猫と雲雀1 朱が滲んだような空を見つめながら、猫氏は縁側でまったりしていた。猫氏は秋の頃合いが好きだ。 家でごろごろしているのは何時ものことだが、このひ…
猫と家 2 十畳ほどの部屋の奥に床の間があって山水の軸が掛けられている。その奥の障子をあけると縁側に臙脂のソファと黒檀のテーブルが置かれていた。 疋田が勧めら…
猫と家1 猫。 疋田が散歩道で出会った美しい青年の名字だ。どのような来歴があるのかしれないが、変わった名前だ。 しかも従者、執事のような男がそばにいて、…
猫とねずみ 疋田が猫氏と出会ったのは、沙絵と離婚して半年ぐらいたった頃だった。 頭が悪いわけではないが、疋田はぼんやりしていた。離婚された理由もいまい…
彼の名前は疋田狎彦(ひきたなれひこ)。ごく普通のしがない地方公務員だ。 いつもの通勤路をてくてく風采の上がらないスーツ姿でご帰宅中である。 なんでも五年前…
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