善光寺は、今年、7年に一度の御開帳にあたるので、絶対秘仏である御本尊(一光三尊阿弥陀如来)の身代わりの「前立本尊」を拝むことができる。阿弥陀如来の右手に結ばれた金糸が、五色の糸に変わり、白い「善の綱」として、本堂前の回向柱に結ばれるので、参拝者は、回向柱に触ることで、前立本尊に触れるのと同じ、ご利益を授かるとされる。5色の糸は、念仏者が臨終のときに阿弥陀仏の右手から、自分の手に掛け渡した「青・黄・赤・白・黒」色糸によって、極楽浄土に導かれるとされた。故事を知らなくても、「ごしきのたんざくわたしがかいた」と歌って祝う、七夕祭りの短冊や、端午の節句に立てる「鯉のぼりの吹き流し」も五色だ。五色の由来は、「万物は、5種類の元素からなる」と説く、中国の自然哲学「五行思想」で、日本の慣習や年中行事に深い影響を与えているので...★啓示(後編):心的革命
この世の中には、人智を超越した事象が起きるが、私は、それをキリストや釈迦のような絶対的な存在者が司るとして、崇拝することがことが出来ない。しかし、無神論者と言うわけでもなく、神社仏閣や教会へ行けば、手を合わせるレベルの漠然とした倫理観を持っている。さて、ロシア正教会の復活祭をパスハと言い、イースターと呼ばないが、キリスト教の復活大祭と言う点で、重要な祭日に変わりない。4月24日、「パスハ停戦」を期待したが、プーチン大統領は、ウクライナ侵攻を止めず、モスクワでミサに参列し、平然と平和を祈るニュースに接し、救われない気分になった。そこで、4月26日、あらゆる宗派を受け入れる長野市の善光寺を訪ね、新型コロナとウクライナ侵攻の終結を祈った。★啓示(前編):信仰
政府が、ウクライナからの避難民に対し、積極的に支援する姿勢を示すと、地方自治体も倣って、環境を整備し、受入姿勢を打ち出している。非常緊急策として、当然だと言えば一言もないが、今までと全く異なる対応で、万が一、時流に合わせた一種のブームだとしたら、問題の本質を見誤る。過去、日本の友好国トルコ国籍のクルド人を難民認定した例はないし、ミャンマーのクーデターに伴う避難民受け入れの特別な仕組みもなかったので、戸惑いを感じる。難民発生の背景が異なることは、百も承知だが、助けを求める人々に対する措置に差があるのは、好ましくない。政府が、確固たる人道上の信念に基づく難民政策を早急に確立しないと、収拾がつかなくなる。次回更新は、4月29日の予定。★ウクライナの教訓(番外編):難民政策
ウクライナのニュースが流れるのを見て、1カ月くらい前から、我が家の食卓に「無事、美味しく頂くことが出来ます」が加わった。個人レベルで何が出来るかと考えたら、平安に感謝する以外、思いつかなかった。多額の寄付をするニュースに接すると、「すごい!」と思うが、一方で、虚しさを感じる。寄付は、志であり金額の多寡ではないと思っても、心のどこかに引っかかるものがある。貧乏人の僻み、、、?ウクライナ問題の悪影響は、世界中を巻き込んでさまざまな不都合を生じているが、ただ悲惨だ、残酷だと同情ばかりしていても、らちが明かない。親が、戦争と平和について、家庭の話題として、子供と一緒に思いを深くすることの積み重ねが、遠い将来に結実する。その努力を怠らないのが、親の義務であり、人間としての務めではなかろうか。★ウクライナの教訓(後編):家庭教育
我々は、ウクライナを被害者として、ロシアを批判しているが、国際社会では、逆に支持する国もある。アメリカやEU諸国が、ウクライナへの軍事支援を強化すればするほど、戦争が長期化し、国民の犠牲が増える。それで、本当に救われるのかどうかと、素朴な疑問を払拭できない。ついては、4月24日に行われるフランス大統領選は、今後のEUや諸外国への影響度を考えると、大きなターニング・ポイントになる。二人の候補者の政策や対立軸が明確で、有権者が選択しやすく、今後5年間のフランスの立ち位置が決まるので、注目している。日本とフランスでは、選挙制度が違うが、今夏の参議院選挙では、「統一テーマ」を設けて、与野党ともにどう取り組むかを参院選の争点にして欲しい。★ウクライナの教訓(前編):フランス大統領選
昨日、「第40回びわ湖健康マラソン大会」の開催中止の手紙が届いた。昨年、5月16日に開催予定だった大会が、コロナの第4波に飲み込まれ、今年の5月15日に延期になっていたもので、2年連続で見送りになった。状況が、好転していないので、ある程度、覚悟していたが、私の走力に合った数少ないマラソン大会なので、いよいよ、出場機会が無くなりそうな気配が濃厚になって来た。ようやく、花粉症が落ち着き、レースに備えて、練習を開始しようと思っていた矢先の中止通知に、今朝、5時過ぎに目が覚めても走る気力が無かった。私の悪い性格で、目標を失うと、未練がましいと思うのだが、思考回路がマイナス・スパイラルに落ち込む。"(-""-)"★びわ湖健康マラソン大会中止
経済競争は、デジタル技術の革新により、サイバー攻撃やセキュリティ問題が浮上し、国民の生活を脅かすリスクが顕在化した。日本政府が検討している「経済安全保障法案」は、「サプライチェーン」、「基幹インフラ」、「技術基盤」、「特許非公開」の4分野を柱とし、対象分野が多岐にわたり、複雑で難解だ。経団連は、「ルールに基づく、自由で開かれた国際経済秩序の下で、企業が自らの責任で国内外問わず自由に事業活動を展開できる環境を維持・改善することが重要」とする提言をまとめた。総論としては妥当だが、国民生活への影響度や行動規範等々、「デジタル時代に相応しい国家と国民生活のあり方」まで、ブレークダウンして欲しい。G7の幸福度ランキングで劣等生の「人生の選択の自由度」、「寛容さ」を改善するためにも、個人レベルにおける行動倫理のルール化・見...★経済安全保障(後編):見える化
「経済安全保障」とは、経済体制や社会生活の安定を維持するために、支障となる脅威を取り除こうとするものだが、何も目新しい概念ではない。新型コロナやウクライナ紛争で、物価高が問題視され始めたが、「経済安全保障」の柱の一つにあるサプライチェーンの脆弱性の問題に当てはまる。国別の食料自給率では、第1位カナダ264%、2位オーストラリア224%、3位アメリカ130%、4位フランス127%と続き、日本は極端に低く、37%に過ぎない。(農水省2018年度・カロリーベース資料)2010年、当時の民主党政権が、2020年までに食料自給率を50%にする目標を立てたが、安倍政権になって、目標値自体を45%に引き下げてしまった。その後の農業戦略は、食品を安価で輸入・供給し、高付加価値農産品を輸出して、外貨を稼ぐアベノミクス・スキームを...★経済安全保障(前編):食料
「軍事的中立」を掲げてきたフィンランドが、NATO加盟を検討し、同じ立場だったスウェーデンも、加盟申請に傾いている背景には、NATOの集団防衛と抑止力以外に、自国の防衛手段がないとの考えだとしたら、不幸な話だ。国連がまとめた「2022年世界幸福度」調査では、フィンランドが、5年連続で一位に輝き、スウェーデンは7位で、北欧の国が上位を占めている。G7国では、ドイツが13位、カナダ14位、イギリス17位、アメリカ19位、フランス21位、イタリア28位で面目を保っているが、日本は、最下位の56位だ。評価6項目(①人口あたりGDP、②社会的支援、③健康寿命、④人生の選択の自由度、⑤寛容さ、⑥腐敗の認識」)で、日本は、④と⑤が極端に劣る。軍備や景気、収入・支援等の経済を重視すると、真の幸福な生き方を見失わないかと危惧して...★覚醒!(番外編):幸福度
北海道新幹線の全線開通は、2031年の予定だが、新函館と札幌を結ぶルートは、ニセコ地区を通る。私は、2008年と2011年に、レンタカーでそのルートを回ったが、その間に景観が違っていて驚いた。中国人投資家が、新幹線開通をに見越して、土地を買い占めていると聞いたが、先日のロシア高官の発言と、中国の「一帯一路」と重なり、不気味に感じる。さて、韓国の馬山市が、2005年に条例で「対馬島の日」を制定した。無論、対馬は、長崎県対馬市だが、距離的には朝鮮半島からの方が近く(約50㎞)、韓国人の不動産投資のターゲットとなっている。島内には、「日ロ友好の丘」もあり、ロシアや韓国と日本の歴史を見守ってきた島は、日本国内の外国のようで、紛争が激化した際の避難先になりかねない。国際的には、他国の人間が土地を買う際には、制限があるのに...★覚醒!(後編):領海防衛
リヒテンシュタインが提出予定の「安保理の常任理事国が拒否権を行使した場合、その理由説明を義務づける」改革案は、実現すれば、一歩前進になる。日本政府も共同提案国に名乗りを上げたが、アメリカが、支持表明した後なので、また後れを取った。私には、日本政府が、独自の改革案を打ち出して、国際社会をリードする気概が感じられない。そろそろ、アメリカの顔色を窺い、事前に事務折衝を進めるような古い外交姿勢から脱却して貰いたい。現に、ロシア政府の有力議員が、「北海道はロシアのもの」で、「日本の政治家は、第二次世界大戦の教訓を学んではいない。」等と暴言を吐いても、経済制裁の意趣返し発言だとして、意に介さない。ウクライナ問題を契機に、日本は「日米安保神話」が崩壊しつつあることを認識し、平和ボケから覚醒すべき時期の到来だと思う。★覚醒!(前編):外交姿勢
諸外国から寄贈されたモニュメントとメッセージを通じて、「平和」が、人類共通の揺るぎない願いでありながら、その当然のことが、どうして、一番、難しいのだろうと、素朴な疑問を感じた。誰もが、平和な世界を望み、それを実現させるのが国のリーダーの役割だが、政治体制や宗教観などの違いで、平和の概念が違うものだろうか、、、?さて、念願の目的を果たしたので、いつもの気まぐれ旅に戻った。桜は、散り始めていたが、好天に恵まれ、徒歩観光日和だった。時間の制約がないので、60年前を回顧しつつ、グラバー園や大浦・浦上の両天主堂、オランダ坂、眼鏡橋、新地中華街等々、主な観光名所を巡り、久々に筋肉疲労を感じる距離を歩き回った。夕食後、ホテルの最上階のラウンジから、夜景を見る積りだったが、温泉に浸かり、寝てしまった。「共感疲労」の呪縛から解放...★平和祈念の旅(番外編):余禄
平和公園にある「平和祈念象」は、高さ9.7mの青銅製で、銘板に刻まれた製作者の意図は、「天を指した右手は“原爆の脅威”を、水平に伸ばした左手は“平和”を、軽く閉じた瞼は“原爆犠牲者の冥福を祈る”」。高校の修学旅行以来、60年ぶりに対面したが、当時の像は、真新しい(1955年完成)輝きを放っており、私は、記念写真を撮るだけの未熟な若造だった。さて、公園内にある「平和の泉」を取り囲むように配された「世界平和シンボルゾーン」には、世界各国から寄贈された沢山のモニュメントが並び、それぞれに平和を祈念するテーマが付いている。ドイツの「諸国民友好の像」、チェコスロヴァキアの「人生の喜び」と並んで建つ、旧ソ連から1985年に寄贈された「平和」像(2.5m)をみつけた。母親が子供を抱いた姿で、親子の愛と平和を表現している。二人...★平和祈念の旅(後編):平和の像
食欲があるのに、行動意欲がわかない無気力な生活が続き、診察を受けたが、どこにも著変がなかった。新型コロナに加え、ウクライナ侵攻報道で、心理的ストレスをため込んだ「共感疲労」か「うつ」かを疑ったが、それほど、重症とも思えなかった。原因がストレスなら、対処策も明白と言われそうだが、思惟の世界は、無限に広がる。雑念や妄想を容易に消去できない性分なので、厄介だ。"(-""-)"しかし、気持ちの切り替えの早さも特技なので、長崎の平和公園を訪ねることを思いついた。これまで、沖縄の「平和の礎」や広島の「原爆ドーム」へは、何度も足を運びながら、長崎へは、行きそびれており、忘れ物をしたように感じていた。この機会を逃すと、もう体力的にも難しくなるとの思いが手伝って、4月5日に出立した。★平和祈念の旅(前編):共感疲労
私は、これまで、自民党の軍事力を強化する政策に批判的だったが、ウクライナ問題が勃発した今、「対岸の火事」で済まされないと、思い直している。過去、日本の防衛費は、1976年に三木内閣が「対GDP比1%を上限とする」方針を閣議決定し、これが歴代内閣の目安になった。防衛費は、第二次安倍政権発足の2012年約4.7兆円から、2020年度約5.1兆円まで、毎年、最高額を更新し、野党から批判を浴びた。しかし、自民党は、さきの衆議院選挙で、「防衛費をGDPの2%水準にする」公約を掲げた。自民党が単独過半数を確保したので、「国民の信を得た」として、この公約を実行すると、防衛費は約11.9兆円に該当し、現在の二倍に膨張する。ウクライナ問題を契機に、禁句の「憲法改正」や「徴兵制」を含めて、国民自身が、「自国防衛」のあり方を、真剣に...★遠のく北方4島(番外編):自国防衛
安倍元総理は、あるテレビ番組で「プーチン大統領は、NATOをどんどん拡大した米国に不信感を持っている。」とし、「領土的野心ではなく、ロシアの防衛という観点から行動を起こしている。」と解説した。それを正当化しないと言葉を繋いだのは当然で、軍事侵攻の正当性を主張するプーチン大統領の心情を斟酌している風にも受け取れる。それほど、プーチンと親密な関係を築いたはずの安倍元総理に、欧米からもウクライナからも仲介役を求める声が、まったく上がらない。国際社会が、27回にものぼる安倍・プーチン会談が、領土返還交渉ではなく、政権延命のアリバイ作りだと受け止めていた証拠だ。プーチン大統領が「経済制裁=宣戦布告」として、核兵器使用をほのめかすと、手のひらを返すように、「核の共有」案をぶち上げた。4島は、いづこへ?★遠のく北方4島(後編):君子豹変?
ウクライナ問題で、日本政府が、ロシアに対する経済制裁を強化したことで、北方領土が遠のくのは、やむを得ないとしても、顛末を国民に説明すべきだ。安倍元総理は、27回もの首脳会談を重ねて、「シンゾーとウラジーミルとの間で、必ず、解決する」と、自信満々だったが、プーチン大統領は、終始、「双方に痛みがある形」の解決を譲らなかった。功を焦った元総理は、周囲の反対を押し切り、4島一括返還を2島に譲歩し、経済協力を先行した。したたかなプーチン大統領の思うつぼで、次の一手は、「返還すれば、米軍基地が出来る」と、足元を見透かされ、日本側だけが痛みを負う形になった。長期政権に胡坐をかいて、ゴルフ外交に明け暮れた軟弱外交が残した最悪の”負の遺産”といえよう。★遠のく北方4島(前編):経過
ウクライナで撮影されたイタリア映画「ひまわり」が再上映され好評と聞いて、複雑な思いがする。舞台は、ウクライナの首都から約500㎞離れた都市で、旧ソ連も制作協力した作品だが、半世紀以上経って、その土地で、ロシア軍が、多くの兵士や市民を埋める暴挙を起こしている。企画側は、「戦争とは何か」を問い直してほしいと訴えるが、映画もプロパガンダの一種であり、残酷な現実とダブり、心の生傷をえぐられるようで不快だ。戦争とは、虚無であり、「ひまわり」より古い映画「西部戦線異状なし」のエンディングが思い浮かぶ。主人公が、戦死した日の司令部報告に「西部戦線異状なし、報告すべき件なし」と記載されたように、戦争は人間を呑み込んでしまう。"(-""-)"次回更新は、4月10日の予定。★ウクライナの現実≠映画
ウクライナ侵攻を巡り、ロシア国内では、奇妙なことにプーチン大統領の支持率が上がっている。支持率調査自体、色がついていれば、結果は明白で、それをそのまま信じ込めないが、ロシア国民には、我々と違った影響を与えることになる。公権力が、国民を一定方向に誘導し、白を黒と信じ込ませることがプロパガンダの恐怖だが、マスコミの報道偏向も、また同種の危険性を持っている。日本国内におけるウクライナ報道を見ていると、爆撃の映像にプーチンの顔を重ねるので、「プーチン憎し」が「ロシア人憎し」になる可能性がある。バイデン大統領の「プーチンを政権の座に、、」発言が、反響を呼ぶように、リーダーや世論形成層が持つ『社会的影響力』の大きさは、測り知れない。★プロパガンダの威力
昨日の記事は、エイプリルフールにちなみ、書いたものだが、かねてからの私の疑問と願望でもある。私なりのシナリオは、「国連改革特使団」を設け、ロビー活動を展開する。構成メンバーは、「7人の侍」とし、河野元外相を団長として、舛添元都知事、橋本元大阪市長プラス外務官僚4人の人選も決めた。外柔内剛型の政治家にはなく、国際感覚と政治・法律などに精通し、多少の摩擦を恐れない突破能力を持ち合わせた人材ばかりだ。私は、国連改革なくして、世界平和の実現無しと思っており、3人のメンバーは、一癖も二癖もあるが、「人材はひとくせあるものなり器材なるが故なり」で、結果を問いたい。そして、それが成功すれば、日本が国際社会で確固たる地歩を固めることが出来ると確信する。★1日遅れの妄想
国連改革は、過去、何度も議論されたが、5か国の厚い壁に加え、非常任理事国10か国間の確執で見送られてきた。日本の場合、韓国が反対するし、ドイツの場合、イタリアが反対と言う風に、足並みが揃わなかった。しかし、国連の維持費の国別分担金では、日本が3番目、ドイツが4番目に多く、ロシアは10番目に過ぎない。出資額の多寡で、機関の意思を決定するのは邪道だが、意見の重みにはなる筈だ。ロシアに対する経済制裁が長期化すればするほど、経済力の弱い国が、もっともっと困窮する。制裁合戦を歓迎する国が無い以上、国連加盟国が、団結して戦争終結への道筋作りに努力することを躊躇すべきでない。そして、日本政府が、そのイニシアティブをとる資格と能力を持っていると信じたい。★国連改革(番外編)
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