この部屋からは星が見えない。口笛。日中は美容院へ行った。秋頃から伸ばしていた髪を短く切って、少し心も軽くなった。五年ほどカットをお願いしていた美容師さん、妊娠したらしく来月で退職してしまうとのこと。お腹の中にもう一人の命が入っているだなんて!神秘的で、奇妙で、少しこわい。美容院を出て、図書館へ向かう。読み終えた本二冊を返却する。今日はそれくらい。帰ってきてしたことといえば、アイスティーを作っておくこと、スープとサラダを作ること、浴室の掃除、水出しコーヒーの準備。それくらい。掃除は控えめ。最近は気力がなく、シャワーで済ませてしまうことが多い。本当は自律神経のためにも、しっかり入浴するのがいいのだ…
何かを見ようとするたびに、私の脳は故障する。トラックの後ろに乗ってみたい。誰にも使われなくなった線路の上に寝そべってみたい。右、左、右、左、振り子が揺れる。私の鼓動が同期する。右、左、1……2……、右、右、右……。身体の中に臓器が詰まっているだなんて、信じられる?真っ赤?黄色い、オレンジ。あまりに矮小な身体、あまりに希薄な自我。私に自我はある?今夜は曇りだから、ほんの少し調子がいい。悲しい話はせずに眠れそう。どこか遠くへ行きたい。ありきたりで結構。今は何も聴こえない。破裂音に邪魔される心配も、空想の女の子の声も、私を否定する声も、何も聴こえないから、大丈夫、きっとよく眠れる。錆びた日々を何食わ…
あなたのことがわからない。煙が目に染みる。雨音に焦燥感が加速する。何もわからない。どこへいけばいいのか、ここにいてもいいのかも、何も。あなたのことがわからないと言いながら、本当にわからないのは自分のことなのかもしれない。眠ろうとすると、声に邪魔をされて眠れない。酷い幻聴に苛まれ、眠りが浅いまま、朝を迎える。朝が来るのが怖い。明日も明後日も、あなたがこのままだったらどうしよう、と、怯えながら眠るのは、なんて、惨めなのだろう。私に興味のないあなたが怖い。私がおかしいのかもしれないね。私の気が狂っているだけなのかもしれないね。入院しなくちゃならないのは、私の方なんだろう。本当に?私は誰よりも正気だよ…
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