「今昔物語」~平中が侍従の君に懸想した話~ (京都市・京都御苑)
高校生の時、クラスにとびきり美人の同級生がいた。美人なので、その人に思いを打ち明けることは(絶望的な結果しかないので)思いも及ばず、ただ憧れの雲の上の存在の人であることで満足していた。ある日、国語(古文)の授業で「今昔物語」があり、男性の先生が、「今昔物語にはいろいろな説話が載ってあり、その一つをこれから紹介します。」それが「平中が侍従の君に懸想した話」だった。先生が授業中に密かに笑う声がおこった。男子生徒が2~3人、女子生徒も2~3人。途中で笑う声が1人、2人とさらに増えて行った。我が憧れの君からは笑い声が漏れなかった。当然だと思った。こういう話は彼女には縁のない、もともとあり得ないことだから、と至極納得し、かつほっとしていた。けれど、やはり、なにか、それも違うのでないかとも思った。あのとき、彼女の表情...「今昔物語」~平中が侍従の君に懸想した話~(京都市・京都御苑)
2024/04/30 05:45