石毛拓郎『ガリバーの牛に』(7)
石毛拓郎『ガリバーの牛に』(7)(紫陽社、2022年06月01日発行)7篇目「空から、蛇が」には、注がついている。「1997年8月、永山則夫の死刑が執行された。著書の印税は「永山子ども基金」となり、南米ペルーで働く子どもらの活動資金や学費として、活用されている。」このことを、どうとらえればいいのだろうか。石毛は、ペルー、リマに、空から降ってきた蛇と子どもを対話させている。なぜ、空から降ってきたのか。蛇は応えていった--秋の暮れ、もの憂いのついでに、子どもを噛んでしまった。さらに子どもらは口々に言い放った--手足のない、くねり歩きを馬鹿にされたのかい?(略)--おまえの無知のなせるわざが、そうさせたのか?--おまえの歯牙は、事のついでに、噛むものではない!苦境に立った蛇が訴える--さっきまで、きみらの仲間にも説教...石毛拓郎『ガリバーの牛に』(7)
2022/04/30 13:29