仏陀の智について・如実智と如量智のあり方
元来、煩悩障と、所知障、つまり、無明の習気をも断じてある仏陀は、離戯論のみをご覧になられてあります(戯論寂滅)。要は、空性の現量了解となります。この際における世俗のありようは、もちろん縁起的あり方としてそのままなのではあるが、ただ、仏陀の如実智としては、空性の面のみが智に映えられてあるのであります。まさに虚空のような空性のみしか仏智には映えておられないのであり、この時、世俗のありよう、世俗の顕現の一切は仏陀においては完全に消滅しています。この悟りによる仏智の空性の認識状態における世俗の顕現の一切の消滅してあるありようを、私たちが勘違いして、世俗も空性であるから悟りだとするのが、煩悩即菩提とか、生死即涅槃という誤った概念となってしまっているのであります。そもそもこの言葉自体が間違っているのであります。誤解を...仏陀の智について・如実智と如量智のあり方
2023/03/30 13:04