「奥の細道」蛤のふたみにわかれ行秋ぞ (岐阜県大垣市)
門人の露通が敦賀まで迎えにきた。二人は大垣へ向かった。大垣では曾良をはじめ、多くの門人が芭蕉の到着を待っていた。・・・・・・「日本の古典11松尾芭蕉」山本健吉世界文化社1975年発行いよいよ〝奥の細道"の旅も、最後である。大垣には古くからの門弟たちが、多勢あったし、何度か訪れた土地でもあった。大垣へきて、やっとこの長途の旅も、終着駅についたという感じで、ほっと一息ついたのだ。もちろん芭蕉の生涯が旅なのだし、ここを立って、さらに伊勢の御遷宮を見に行こうと計画しているのだから、旅が終わったというわけではない。だが、細道の紀行文は、ここらで打ち止めにするのが適当だと思ったのだ。敦賀をいつ発って、どういうコースをたどって、何日に大垣についたのか、いっさいわからない。大垣には、前川荊口その他大垣藩士のなかに門弟が多...「奥の細道」蛤のふたみにわかれ行秋ぞ(岐阜県大垣市)
2024/09/13 03:05