【SS】:通り雨をとじる
とん、とかるく背中にだれかの肘がぶつかった。地下鉄の駅からじゃあじゃあと雨の降りしきる夜の地上に出ようと傘をひらいていた優帆はつんのめってとっさに前方に手を伸ばす。雨に容赦なく背中を打たれたのは、さっき駅のコンビニで買った傘が手から落ち、風に転がっていったからで。これがきっと、最高についていない一日の終わりだ。もうこの自然の不快極まりないシャワーで終わりにしてほしい。ついてなさを。「いいじゃない...
2024/07/19 21:32
2024年7月 (1件〜100件)
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