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  • 歴史の証拠と修正と/異国襲来(鎌倉歴史文化交流館)他

    ■鎌倉歴史文化交流館企画展・文永の役750年『異国襲来-東アジアと鎌倉の中世-』(2023年12月16日~2024年3月9日)久しぶりに鎌倉に行ってきた。お目当ては、この展覧会。1206年に建国されたモンゴル帝国は、文永11年(1274)と弘安4年(1281)に日本へ侵攻する。本展では、絵巻研究の進展や元寇沈没船の発見により明らかになりつつある、モンゴル襲来の実像に迫るとともに、当該期を経て花開いた鎌倉の文化的側面を紹介する。鎌倉市教育委員会と鎌倉の諸寺が所蔵する資料と、長崎県松浦市教育委員会の元寇沈没船資料の組合せで構成されているが、なぜか後者は1月19日から展示だったので、揃ったところを見計らって参観してきた。たいへん満足である。元寇沈没船が見つかったのは、長崎県の伊万里湾に浮かぶ鷹島の南岸地域で、2...歴史の証拠と修正と/異国襲来(鎌倉歴史文化交流館)他

  • 漆器と伊万里大皿/うるしとともに(泉屋博古館東京)

    〇泉屋博古館東京企画展『うるしとともに-くらしのなかの漆芸美』(2024年1月20日~2月25日)住友コレクションの漆芸品の数々を、用いられてきたシーンごとにひもとき、漆芸品を見るたのしみ、使うよろこびについて考える。私は漆工芸を見るのが好きなので、いそいそと出かけた。メインはやっぱり茶道具かなあ、あるいは蒔絵の手箱や硯箱。という私の予想は、最初の展示室「シーン1.宴のなかの漆芸美」で大きく裏切られる。並んでいたのは、明治~大正時代の住友家で用いられていた膳椀具。『扇面謡曲画会席膳椀具』の丸盆は、漆黒の地に閉じた扇と開いた扇が描かれ、開いた扇は「留守模様」で、それとなく謡曲の演目を暗示する。刀と烏帽子と千鳥で「敦盛」とか、紅葉と鱗文で「紅葉狩」という具合。ただ、本当に控えめな絵柄で、少し離れて見ると、扇が...漆器と伊万里大皿/うるしとともに(泉屋博古館東京)

  • 扇面図流屏風の源氏絵など/大倉集古館の春(大倉集古館)

    〇大倉集古館企画展『大倉集古館の春~新春を寿ぎ、春を待つ~』(2024年1月23日~3月24日)令和6年の春を祝し、干支や吉祥、花鳥風月をテーマとした絵画を中心に展観する。かなり見応えのある作品が揃っていた。宗達派の『扇面流図屏風』はいつ以来だろう?左右が別々のケースに展示されていた。波間を不安定に漂う扇面には、金・紺・碧・白など少ない色数で、メリハリのある草花などが描かれ、よく見ると細い筆で古今和歌集の歌が添えられている。さらに扇の間に小さな源氏絵の色紙が貼られているのだが、もとは波と扇面だけが描かれており、後の時代に源氏絵が貼り付けられたと見られているそうだ。源氏絵の主題は《右隻》(1)葵(2)須磨(3)薄雲(4)常夏(5)空蝉(6)玉蔓(7)柏木《左隻》(8)花宴(9)夕顔(10)若紫。すぐに分かっ...扇面図流屏風の源氏絵など/大倉集古館の春(大倉集古館)

  • もうすぐ休館・山の上ホテル

    お茶の水の山の上ホテルが老朽化対応を検討するため、2024年2月13日から長期休館になるというので、見てきた。私は通学・通勤で、長いことお茶の水を使っていたけれど、山の上ホテルを使ったことは、数えるほどしかない。こんなことなら地方にいて東京に出張するとき、1回くらい泊まっておけばよかった。バー「ノンノン」に友人と来たのは、もう20年くらい前かもしれない。頑丈そうでおしゃれな鉄製の装飾。あまり広くないロビーの窓際には、スウェーデンの陶芸デザイナー、リサ・ラーソンのライオンが置かれていた。いつか休館が明けたときも、この子たちに会えるといいな。併設の「山の上教会」も開放されていたので見学することができた。ガラス越しに青空が見える素敵な教会!こういう教会の結婚式に立ち会ってみたかった。もうすぐ休館・山の上ホテル

  • 歴史を掘り、人に会う/京博深掘りさんぽ(グレゴリ横山)

    〇グレゴリ横山『京博深掘り散歩』(小学館文庫)小学館2023.11お正月に京博に行ったら、ミュージアムショップに本書が積まれていた。京博のウェブサイトに2021年4月から2023年3月まで「グレゴリ青山の深掘り!京博さんぽ」のタイトルで連載されていた漫画エッセイに加筆・改稿したものだという。京博のサイトにはさんざんお世話になっているのに、この連載の存在を全く知らなかったので驚いた。刊行は2023年11月12日とあるが、私が昨年最後に京博に行ったのは、ちょうどその頃で、タッチの差で陳列を見逃したのではないかと思う。ちなみに東京の書店では、全く見かけた記憶がない。地域差?ウェブサイト公開時の順番はよく分からないが、本書の内容は「敷地と建物」「京博で働く人々」「文化財を守る人々」の三部構成に整理されている。京博...歴史を掘り、人に会う/京博深掘りさんぽ(グレゴリ横山)

  • 2024年1月展覧会拾遺(東京の展覧会から)

    正月以降、見てきた展覧会をまとめて。■静嘉堂文庫美術館『ハッピー龍(リュウ)イヤー!〜絵画・工芸の龍を楽しむ〜』(2024年1月2日~2月3日)初春にふさわしく、今年の干支・龍をモチーフとする絵画・工芸を集める。刀装具、印籠、茶釜など、さまざまなジャンルの作品が並ぶが、やはり見どころは、龍の本場である中国の工芸品だろう。景徳鎮官窯の青花や五彩の大皿や大瓶、螺鈿や堆朱も、旧蔵者の財と権力を想像させる、堂々とした姿のものが多かった。面白かったのは『紺地龍"寿山福海"模様刺繍帳』で、清朝皇帝の龍袍を、茶室の入口に掛ける帳(とばり)に仕立てたものだという。同様のリフォーム品には『紫地龍文錦卓掛』(色合いが好き、ビロードふうの蝦夷錦)や『紅地龍獅子楼閣模様金入錦帳』(短足で豚鼻の獅子がかわいい)もあった。また「文庫...2024年1月展覧会拾遺(東京の展覧会から)

  • 雇用労働の多様な発展/仕事と江戸時代(戸森麻衣子)

    〇戸森麻衣子『仕事と江戸時代:武士・町人・百姓はどう働いたか』(ちくま新書)筑摩書房2023.12歴史的に見れば、絶えず変化してきた人々の働き方。本書は、現代日本人の働き方の源流を江戸時代に求める。その前提として、中世においては、人々が自ら選んだ仕事に従事し、その労働に対して報酬を受け取るという働き方は一般的ではなかった。ある程度の裁量権を持つ自立的な商人・職人・農民は生まれていたが、給金や現物による報酬を介することなく、力による支配を受けて種々の労働に従事する人々が多かった。江戸時代には、人身売買や隷属関係が縮小し、貨幣制度の発展によって、本格的な雇用労働の時代が始まる。以下、本書は諸身分における「働き方」を順番に紹介していく。はじめに武士階級の旗本・御家人の場合。旗本の上層部は知行取で領地を与えられた...雇用労働の多様な発展/仕事と江戸時代(戸森麻衣子)

  • 中年刑事の再生/中華ドラマ『三大隊』

    〇『三大隊』全24集(愛奇藝、2023年)1998年、寧州市警察の「三大隊」は、凶悪犯の王大勇と二勇の兄弟を追っていた(三大隊は隊長の程兵のほか6人の刑事チームとして描かれている)。住民を巻き込んだ路上の大乱戦の末、ついに二勇を捕まえたが、王大勇は逃してしまう。程兵による尋問の最中、二勇は容態が急変して死亡。程兵は責任を問われ、傷害罪で11年の懲役刑に服することになる。2007年秋(刑期を9年6か月に短縮されて)程兵は出獄。しかし妻の劉文芳は娘の桐桐を連れて離婚し、別の男性と再婚していた。三大隊はすでに解散。刑事を続けていたのは最年長の老馬と最年少(女子)の林頴だけで、老馬は停年を迎えていた。ほかの4人は刑事を辞めて転職していた。程兵ら三大隊の面々が師父と慕う七叔は、脳梗塞で倒れて老妻の介護を受けていた。...中年刑事の再生/中華ドラマ『三大隊』

  • 古装SF・ホラー・アクション/中華ドラマ『天啓異聞録』

    〇『天啓異聞録』全12集(愛奇藝、2023年)年末年始に楽しませてもらったドラマ。明の天啓年間、錦衣衛の一員である褚思鏡は、山海関を超えて、雪の積もる遼東地方に赴いた。この地方で奇妙な疫病が流行っており、感染した者は妖魔の餌食になるという噂を確かめるためである。褚思鏡は寧遠城で楊公公に拝謁したあと、韃官(モンゴル系)の伯顔とともに沿岸の寧海堡に向かう。寧海堡の周辺には、烏暮島の島民が出没していた。彼らの動きを怪しんだ褚思鏡と伯顔は、夜の海を泳いで烏暮島に渡る。島で二人が見たものは、皮膚が鱗化する奇病に苦しむ島民、長老とその弟子、黒衣の集団、謎の少女、そしてクモ形の怪物…。長老と島民たちは、島の秘密が外に伝わることを恐れ、伯顔を捉えて幽閉する。褚思鏡は、謎の少女・沈淙の助けを得て、舟で海上へ逃れる。その褚思...古装SF・ホラー・アクション/中華ドラマ『天啓異聞録』

  • 2024洗濯機買い替え

    年末から挙動が不安定だった洗濯機が、とうとう年明けに壊れてしまった。いつまで待っても脱水が完了せず、蓋のロックが外れなかったので、最後は蓋を壊して中の洗濯物を取り出した。日立のNW-500MXという機種で、ネットで調べたら、2012年1月発売だという。そうだとすると、2013年4月に札幌に転任したのを機に購入したのではないかと思う。札幌の宿舎では、風呂場の蛇口から給水するしか設置場所がなくて、風呂場のドアが閉められない状態で2年間暮らした。つくばの宿舎は、洗濯機専用の給水口があったが、設置場所が室内だったので、振動音に悩まされた。今の住まいは、設置場所がベランダで、雨風に晒されっぱなしだったので、寿命を縮めてしまったかもしれない。壊れた洗濯機がリサイクル回収で搬出されていくのを、なんだか寂しい気持ちで見送...2024洗濯機買い替え

  • 原作改変の二作品/文楽・平家女護島、伊達娘恋緋鹿子

    〇国立文楽劇場令和6年初春文楽公演第3部(2024年1月6日、17:30~)2年ぶりに初春文楽公演を見た。大阪で見る文楽、特に初春公演は格別。いつものお供え餅とにらみ鯛。大凧の「辰」の揮毫は、京都・壬生寺の松浦俊昭貫主による。そういえば、12月に同劇場で壬生狂言の公演があったのだ。壬生狂言、見たことがないので一度見たいと思っている。・『平家女護島(へいけにょごのしま)・鬼界が島の段』名作なので何度か見ている。前回は2018年の初春公演で、俊寛僧都は今回と同じ玉男さんだった。前回の記憶は曖昧だが、舞台に登場した俊寛のたたずまいにすぐに引き込まれた。11月の文楽公演のプログラムに玉男さんのインタビューが掲載されていて、聞き手が「近年ますます、初代玉男師匠に似てこられたように感じます」と話を向けていたのを思い出...原作改変の二作品/文楽・平家女護島、伊達娘恋緋鹿子

  • 2024年1月関西旅行:京都・佐々木酒造あたり

    先週の三連休は関西で遊んでいたので、今年の大河ドラマ『光る君へ』の第1回放送は京都・二条城近くのビジネスホテルのテレビで見た。最終日は早めに東京に帰ろうと思って、ふと考えたら、紫式部の夫・藤原宣孝役の佐々木蔵之介さんの実家「佐々木酒造」が近くにあることを思い出した。朝イチで、ぶらぶら歩いて寄ってみることにした。場所は丸太町通の北側。このへんは観光寺院がないのでほとんど来たことがない。ふつうの住宅街の路地に入ると、瓦屋根の木造家屋の前に黄色いケースを積み上げた搬入スペースがあって、その先に店舗の入口が見えた。杉玉の隣りには、京都風の簡素な正月飾り。とてもよい。角を曲がると、絵に描いたような造り酒屋の蔵が続く。煙突。調べたら、昔は酒米を蒸したり火入れをしたりするための燃料として石炭や木炭を使っていたため、燃焼...2024年1月関西旅行:京都・佐々木酒造あたり

  • 2024年1月関西旅行:辰づくし(京都国立博物館)他

    今週は軽井沢出張が入ってブログが書けていなかった。関西旅行の記録続き。2日目は京都周遊。■京都国立博物館新春特集展示『辰づくし-干支を愛でる-』(2024年1月2日~2月12日);特別企画・特集展示『弥生時代青銅の祀り』(2024年1月2日~2月4日);修理完成記念・特集展示『泉穴師神社の神像(2024年1月2日~2月25日)私は常設展モードの京博が大好きなので、お正月はとてもいい。3階の「陶磁」は京焼の色絵の名品がお正月らしく華やか。中国磁器の磁州窯や青花蓮華文盤も彩りを添える。三彩馬俑、男子立俑、鎮墓獣なども(明器だけど)晴れやかな雰囲気。2階「絵巻」は京都の寺院に伝わる江戸時代の縁起絵巻が3件。続く『辰づくし』には、濃いオレンジ色の『龍袍(金黄地綴織)』が出ていた。金黄(金杏)色は貴妃や皇子が着る色...2024年1月関西旅行:辰づくし(京都国立博物館)他

  • 2024年1月関西旅行:女流画家たちの大阪(大阪中之島美術館)他

    新年の三連休は関西方面で遊んできた。このところ、春夏秋は京都のホテルがほとんど取れなかったので、とりあえず宿泊を確保したところで安心して、ギリギリまで計画を立てるのをサボっていた。年明けに、慌てて新春文楽公演のチケットを取って、初日は大阪観光からスタートすることにした。■大阪中之島美術館『決定版!女性画家たちの大阪』(2023年12月23日~2024年2月25日)約百年前の大阪では、島成園、木谷千種、生田花朝など多くの女性日本画家が活躍していた。当時の美術界は、東京と京都がその中枢を担い、制作者は男性が大多数を占めていたが、女性日本画家の活躍において大阪は他都市と肩を並べており、その存在は近代大阪の文化における大きな特色のひとつとなった。本展は、50名を超える近代大阪の女性日本画家の活動を約150点の作品...2024年1月関西旅行:女流画家たちの大阪(大阪中之島美術館)他

  • 和紙舗と生活の美/HAIBARA Art & Design(三鷹市美術ギャラリー)他

    年末年始休み(今日まで)に見てきたもの。あとで書こうと思うと溜まってしまうので、今年はまとめて書いていくようにする。■三鷹市美術ギャラリー『HAIBARAArt&Design和紙がおりなす日本の美』(2023年12月16日~2024年2月25日)日本橋に店舗を構える和紙舗「榛原(はいばら)」の仕事を紹介する。榛原は1806(文化3)年、初代須原屋佐助(中村佐助)が小間紙屋を開業したのが始まりと言われている。須原屋?と思ったら、書物問屋の須原屋茂兵衛の店で支配人をしていた人らしい。18世紀の終わり頃から生産が開始された熱海製の雁皮紙の販売で評判を得る。本展の展示品は、おもに明治から昭和初期にかけて製作された和紙や紙製品。河鍋暁斎、梶田半古、川端玉章、竹久夢二などの有名どころが千代紙のデザインをしていることに...和紙舗と生活の美/HAIBARAArt&Design(三鷹市美術ギャラリー)他

  • 新しい古典の誕生/映画・ゴジラ-1.0

    〇山崎貴監督・脚本『ゴジラ-1.0(マイナスワン)』(TOHOシネマズ日本橋)年末年始休暇のうちに映画館で映画が見たくなって、大晦日の朝に見てきた。事前に私が仕入れていた情報は「敗戦後すぐが舞台」「朝ドラ『らんまん』の主役コンビ、神木隆之介くんと浜辺美波さんが主演」「神木隆之介くんは元特攻隊員」「ゴジラが怖い」くらいだったが、とてもおもしろかった。大戦末期、特攻隊として出撃した敷島浩一(神木隆之介)は、搭乗機の故障のため、大戸島の守備隊基地に不時着する。しかし整備兵の橘(青木崇高)は故障個所を見つけられず、敷島が特攻逃れのために故障を偽ったのではないかと疑う。その晩、基地は巨大な怪獣「呉爾羅(ゴジラ)」に襲わる。橘は敷島に、零戦に装着されている20ミリ砲でゴジラを撃つよう懇願するが、敷島は恐怖で撃つことが...新しい古典の誕生/映画・ゴジラ-1.0

  • 2024初詣・深川七福神巡り

    明けましておめでとうございます。去年の正月は喪中だったので、2年ぶりに新年の賀詞を唱えてみる。今年は、毎日なるべく歩こうと決めたので、元旦から深川七福神巡りに出かけた。門前仲町の住人になって2回目のお正月、2019年にも一度巡っている。当時は生活圏が極端に狭かったので、清澄白河も森下もよく分からなかったが、今はすっかり地元感覚である。2019年と同じ、深川不動堂~恵比須神(富岡八幡宮)~弁財天(冬木弁天堂)~福禄寿(心行寺)~大黒天(円珠院)~毘沙門天(龍光院)~布袋尊(深川稲荷神社)~寿老人(深川神明宮)というコースで回った。2019年の記事を読んでみたら、冬木弁天堂では「小さなお厨子の中に、木目込み人形のようにきれいな錦の着物を着た、かわいい弁天様」と書いているが、今年はそのほかに、大きくて美麗な弁財...2024初詣・深川七福神巡り

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