すれば、それなりに納得するような返事が普通の言葉で帰ってくるというのですから、それなら自分も使ってみたいという気持ちになります。何が変わって急にAIが身近に感じられるようなものになって来たのでしょうか。AIに入っているデータは、みんなインターネットや会社のデータなどに入っているでしょう。それならば、自分でインターネットを使って検索し、自分の質問に関わる十分なデータを集め、それをよく読んで理解すれば、求める答えは出て来るはずです。しかし、それには大変な時間と労力が必要なことが誰でも直ぐに解るでしょう。それなら、まずAIにその質問をして、AIが出し...AI活用の原点を考える

  • もう1つの「働き方改革」

    「働き方改革」については、随分書いてきたような気がしましたが、考えてみると、結局国民はこう働け、経営者はこうした人事制度、賃金制度を導入せよ、という事で、「実体は働かせ方改革」ではないかと思って来ました。という事で、今日のテーマは「もう1つの働き方改革」ですが、こちらが本当の働き方改革だろうと思っています。理由は、「働き方を改革する」というのは「働く人自身が考える」ことで、政府や企業が法律や制度で決めることは、「こういう様に働かなければいけない」という事ですから、つまりは働かせる側が、働き方を決めているという事であることは明らかです。聖書の「働くことは原罪の償い」という考え方はさておくとして、日本人は働くことが好きです。貧しい時代には「働かざる者食うべからず」などと言う諺があって、多くの人はそれでいいのだ...もう1つの「働き方改革」

  • 自動車の未来、当分続く混戦、抜け出すのは?

    自動車の歴史は二百数十年でしょうか。その間の開発競争の中心はエンジンの性能をいかに高めるかだった、と言ってもいいのではないでしょうか。殆どの機械は電気で動くようになっても、自動車はガソリンで動いていました。最初は力の強いエンジンが主要な競争だったのでしょう。しかし、技術進歩とともに、静かなエンジン、更にはガソリン消費の少ないエンジン、更には排気ガスの綺麗なエンジンという事になりました。そして今、排気ガスを出さないのなら、電気で走ったらという事になって来ています。然し電気を作るときに排気ガスが出れば同じことですから、再生可能エネルギーでCO2削減という事になって来るという難題が出て来ました。そこでクローズアップされていうのが水素で走る車です。水素は燃やしても水しか出ませんから、再生可能エネルギーで水素を作っ...自動車の未来、当分続く混戦、抜け出すのは?

  • 人間の知識とAIの知識

    人間がAIをうまく使いこなせるかという問題が起きています。きっかけの一つは「チャットGPT」というAIのシステムが、無料で誰でもダウンロードでき、それを使って、あたかもベテランの先輩に質問して教えてもらうような感覚で、「回答を頂く」ことが出来るようになったことでしょう。よく解らない事があったり、テーマを与えられて、それなりの意見を言わなければならないといった時に、自分でインタネットを検索し正しいと思われる答えを探し出したりしなければならない事は、学生でも、社会人の会社の仕事上でもよくあります。それなりに解っている事であれば、適切なキーワードで検索したり、原資料である官庁統計などを使って、自分でも納得できる答えを探すこともできます。しかし、慣れない分野や、最新の情報が必要だったり、複雑な判断が必要だったりす...人間の知識とAIの知識

  • 消費者物価、一斉値上げもそろそろ終盤?

    このブログでは消費者物価の動きを毎月追っていますが、動きが複雑になって来て、傾向的な動きが掴みにくくなって来ています。原因には、電気料金の政府の政策が一貫しない事や、鳥インフルの影響で、物価の優等生と言われる鶏卵の価格の大幅上昇などもあります。ただ一貫して上昇傾向を示しているのが「生鮮食品とエネルギーを除く総合」です。昨年春以来の上昇傾向がまだ止まる気配がないという現状です。下の図で、原指数の全般的な動きを見ますと2021年春ごろから、赤と青の線「総合」と「生鮮食品を除く総合」が上昇をはじめ、緑の「生鮮食品とエネルギーを除く総合」は一昨年の年末までは下がっています。消費者物価3指標の動き(原指数)資料:総務省統計局「消費者物価指数」これは当時、コロナ禍がひどく、消費が落ち込んで値上げなど出来ないという状態...消費者物価、一斉値上げもそろそろ終盤?

  • 2022年度の貿易収支は大幅赤字ですが

    今日、財務省から2023年3月と、2022年度の貿易収支が発表になりました。企業の経常利益に当たる経常収支では黒字が維持されていますが、営業収支に当たる貿易収支はこの所赤字続きで、1月に発表された2020年(暦年)の貿易赤字19.9兆円をさらに上回る21.7兆円に膨らんで、1979年度の第二次オイルショックの時以来の大幅になっています。しかし、マスコミでも、だから心配だといった声はあまり聞かれません。理由は、今回の貿易赤字は多分一過性で、ソ連のウクライナ侵攻をはじめ、国際情勢が安定しない中でのことなので、日本経済そのものに問題が生じているといった見方は余りないからです。一時は、原油やLNGの輸入価格は2倍近くにまで上がったようですが、このところは上がり下がりはありますが、傾向的には下がる状態になっています...2022年度の貿易収支は大幅赤字ですが

  • カジノ誘致という情けない根性を嘆く

    政府と大阪はいよいよ大阪湾の夢洲にカジノ主体のIR(統合リゾート)を作ることを決めたようです。トランプさんがアメリカの3人のカジノ経営者と共に安倍さんに頼んだ、という話があって始まった事のように聞いていたものです。トランプさんが大統領でなくなって、北海道は誘致反対を宣言、横浜も誘致賛成の市長が辞めて、立ち消えかと思っていましたが、政府と大阪の合意で、実現という事のようです。もともとカジノは賭博場で、どう理屈をつけてもそれが健全な人間を育て、付加価値を創る経済活動ではないのですから、私的なものは禁止です。しかし、政府だけに賭博が認められていて、政府公認の賭博は競馬や宝くじなど存在します。競馬はスポーツとして認められ(これも少し変ですが)、宝くじは庶民の慈善寄付に楽しみを付けるという意味で、認められているので...カジノ誘致という情けない根性を嘆く

  • 財政政策と金融政策、政府と日銀の関係の行方

    日銀総裁が、黒田さんから植田さんに変わりました。黒田さんは、プラザ合意、リーマンショックによる超円高が日本経済の正常な活動を妨げていることを明確に意識して、2発の黒田バズーカで円レートの正常化を実現し、政府と共に2%インフレターゲットを掲げて、金融政策だけでは不可能な日本経済の復活のための財政政策、構造開花鵜の金融面からの下支えをしてきました。残念ながら、日銀の政策成功によって順調に進むかと思われた財政政策、構造改革は、掛け声は立派でしたが、現実の政策運営面で多くの齟齬があったようで、日本経済はゼロ近傍の経済成長を続けることになり、コロナがそれに拍車をかけて、日本経済の不振は目を覆う状態になりました。3年間おコロナ禍の中で、活動の抑制を強いられた日本経済に対して焦る政府は、赤字財政をも顧みず、国債発行、財...財政政策と金融政策、政府と日銀の関係の行方

  • ドイツ、原発全ての廃止を決定

    ドイツは思い切りましたね。世論調査では原発全廃には反対という意見の方が多いというのに、メルケルさんの方針の原発全廃を今の時点で実行しようと政府が判断したのです。このドイツの勇断に対する、評価が、世界でも、また日本においても、あまり大きなものでない事に、何となく違和感を持ちます。EUの電力ネットを持つドイツと日本は、いろいろ違うでしょう。ウクライナ問題で、ロシアのLNG供給が大事か、戦争と原発といった問題の判断をどうするか、などなど多様な要素を全て考えに入れながら、最終的判断に至ったのでしょう。そして、結局、核分裂を利用した発電は、核廃棄物の際限のない拡大を齎し、人類社会の将来に禍根を残すという「核分裂利用は人類の誤り」という基本命題に忠実な結論に到達したのです。この判断が「正」か「誤」かを決めるのはこれか...ドイツ、原発全ての廃止を決定

  • 狭い庭でも花いっぱいの春です

    狭い庭でも花いっぱいの春です今日は土曜日、天気が良ければ撮り立ての花々写真をと思っていましたが、天気予報では1日雨だという事でした。そして天気予報は、全く正確で、朝起きて窓を開けると「あ~やっぱり雨」でした。写真は、天気予報を見て、今盛りの花は昨日のうちに撮っておきました。唯一撮り忘れたのは玄関脇の「木香薔薇」でした。これは今日の雨の中で。昭和38年(1965年)都下国分寺のこの場所に居を定め、狭いながらも庭があるので、当時はやっていた「花いっぱい運動」の見本のような家にしようという家内といろいろ植えてきました。今は手入れも行き届かないままに、花々の栄枯盛衰の果てに残っている春の花を楽しんでいるといったところでしょうか。春はリュウキンカの開花と共に始まります。そしてヒマラヤユキノシタもう何10年も西側の隅...狭い庭でも花いっぱいの春です

  • 諺とツイッター

    諺とツイッター電気自動車のトップ企業「テスラ」の創業者で、世界トップクラスの資産家と言われるイーロン・マスク氏がツイッター社を買い取って、経営合理化のために従業員を半分に減らすのだそうで、大変なことのようですが、経営の問題はさておき、ここでは情報伝達手段としての言葉の問題です。ツイッターでは英語でも日本語でも140字以内でないといけないという事で、長い文章は書けません。(ツイッター・ブルーという400字というのもあるようですがあまり使われてはいないようです)日本語で140字はまだいいとして、英語の140字では、些かword数が足りないような気がします。いずれにしても、常人には、そんな短い文章で、自分の意思や情報をきちんと伝えることは至難でしょう。「寸鉄人を刺す」ような名文や警句を即座に編み出すなどは、バー...諺とツイッター

  • 消費者物価「コアコア指数」の日米比較

    この所物価の話ばかりで恐縮です。アメリカの物価については、昨年の夏から秋にかけて追いかけて来ましたが、一応の落ち着きがみられたので、その後は楽観していました。予想はほぼ順調で、アメリカのインフレは一段落という事のようですが、FRBのパウエルさんは、ことのほかインフレがお嫌いなようで、積極的に金利引き上げを行った結果、その副作用で、放漫経営気味の中堅銀行2行が破綻してしまいました。これはショックだったようで、今回の金利引き上げはゼロか、上げても0.25%というところで議論があったようですが、結局0.25%の小幅引き上げで、未だアメリカのインフレの勢いは十分沈静していないという見方のようです。そんなことで、それではアメリカのインフレと日本のインフレをちょっと比べてみようかと思います。今日の経済の中では、大抵イ...消費者物価「コアコア指数」の日米比較

  • 企業物価指数伸び率鈍化、物価は安定へ

    今日、日銀から3月の輸入物価指数、企業物価指数が発表になりました。マスコミも、物価の沈静化を示唆していますが、消費者物価についてはまだ上昇もという見方も多いようです。全体的にみれば、物価問題は、明らかに山を越えたと思われます。後は、政府の公共料金政策などで、消費者物価に多少の混乱はあるかと思いますが、次第に鎮静化に向かうのではないでしょうか。下の図に見ますように、輸入物価はすでに昨年秋がピークで低下を続けています。企業物価も昨年末がピークでした。消費者物価もこの所がピークではないかと思われます。主要3物価指数の推移(消費者物価の3月は東京都区部速報)資料:日本銀行、総務省何時も指摘していますように、消費者物価が4%を超える迄に上昇してきたのは、アベノミクスの中でじりじり値上がりする海外原材料価格や、最低賃...企業物価指数伸び率鈍化、物価は安定へ

  • 消費者態度指数も改善基調のようです

    昨日、内閣府から「消費動向調査」が発表になりました。これは毎月調査で、2人以上世帯を中心に暮らし向きに関わる4つの要因、暮らし向き、収入、雇用、耐久消費財についての様子をアンケート調査しているもので、調査の規模は小さい簡易な調査ですが、速報性もあるので、参考指標として見ておくと役に立つといったものです。特に、この所のような、何か消費者の態度(ムード)に変化がありそうな感じの時期には、どんな変化があるかと見てみたくなる所です。そんな感じを持ちながら発表された調査の一番基本的な、2人以上世帯「消費態度指数」のこの所の推移をグラフにしました。最近の消費者態度指数の推移資料:内閣府「消費動向調査」このブログで毎月追いかけている基幹統計の「家計調査」で、2人以上勤労者世帯の平均消費性向が上昇を続けている点から、この...消費者態度指数も改善基調のようです

  • アメリカは世界から愛される国になれるか

    ウクライナのゼレンスキー大統領は、世界の自由と民主主義を守るために我々は独裁国家ロシアと戦っている、負けるわけにはいかない、勝たなければならないのだ。と言っています。これまさに真実でしょう。かつて、共産主義一党独裁のロシアに従属させられていたウクライナであれば、その言葉は重く響きます。そして民主主義国は一様にウクライナを援助しようと本気で考えるのです。21世紀の今、世界は民主主義と独裁主義という単純な色分けになりつつあるように見えます。そして世界の多くの国は民主主義を是とし、覇権国アメリカとともに民主主義の世界を創ろうと考えているのでしょう。アメリカは勿論ですがヨーロッパはEUにまとまり、アジアはアセアンを中心に民主主義を旗印に国造りに励んでいます。日本は民主主義と非戦を掲げています。一方大国ロシアは、ゴ...アメリカは世界から愛される国になれるか

  • 長期不況の脱出、黒田日銀の業績に思う(続)

    黒田さんは日銀総裁に就任と同時に、アメリカのFRBの政策を巧みに活用し、円高に苦しむ日本経済を、異次元金融緩和という手段で円安を実現、円レートの正常化を実現、その復活の条件を整備しました。これで、アベノミクスの第1の矢、為替レートの正常化$1=120円は実現し、政府・日銀の政策目標「インフレターゲット2%」も3年程度で達成という予想でした。しかし、その後は予想外の残念な展開で日本経済の低迷は続きました。アベノミクスでは円安の成功を、第2の矢、積極的財政政策、政府主導で引っ張り、その後は規制改革でフロンティアを開くという事だったのでしょう。しかし、政策態度は、「決める政治」で、総て政治主導でという姿勢が仇となって、思うように経済が動かな動かない事になってしまったようです。円安は、日本経済の国際競争力を強くし...長期不況の脱出、黒田日銀の業績に思う(続)

  • 長期不況の脱出、黒田日銀の業績に思う

    日銀総裁が黒田さんから植田さんに変わりました。10年という任期は最長だったそうで、その間一貫して異次元金融緩和政策を続けました。ご本人は長期に亘る金融緩和は誤りではなかったと述べ、マスコミは、「最後まで黒田節」などと多少批判的な揶揄もあったようです。10年に亘る異次元金融緩和には批判の声も多いようですが、もっと早く金融緩和の出口にと思っていても、その条件が整わなかったので、結局伸び伸びになったという事でしょう。その証拠には新任の植田さんにしても、当分今の政策を変えないと言わざるを得ないというのが現実だからです。黒田日銀のスタートは華々しいものでした。2013年、14年と2回に金融緩和政策で、それまで$1=75~80円だった円レートは120円と大幅円安になりました。意表を突く大幅金融緩和で円安実現可能という...長期不況の脱出、黒田日銀の業績に思う

  • 2023年2月、消費支出の堅調続く

    今朝のテレビのニュースで実質所得はマイナスだが、消費支出は伸びていると言っていました。今日は2月分の家計調査、家計収支編が発表予定の日ですから、どうなるだろうかと思っていましたが、このニュースを聞いて、「昨年来の消費支出の堅調は変わっていないなと何となく安心しました。早速ネットで見てみましたら、2人以上勤労者世帯の平均消費性向は、昨年2月の63.3%を1.1ポイント上回って64.4%でした。結果は下のグラフの通りで、左側からの緑の柱が2本になって、1月、2月はこの2年、平均消費性向は上昇傾向という事になります。平均消費性向の推移(2人以上勤労者世帯、%)資料:総務省統計l局「家計調査」ところで、2人以上全世帯の消費の動きを見てみますと(全世帯の場合は収入の調査はないので支出だけです)、2月の支出は前年2月...2023年2月、消費支出の堅調続く

  • 新卒一括採用、入社式、新入社員講習・・・

    満開の桜の下を通って入学式というのは風物詩ですが、同じように季節を感じさせるのが4月に入るとテレビで放映される新入社員の入社式です。新調の背広にネクタイ、女性はきっちりしたスーツ姿、大企業の場合には広い会場にびっしりと椅子を並べ、新入社員は皆緊張の面持ちで着席して社長の挨拶を神妙に聞くという画面が何度も見られます。時には、晴れやかな顔で抱負を語る新入社員の顔も映し出され、そうだ自分にもこんな時があったのだ、などと思い出したり、こんなに新入社員を採るのは先行き好況を見込んでいるなと予想したり。これもサラリーマンにとっては風物詩でしょうか。こうしてみんな揃って入社式をし、翌日からは、1週か2週の新入社員講習、そして配属、勤務場所が決まり、講習の終了とともに、それぞれの職場に着任、早速先輩の指導を受け、これが自...新卒一括採用、入社式、新入社員講習・・・

  • 「神の見えざる手」と「政府の見える手」

    「神の見えざる手」は、アダム・スミスの言葉としてあまりにも有名です。悪徳商人が、自分の利益を求めて儲ける事に執心して頑張ると世の中は悪くなるようにいわれるが、そこに「神の見えざる手」が働いて、経済は調和がとれて繁栄し、社会は豊かになるというのがその意味する所でしょう。個人の欲望の相互作用が、全体としては調和を齎すというので「予定調和説」とも言われます。これは結構説得力があり、現実にその通り正しく働くことも十分実証されてきているのです。何故かといえば、個人としての欲望はそれぞれの立場によって違います。売り手と買い手は利害相反で、売り手は高く、買い手は安くと考えます。こうして数限りない個々の取引が行われれば、大数の法則として価格機構(プライス・メカニズム)が成立し、自由経済の長所が発揮されるのです。しかし、何...「神の見えざる手」と「政府の見える手」

  • 小さな花壇、チューリップ満開

    東京都下国分寺では、桜は先週後半が満開でした。国分寺から流れて、崖線沿いに狛江で多摩川にそそぐ野川には桜の花びらが流れ、我家の玄関先にも、何処からか桜の花びらがちらほら風に舞う春爛漫のきのう、きょうです。朝から日光燦々の今日は、リュウキンカに占領されていた小さな花壇に、いよいよチューリップが満開を迎えています。この花壇の様子については、今年はちょっとした異常事態で、その状況は第一報、第二報と二度にわたり心配しながら報告して来ました。そして今日は最終報告です。結果は上々で心配は全くの杞憂という事になりました。下の写真でご覧頂くとおりです。全盛だったリュウキンカンの黄色い花と、咲き始めたチュウリップの共存は一時で、春たけなわになるとリュウキンカの季節は終わり、先週末からは次々と開くチューリップの花の下で、別れ...小さな花壇、チューリップ満開

  • 2023年3月日銀短観:製造業慎重、非製造業順調

    日本銀行は今日、3か月ごとの「全国企業短期経済観測」、いわゆる「日銀短観」を発表しました。マスコミの報道は、製造業は5四半期連続悪化などという見しもありますが、感じとしては内外情勢を見つつ慎重な判断を、といった状況でしょうか。先ず、大企業の状況を見ますと、製造業はDI(良い-悪い)が1で、前回12月の7から6ポイントの悪化、非製造業は前回の19から1ポイント改善20で、製造業慎重、非製造業順調といった状況です。中堅企業、中小企業はともに前期よりして悪化でマイナスになっています(「悪い」方が多い)製造業は大企業の状況が多少増幅されて中堅・中小に影響という状況は変わっていない様です。一方非製造業は上に見ましたように大企業は順調、中堅企業は11から14に改善中小企業も6から9に改善という事で好況感が継続ようです...2023年3月日銀短観:製造業慎重、非製造業順調

  • 人間はAIを上手く活用できるか

    最近のAIの進歩は著しいものがあるようです。典型的なのは「チャットGPT」で、人間とスムーズな会話が出来るのだそうで、AIのいろいろな話もあります。先ず、最近のAIは、言葉が不自然でないそうです。日本語が不自然だと、印象としては言葉もきちんと使えないのだから中身も大した事ないのだろうと受け取りますが、言葉がきちんとしていれば、中身も信用する気になるでしょう。万葉集を覚えさせて短歌を作らせたり、ショートショートを覚えさせて、ショートショートを作らせたりすると、結構なものを作るようです。先日、新聞記事で、AIに国会での総理への質問に答えさせた結果が出ていました。そのあとに本当の岸田総理の答弁が出ていましたが、両方見ると、国民としてはAIの答えの方がいいなと感じるようなものでした。岸田総理は、色々な事情があって...人間はAIを上手く活用できるか

  • 難しくて大事な「成長と分配」の問題

    前回、リクルートワークスが発表した2040年には仕事の担い手が1100万人不足するという研究に関連して、人手不足が最も深刻になるとみられる介護のような対個人サービスの例を取り上げました。介護される人間は増えても介護する人間は増えないので大変という事でしょうが、介護が必要なのに人手不足で出来ないという事になると社会が不安的になっていろいろな問題が発生するので、介護の人材を増やさなかばなりません。そこで必要になるのが介護の担当者の賃金に引き上げです。しかし、介護サービスを提供する企業で、行き届いた介護をしながら生産性を上げるという事は至難です。といって、介護の料金を上げれば、払えないから介護を受けられない人が増えるでしょう。これも社会の不安を作り出します。貧しい社会では出来ない事も豊かな社会では可能になります...難しくて大事な「成長と分配」の問題

  • 「1,100万人の担い手不足」:労働力は不足か過剰か

    リクルートワークスが2040年には「仕事の担い手」(労働力)が1,100万人不足するという研究結果を出し、介護などの対個人サービスが不足第1位なので、「さて、どうしよう」と心配する人も多いようです。真面目な研究で知られるリクルートワークスですから、真面目に心配する人も多いかと思っていますが、恐らくこれは「警告」の意味が強い研究でしょう。「今のままで行くとそういう事になりかねませんよ」と読むべきではないでしょうか。一方で、人事院は「公務員に週休3日制を導入したら」という提言を出しました。これは、公務員の勤務環境を改善し、人材確保につなげるという意味のようです。「人手が足りなくなるのに3日も休んだらどうなるのですか」という疑問も強いでしょが、公務の担い手が足りなくなると困るからだそうです。もともと先憂後楽であ...「1,100万人の担い手不足」:労働力は不足か過剰か

  • ハイブリッド車とメタネーション

    EUは今後の自動車としては電気自動車しか認めないという方針を打ち出していましたが、フォルクスワーゲンなどの意見も入れて、ハイブリッド車も認めるという事にしたというニュースがありました。早速日本では、トヨタに有利だ、などという意見も聞かれますが。その理由は「メタネーション」技術の進展のようです。メタネーションというのは、CO2と水素(H2)からメタンガスを合成することで、温暖化の元凶であるCO2を原料にしてメタンガスからガソリンまで作る技術が次第に具体化されてきているからという事のようです。先日はCO2を食べて蛋白質を作りだす水素菌の事を書きましたが、嫌われ者のCO2が原材料になれば、気候変動問題対策にも、新たな展望が開けます。炭素は燃えて(酸化して)炭酸ガスになるのが通常の化学反応ですが、炭酸ガスをまた燃...ハイブリッド車とメタネーション

  • 新型コロナはいよいよ終息でしょうか

    この所、東京の新規コロナ感染者が減少を続けて来ていましたが、この2日ほど、先週比で増加しているようです。まさかこれが第9波の始まりではないと思っています。矢張り終息は世界的な傾向のようですから、多分安心だろうと楽観派を決め込んでいます。それにしても、この3年間、世界も日本も、世間も我が家も、コロナ非常時とでもいうような生活を経験しました。外に出る機会が極端に減ったので、私の場合、脚力がめっきり落ちました。それはこれからの日課の散歩で取り戻せるかもしれませんが、取り返しのつかない3年間という場合もいろいろあるようです。例えば、中学3年間がコロナの3年と重なってしまったこの3月の卒業生、3年前の4月に憧れの大学に合格したけれども、勉強は非対面が多いし、新しい友人をつくり、クラブ活動の楽しさを期待していた大学生...新型コロナはいよいよ終息でしょうか

  • これからの雇用ポートフォリオ(試論)

    昨日「雇用ポートフォリオの再構築」を書きました。何か、勝手に再構築と書いているだけで、中身はどんな事かを何も言わないのでは無責任といわれそうなきがして来ましたので、未だ生煮えの試論ですが、自分のメモ代わりに何とか整理しておくことにしました。<試案・雇用ポートフォリオ>Ⅰ企業の将来を託すグループⅡ企業の現在を支えるグループ①中途採用者など②外国人労働力③定年再雇用者など④超高度専門職(役員待遇を含む)Ⅲ短期雇用・単純定型業務グループざっとこんな所でしょうか、現在あるいは近い将来を想定しています。Ⅰ企業の将来を託すグループこのグループは現在の正社員をイメージしています。採用は新卒一括採用、人間の資質中心採用で、入社してから、OJT、Off-JTで育成する対象。育成の目標は役員、中堅管理職、高度専門職、高度技能...これからの雇用ポートフォリオ(試論)

  • 雇用ポートフォリオの再構築

    雇用ポートフォリオをこのブログで最初に取り上げたのは2007年9月18日でした。その時は、この言葉は1980年代から日経連が使っており、1995年に日経連が出した「新時代の日本的経営」以来広く使われるようになり、その後長期不況の中で、企業が人件費削減のために非正規を多用する論拠になった事などを書き、最後に、「日本経済の回復基調とともに、これまでの非正規社員多用の「雇用ポートフォリオ」のあり方も、その中身となる人事制度のあり方も、次第に見直しされていくのではないでしょうか。企業の自然な努力で、格差問題の改善が進むのを期待したいと思います。」と書きました。これはリーマンショックの前年で、日本経済に復活の兆しが見え、就活が売り手市場になった年でしたが、この翌年の秋にはリーマンショックで$1=76~80円という超...雇用ポートフォリオの再構築

  • 消費者物価、一見上昇鈍化、先行きは?

    今日、総務省統計局から2月分の消費者物価指数が発表になりました。既に、輸入物価指数や企業物価指数は上昇の鈍化傾向(対前年上昇率の鈍化)が顕著ですが、消費者物価の動きにそれが反映するかどうかが注目点です。こうした状況の中で発表された2月の消費者物価指数は、鈍化傾向が見えたようです。原指数を見ますと下の図のように青い線の総合は1月の104.7から104.0へ、赤い線の生鮮食品を除く総合も104.3から103.6へ下がっています。残念ながら緑の線の生鮮とエネルギーを除く総合は102.2から102.6へ相変わらずの上昇で、これについては後ほど触れますが、消費者物価にも上昇鈍化の兆しが見えてきたのでしょうか。消費者物価指数(原指数)の動き総務省:「消費者物価指数」もともと今回のインフレはエネルギーの国際価格高騰から...消費者物価、一見上昇鈍化、先行きは?

  • 国際関係の基礎は「競いの文化」で築こう

    新形コロナというパンデミックが世界を揺るがし、延び延びになっていた第5回WBCの優勝者は「侍ジャパン」でした。昨年優勝のアメリカは、連覇を目指して途中、対メキシコでの失点もありましたが、満を1持して決勝に勝ち上がってきたようです。日本は準決勝でメキシコに逆転勝ちで決勝進出。夢の日米対決の優勝決定戦がマイアミでくり広げられました。そして結果は、大谷、ダルビッシュ、村上、それに吉田の驚異の打撃力、そして、メジャーリーガーの強力打線を要所で封じる継投に活躍した投手陣等々の総合的な頑張りで「侍ジャパン」念願の優勝を3‐2で達成したのです。放送席からは「呆然としているアメリカチーム」などという言葉も聞かれました。そしてこれは、次回への切磋琢磨、それぞれの力と技の向上で、次回の優勝を目指しての研鑚に繋がっていくのでし...国際関係の基礎は「競いの文化」で築こう

  • 首相ウクライナ訪問、平和の出発点に

    岸田総理が、ウクライナと報道され、びっくりした人も多かったのではないでしょうか。今年は日本はG7の議長国、G7各国の首脳は岸田総理以外はすでにウクライナを訪問し、議長国の首相としては、そのタイミングを考えていたのでしょう。昨年から今年にかけての世界の最大の課題は、ロシアのウクライナ侵攻問題をいかなる形で終わらせるかでしょう。その中で、今年はG7の議長国、しかも平和憲法を持つ国の総理として、戦争の現場が如何なるものか、確り見とどけることは必須でしょう。こうした状況に中で、平和憲法を持つ日本の首相は、G7議長として今年1年、大変難しい役割を強いらえるのではないかと誰もが想像するところでしょう。ロシアはすでにクリミア問題以来G7から外されており、そのロシアのプーチンという独裁者が、自分の邪な野望を満たすために、...首相ウクライナ訪問、平和の出発点に

  • アマゾンに見るアメリカの賃金と雇用

    安倍政権の「働き方改革」以来、政府は、アメリカ流の雇用制度を目指して「職務(ジョブ」をベースにした雇用・賃金制度の導入の推進に力を入れて来ています。戦後日本の人事・賃金制度は、独自の発展を遂げて来ましたが、海外の研究者からは、いずれ欧米流の制度になるだろうと見られることも多く、日本の経営者や研究者のなかにも、欧米流の制度を見て、この方が合理的と考える人もいました。古くは戦後の職務給導入の動きから、マネジメント・バイ・レザルト、不況期に導入が言われた成果給そして今回の「働き方改革」といった系譜は、欧米流の人事賃金制度の方がより合理的という考え方によるものでしょう。しかし現実は欧米流合理性は日本社会の文化の中では、合理性に欠ける所があるようで、部分的導入はあっても人事賃金制度の中核にはなれませんでした。その結...アマゾンに見るアメリカの賃金と雇用

  • 繰り返される金融危機、マネー資本主義のあだ花

    世界金融恐慌の再来かと危ぶまれたリーマンショックが2008年でした。それから15年でしょうか、アメリカで中堅のシリコンバレー銀行とシグネチャー銀行が破たんし、それと関係があってかどうかはわかりませんが、スイスではクレディスイスの危機が報じられスイスユニオンバンク(SUB)によるM&Aが今日決まったようです。アメリカでは政府が預金者の100%保護を早期に打ち出し、金融不安の火消しに一応の成功はしたようですが、株式市場は一件落着とは思っていないようですさらに世界では、アメリカ、EU、イギリス、日本、カナダ、スイスの6つの中央銀行が協調してドル資金の市場への供給拡充を今朝発表し、金融不安の発生を未然に防止する体制を整えるという事までしています。シリコンバレー銀行の破綻については、シリコンバレーの新興企業などを中...繰り返される金融危機、マネー資本主義のあだ花

  • チューリップも負けじと頑張っています

    今日は日曜日、朝起きると、昨日の雨とは打って変わって上天気です。狭い庭も、良いおしめりで雑草も急に伸び、早速草むしりが必要になりそうです。ミニ花壇の様子を見ますと、こちらは勝手に生えてきた一面のリュウキンカが、これも急に育って葉も大きくなり、一面に黄色い花をつけ始めています。チューリップ用の花壇のつもりが、今年は、差し当たって、リュウキンカを育てるための花壇になってしまったようです。一方チューリップの方は、先日はまだ、ところどころで伸びて来たな、という感じでしたが、今日写真を撮ってみなすと、一応、3列に植えた形に葉が伸びて来ています。チューリップも負けじと頑張って、ひと花もふた花も咲かせようとしているようです。一面のリュウキンカの中から大きく伸びて一段高い所に、色とりどりの花を咲かせようとチューリップらし...チューリップも負けじと頑張っています

  • 国際刑事裁判所プーチンに逮捕状

    今朝突然のニュースが入ってきました。国際刑事裁判所が、ロシアのプーチン大統領に逮捕状を出したというニュースです。国際刑事裁判所(ICC)は、個人の国際犯罪を裁く裁判所です。(国家間の紛争を裁く国際司法裁判所とは異なります)。今回ICCから逮捕状が出たのはロシアのプーチン大統領とリボワベロワ大統領全権代表(子供の権利担当)の2人です。犯罪と認定されているのは、占領地のウクライナの大勢の子供がロシアに移送されたことで、これは国際犯罪に当たるとのことです。ロシアでは大統領令でこうした子供たちにロシア国籍の付与を促進、養子の促進の方針が出され、永久にウクライナには返さないという容疑が固まったという事のようです。何か、北朝鮮の日本人拉致事件と共通するものを感じますが、こんな事が世の中にあっていいものでしょうか、ロシ...国際刑事裁判所プーチンに逮捕状

  • 日本経済:失敗を繰り返さないために

    これまでのところ今春闘の結果は予想外に高めのものになりそうな気配です。産別労働組合の組織としては我が国最大のUAゼンセンは、昨日春闘結果の一次集計を発表しました。賃上げ率は、正社員で4.56%、パートは5.9%という事で、大方の予想を大幅に上回るものです。集中回答日までに回答する所は一般的に高賃上げが可能なところですから、第2次以降の集計は次第に低くなるのでしょうが、いずれにしても予想をかなり上回りそうな気配です。とはいえ、日本の労使関係の中では欧米の様に賃金インフレなって中央銀行が慌てて大幅な公定歩合引き上げでインフレ阻止を図るような無思慮な賃上げは起きません。予想外に高いと言っても、ほぼ日本経済・企業の実力の範囲でしょうから、これからの日本経済の正常化、活性化を支える動きに役立つ範囲に収まることは間違...日本経済:失敗を繰り返さないために

  • 集中回答日、2023春闘はスタート順調

    2023年春闘は、集中回答日以前から満額回答が出たりと、何か様変わりですが、昨日の集中回答日の結果を見ても、自動車、電機、産業機械、食品大手など満額回答の揃い踏みのような結果になっています。何故急にこんな変化が起きたのか考えてみますと、きっかけは消費者物価の異常な上昇でした。これまでマイナスか1%前後の上昇だったものが昨年に入り上昇をはじめ4%台にまで達しました。原因は、誰にも解っていました。今迄原材料や最低賃金の上昇の中で、コストの価格転嫁が出来ず我慢を重ねていた企業が更なる輸入物価の上昇でコストアップに耐えられず「一斉値上げ」に踏み切った事です。この一斉値上げに対して消費者は、実質賃金の低下で苦しみながらも、事情を理解し、値上げを容認して来ました。一方、アメリカやヨーロッパでは値上げも賃金上げも10%...集中回答日、2023春闘はスタート順調

  • 3月11日を過ぎて:自然災害と原発事故

    12年前の3月11日はあの東日本大震災でした。12年後の3月11日の前後、マスコミは、今年もそれぞれに、巨大な災害とその経験と記憶の中に生きる人々との間をつなぐ沢山の多角的な報道を企画し、我々はそれを見、想いを新たにして自然災害と日本人の関わり方を考えさせられました。日本列島は、豊かな自然の恵みを、そこに住む人々にもたらしてくれるのと同時に、巨大な自然災害が、時に、そこに住む人々を襲うところでもあるという事を日本人は縄文時代からの実体験の中で理解しつつ自然と共存する知恵と文化を育んで来たのでしょう。その中でも巨大地震と津波は最も恐ろしい自然災害として記憶や記録に残されているものでしょう。今も、南海トラフ大地震については、専門家もマスコミも、国民に最大限の注意喚起を行っているところです。こうした自然災害につ...3月11日を過ぎて:自然災害と原発事故

  • 狭い庭はリュウキンカ全盛の気配

    昨日は寒冷前線が西から東に抜けていき、大分雨が降って、風向きは南風から北風に変わり、今朝の外気は、昨日の14℃から7℃に下がりました。朝方は曇りでしたが10時過ぎて綺麗な青空になり、暖かい日差しでよい春の日にありました。桜が一層早くなるかな、などと思っていましたら、ニュースで日経平均が700円近く下げていると言っていました。シリコンバレー銀行に続いてシグネチャー銀行も破綻という事で新興中小銀行でもそれなりの資金量を持てば、マネーゲームの成功を夢見て「巨大な想定元本」の取引をするのでしょうか。アメリカ政府は大変心配なようで、何はともあれ預金は100%保証と言って金融危機につながることを徹底して避ける気配です。この辺りは、バーナンキさんの、金融危機は徹底した金融緩和で救えるというリーマンショックの経験を早速に...狭い庭はリュウキンカ全盛の気配

  • 当面の景気、アメリカ、日本

    アメリカから突然にシリコンバレー銀行(SVG)が倒産などというニュースが入って来て、アメリカの金利引き上げの先行きが不透明です。SVGの倒産も、FRBの金利の上げを見誤り債券価格の低下によるものだそうで、FRBが金利引き上げ幅を下げるのではという見方から円が急騰したり、その影響で、ダウが暴落、日経平均が大幅に下げたりマネー経済は混乱状態です。アメリカでは預金は完全保護すると言って混乱の収拾をいそいだり、預金保障には限度があるなどといわれたりしているようですが。パウエルさんのインフレ抑制の姿勢は変わらないようです。実体経済の方を見ますと、アメリカの消費者物価は一応沈静傾向ですが、しつこく上っているものもあるようです。そろそろ2月の数字が発表になりますが、1月の数字で見ると前月比で12月には7.2%下がってい...当面の景気、アメリカ、日本

  • 2023年1月、平均消費性向上昇続く

    昨日、総務省から1月分の家計調査(家計収支編)が発表になりました。上昇基調の「平均消費性向」資料、総務省:家計調査報告消費者物価指数の1月分は2月中に発表になっていて、4.4%上昇(前年同月比)とこの所の最高を示したようですが、家計の支出は、物価高にめげず元気に増加したようです。マスコミの見出しは2人以上世帯で対前年同月マイナス0.3%と消費不振と思われるものでしたが、これは12月のマイナス1.3%より元気で、消費者物価が大幅に上がったが、家計支出も負けずに増加したからと見てもいいようです。以月の名目の消費支出増加率は対前年同月でプラス4.8%と、上がった物価を追いかけて増えています。これをどう見るかですが、物価が上がったからやむを得ず増えた、あるいは、消費意欲が出て来た、そのどちらかという事になりますが...2023年1月、平均消費性向上昇続く

  • 主要3物価の動向:インフレは鎮静化に向かうか

    今日、日本銀行の調査統計局から2月分の輸出入の物価指数と企業物価指数が発表になりました。例月通り、日銀の輸入物価指数、企業物価指数と総務省発表にの東京都区部の消費者物価指数の2月速報を加えてグラフにして見ました。結論から言いますと、インフレ激化と言われていた、資源などの国際価格(輸入価格指数)、それが国内価格に転嫁される企業物価指数、そしてサービス料金も加わった消費者物価指数それぞれに、そろそろ鎮静化傾向が見られるというところでしょうか。主要③物価指数の動き(原指数)資料:日本銀行、総務省通常、物価上昇は、まず輸入価格が上がり、それが企業物価を押し上げ、最終的に消費者物価に影響するっといった形が基本です。しかし、今回、消費者物価指数については、途中から、「不況で値上げすると売れない」と長年値上げを我慢して...主要3物価の動向:インフレは鎮静化に向かうか

  • 貿易収支の赤字、もう1つの原因

    前回指摘しましたように2023年1月の貿易収支は3兆円ほどの赤字となりました。これは予想外の大幅なもので、第一次所得収支の黒字を打ち消して経常収支も2兆円の赤字になりました。例年輸出が少ない1月だからという見方もありますが。こんな状況が続けば、日本は経常収支赤字国に転落します。財政では、日本は世界トップクラスの赤字国ですから、これで経常収支も赤字になれば、アメリカの「双子の赤字」を笑えない赤字国に転落してしまいます。そんな可能性が出て来るのでしょうか。大方の見方は2月からは貿易収支は改善し年間で見れば経常黒字ということのようですが、ここで見落としてはいけない重要な要因があります。貿易赤字というのは、国際競争力が弱いからというのが通説です。しかし別の見方からしますと、国も家計と同じで、GDP(収入)を国民(...貿易収支の赤字、もう1つの原因

  • PBRと日本の経営・経済

    PBRというのは、PriceBook-valueRatio(株価純資産比率)、つまりPrice(株価)をBook-value(=1株当たり純資産)で割ったものです。これは1株あたりにした比較ですが、純資産というのは自己資本の事で、資産総額から負債を引いたもの、「解散価値」(今解散すれば借金を払っていくら資産が残るか)です。一方株価の総額(株価×発行済み株式数)は「時価総額」です。つまり、「時価総額」を「解散価値」で割っても同じです。解散価値の方が、時価総額より大きければ、解散すれば株主は株価より多い分け前をもらえます。時価総額が足りなければその分は株主の損になります。つまり、PBRが1より小さければ、倒産しても安心、1より大きければ倒産したら損になります。株価が資産価値より上がり過ぎているという事です。さ...PBRと日本の経営・経済

  • 日本の国際収支は大丈夫か?

    先日(2/27)に2022年度の貿易収支が大幅な赤字になったことに触れました。最近の円安傾向が、単に日米金利差によるだけでなく、日本の輸出競争力が落ちて来ていることの反映でもあるともみられるところからです。先日2023年1月の国際収支統計が発表になり、1月は経常収支も大幅赤字になったことが報道されました。このブログでは、日本は、経常収支は万年黒字、アメリカは万円赤字と書いて来て言いますが、日本は第一次所得収支(海外からの利子配当などの受入れ)が、毎年20~30兆円の黒字なので、貿易収支が赤字でもそれで埋め合わせて経常黒字に出来ています。所が今年の1月は、貿易収支の赤字が大きすぎて第一次所得趣旨では埋めきれず、経常赤字になってしまったのです。経常収支が赤字になれば日本もアメリカと同じ、財政も赤字、国際収支も...日本の国際収支は大丈夫か?

  • 政府の物価対策、価格機構の働きを阻害

    このブログでは消費者物価の動きを毎月トレースして来ていますが、昨年に入ってじりじりと上昇に転じ年末に至って4%台まで上がりました。直接の原因は海外からの原油・LNGなとのエネルギー、穀物などの飼料や加工食品の原材料の値上がりです。それに加えて、これまで、長年のコストアップの価格転嫁が出来なかった業界(加工食品やサービス部門など)が、我慢の限界」と一斉に値上げに踏み切ったことも大きな原因になったようです。しかし、こうした動きもそろそろ一巡し、エネルギー価格などの値下がりと共に、値上げムードもそろそろ鎮静化かという段階に達したようです。今はこうした時期にあるのですが、政府は「今月中に追加の物価高騰対策を」と言い出しています。中身は「国民生活や企業活動を支援するため、今月中に追加の対策をまとめ、今年度予算の予備...政府の物価対策、価格機構の働きを阻害

  • 梅と桜

    我家の遅咲きの豊後梅もようやく花を開き始めました。梅一輪一輪ずつの暖かさ(嵐雪)今日は土曜日で、暖かい良い日です。これで世界に戦争などなければとつくづく思います。気象庁によれば今年は桜も早いようで、東京では3月中に満開を迎えるようです。梅から桜へ、日は伸び、コートもいらなくなり、一番良い季節なのではないでしょうか。梅と桜、日本を代表する花ですが、その昔は、「花」と言えば梅だったと聞きます。桜は900年ごろ古今和歌集あたりからとの説が一般的のようです。梅は、香りがよく、寒さの中でぽつぽつと花を開き「枝振り」と「花」との取り合わせが微妙な線と点のバランスを生むのでしょう。絵になるのが「梅」の美しさでしょうか。一方桜は、木全体を花がつつんでその重なる枝の、まさに「万朶の桜」が濃艶な量感のある景観を作り出す「ソメ...梅と桜

  • 岸田総理は中国と徹底話し合いを

    今日は3月3日。桃の節句の穏やかな春の日に、こんな心配をしなければならないというのは残念なことですが、やはり日本国民が安んじて平穏な日々を過ごせるように、総理にはお願いしなければならないのでしょう。前回指摘しましたように、現状では、日本の空にミサイルが飛んでくるかどうかは、日本国民の意思とは関係なく、中国、アメリカの意思決定の結果によるという客観情勢が見えて来ているのです。こうした客観情勢に対して、日本国民の意思を代表して日本へのミサイル飛来の可能性をゼロにする努力を日本政府に徹底してやってもらいたいというのが、大多数の国民の気持ちではないでしょうか。政府が想定しているのは、「台湾有事」だという事は明らかです。これは中国では国内問題という認識ですが、中国にも、台湾にも、歴史的なかかわりは勿論、文化的、経済...岸田総理は中国と徹底話し合いを

  • 本気でミサイル飛来を認めるのか

    田中角栄元首相が「戦争を知らない世代が日本の中核になった時は怖いなあ」と言われことは、以前にもこのブログで取り上げました。そして、まさに今、その時代になっているのです。岸田総理は、日本が戦争をする国になることを認め、具体的な準備を始めているようです。安倍政権以来、日本の進むべき方向は閣議決定で決められるという事になったようです。閣議で決めれば、国会では与党絶対多数で、いざとなれば強行採決という手順に自信を持ったのでしょうか。集団的自衛権から反撃能力、防衛予算の大幅増額、アメリカからの大量の武器購入、これで日本は戦争をしませんと言っても、信用してくれる国があるでしょうか。集団的自衛権のパートナーであるアメリカは、CSIS(アメリカ政府に直結すると言われるシンクタンク)は、台湾有事シミュレーションの中で当然の...本気でミサイル飛来を認めるのか

  • 政府、学界は「価格転嫁」の合理性を示せ

    今春闘では、大手企業で集中回答日に先だって大幅賃上げをする企業がマスコミをにぎわせています。一方、中小企業については、賃上げの必要は認めつつも経営実態から厳しい状況に置かれている企業が少なくない事が言われています。日本商工会議所の小林会頭は、中小企業でも賃上げ野の機運は出ている。賃上げを期待しているが、そのためには取引価格の適正化が欠かせない。「大企業には下請け企業に圧力をかけて収益を伸ばすのではなく・・・」と注文しています。この問題については、海外の資源価格やインフレ傾向で、輸入原材料価格が上がっても、製品納入先企業(親企業)からなかなか製品価格の値上げを認めてもらえないという、いわゆる「価格転嫁」の困難さがいつも指摘されるところです。この問題が企業間の力関係で決まるのであれば、下請け中小企業の立場は明...政府、学界は「価格転嫁」の合理性を示せ

  • Rapidus Corporation の今後に期待

    ラピダスが北海道に半導体の工場を作るとの記事がマスコミから報道されました。いよいよ日本の半導体関係の巨大企業が本気で、日本製半導体の本格復活に動き始めたという事でしょう。最大の期待を持って、この動きを歓迎したいと思います。ラピダス株式会社・RapidusCorporationは、今日の日本の関連主力企業が一丸となって、最先端の半導体生産においての完全復活を狙うプロジェクトでしょう。出資する会社はトヨタ自動車、ソニーグループ、NTT、ソフトバンク、NEC、デンソー、三菱UFJ銀行、キオクシアの8社です。ソニーは、アメリカでショックレーが発明した半導体(トランジスタ)に目をつけ、当時アメリカでは補聴器ぐらいにしか使えないと思われていた半導体で世界に先駆けてラジオをつくり(トランジスタ・ラジオ)一躍半導体の将来...RapidusCorporationの今後に期待

  • 円安続く気配、賃金・雇用改善の好機

    $1=140~150円という行き過ぎた円安にはならないと思いますが、円レートが些か異常ではないかと思うほど円安傾向を強めています。円レートの推移(円)資料:世界経済のネタ帳今日は136円台まで付けて、日経平均はマイナスですが、輸出関連銘柄には大幅に上げているものもあります。為替レートは出来るだけ安定しているのがいいというのは基本ですが、マネー資本主義の中ではそうはいきません。日本銀行がこれをどう見ているか新総裁予定の植田さんもあまり行き過ぎてほしくないと思っているのではないでしょうか。勿論この円安の主因は、アメリカのインフレがなかなか収まらないという事で、FRBが金利引き上げを続ける意向であることによるものでしょうが、同時に、日本の国際収支が大きく変化していることも影響があるようです。日本の経常収支と貿易...円安続く気配、賃金・雇用改善の好機

  • ロシアのウクライナ侵攻1年経過

    この問題は、世界中の専門家が論じ尽くして来ています。その困難な問題をこのブログで論じてみても、特に新しい解決策があるわけでもなく、どうなるものでもないことは解っています。しかしやっぱり何か書いておかなければならないと思い直して、自分の頭の整理のために書くことにしました。プーチンは、クリミアヤ半島と同じような進展を考えて「三日で解決」といって始めた戦争です。しかし2匹目のドジョウはいませんでした。多くのウクライナ国民はクリミアの失敗の経験を肝に銘じ、ウクライナが自由社会であり続けることを守り抜く強い意識を持っていたのでしょう。そして結果はロシアという専制国家と、ウクライナを象徴の戦場とする、自由世界と独裁専制国家との激突の姿に人類社会を巻き込んだのです。勿論侵攻する国であるロシアの中にも、自由社会を望む人は...ロシアのウクライナ侵攻1年経過

  • 2023年1月も消費者物価は上昇基調ですが

    今日、日銀総裁に就任予定の植田氏が、衆院議員運営委員会で、政策方針や物価の見通しなどについて発言されたとのことです。その結果、一時的に株価が上昇したりしたようですが、物価についての発言は極めてまともで、、今の物価上昇は輸入物価上昇の圧力によるもので、国際的な物価高が今後鎮静すれば、年度後半には2%を割り込むだろうという事だったようです。原油価格等はすでに下落傾向にありますが、ウクライナ情勢次第という事もあり、エネルギーや穀物の海外価格は今後も種々懸念されるところです。ところで今日総務省から、1月分の消費者物価指数が発表になりました。そろそろ国内物価も沈静化かと思わせましたが、そう簡単にはいかないようです。特にネルギー価格は、政府のいろいろな介入があって、その咎めで、この春から改めて値上がりかなどと言われ、...2023年1月も消費者物価は上昇基調ですが

  • 賃上げと共に非正規の正規化の結果・計画も

    集中回答日を半月後に控え、既に満額回答といった労使合意の状況がマスコミで報じられるという今年の春闘です。こうした合労使合意が早くも報道されることは、労使交渉の今後についての影響も小さくないでしょうし、今の日本の経済社会の状況から見て、労使双方が共に日本経済にとって賃金の上昇が必要なことを十分に認識している事の証左でもありましょう。労使の信頼関係を基礎に置き、日本経済社会の再活性化を共通の目的とする今春闘で、日本の文化社会の伝統的在り方に根差す日本的労使関係が改めて認識されるという事であれば、日本経済復活の第一歩と評価出来そうです。この好調の滑り出しを見せる春闘の中で、矢張り気になるのは、賃上げだけで問題は解決するのかという重い問いかけです。確かに、大幅円高による長期不況を、雇用を維持しつつ乗り切るために、...賃上げと共に非正規の正規化の結果・計画も

  • 国連の役割と将来について日本は

    国連のグテーレス事務総長がぶら下がり記者に「国連は戦争を止めることは出来ないから」と言っているのがテレビに映っていました。確かに、現状ではその通りです。しかし、何時までもそれでいいのでしょうか。日本のように憲法に「戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と書いてある国ばかりならばいいのでしょうが、そうではありません。しかし、第2次大戦後国連をつくり、戦勝国5か国を常任理事国とする「安全保障理事会」をその中枢機能とした背景には、「日独伊という独裁専制国家と戦って勝った国が揃って国連の中枢にいれば、世界の平和は守られるだろう」という意識があったことは当然でしょう。だからこそこの5か国には拒否権を与え、1国でも反対すれば、国連は、世界の国の「安全保障」を脅か...国連の役割と将来について日本は

  • 非正規問題は「賃上げ」か「正規化」か

    2023春闘も、大手企業では、3月中旬の集中回答日に向けて労使の真剣な議論が展開されている事と思います。交渉の中心はどうしても正規従業員対応が中心になると思われますが、マスコミや識者の意見でも、非正規従業員の賃上げ問題の重要性を指摘するものが、今年はかなりみられます。かつての長かった就職氷河期の最大の後遺症に1つである非正規従業員の著増問題は、日本社会の格差社会化の主因でもあり、子供の6人に1人が貧困家庭の子といった深刻な社会問題やいわゆる80・50問題を引き起こしています。今春闘の中で、非正規の賃上げ問題が取り上げられるのは大変結構なことと思いますが、マスコミにも、多くの識者にも、非正規従業員問題は「賃上げで片付く問題ではない」という指摘をぜひ忘れないでほしいとお願いしたいところです。勿論これは経営者が...非正規問題は「賃上げ」か「正規化」か

  • 非正規問題は「賃上げ」か「正規化」か

    2023春闘も、大手企業では、3月中旬の集中回答日に向けて労使の真剣な議論が展開されている事と思います。交渉の中心はどうしても正規従業員対応が中心になると思われますが、マスコミや識者の意見でも、非正規従業員の賃上げ問題の重要性を指摘するものが、今年はかなりみられます。かつての長かった就職氷河期の最大の後遺症に1つである非正規従業員の著増問題は、日本社会の格差社会化の主因でもあり、子供の6人に1人が貧困家庭の子といった深刻な社会問題やいわゆる80・50問題を引き起こしています。今春闘の中で、非正規の賃上げ問題が取り上げられるのは大変結構なことと思いますが、マスコミにも、多くの識者にも、非正規従業員問題は「賃上げで片付く問題ではない」という指摘をぜひ忘れないでほしいとお願いしたいところです。勿論これは経営者が...非正規問題は「賃上げ」か「正規化」か

  • 炭酸ガス(CO2)が資源になる日

    空気中のCO2の濃度の増加、地球温暖化の加速、氷河の後退、永久凍土の溶融、そして海面の上昇・・・。それだけではありません。異常な気候変動、異常な高温・乾燥の発生、集中豪雨の深刻化、まさかCO2が地震にまでは関係ないと思いますが、もしかしたら「今は解らない」という事なのかもしれません。いずれにしても化石燃料の多消費は人類社会に深刻な影響を与えつつあります。その一方で、人類の英知はその解決に向かって地道な対応を始めています。このブログでも、注目すべき技術開発などについては折に触れ取り上げて来ています。今日の日経産業新聞には、水素菌(水素酸化菌)によるCO2を原材料にしたタンパク質生産技術についての記事がありました。水素菌というのはCO2を食べて、動物性蛋白質を作る性質があり、種々の水素菌の中でも効率の高い「C...炭酸ガス(CO2)が資源になる日

  • 春たけなわの日曜日です

    桜には早いですが、今日は、春本番の暖かさの日曜日です。世界中多事多端で、心の休まる暇もなく、人間というのは、仲良くすればいいのに、何でこんなに争いをするのだろう思うばかりです。お蔭でこのブログも、世の中に注文を付けるような事ばかりなってしまっています。困った世のなかになってしまったものです。「世界が全体幸福にならないうちは、個人の幸福はあり得えない」と言ったのは宮沢賢治(農民芸術概論)ですが、そこまでの境地にはとても届かない凡人は、やはりささやかな安息の時を持ちたいという気にもなろうというところです。たまたま先日気付いたのですが、何年振りかでセロジネという蘭の花が窓際で咲きました。以前、家内が育てていたもので、手入れが大変なので放置状態だったものを、居間の窓際に持ってきて、加湿器の水注入と共に水をやってい...春たけなわの日曜日です

  • アメリカの消費者物価と円レート

    円レートがまた円安に振れています。円安になれば、インバウンドは好調、日本製品の国際競争力は上がりますし、概ね結構なことですが、時に、国際投機資本がマネーゲームで儲けようと円レートの不振れ幅を無闇に大きくするので、迷惑を蒙ることもあります。今、円安に振れているのには恐らく2つの原因があって、1つは日本の貿易収支が赤字を続けていること、もう1つはアメリカのインフレが少し長引きそうで、FRBのパウエル議長がもう少し金利を上げ続けなければならないと言っていることです。影響のより大きいのは、アメリカの金利引き上げが続きそうだという事の方でしょう。アメリカのインフレは昨年の7月辺りがピークでその後は鎮静の傾向ですが、パウエルさんはまだ危険水域で、もっと低くすべきと金利引き上げを続けると牽制しています。このブログでも昨...アメリカの消費者物価と円レート

  • 不審気球は「撃墜」でいいのでしょうか?

    「UFO」でない事は確認された。それはそうだろうと誰しも納得でしょう。しかし、中国から飛んで来た?民間の気象観測用が風に流されてきた?単なる遊びの気球だ?いや、何らかの目的を持ってアメリカの特定の場所の上空に滞留した?偵察用の気球に相違ない?軍事目的かも知れない?・・・・・気球は航空機と同じで、領空侵犯の場合が撃墜してもいいという事のようで、アメリカは4つほどを戦闘機で銃撃し撃墜しました。墜落した気球は残骸を回収して、如何なるものかを調べるという事で回収に当たっているようですが、回収作業は難航などと報道されています。中国は、中国のものと認めたのでしょう。民間のもので、風に流され、不可抗力でアメリカに行った。撃墜は過剰反応だと強烈な不満と抗議を表明しました。更に加えて、アメリカも中国上空に10個ほど気球を飛...不審気球は「撃墜」でいいのでしょうか?

  • 黒田総裁から植田総裁へ、苦難は続く?

    国会の議論の中で、岸田総理から植田総裁を選んだ理由の説明などもあったようで、、いよいよ黒田日銀から植田日銀の線がはっきりしてきたようです。大蔵省や金融界からでなく、学者が日銀総裁になるというのは初めてのようで、それだけ植田総裁への期待は総理大臣をはじめとして大きいのでしょう。前白川総裁から黒田総裁の時は、在米経済学者のアドバイスなどもあったようで、日銀もバーナンキ流の大幅金融緩和に踏み切るという予想があり、それがそのまま現実になって、2年を経ずして円レートは75円から120円に大幅円安になるという華々しい登場でした。有難い事に、アメリカもバーナンキ流の踏襲ですから、日本は大幅円安にして怪しからんとは言わず、アベノミクスは順調なスタートと思われました。その後は皆様ご承知の通りですが、今回はそうした華々しい金...黒田総裁から植田総裁へ、苦難は続く?

  • 2022年10~12月GDP一次速報を見る

    今日内閣府から、標記GDP速報が発表になりました。動きは僅かです。マスコミでは2四半期ぶりのプラスで前期比0.2%、年率換算0.6%などと書いていますが、年率0.6%ならば正確には前期比は0.15%と微小です、前7~9月期はマイナス0.3%でしたから、昨年後半は下がり基調がいくらか上がったという冴えない状態だったのですが、何か動いているようです。この所の経済成長率はコロナの感染状況によって波を打っているようで、昨年4~6月は第6波の減衰期で四半期GDPは前期比プラス1.1%、7~9月は第7波直撃でマイナス0.3%、ところが10~12月は第8波にも拘らず微小ながらプラスです。ウィルスが主役の事ですから解りませんが、第8波になって、何か、コロナは怖くないといった雰囲気が出てきたようです。政府もその雰囲気に乗っ...2022年10~12月GDP一次速報を見る

  • 賃金、生産性、物価、為替レート、纏めてみれば

    賃金、生産性、物価、為替レート、纏めてみれば今年の春闘は、日本経済の構造改革をかけた大事な春闘だと言われています。このブログも、その意識は十分持っていて、平均賃金水準で5%の上昇という思い切った数字も出してきました。これは、アベノミクス以来、値上げの出来ない雰囲気の中で我慢してきた企業が、ここに来て一斉値上げに踏み切り、4%台の消費者物価の上昇になっているという現実に対応するものでもあります。経済理論から考えれば、賃金が上がる前提条件は、生産性の向上です。生産性が上がらなければ、賃上げの結果は「利益の減少」か「物価の上昇」になります。アベノミクスの第1の矢で、円安になった時、企業の利益は大幅に増えました。しかし企業はまり賃上げはしませんでした。その前、大幅円高になった時賃金を抑えましたが(非正規を増やして...賃金、生産性、物価、為替レート、纏めてみれば

  • 輸入物価、企業物価、消費者物価の動向

    昨日、日本銀行から、今年1月の企業物価指数が発表され、見出しでは「高止まり」などと書かれていました。日銀発表の物価指数は「輸入物価指数」「輸出物価指数」「企業物価指数」の3指数ですが、このブログでは、輸入物価が上がればそれは企業物価を押し上げ、更にそれは消費者物価を押し上げるという関連を見るために、輸出物価を除き、消費者物価を加えて標記3物価を毎月グラフにして、それぞれの動きを見てきました。という事で、今回は、1月までの物価の推移が見られることになりました。まず、輸入物価、企業物価、消費者物価の原指数の動きをグラフにしたのが下図です。(消費者物価は東京都区部1月速報)3物価指数とも2020年平均が100で、2021年の1月には殆ど同じ水準にありましたが、その後はご覧のとおりです。主要3物価指数の動き資料:...輸入物価、企業物価、消費者物価の動向

  • 民主主義と日本社会の劣化を問う

    ガーシーという先の参院選で当選した議員が、全く出席しないという事で参議院の懲罰委員会にかかっているという事です。ここでは本人や、所属の党についてとは全く別の話になりますが、こうした問題が発生したという事は政治と国民意識の総体的劣化の片隅の綻びが偶々顕在化したのでしょうから、矢張り考えてしまうのは、民主主義の本質的に持つ問題と、民主主義を善しとする国の国民の在り方という問題です。このブログでは、さきに「民主主義のトリセツ」を書きました。民主主義という制度の根幹である選挙を中心に、民主主義というシステムの中に生きるのであれば、民主主義というシステムの中での生き方を十分理解し、民主主義を誤りなく使いこなすように、具体的な思考や行動の在り方も弁えていなければなりません。町内会や企業の職場訓練などで、消火器の取扱い...民主主義と日本社会の劣化を問う

  • 2022年、盛り上がりを欠いた年末商戦

    一昨日、7日に、2022年12月分の家計調査が発表になりました。1年前に比べ4%を超える消費者物価上昇という逆風の中で、GDPの個人消費を支える家計の消費支出の動きはどうかと案じていましたが、矢張り年末商戦は期待した盛り上がりとはいかなかったようです。2人以上世帯の12月の消費支出は名目値では3.4%の伸びでしたが、対応する消費者物価の上昇が4.7%という事だったので、実質値では結局マイナス1.3%という事になりました。毎月勤労統計では12月のボーナスが少し増えたと言っていましたが、それも活用して昨年より3.4%余計支出したのですが、物価の上昇に食われて、買えた「モノとサービス」は昨年より1.3%少なかったという事です。この物価上昇は、長年に亘って値上を我慢してきた分が噴出したという面もあるので、許される...2022年、盛り上がりを欠いた年末商戦

  • 連合、首相に「政労使会議」を要請

    昨日、連合の芳野会長は岸田総理に会い、春闘に向けての政労使が話し合う「政労使会議の開催を要請し、岸田総理も前向きに検討という意向を示したとの報道がありました。これに関して、経団連の十倉会長も、詳細は聞いていないけれども、そういう機会があるなら「喜んで参加する」と記者会見で表明したとのことです。きっかけや経緯はどうであれ、当面の日本経済の行方を大きく左右する今春闘について、政労使三者の代表が一堂に会して話し合う機会が生れるというのであれば、大賛成の意を表したいと思います。これまで毎年春闘をやりながら、日本経済に対しの成果が乏しかったのはこの三者の間のコミュニケーションが深まらなかったからで、前回は2015年だったのですが、あれは当時の安倍総理が労使を呼びつける感じで、長続きしなかったのでしょう。今回は賃上げ...連合、首相に「政労使会議」を要請

  • 残念至極!三菱スペースジェットの撤退

    2015年の11月12日、「MRJ離陸」を書きました、その前の日に、アメリカでの「三菱リジョナル・ジェット」の初飛行が報道されたからです。2017年9月には、「経産省、航空機事業に注力」を書いて、経産省が「我が国の航空機産業の本格的発展を目指して、纏まった政策を打ち出そうという事になった」と記しています。初飛行から7年、経産省の政策表明から5年がたって、今日のタイトルは標記の通りです。本当に残念なことではないでしょうか。戦後最初の国産旅客機であるYS11が最終的には2182機を製造し、世界でもよい評価を得ながら、お役所的な経営で破綻したなどと言われて以来、MRJは日本として、ジェット旅客機生産への満を持しての出発でしたが、残念ながら失敗に終わったようです。日本の多くの企業が飛行機の部品製造には確りした力を...残念至極!三菱スペースジェットの撤退

  • 労働問題、政府は民間の自主性重視で

    安倍内閣からの混乱ですが、労働問題についての政府の口出しが岸田内閣では少しひどくなり過ぎているように思います。賃上げもそうですが、日本的職務給とか、リスキリング、労働の流動化等々民間に任せ、民間が確り知恵を絞ってやるべきことを、政府が事細かに口の出し過ぎです。民間に任せることが民間労使を育てることになるというのが、戦後の労働省の基本姿勢でした。それが日本の労使関係の成熟、経済の安定と発展の基礎になっていたのですが、いまは親の世話の焼きすぎが子供の自主性の発達を阻害するといった状態です。もともと政府の役割というのは、プレーヤがやる気になるような「良いルール」を確り作り、基本的な境界線をキチンと引き、あとは、レフェリーに徹することで、レフェリーはプレーはしないのです。これはスポーツを見れば一目瞭然でしょう。日...労働問題、政府は民間の自主性重視で

  • 昨日は節分、豆撒きしましたか

    今日は立春です。都下国分寺では10時ごろから春らしい青空になって、立春に相応しい良い日になって来ました。今日立春という事は、昨日は節分、皆さんのお宅では「鬼やらい」の豆撒きをされたでしょうか。我家では家内が生協の毎週の配達に「福豆」を注文し、先週来た豆を1合の酒〼に入れて用意していました。撒くのは私の役目です。新年は初詣から始まる日本の年中行事ですが、昔から理屈は言わずに、何となく、きちんとやっているような気がします。やっぱり季節感というのでしょうか、時の流れに刻み目はないのですが、我々の先祖が太陽や月の動きを見て、食糧を得るための採集や栽培との関係を理解し、年、月を決め、人間の生活を自然の変化に合わせてきた知恵の原点のようなものは大事でしょう。閏秒までは意識出来ませんが、これから日が伸びてくる、これから...昨日は節分、豆撒きしましたか

  • 国民はリーダーに騙されないようにしましょう

    ロシアのプーチン大統領が、2日、第二次世界大戦でナチスドイツとの激戦地だった旧レニングラードで、演説をしたそうです。動画入りのニュースで知ったのですが字幕の説明では、「ナチスのイデオロギーが欧米とともに再びロシアの安全保障に対して直接的な脅威を齎している」として、ドイツを侵略者とし、第二次大戦でレニングラードを守り抜いたロシア兵士を称え、「我々は、この脅威に対して祖国を守るために戦う」ウクライナ侵攻の意義を強調したそうです。ロシアでは、戦争の長期化、その犠牲の大きさから停戦の支持が増えているという報道もありますが、プーチンはウクライナ侵攻という自分の誤算を、ドイツは旧ナチスと同じだと強調することによって国民の愛国心に訴え、自己正当化をしているように見えます。リーダーは、他国からの脅威を「自分たちは被害者だ...国民はリーダーに騙されないようにしましょう

  • 戦国時代に逆戻り、大河ドラマを彷彿

    このブログでは、人類の文化には2種類あると思っています。「争いの文化」と「競いの文化」です。人類はかつては「争いの文化」が主流でしたが、次第に「競いの文化」が主流を占めるようになって来ていると考えています。人類の文化が進歩するのは、人間が向上心を持っているからでしょう。向上心が「競いの文化」を生みます。オリンピックは「競いの文化」の典型でしょう。向上心は、経済的には人間が豊かになりたいという気持ちに現れます。これが「争いの文化」を生んできました。かつては豊かになるためには領土を広げることが必須でした。これが戦争を生んだのでしょう。中世までのヨーロッパでも日本の戦国時代でもそうでした。それぞれの国が領土を広げようと考えれば、攻めなければ攻められるという恐怖心や被害者意識を持ちますから、その両方が相まって、戦...戦国時代に逆戻り、大河ドラマを彷彿

  • アメリカは何を考えているのか

    アメリカの歴史は250年ほどです。独立前のプリマスへの植民から数えても400年ほどです。その400年ほどの間にヨーロッパの2000余年の歴史をなぞって、1945年以降は世界の覇権国の地位を確立しています。植民船で上陸、先住民アメリカ・インディアンの征服、母国イギリスからの独立、奴隷制度・南北の内戦も経験、急速な経済発展、二度の世界大戦参戦を経て覇権国になるという超高速の発展進歩です。そして戦後70余年、覇権国の地位を守り続けています。覇権国の地位を守るには経済力と軍事力が必要です。冷戦では核戦力を含む軍事力を中心に覇権国の地位の維持に努めました。その間経済力では日本が急速に追い上げました、日本が軍事力を持たず、戦後アメリカの援助で復興した友好国ですが、繊維交渉から始まって、自動車、半導体に至る経済競争の中...アメリカは何を考えているのか

  • コスパとタイパ

    コスパは「コスト・パフォーマンス」(コスト対効果)、タイパは「タイム・パフォーマンス」(時間対効果)という事のようです。コスパはビジネス界では一般用語です。専門用語では「投入産出分析」で、れっきとした意味、方法論を持っています。タイパは、最近コスパになぞらえて、「時間をかけただけの効果があったのか」を個人の感覚で評価する事のようです。「タイム・イズ・マネー」と言いますが、ビジネスの世界では「時間が掛る事はコストが掛る事」ですからコスパの中には「時間を無駄にしない」ことは当然入っています。例えば「5S」の整理整頓で「必ず決まった場所に置く」は、探す時間を省くためです。タイパの説明には大抵、「最近は忙しい世の中になったから」などと書いて在りますが、生活時間の使い方を「ビジネス並みに」効率的にというと、生まれた...コスパとタイパ

  • 消費者物価3指数:東京都区部2023年1月速報

    先週、標記、東京都区部の消費者物価指数の2023年1月速報が発表になりました。消費者物価上昇もそろそろピークを打つのではないかと予想していたのですが、案に相違して、総合で4.4%、生鮮食品を除く総合で4.3%という対前年同月上昇率で、前月(12月)4%辺りが上限かなという感じとは違ったものになりました。気になったので、2022年に入ってからの動きをチェックしてみようと思い、東京都区部と全国のグラフを並べてみました。並べてみれば東京都区部の動きも全国の動きも、総合、生鮮食品を除く総合、生鮮食品とエネりぎーを除く総合の3指数いずれもほとんど差のない動きで、何時も書いていますように、「東京都区部の数字は全国の先行指標」といわれるのも当然という感じです。東京都区部消費者物価3指数:対前年上昇率の推移(%)=(下は...消費者物価3指数:東京都区部2023年1月速報

  • SDGsと戦争

    終末時計が、あと90秒で0時という事になったとマスコミが報じました。ご承知のように終末時計は人類の滅亡の時間を午前0時として、その15分前の11時45分から0時までを示した通常の時計の4分の1の部分だけの時計です。この間まで、人類滅亡までの時間は100秒、つまり1分40秒となっていたのですが、このほどあと90秒ですと10秒進められたとのことです。進められた主な理由はロシアのウクライナ侵攻だそうで、背景には、これがエスカレートして核戦争になれば人類滅亡の危機という危機感があるのでしょう。他方、世界人類が、今最も重視している概念はSDGs「持続可能な開発目標」でょう。これは世界中が「持続可能な開発」で人類社会の持続的な発展を可能にする努力をしようと、環境やエネルギー、日々の生活や教育問題、自然との共存そして平...SDGsと戦争

  • SDGsと戦争

    終末時計が、あと90秒で0時という事になったとマスコミが報じました。ご承知のように終末時計は人類の滅亡の時間を午前0時として、その15分前の11時45分から0時までを示した通常の時計の4分の1の部分だけの時計です。この間まで、人類滅亡までの時間は100秒、つまり1分40秒となっていたのですが、このほどあと90秒ですと10秒進められたとのことです。進められた主な理由はロシアのウクライナ侵攻だそうで、背景には、これがエスカレートして核戦争になれば人類滅亡の危機という危機感があるのでしょう。他方、世界人類が、今最も重視している概念はSDGs「持続可能な開発目標」でょう。これは世界中が「持続可能な開発」で人類社会の持続的な発展を可能にする努力をしようと、環境やエネルギー、日々の生活や教育問題、自然との共存そして平...SDGsと戦争

  • 改めて、社会経済学のすすめ

    2009年、リーマンショックで円レートが$1=80円になり、日本経済が円高不況のどん底にあったころ、このブログで「社会経済学のすすめ」を書きました。経済学という学問はもともと「どうすれば経済が成長するか」を考える学問という事でしょうが、そのための経済政策としては財政政策と金融政策しかなく、最近マネー経済学が入ってきましたが、これでは道具が不足で、景気が良くならないというのが視点でした。経済を成長させるのは、もともと社会を良くするためなのだから、社会学も一緒にして、社会経済学に発展させ、少し広い視野から見た方がいいのではないかといった発想でした。ネットで見れば、「社会経済学のすすめ」というタイトルの本も出ていますし、そうした視点は多くの人が持っていると思いますが、なかなか世のなか良くなりません。そんなわけで...改めて、社会経済学のすすめ

  • 「企業は多目的組織」経営者の自覚

    企業、今は典型的には株式会社ですが、これは,人間に役に立つようにと人間が考え出したものです。では企業は何をしているのかと言いますと、人間が資本を使って「付加価値」を生み出しているのです。付加価値というと解りにくいかもしれません。ご承知の方には不要な説明ですが、日本中の企業や個人が生み出した付加価値の合計がGDPだと言えば一番はっきりすると思います。企業がそれぞれに付加価値を増やせばそれだけ経済成長するのですから、企業は国のため社会のために付加価値を作って貢献しているのです。そのために必要な人と資本は、広く社会全体から集めることが出来るのです。広く社会から生産要素(=生産手段=人間・資本)を調達して社会のために付加価値を創る企業は、前回指摘しましたように「公器」と考えられ、欧米ではCSR(企業の社会的責任)...「企業は多目的組織」経営者の自覚

  • これでは戦争犠牲者が現実になりそうですが

    今日、参議院の本会議で、立憲民主党の水岡氏の行った代表質問の中で、耳に止まった一言がありました。「戦争は絶対しないとはっきり言ったらどうか」という趣旨だったと思います。これは大変大事なことなので、総理の答弁を聞いていました。聞こえたのは「戦争がやむを得ないとは考えておりません」というものでした。はっきりしたのは「戦争は絶対やらない」とは言わなかったという事です。それに代わって使った「やむを得ないとは考えていない」という日本語は一体どういう意味なのでしょうか。これは総理にきいてみないと解らない事ですが、一般的な日本語の解釈としては、「事情によって必然的に戦争になるとは思っていない」という事でしょう。では「絶対に戦争はしない」という表現との違いは何でしょうか。「絶対に戦争はしない」というのは自分の意思決定につ...これでは戦争犠牲者が現実になりそうですが

  • 「企業は公器」日本的経営の思想

    最近改めて「企業は公器」といった経営についての高次元の発言か聞かれます。おそらく、最近の企業経営についての反省の気持ちが、日本社会の中に出てきたからではないかと思われます。戦後の日本の経営者の日本経済の再建、より良い日本社会の建設に努力した姿への想いがこうした言葉になっているのではないかなどと感じているところです。「公器」というのは「社会の役に立つためのシステム(組織)」という意味でしょう。昔から日本の企業の社是社訓には「社会の役に立つ」という一行が必ずと言っていいほど入っています。「企業は公器」という言葉と共に紹介されるのは松下幸之助の言行録や、桜田武の「桜田武論集」などです。松下幸之助は「誰でも公園の水道の水を飲める」ように、良いものを安く十分供給するのが企業の役割と言っています。桜田武は、経営者とい...「企業は公器」日本的経営の思想

  • 「異次元の少子化対策」は何のため

    岸田総理は、今度は「異次元の少子化対策」というスローガンを発表しました。異次元などという表現も、何か問題を茶化したような感じを与えますが、就任してからの「次々繰り出される」岸田流のスローガンは中身の説明がないものが多く、その数の多さと意味不明の両方から、次々出るけど、失礼ながら「何がしたいの」という感じです。思い出して挙げれば「成長と分配の好循環」から始まり「新しい資本主義」「科学技術推進」「安全保障」「子育て支援」「クリーンエネルギー戦略(原発新・増設)」「日米同盟強化」「防衛力強化に増税・国債」「敵基地攻撃能力」「新総合経済対策」「消費者物価を上回る賃上げ」そして「異次元少子化対策」、まだまだありそうですが、差し当たって(コロナ関係は別)。総理や政府の掲げるスローガンが、『単なる言葉の世界』の事では、...「異次元の少子化対策」は何のため

  • 2022年12月の消費者物価、上昇は続くが・・・

    昨日、総務省統計局より2022年12月の消費者物価指数が発表になりました。マスコミでは、この1年間に消費者物価は4%上がり、この上昇幅は41年ぶりの大幅という事です。日本の消費者物価は1974年の第一次石油危機で前年比22%(年平均)、ピークで26%上昇した後、労使の賢明な対応により年々下がり、1981年(41年前)4,94%、1982年2.75%で、その後第2次石油危機でも3.3%、バブル経済の時も1.7%がピークでした。その後は長期デフレですから4%は41年ぶりです。この4%は、格別の理由があってのことで、恐らくこの何カ月かがピークで、次第に落ち着くと思っています。これまでも毎月下のような図を見てきましたが、この3本の線の中で、日本の物価の基調をなしているのが一番低い緑色の線です。消費者物価原指数の推...2022年12月の消費者物価、上昇は続くが・・・

  • 日本経済のバランス回復に必要なこと 2

    前回は今春闘では積極的な賃上げが必要と書きました。これは多分ある程度実現するでしょう。最近のアンケート結果の3%未満の予想を超えるのではないかと思っています。マスコミでは、ユニクロが最大4割の賃上げをして、国内従業員賃金水準を海外並みに引上げるとか。サントリーは6%アップを目指す、キヤノンは一律7000円のベースアップなど、大手企業の積極的賃上げの姿勢が見え始めています。これらは、いずれも結構なことだと思います。しかし、本当に日本経済の安定成長路線のへの復帰という問題を考えれば、少し構造的な問題を指摘しておかなければならないように思います。実は、過去の賃金水準の引き下げの動きの中身を見ますと、それは、正規従業員の賃金の引き下げによるよりも、圧倒的に大きいのは、正規従業員を定年や早期退職で減らし、低賃金の非...日本経済のバランス回復に必要なこと2

  • 日本経済のバランス回復に必要なこと 1

    これから日本経済は春闘の期間に入るわけですが、前回指摘しましたように、今年はまさに異例の年で、労使が共に賃上げの必要を力説しているのです。マスコミを見ても、労使だけでなく政府も学界も評論家もみんなが、賃上げが必要と言っているのですから、必要なことは間違いないでしょう。今回は、何故そんなことになったかを確り見ておきたいと思います。話は1985年のプラザ合意、1991年のバブル崩壊にさかのぼりますが、プラザ合意による円高とバブル崩壊でその後30年ほどに亘って日本企業は賃金コストの引き下げに必死でした。賃金水準を下げなければ企業が死ぬ事(破綻・倒産)になるからです。それからリーマンショックによる円高もあり、日本企業は2012年まで、賃金コストの引き下げと生産性向上に懸命の努力をしましたが、円高分の賃金コスト引き...日本経済のバランス回復に必要なこと1

  • 日本経済のバランス回復に必要なこと 1

    これから日本経済は春闘の期間に入るわけですが、前回指摘しましたように、今年はまさに異例の年で、労使が共に賃上げの必要を力説しているのです。マスコミを見ても、労使だけでなく政府も学界も評論家もみんなが、賃上げが必要と言っているのですから、必要なことは間違いないでしょう。今回は、何故そんなことになったかを確り見ておきたいと思います。話は1985年のプラザ合意、1991年のバブル崩壊にさかのぼりますが、プラザ合意による円高とバブル崩壊でその後30年ほどに亘って日本企業は賃金コストの引き下げに必死でした。賃金水準を下げなければ企業が死ぬ事(破綻・倒産)になるからです。それからリーマンショックによる円高もあり、日本企業は2012年まで、賃金コストの引き下げと生産性向上に懸命の努力をしましたが、円高分の賃金コスト引き...日本経済のバランス回復に必要なこと1

  • 日本経済の今後を決める2023春闘

    昨日、日本経団連が今春闘に向けた「経労委報告」を発表しました。この報告書の第1号は1975年の春闘に向けて当時の日経連が発表した「大幅賃上げの行方研究委員会報告」です。この報告書は1973年の第1次石油危機後の1974年春闘で33%の賃上げが行われ消費者物価の上昇はピークで26%の上昇を記録、こんな状況を続けると日本経済は破綻するという危機感から、「無理は賃上げはやめよう」と提唱したものです。その結果は、労働側の理解・協力もあり数年を経ずして賃上げ率は正常に復し、日本経済は安定成長に戻り、スタグフレーションに苦しむ欧米所要国をしり目に、ジャパンアズナンバーワンへのスタートになっています。今回はどうでしょうか、昨年12月に連合は賃上げ目標を5%に引き上げ、昨日、経団連は、日本経済の健全な成長のためには「賃上...日本経済の今後を決める2023春闘

  • 円レート、金融政策、実体経済

    今日・明日と日本銀行の金融政策決定会合が行われます。国内の経済界の目も、世界の機関投資家の目も、日銀の異次元金融緩和政策が続くのか変更があるのか注目でしょう。日銀はアベノミクスの中で、低金利で円安を維持し、日本経済をインフレ基調にすることを目指してきました。これだけ金融を緩和すれば、円安は維持でき、物価は上がって、すぐに2%ほどのインフレになって金利引き上げも必要になり、経済は正常化すると読んでいたと思います。政府も日銀と共に揃って「2%インフレ目標」を掲げました。日銀が読み違ったのは「金融緩和→インフレ」という金融論では当然の因果関係が、日本では成立しなかったことです。上の因果関係は、日本の現実では「金融緩和→利益増加→賃金上昇→インフレ」という厳密なプロセスに従わないと起きないのですが、間に挟まってい...円レート、金融政策、実体経済

  • 輸入物価は頭打ちですが・・・

    この所もうアメリカの消費者物価は追いかけていませんが、8月の統計が出たところで、強力な金融政策と相まってアメリカの消費者物価は沈静に向かうと見当がついたからです。ところが日本の物価はどうもまだ見当が付きません。その理由はアメリカの場合輸入物価の国内価格への転嫁(便乗も含め)が直ちに行われますが、日本の場合は転嫁までに時間が掛るからかなという気がします。下の輸入物価、企業物価、消費者物価の3指数のグラフを見てみますと輸入物価の国内の企業物価への反映に数カ月かかり、消費者物価への反映には何か月どころか1年2年かかるという感じさえします。この所の消費者物価の上昇にしてもアベノミクス以来我慢していたコスト高を今になって価格に転嫁しているようなケースもあるように感じます(たとえば鶏卵)。主要3物価の推移(原指数)資...輸入物価は頭打ちですが・・・

  • 王様、皇帝の支配と民主主義

    前回は、EUと日本の縄文時代は共通点がある、それは多様性の平和共存だ、という事を指摘してきました。そして提起した問題は、多様性の平和共存が可能になる社会の枠組みというのは何でしょうかという事でした。それがはっきりすれば、人類社会、国際関係は今よりずっと良いものになるという視点です。ヨーロッパは王国が乱立していた時代は、戦争が当たり前だったようです。我々が知っている範囲でも、ナポレオンは戦争をしました。そして最後の戦争は、ドイツのヒットラーと、イタリアのムッソリーニという、形は民主主義の中から生まれた独裁者と日本の軍部の独裁も絡んだものでした。今のヨーロッパは民主主義が行き渡り、独裁者は生まれてこない状態がEUを可能にしているのでしょう。翻って日本の縄文時代はどうだったのでしょうか。これはよく解りません。し...王様、皇帝の支配と民主主義

  • EUと縄文

    今日は土曜日ですので、少し奇想天外に類する話になるのかもしれませんが、表題のようなことになりました。今、ヨーロッパはロシアとの対立で大変ですが、この問題もいずれ終わるでしょうし、そうすればEUはヨーロッパ全域の平和共存と経済・文化の発展を目指した安定した地域に戻るでしょう。EUの始まりは、ベネルックス3国の関税同盟でしょう。それがEECになりEUになって、今では27か国に拡がっています。フランスとドイツにしても、ついこの間まで戦争をしていたのです。もともとヨーロッパは沢山の国があって王様がいて領土拡張などで戦争をし、興亡を繰り返していたのです。第2次大戦後は全く変わりました、ドイツとフランスはEUの核という感じで、強い絆で結ばれた間柄のようです。将来、ロシアが民主国家になれば、EUはユーラシア大陸に拡がっ...EUと縄文

  • 中国と少し腹を割って話せないものか

    一衣帯水の隣国中国と友好親善に努めるのは日本のリーダーの主要な仕事の一つではないでしょうか。遣隋使、遣唐使以来日本は中国に学び、日本の諺の7~8割は中国の故事にちなんだものではないでしょうか。日本の思い上がりによる戦争を挟みますが、戦後は田中角栄と周恩来の話し合いから関係改善が進みました。ピンポン外交、バレーボールの大松監督の中国指導などに始まり改革開放後は、多くの企業が中国に進出、QC活動、5S、カイゼン等技術移転に貢献してきました。こうした中で、日中の協力関係が双方に大きな果実を齎すことが広く理解されるようになりました。こうしたwin=winの関係が、中国経済の急速な発展とともに、何となく変質してきたのは米中関係の影響が大きかったということが出来るようです。アメリカにとっては中国の台頭は覇権への挑戦と...中国と少し腹を割って話せないものか

  • ロシアがウクライナに進行したから

    この表題に続けて「日本も防衛力強化が必要」、あるいは「日本も集団的自衛権や敵基地攻撃能力が必要」というという事になるようです。これで「そうだ、そうだ」というほど単純な人は日本人には多くないと思いますが、現実の自民党あたりの意識の構成過程を見てきますと、結局は、極めた単純に、上のような繋がりになっているのではないかと感じでしまいます。ウクライナについてロシアが持っている意識は、歴史的な民族や言語の背景があってのことのようですが、そうした関係の認識はどこかに飛んでしまっているようです。つまりは、ロシアのウクライナ侵攻のような形で日本に侵攻してくる国があるから防衛力強化を言うのだろうと思うのですが、そんな国があるでしょうか。ロシア、ロシアがまさか日本をウクライナと同じように考えるとは思えません。日本の方で一方的...ロシアがウクライナに進行したから

  • 2022年11月「平均消費性向」反落

    今朝、総務省統計局から昨年11月の家計調査が発表されました。早速ネットで開いて見てみましたら、11月の消費は不振だったようで、残念ながら、勤労者世帯の「平均消費性向」も前年同月比でマイナス1.7ポイントという状況でした。平均消費性向の対前年同月比の推移(%)資料:総務省「家計調査」長期に亘って不振だった「平均消費性向」が昨年からは3月を除いて対前年同月プラスで推移してたので、11月、12月も上昇基調を保つかと注目していたのですが残念でした。今日の発表で、2人以上全世帯の消費支出の状況を見てみますと。何となく全般的に控えめの状況です。マスコミは、消費者物価上昇で、実質値は対前年マイナスと強調です。消費全体では名目値で対前年同月比で3.2%の増加ですが、最も増えているのは、住居22.1%、水道・光熱12.3%...2022年11月「平均消費性向」反落

  • 今日は成人の日です、成人になるとは・・

    日本の「国民の祝日」は年に16日で、国民の祝日が多い方の国になるようです。最近増えたのは「海の日」と「山の日」でしょうか。まだ増えるかも知れませんね。「有給休暇があっても半分ぐらいしか取らない日本人だから、みんなが安心して休める国民の祝日が多くてもいいんじゃないの」なんて意見も聞かれます。話を戻して「成人」ですが、今迄の20歳が、昨年から18歳になりました。20歳から2歳繰り上がったのですが。心身ともに日本人の成長も早くなったという事でしょうか、「成人の日」の趣旨は「社会人としての責任感を持って生きていく青年を祝い励ます」という事だそうですから2年早めるのもいいのではないでしょか。ただ行事としての「成人式」は学齢方式で4月を境に20歳になってという自治体が圧倒的なようですし、若年者の心身の健康に取って時に...今日は成人の日です、成人になるとは・・

  • 賃金統計の長期的推移の示唆するもの 4

    賃金統計の長期的推移の示唆するもの4前回は、常用労働者の所定内賃金の平均が1995年から最近時点までの推移で多少の波はありますが、基本的に緩やかな上昇基調にあること、それに対して日本の雇用者全体の一人当たり人件費の平均は、景気の波に揺られながら今に至る1995年の水準に達していないことを見てきました。常用労働者所定内賃金と1人当たり雇用者報酬の推移(指数:1995年=100)<再掲>これが何を表すかですが、既にお気付きの方も多いと思いますが、長期の円高不況の中で企業のコスト削減の中心であった賃金・人件費の削減は、雇用している従業員の賃下げではなく、賃金の安い非正規従業員の比率を増やす事で行われたことを示します。正規従業員の数は、定年、自主退職、退職勧奨などの形で出来るだけ減らし、新しく採用するのは非正規従...賃金統計の長期的推移の示唆するもの4

  • 賃金統計の長期的推移の示唆するもの 3

    前回は、1995年以降の1人当たり雇用者報酬の推移を見ました。数字を追ってみて、予想外の低下に驚いたところです。当時、賃下げの動きはありましたが、2003年度にはピークの1998年度から9%の下げで、名目賃金でここまで下げているとは驚きでした。さらにリーマンショック後の2012年には12%まで下がっています。当時、多くの企業で「賃下げもありうる」といった言葉は聞きましたが、日本全国の平均賃金がここまで下がるとは、信じられない所でした。同時に、これはまずいと思ったのは、2014年以降、為替レートが$1=120円と円高が解消した時点で、円安による巨大な為替差益も活用して1人当たり雇用者報酬に急速な復元(上昇)が起きるかと期待していたのですが、それが起きなかったことです。確かに1990年代以降の長期不況の中で、...賃金統計の長期的推移の示唆するもの3

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