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  • 日銀による異次元緩和政策の自己検証は「後の祭り」

    第三者機関抜きの自己弁護2024年12月28日日銀はアベノミクスの異次元緩和を中心に、過去25年間の「政策多角的レビュー」をしました。安倍首相・黒田総裁が2013年から始めたアベノミクスは10年に及ぶ前例のない冒険であり、開始してから2、3年後には検証しておかなければいけなかった。今ごろになって公表しても「後の祭り」です。アベノミクスは安倍政権、その同調者は「壮大な実験」ともてはやしていました。一方、当初から「こんな無謀なことを続けたら、足を抜けなくなる」と指摘する専門家もおりました。結果は批判派の指摘の通りになりました。「実験」であるなら、早期に検証し、軌道修正をしておくのが常識なのです。さらに日銀当局による自己検証ですから、都合の悪い部分に触れたがらない。企業の不祥事でも、外部の専門家で構成する第三者...日銀による異次元緩和政策の自己検証は「後の祭り」

  • 「紙媒体の帝王」の読売主筆の亡き後の負の遺産は部数激減(終)

    新聞の浮沈を握ったネット情報2024年12月26日30年間もトップの座にあった読売新聞主筆のナベツネさんに対し、毀誉褒貶、記者と政治家の一体化などの批判がある一方で、言論界、政界、スポーツ界などに残した足跡の大きさを、ライバル紙までが大々的に報道するという異例の波が起きました。ほとんどのナベツネ論に欠落しているのは、紙媒体がネット媒体に主役を譲っていく歴史の流れの中で、新聞経営者としてどう対応しようとしてきたのか、どう対応していこうとしていたのかという視点です。このままでは、新聞はやせ細り、命運が尽きる新聞社が地方紙から増えてくるかもしれない。全国紙の中には、地方紙の部数にレベルに落ち込んいく社もあるでしょう。「紙媒体の帝王」はどうしようとしていたのか。「紙の新聞の社会的使命(取材・事実の発掘、ニュースの...「紙媒体の帝王」の読売主筆の亡き後の負の遺産は部数激減(終)

  • ③マキュアベリを愛した読売新聞主筆の人脈作り

    歴代大蔵次官との懇談の場も2024年12月22日98歳で死去した読売新聞主筆のナベツネさんは、政界、官界、政治部を中心とする記者仲間、野球界、相撲界と人脈は幅広く、私が見聞したのはそのごく一部にすぎません。単に交友関係というより、戦略的に人脈を広げていく姿を垣間見ることができました。ナベツネさんが重視していたことの一つは、大蔵省官僚に対する人脈作りだったに違いない。歴代事務次官複数との定期的な会食の場を設けていたはずです。私は財政研究会(大蔵省記者クラブ)に何度か在籍したことがあり、親しかった元事務次官もおり、時々、その様子を聞くことができました。次官側が1人、2人というのではなく、かなりまとまった人数のようで、ナベツネさんの政治情報の広さを知れば、大蔵省側もそれに応じるだだけ価値があると考えていたのでし...③マキュアベリを愛した読売新聞主筆の人脈作り

  • マキュアベリの君主論を実践していた読売ナベツネさん②

    社内では異論を封じる2024年12月21日98歳で死去した読売新聞主筆の渡辺恒雄さんは、マキュアベリの君主論を愛読していたということを第一回目で書きました。君主論の「君主は愛されるより恐れられるほうがよい」の箇所を、社内にいる記者たちは何度も聞かされました。私も主筆に怒鳴りつけられた経験が何度かあります。中曽根氏が固執した大型間接税(売上税)の導入構想(82年)が持ち上がって、大蔵省(現財務省)の主税局長を講師に招いて勉強会が開かれました。ナベツネさんはもちろん、政治、経済部などから記者が参加しました。ナベツネさんは「独裁者」でありながら、憲法問題にせよ、税制の問題にせよ、多くの場合、この種の勉強会を招集し、専門家の意見を聞いて結論を出すというプロセスを踏みました。「独裁者」であっても、「独断」で方針を決...マキュアベリの君主論を実践していた読売ナベツネさん②

  • マキュアベリを愛読していた読売主筆ナベツネさん①

    恐れられる君主になれと2024年12月20日読売新聞主筆の渡辺恒雄氏が98歳で死去しました。すでに人物の大きさ、政界に対する影響力の大きさ、ジャーナリストとしての評価の仕方など、評伝が溢れかえっています。読売新聞社でナベツネさんに直接、接する時期がありました。ナベツネさんは活動領域が広く、その全容を追うことは私はできません。印象に残ったごくわずかエピソードをお伝えすることも、なんらかのお役に立てると思い、書くことにしました。読書家だった同氏は書店にいくと、関心のあるコーナーに行き、しばらく本のタイトルを眺めています。選んだ1、2冊を買うのではなく、店員さんを読んで「両腕を広げ、ここからここまで買いたい」と告げ、用意された台車の手押し車に何十冊も乗せ、地下の駐車場まで運び、トランクに積むのです。店員さんも手...マキュアベリを愛読していた読売主筆ナベツネさん①

  • USスティール買収失敗なら日鉄トップの辞任必至

    政治的リスクへの感度が欠如2024年12月14日日本最大の鉄鋼メーカーによる米国の歴史的象徴・USスチールの買収は、ほぼ絶望的になりました。日鉄の副会長は「年内に買収完了できる」と、楽観的な見通しを語っていました。社運をかけて2兆円を投じる一方、政治的なリスクに対する備えが不足していました。米国の歴史的象徴を買収し、日鉄の成長戦略の一角にしようとした経営計画が失敗したとなれば、経営トップは辞任し、経営責任を明確にするよう迫られるでしょう。米政権は経済的合理性に欠けていると批判できても、それが今のアメリカなのですから、日鉄は免責されません。任期がごくわずかとなったバイデン大統領が、買収阻止の方針を改めて固めたと報じられました。今月23日が審査期限です。トランプ次期大統領はさらに強硬な反対派で、審査期限を延ば...USスティール買収失敗なら日鉄トップの辞任必至

  • 三菱銀の貸金庫事件で連想する日銀は政府の貸金庫

    巨額の国債が詰まっている2024年12月9日三菱UFJ銀行で行員が4年半にわたって、貸金貨から顧客の現金や貴金属を盗んでいた事件が起きました。被害総額は時価10数億円だそうです。60人分の資産で、減っていることに気づいた顧客の問い合わせで発覚しました。まあ、盗まれていることに気が付かない富裕な利用客が大勢いるのに驚きます。その後、続報らしい続報がないところをみると、被害額の確定、証拠固め、法的な解釈などに手間取っているのでしょう。貸金庫には銀行が損害保険をかけているにしても、貸金庫の管理責任を担っていた行員の犯行ですから、頭取以下10数人のトップらに1人平均1億円、計10数億円を弁償させたいくらいのとぼけた事件です。よくある「役員賞与30%を6か月、返済」などという甘いものでは済まない。現金は預からないと...三菱銀の貸金庫事件で連想する日銀は政府の貸金庫

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