chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
かりのい
フォロー
住所
未設定
出身
四日市市
ブログ村参加

2012/05/24

arrow_drop_down
  • 2025年冬ドラマ感想

    「ホットスポット」旅館で働くシングルマザーは同僚が宇宙人と知り、仲間内で様々な頼み事をする。くたびれた宇宙人役の角田晃広さんいい。脚本バカリズム。「架空OL日記」のような日常の些細なことにツッコムモノローグがたまらない。旅館内の皆に正体が知られてしまったがさて。「御上先生」文科省の官僚が私立高校に派遣され、生徒達に考えろと説く。官僚試験での殺人事件の犯人の母親は暴露記事を書かれた元教師。先生は書いた生徒に問いかける。官僚仲間や優秀な生徒達、犯人と関わり、今回先生の兄のことが語られた。先が気になるドラマ。脚本:詩森ろば。「クジャクのダンス、誰が見た?」刑事である父親が殺害され犯人が捕まる。しかし父親は犯人は冤罪と書き残す。娘は調査依頼した弁護士の事務所で働きつつ、真相を調査するが。映像の撮り方が綺麗で面白い。松ケン演じる弁護士がいい。脚本:金沢知樹、演出:田中健太、原作:浅見理都突然現れ...

  • 臨時子育て日記とイラストとドキュメンタリー

    「虎に翼」今頃ですが。かなり前に下描きでお蔵入りしてたけどラピッドグラフでペン入れしました。液垂れしてしまってインク溜まって思い通りに描けないところが逆に面白かったです。臨時子育て日記娘が免許合宿中なので、娘も見てるアニメとドラマの視聴が以降止まっております。なので「ち。」の最終回、ミタゾノの最終回見れてません。今日の御上先生の最終回もまだ見れませんね。どうなるのかしら。リゼロもメダリストもシャングリラフロンティアもどうなったのかなあ、あれから。帰ってくるまでお預けドキュメンタリーNHKスペシャル『法医学者たちの告白』法医学者による日本の捜査や裁判の問題の告発。科学鑑定の結果を捜査側が都合よく解釈し冤罪を生む。日本の裁判が中世の暗黒裁判と言われる所以。おかげでか日本の法医学者は成り手が非常に少ないという。というか、捜査を大学に頼んでるのか。アメリカでは独立組織とし地位が確立し法医学...

  • 「文学賞殺人事件 大いなる助走」『PERFECT DAYS』「不死身ラヴァーズ」「水深ゼロメートルから」「隣人X -疑惑の彼女-」

    「文学賞殺人事件 大いなる助走」『PERFECT DAYS』「不死身ラヴァーズ」「水深ゼロメートルから」「隣人X -疑惑の彼女-」「文学賞殺人事件 大いなる助走」処女作が直木賞の候補になった同人誌作家が、受賞仕掛人の指導で金も身も捧げたが受賞できず、選考委員の作家達を射殺してゆく。壊れていく主人公を演じる若き佐藤浩市が圧巻。筒井康隆『大いなる助走』原作。監督鈴木則文。『PERFECT DAYS』公共トイレの清掃員である主人公のは毎日同じルーティンで生活する。後半に孤高の主人公にささやかな人との関わりが描かれる。ヴィム・ヴェンダース監督らしい街の中の彷徨う人間。「ベルリン・天使の詩」で人間になった天使の後日談みたいかな「不死身ラヴァーズ」主人公女性が運命の人に体当たりで告白すると彼は消滅するが、同じ彼が現れてまた好きになる。作者合意の元性別が変更。後半の彼はマガポケに収録された原作新作...

  • ゴールデンカムイ、極悪女王、インフォーマと臨時子育て日記

    wowowドラマ実写版ゴールデンカムイ剥製屋敷からトロッコまで行きましたね。尾形も再登場でワクワク。するとの再会と今後の同行が楽しみ実写版ゴールデンカムイ今日でドラマ版ゴールデンカムイの第一部?最終回。解像度がすごく高くて、実写版として大成功かな。アイヌコタン編の初映像化はよくぞやってくれた。第二部?も楽しみねネトフリドラマ「極悪女王」女子プロのダンプ松本の半生。少女時代から引退までを長与千種との関係を軸に、友情や家族をディープに描く。試合後は過激で殴る蹴る流血三昧、女優本人たちが体を張り戦う。興行師である兄弟の関係も面白い。非常に熱いドラマ。企画・脚本・P 鈴木おさむ総監督 白石和彌「インフォーマ」闇の情報屋と若手記者がやばい案件を命懸けで追う。Abemaで始まるのが2期で刑事役で二宮和也くんが出てると知り、調べたら1期は配信にあり、殺し屋役で森田剛くんが出てる!おお、これは。...

  • 2024年秋ドラマとWOWOWドラマと配信ドラマ

    ドラマ『全領域異常解決室』まさかの舵の切り替え。ふわっとした、ミステリと思わせてこうくるとは。霊媒探偵城塚翡翠以来のドッキリだと娘。俄然興味が湧いたようで。前代未聞の“神”ドラマ『全領域異常解決室』脚本家&プロデューサーが語るwowowドラマ「ゴールデンカムイ」映画のプロローグに続き素晴らしいクオリティでした。1話弐瓶回 ちゃんとbo…といっててよろしい。指も飛んでたしよろしい。レタラや小狼のふわふわさがいい。2話辺見 辺見の愛のある再現度凄い。光ってる飛ばされてる。篩にかけてきたね。杉元にサスペンダー「三体」wowow版(テンセント版、中国版)見終わりました。かなり長かったけれど、見事に人間ドラマでした。なんといっても史強がバディとしているのが魅力。難しい話だからこそ、キャラの魅力が大事だと改めてキャラの大切さを思いましたね。理系蘊蓄やVRキャラでのゲーム世界もいい。ラスト数話のネ...

  • noteに自作小説を投稿しました

    noteにショートショート小説を掲載しました。怪奇幻想・星新一先生貴志祐介先生リスペクトです銀の獣の森|木林森 銀の獣の森|木林森note.comから...

  • あけましておめでとうございます

    あけましておめでとうございます~巳年らしくいイラストとして、モンハンにヘビっぽいモンスターを娘に聞いたらダラ・アマデュラと言われたので描いてみました今年もよろしくお願いいたします              ...

  • 「おまえの罪を自白しろ」「市子」「身代わり忠臣蔵」「碁盤斬り」「唄う六人の女」「陰陽師0」

    「おまえの罪を自白しろ」「市子」「身代わり忠臣蔵」「碁盤斬り」「唄う六人の女」「陰陽師0」「おまえの罪を自白しろ」国会議員孫娘が誘拐される。犯人は翌日までに記者会見を開き彼の罪を告白しろと要求する。秘書である長男は家族のため真相を追い、ある作戦に出る。尺は1間40分で短めで歯切れ良い。政治家の便宜一つで逆に泣く人々がいる真保裕一原作、水田伸生監督「市子」妻が突然失踪し、夫は彼女を追う刑事から彼女の秘密を知らされる。関係者の証言という形で少女時代の回想も平行。秘密のために得られない、ささやかな望みのために犯した彼女の数々の罪。舞台「川辺市子のために」の映画化「身代わり忠臣蔵」浅野内匠頭に斬られて吉良上野介が死亡。お家存続のため貧乏僧侶の弟が身代わりになる。知らずに意気投合した大石蔵之介と討ち入りに対しある作戦を立てる。家来を路頭に迷わせるどちらも駄目主君とバッサリ。生首ラグビーは映像な...

  • 2024年夏ドラマと秋ドラマ感想

    2024年夏ドラマと秋ドラマ感想夏ドラマ感想「虎に翼」原爆裁判編結果を知っていても、知っているだけに、リアルタイムでは不可能な戦いをどう戦ったのか気になるところ。「お互い結構なものを背負わされているね」マスコミの力も大きくから出てる記者が出て感慨深い「君とゆきて咲く-新選組青春録-」手塚治虫原作漫画のドラマ化ということ視聴してて最終回。結末はどうなるかと。漫画ラストとの変更は今時で有りですね。手塚悲劇としては友を殺めた悲しみが組を抜け別の道を選ぶ理由になる。でもどうせ抜けるのにとも思ったことも。ならこういう選択もいい『終りに見た街』戦時中にタイムスリップした人々。2家族は生き抜こうと母や隣人は努力し、子供達は軍に入り歴史を変えると言う。主人公だけは馴染めず、元の時代に戻るのだが。昭和SFぽいラストね。1982年、2005年にドラマ放映。戦争は当時も何処かで起こっている秋ドラマドラ...

  • 読書「逃げまくった文豪たち」「トヨタの子」「刑事捜査の最前線」「最後の甲賀忍者」「鵼の碑」

    「逃げまくった文豪たち」真山知幸著「トヨタの子」吉川英梨著「刑事捜査の最前線」甲斐竜一朗著「最後の甲賀忍者」土橋章宏著「鵼の碑」京極夏彦著。「逃げまくった文豪たち」真山知幸著夏目漱石や太宰治などの日本の文豪や、トルストイやアガサ・クリスティなどの世界の文豪の逃亡したエピソード集。一人ひとりに割くページが短い分、数多くの例が収録されている。有名な逸話もあるし初めて知る逸話もあり興味深い。逃げる理由もそれぞれ違い、責任から逃げることもあれば逃げたことで後に大成することもある。文豪たちを身近に感じる一冊。「トヨタの子」吉川英梨著トヨタ自動車の御曹司章男少年は車にはねられてから時を翔ける身になる。一方、後にトヨタ自動車創業者となる豊田喜一郎はアキオという少年に出会い、その後度々自分を導く人間に出会う。祖父と孫に交互に視点が切り替わり、2人の人生を追いながら、トヨタの創業時と近年の歴史を平行して...

  • 舞台「ジャンヌ・ダルク」「文豪ストレイドッグス」「ワールドトリガー the Stage B級ランク戦開始編」

    舞台「ジャンヌ・ダルク」ジャンヌダルクの生涯を出演者総勢100人で描く見応えのある舞台。ブルガリアンボイスの調べで始まり群衆シーンに圧倒される。脚本・中島かずき、音楽・三宅純、演出・白井晃。初舞台の清原果耶の凛々しく堂々とした主役っぷりもよい。舞台版Unextに入ったので見れた原作の長さをよくまとめてた。キャラの演技も似てるしセットもバトルもいい文豪ストレイドッグス(2017年)文豪ストレイドッグス 黒の時代(2018年)文豪ストレイドッグス 三者鼎立(2019年)文豪ストレイドッグス 序 探偵社設立秘話(2020年)太宰治の入社試験(2020年)上記2作は演者を絞ったコンパクトな感文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(2021年)アニメ映画の舞台なので尺がピッタリ。文豪ストレイドッグス 太宰、中也、十五歳(2021年)演者も効果もとてもいい実家映画文豪ストレイドッグス BEAS...

  • 『日本の仏像図鑑』『日本の神様図鑑』「万葉集キャラ図鑑『グラフィック版 ソフィーの世界 (上)』「でぃすぺる」

    『日本の仏像図鑑』宮下真著『日本の神様図鑑』大塚和彦著「万葉集キャラ図鑑」岡本梨奈著『グラフィック版 ソフィーの世界 (上)』「でぃすぺる」今村 昌弘著『日本の仏像図鑑』宮下真著紹介された全ての仏像にそれぞれの特徴をよく捉えたイラストが描かれている。写真よりも特徴が掴める。如来、観音、十二神将など仏の種類やグループもわかりやすい。整理された知識がつくのが良い。仏像を所蔵するお寺が紹介されているので、仏像巡りにも最適。『日本の神様図鑑』大塚和彦著アマテラスやツクヨミ、スサノオやヤマトタケルなど有名な神様から、あまり聞かない神様まで、親しみやすいイラストにして紹介。それぞれの神様の活躍する逸話も書かれている。唱えられるように祝詞の文句もついているのが珍しい。「万葉集キャラ図鑑」岡本梨奈著万葉集の中から60首を厳選、用語解説、訳だけでなく、キャラを立てて漫画も加えた構成。特に漫画がかわいく...

  • 「梅雨物語」「兎は薄氷に駆ける」貴志祐介著

    待望の新刊。なかなか新刊が出ないだけに、2冊も読めて嬉しい。「梅雨物語」「皐月闇」「ぼくとう奇譚」「くさびら」の3篇収録。元教師の俳人は元生徒の依頼され、彼女の亡き兄の句集を解釈するのだが。俳句に隠された事件を紐解くのが新鮮「ぼくとう奇譚」黒い蝶の夢を見る男は命の危機と説かれ、夢の中で奇妙な遊廓を訪れるのだが。→豪華な衣装の花魁とその正体のイメージが美しくおぞましい。「くさびら」庭がキノコに埋め尽くされ、部屋の中にも侵入するがキノコは幻のように実体はない。主人公は調査し、何かのメッセージではないかと思うのだが。キノコ群体のイメージが凄まじい。サスペンスミステリー。「兎は薄氷に駆ける」貴志祐介著資産家の男性が死亡し、容疑者として甥が逮捕される。彼は取り調べで自白するがその後無罪を主張。彼の目的は冤罪事件で獄死した父親の復讐。その方法とは。弁護士に協力する男性視点の事件調査と、容疑者青年視...

  • 『コレクターズ・ハイ』『その音は泡の音』「シャーロック・ホームズの凱旋」「八月の御所グラウンド」『物理が楽しくなる!キャラ図鑑』

    『コレクターズ・ハイ』『その音は泡の音』「シャーロック・ホームズの凱旋」「八月の御所グラウンド」『物理が楽しくなる!キャラ図鑑』『コレクターズ・ハイ』村雲菜月著カプセルトイの会社に勤める主人公はあるキャラクター商品の熱心なコレクター。クレーンゲームマニアの男性や美容師や同僚など周囲の人々と関わるが、ある日彼らの隠された姿が明らかになる 。集めずにはいられない、コレクターの心情に肉薄する。『その音は泡の音』平沢逸著大学のお笑いサークルの男女数人が東北を巡る合宿に出るが。みっちりと詰まった文章の中で語り手が次々と変わる実験的な文章。彼らの心情が怒涛のように描かれ、次第に不穏な雰囲気を帯び始める。現実なのか夢なのかわからない不思議な読後感。「シャーロック・ホームズの凱旋」森見登美彦著英国ならぬヴィクトリア朝京都の名探偵ホームズがスランプになる。ワトソンは焦るが過去に起きた令嬢失踪事件や謎の...

  • 『帝国妖人伝』「ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘」『あいにくあんたのためじゃない』「義経じゃないほうの源平合戦」『ボクは漫画家もどき イケてない男の人生大逆転劇』

    『帝国妖人伝』「ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘」『あいにくあんたのためじゃない』「義経じゃないほうの源平合戦」『ボクは漫画家もどき イケてない男の人生大逆転劇』伊吹亜門著『帝国妖人伝』小説家主人公が巻き込まれた事件にそれぞれ探偵が現れ謎を解明する。時代は明治から終戦直後まで、舞台は日本からドイツと広がる5編の連作短編集。事件を解き明かす彼らは偉人の何某であったと添えられるのが面白い。彼らは皆シリーズ物の主人公であってもおかしくないくらいキャラ立ちしていて魅力的。「ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘」手塚るみ子・水木悦子・赤塚りえ子著大御所の水木しげる、赤塚不二夫、手塚治虫の娘達による対談集。父親への思いと今の関わり方。それぞれの父親の漫画が掲載されてるが水木は「猫」赤塚は「レッツラゴン」手塚は「ペックスばんざい」と独特すぎるチョイス。『あいにくあんたのためじゃない』柚木麻子著SM...

  • 読書『この間取り、ここが問題です!1『竜の医師団1『蔦重』『ともぐい』『戦国時代のタイムライン』

    『この間取り、ここが問題です!』『竜の医師団1』『蔦重』『ともぐい』『戦国時代のタイムライン』『この間取り、ここが問題です!』船渡亮著間取りを診断する建築士である著者が、相談された実際の間取りから改善点を提案する。バラエティに富んだ25例の間取りの問題と答えが図として並べられていて見やすい。特に生活動線を考慮した間取りが重視されているのに納得。一般人だと生活して初めてわかる、建築した後では手遅れになる重要事項。これから家を建てる人には大変参考になる一冊。『竜の医師団1』庵野ゆき著虐げられし民の主人公は上流階級の少年と出会い、竜の医師団を目指す。この世界の竜は巨大で豊穣や災害をもたらす存在。巨大な竜の表皮に生態系があり治療には重機を使ったりする。学舎の少年達が生き生きと元気で良い。ファンタジーだが、病気や治療法は具体的。作者は二人組で一人は医師だそうで納得。『蔦重』吉森大祐著江戸時代の...

  • 読書「「ラウリ・クースクを探して」『のろわれた伝説の城から大脱出』『げんじものがたり』『幻日/木山の話』『そうじきのなかのボンボン』

    「ラウリ・クースクを探して」宮内悠介著1977年エストニアに生まれたラウリ・クースクプログラミングの才能があるが孤独だった。しかし同じく才能のあるイヴァンに出会う。彼の話と後に彼の行方を探すジャーナリストの話を交互に描く。彼らの作るゲームプログラム群が具体的で面白い。作者はプログラマーだそうで納得。エストニアや周辺諸国の政情に翻弄される少年達の友情とすれ違い。ちょっとミステリー要素もある。さらっと爽やかな読後感。海外でドラマ化できそうとか思ったり。ネトフリとか。『のろわれた伝説の城から大脱出』ステラ・コードウェル著中世ヨーロッパの城内が舞台の脱出ゲームブック。読者はお城に幽閉されている「きみ」として文章を読み進め、番号を選択して指示されたページに飛び、脱出ルートを目指す。ページを捲るゲームブックだが、デジタルならスクロール。巻末に正解ルートがあるので道に迷っても安心。イラストが綺麗で中世...

  • 読書『黒い絵』『列』『防衛大臣 山本五十六』『絵物語 動物農場』「百鬼園事件帖」『インサイド』

    『黒い絵』『列』『防衛大臣 山本五十六』『絵物語 動物農場』「百鬼園事件帖」『インサイド』『黒い絵』原田マハ著美術に関する小説を書かれる著者には珍しく、ミステリ風味な短編6篇収録。少女たちの秘密の関係、妄想かまことか仏像との淫靡な話、芥川龍之介の地獄変をもとにしたと銘打つ現代の芸術家の業。湿り気のある性的な話が多く、こういったものも書かれるのかと興味深い。『列』中村文則著誰しも経験のある長蛇の行列にまつわる不条理な物語。第1章は最後尾も前も見えない列に並んでいる主人公と周囲の軋轢を描き、第2章は猿の研究者である彼の日常とある出来事を描いている。3章仕立てでで語られる迷える現代人の心理と真理。第1章だけでもカミュや星新一のような奇妙な感覚が味わえる。『防衛大臣 山本五十六』吉田 親司著近未来、中国のイージス艦に攻撃された護衛艦艦長の身体に山本五十六が転生する。入院中に今の日本の現状を知...

  • 読書「まほうのよるに」「おいしい食の流行史」「業界怪談 中の人だけ知っている」『もぎたて脳』「街とその不確かな壁」

    「まほうのよるに」マット・タバレス/著 前沢明枝/翻訳脱走したトナカイはプレゼント配達中のサンタクロースに出会う。馬が疲労して難儀しているという彼らにトナカイは提案する。トナカイがそりを引くまでの物語を描く絵本。深い夜空と小雪、吹雪と姿を変える白い雪の美しい絵本。「おいしい食の流行史」阿古真理著江戸時代末期から明治?昭和までの食の歴史を参文献をふんだんに紹介しながら描いた1冊。海外から洋食が入って来たことで専業主婦はグレードアップした家庭料理を勉強し作るようになったこと。近年の人気スイーツの推移や、漫画やドラマにも食がテーマのものの紹介。およそ食文化とその背景を余すところなく論じている。個人的にパンの歴史が面白かった「業界怪談 中の人だけ知っている」制作班著NHKスペシャル 「中の人だけ知っている」 業界怪談の書籍化。建設業界、タクシー業界、登山業界、美容師業界などその業界の人が体験を...

  • 読書「リスペクト」「死者宅の清掃」「成瀬は天下を取りにいく」「君が手にするはずだった黄金について」「新! 店長がバカすぎて」

    「リスペクト」「死者宅の清掃」「成瀬は天下を取りにいく」「君が手にするはずだった黄金について」「新! 店長がバカすぎて「リスペクト」ブレイディみかこホームレス・シェルターから退去を勧告されたシングルマザーたちは無人の公営住宅を占拠する。ロンドン特派員の女性記者は彼らとの取材をし、交流し、運動の顛末までを見届ける。2014年にロンドンで起きた占拠運動が元。女性たちの和やかな会話にイギリス政府の不条理が垣間見える。彼らを動かすのは生活のため。戦うのは尊厳のため。自己責任と日本では考えがち。だが、住むのは人間の権利であるという主張に納得させられる。彼女たちの運動が世界に広がったのは、普遍的な尊厳が蔑ろにされる怒りが世界共通だからなのだろう。「死者宅の清掃」著:キム・ワン/訳:蓮池薫死者の部屋を清掃する特殊清掃員のエッセイ。前半は事例として、様々な死者の部屋の有様が細かく具体的に描写される。ゴ...

  • 「春に散る」「首」「怪物」『愛にイナズマ』「ベイビーわるきゅーれ 2」「ゆとりですがなにか インターナショナル」

    「春に散る」佐藤浩市演じる元ボクサーの男の元にボクシングを習いたいと横浜流星演じる青年が押しかけてくる。彼は力を付け世界チャンピオンに挑むことに。沢木耕太郎原作。監督瀬々敬久。元ボクシング仲間のたちとの絆もいい。ラストの窪田正孝演じるボクサーとの試合は長尺で役者の頑張りが圧巻。「首」信長は謀反人荒木村重の捜索を跡目相続を餌に家臣達に命じる。明智光秀は恋人村重を匿うが、秀吉は天下を獲るため弟・秀長や軍師・黒田官兵衛らと共に、明智を唆し本能寺の変を企てる。ぽんぽん首が飛び、血飛沫舞い、裏切りの連続。やばい信長にパンチが効いてる。北野武監督・脚本。四国攻め→中国大返しや家康の伊賀越えなど史実の描写もユーモアがあり面白い。各陣営の忍び達も大活躍。秀吉陣営の3人が悪友ぽい爽やかな仲良しで和む。反面、秀長亡き後の歯止めがない秀吉のヤバさも垣間見える「どうする家康」の佐藤隆太・秀長も良かったし「首」の...

  • 2024年夏ドラマ前半感想

    「笑うマトリョーシカ」人気の若き政治家と有能な秘書に不信を感じた女性記者は調査するが、何故か政治家から個人的にコンタクトが。彼らの学生時代から繋がりと目的とは。スピーディーな展開がいい。櫻井翔くんが政治家とは実現しそうである意味リアル。脚本いずみ吉紘、演出岩田和行、原作早見和真「新宿野戦病院」歌舞伎町の「聖まごころ病院」に運ばれた女性は軍医だった。群像劇の救急医療シチュエーションコメディ。舞台みたいだねと娘。キャラが濃い。今期の本命。脚本・宮藤官九郎、演出・河毛俊作。フジテレビでクドカンドラマとは珍しい。日テレとTBSというイメージ。 2001年以来だそう。ドラマでクドカンらしさが出る前という感じかな。「マウンテンドクター」山岳医療に任命された主人公の話。ちょっとトリッキーな始まり。脚本高橋悠也。音楽林ゆうきはすごくわかった。別室にいた娘がヒロアカかと思ったと。「ブラックペアン2」前...

  • 映画「銀河鉄道の父」「カラオケ行こ!」『大名倒産』「雑魚どもよ、大志を抱け!」「アナログ」

    映画「銀河鉄道の父」宮沢賢治の父・政次郎を主人公に彼から見て困った息子との関係を描く。金貸しを厭い道を選ぶも定まらない息子。軋轢あるも妹を亡くし小説や農業と人生を駆け抜けた息子を見守る。父親視点の宮沢賢治の伝記でもあり2人の子供に先立たれた父親の話でもある。ラストの銀河鉄道彼らにかけた言葉に同意してしまう。残された物語の中に彼ら息子や娘の存在を残してくれたこと。自分の子供に生まれてきてくれたことに対して、ありがとう。親として理解できる言葉であるなと。「カラオケ行こ!」合唱部部長の中学生・聡実はヤクザの狂児に歌のレッスンを頼まれる。組長主催のカラオケ大会での罰対策だと言う。毎週拉致され、嫌々ながらも指導する内に2人の間に奇妙な友情が生まれるが。親しげなヤクザを綾野剛が好演。原作:和山やま、監督:山下敦弘、脚本:野木亜紀子。勝負曲X JAPANの「紅」がいい味出してる。紅だー!を連呼する場面...

  • 舞台色々

    「舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド」原案・構成・演出・振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ。原作の主要人物の役割を別のキャラ達で演じてラストも変更しているが、子供達の閉塞感はある群像劇。窪田正孝さんは梶さん的な役。エヴァの戦いを俳優の動きと同時に数人で人形を操作してるのが面白い。舞台『兎、波を走る』国を脱走した兎は娘・アリスを探す母親に出会う。兎は娘を知っており、娘は不思議の国にいて帰れない。兎は自分達兎のことや娘に何があったのかを語る。某国に渡ったが支配され手足になり娘は見捨てて脱走した。一方の遊園地の話は寓話的。物語の真相は拉致問題。舞台だからこその形で示す問題定義。「もうそうするしかない国」のダブルミーニングが深い。舞台「ツダマンの世界」松尾スズキ作・演出。作家と妻と弟子が自殺を図るシーンから遡る、小説家のツダマンこと津田万治の半生。昭和初期から戦後の文化人達や女達との関わり。欲に塗れ...

  • 映画「白鍵と黒鍵の間に」「ロストケア」『法廷遊戯』「ある閉ざされた雪の山荘で」

    「白鍵と黒鍵の間に」銀座のキャバレーでピアノを弾くジャズピアニスト志望の博に謎の男がある曲をリクエストする。一方ヤクザに気に入られたピアニストの南は密かに渡米を計画。後半は夢が現実か不思議な展開に。ムショ帰りの森田剛君のやさぐれ感がいい。ジャズピアニスト・南博の回想録原作だそう。監督・脚本冨永昌敬。池松壮亮君は異なる時代の2人を演じていると思ってたが、同じ時間軸にいた。二役らしかった。でも後半の展開と原作を鑑みるとやはり同一人物かな。原作を自由に構築するところは舞台劇みたい。昭和ファンタジー「ロストケア」訪問介護センターの所長と利用者の死体が見つかり、連続して入居者が死亡してると知った検事は犯人と対峙する。早々に犯人は判明しどんでん返しもないのでミステリではないね。犯人と検事の対話が映画の軸。介護問題という主題が直球。松山ケンイチの演技力で押し切る。前田哲監督。原作:葉真中顕「ロスト・ケ...

  • 2024年春ドラマ感想 NHK・配信編

    NHKドラマ「虎に翼」女学生の主人公は法科の穂高教授に勧められ、母親に隠れて出来立ての女子部法科を目指す。吉田恵里香作。のっけから「ぼざろ」を彷彿とさせるテンポとユーモアがいい。周囲の人々のキャラも個性的で、細かな芝居も面白い。今回は娘も見るそうで。「虎に翼」なんとなくグループになった4人だが特に話題はない。という主人公達に、娘があるあると同意。そこで判決を推測し裁判見学するという、授業を通して話題が生まれ仲も深まる。グループのそれぞれの面々も尖った男装の生徒もキャラ立ちしてて流石。「NHK未解決事件File.10「下山事件」第一部ドラマ編」米国占領下の日本で国鉄の下山定則総裁が失踪し礫死体で発見された未解決事件。森山未來演じる布施健検事と佐藤隆太演じる矢田記者を中心に10年の捜査を追う。骨太で硬派で見応えがあった。演出 梶原登城、作:安達奈緒子 音楽:川井憲次アメリカや旧軍閥の関与が...

  • 2024年春ドラマ感想 民放編

    「滅相も無い」突如日本に巨大な穴が出現。穴に入るか悩む 8人の男女が集いお互いの人生を語る。各々過去を語る回想シーンでは舞台風のセットで芝居をする変わった演出。ラース・フォン・トリアーの『ドッグヴィル』を思い出した。彼らの人生の深掘りと巨大な穴がどう繋がるのか。監督・脚本加藤拓也「君が獣になる前に」幼馴染である女優が駅で毒ガステロ事件を起こし多数の死傷者を出し逮捕される。主人公は殺し屋に殺されるが、タイムリープして過去に戻る。彼女が事件を起こした理由をタイムリープで探り止めようとする話らしい。原作漫画:さの隆。「イップス 」スランプのミステリー作家が犯人と目を合わせられないエリート刑事と出会う。でこぼこバディの掛け合いが面白いミステリコメディ。整っている2人が死体に気付かないシュールな絵面が最高だった。脚本:オークラ、森ハヤシ。演出:筧昌也。「アンチヒーロー」被疑者を有罪と思いながら...

  • ドラマ「三体」wowow版VSネトフリ版

    ドラマ「三体」先行のWOWOWで30話撮ってネトフリで日本語訳しないかなと期待したのですが。なかなか本編始まらないと思ってたら、ネトフリ版とwowowの中国版は違うと2話目で気づきました。wowow版は録画したけど1巻の内容。ネトフリ版は1巻1章の過去中国と現在西洋が交互。2巻と3巻 の内容かな。→3巻の人物が出てきたので「階梯計画」「面壁計画」両方やるつもりかなしかし2種類とは紛らわしい。片方しか見てなかったら違うと気づかなかった。情報ないと題名同じだしWOWOW版とネトフリ版を同じ物だと思ってしまう。ネトフリ版には副題をつけて欲しかったかな「wowow版三体」ともあれ、順番は1巻から先に見るのがよいね。ネトフリ版は予備知識ある人に向けてるね。確認したところでドラマwowow版「三体」を見始めました。wowow 版「三体」3話目まで視聴。ネトフリ版と逆に原作沿い。原作の魅力であった博士...

  • 臨時子育て日記 富士急ハイランドと「プロフェッショナル 仕事の流儀」

    臨時子育て日記先月末に富士急ハイランドに行きました。娘にとって初めての富士急コースター。何回か富士急ハイランドは行ったけど当時は娘が小さかったのでコースターは乗らず。大きくなったから乗れるねと。一泊して2日間遊んできました娘にとってはリベンジ。学校から行ったときには雨でコースターに乗れなかったので今回こそはと張り切り。アフタヌーンチケットで到着当日フジヤマ絶望要塞ええじゃないかに乗り翌日は全日チケットで高飛車進撃の巨人ザライドゾッコン絶望要塞鉄骨番長名物コースター全クリアでお腹いっぱい。娘も大満足。コースターではないけど、絶望要塞も2回行くほど気に入ってました。ええじゃないか、高飛車は年齢制限が下がるのも納得のきつさ。私はちと高飛車Gで腰痛に。最初で最後の乗車かな。ゾッコンが良かったですね。娘はフジヤマもう一回乗りたがったけど点検になったので、またの機会にね。「プロフェッショナル 仕事...

  • 『三体』原作感想

    『三体』劉慈欣著三部作『三体』『黒暗森林』『死神永生』1作目ナノマテリアルの研究者・汪森は世界中の科学者が次々と謎の自殺を遂げているのを知り、科学フロンティアへの潜入する。遠い星からの遠大な地球侵略計画と三つの太陽に苛まれる星が舞台のVRゲーム『三体』の謎とはミステリ仕立ての現実と過酷なVRゲームの世界の両輪が面白い。なにより警官の史強との凸凹コンビが実にいい。SF描写な難解なところもあるけど映像的に表現がいい繰り返される三体の滅亡や船体輪切り、智子の開発描写などビジュアル的に映える「三体」2作目『黒暗森林』地球に向けて迫る三体艦隊。智子による情報漏洩対策のため面壁計画が立てられ羅輯 を含む4人の面壁者が選ばれる。対して三体に協力する団体は破壁人を送り込む。破壁人により次々と破られるサスペンス。一方で宇宙艦隊の設立下巻では冷凍睡眠から目覚めた羅輯の見る科学的に停滞した未来世界。宇宙艦隊と...

  • 読書「世界でいちばん透きとおった物語」「浦沢直樹 描いて描いて描きまくる」「スタッフロール」「チャンバラ」「禍」

    「世界でいちばん透きとおった物語」「浦沢直樹 描いて描いて描きまくる」「スタッフロール」「チャンバラ」「禍」「世界でいちばん透きとおった物語」杉井光著母親の不倫相手である多情な大御所ミステリ作家が死亡。主人公は腹違いの兄弟からの連絡を機に小説家が死の間際まで執筆していた小説の行方を追う。女達や関係者を訪ねて父親の真意を知る。文章トリックミステリ。「浦沢直樹 描いて描いて描きまくる」浦沢直樹の初期作から「ビリーバット」までの制作インタビュー。味のある大勢の脇役、読みやすく計算されたコマ割り、複雑に絡まる物語、が著者らしい作品。それぞれの作品ごとに挑戦していたそうでそう言われるとなるほどと。イラストやラフもいっぱい。「スタッフロール」深緑野分著前半は戦後ハリウッドの女性特殊造形師が主人公。後半は現代ロンドンの女性CGクリエイターが主人公。映画のリメイクを巡り彼らは関わることに。特殊効果の...

  • 読書 雑誌版「ダークゾーン」「黄金蝶を追って」「心臓の王国」「マグリット400」

    「ダークゾーン」貴志祐介著小説誌『小説NON』に2008年11月号から2010年3月号にかけて連載。(09.5月休載)雑誌掲載時と書籍版はかなり違うと聞いてたけど本当にそうだった。現在3局目。全部読んだら感想投下。「ダークゾーン」貴志祐介著。『小説NON』2008年11月号?2010年3月号連載版。読了。書籍版で本編と交互にあった断章なる回想の章がなく、軍艦島での亜人将棋の勝負に特化。回想での若手棋士の苦悩と過ちがない分暗くなく、ゲーム小説として戦法や勝負を純粋に楽しめる。チーム戦の群像劇もいい。相手側のほうがリードしている危機感がかなりあったんだなと。大幅に改稿したのはオチのためかな。量子力学から夢オチに変更。だからキャラの名前もあったはずなのに書籍版でなくなったりし人物がいるのは、主人公の認識できる範囲にされたからかも。貴志作品は読んでる時楽しければそれで十分なのだけど。この後に拡張現...

  • 実写版「沈黙の艦隊」2026年NHKの大河ドラマ「豊臣兄弟!」

    amazon prime実写版「沈黙の艦隊」日米極秘裏に建造された原子力潜水艦シーバットが試験航海中に反乱。独立国やまとを名乗る海江田四郎艦長の思惑とは。懐かしいし面白い。大沢たかおさんや玉木宏さんやオリキャラ役の江口洋介さんは色気のある役者だし、潜水艦バトルも対戦艦バトルもかっこいい。2026年NHKの大河ドラマ「豊臣兄弟!」豊臣秀吉の弟・秀長が主人公。脚本・八津弘幸さん。主演仲野太賀さん。若い頃の秀吉だそうで楽しみ!秀長の没までなら老年期描かないサクセスストーリーになるね。秀吉は秀長亡くなる以前と以後で人が変わってしまったという感。司馬遼太郎の「太閤記」は若い頃の秀吉まで話は終わらせ同書内では老年期は描かなかった。立身出世と独裁者の傲慢と孤独の両方を描けただろうけど、あえて好きな時代だけをクローズアップすることを選び、その後の秀吉は他の武将を主人公にしたときの脇役で描いた。老醜する秀...

  • 「SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」「オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主」「ナイル殺人事件」

    「SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」ウェディングドレスを着て拳銃自殺した女性による殺人事件が起きる。警部に依頼されシャーロックは捜査に乗り出すが。妄想シーンが度々推理に食い込んできて混乱するところも。謎解きは事件だけではないというか。「オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主」霊が見える少年はその能力で警察に協力している。集団殺人の予兆となる怪物を見て未然に防ごうと奔走するが。主人公が霊と生者の見分けがつかないくらいはっきり見えてしまうのが色々な伏線に。原作ディーン・クーンツのオッド・トーマスシリーズの一作目。「ナイル殺人事件」ケネス・ブラナーの監督・製作・主演新婚旅行中の夫婦と招待客、招かれざる元カノを乗せたナイル川クルーズ中に船内で殺人事件が発生。乗り合わせた名探偵・ポアロは、犯人を探し出そうとするが。前半はなかなか事件が起こらないが、後半になってから怒涛のように展開する...

  • 2023年洋画映画その5

    「エンドロールのつづき」インド映画の佳作。映画好きの少年は学校を抜け出し映写技師と取引して映写室に入り浸り、次第に仲良くなる。映画を覗き見たり手伝ううちに自分も映画を映写したくなり、ある日仲間と共に。パン・ナリン監督自身の少年時代の実話が元。少年がとてもかわいい。インド版「ニューシネマパラダイス」。田舎や街の風景や映写室の撮り方も綺麗で母親の作るインド料理も美味しそう。フィルムの時代の終わりまでをノスタルジックに追う。「ペルシャン・レッスン 戦場の教室」第2次世界大戦時、ナチスのに捕まったユダヤ人の青年はペルシャ人と偽り処刑を免れるが、強制収容所で将校にペルシャ語の個人レッスンを行う羽目になる。将校との奇妙な関係、2千語余の造語を作り覚えておく意外な方法、疑う兵士。収容所が舞台だが絵作りも綺麗。ラストで収容された人々の名前を告げてゆくシーンにじわっとくる。ドイツ映画。監督はウクライナの人...

  • 2023年洋画映画その4

    「3つの鍵」ローマの同じアパートに居住する3つの家族の10年を追う。アパートに衝突した交通事故で女性が死に、それをきっかけに直接的に間接的に、それぞれの家族は不安定になり、関係性が壊れてゆく。彼らに幸あれと行く末を見守る映画。監督・脚本ナンニ・モレッティ、エシュコル・ネヴォ原作。複数進行形人間喜劇について。関わりのない複数の組を同時進行する話は、同じテーマと雰囲気でまとめ、冒頭やラストで糸を閉じるとばらばらにならず一つにまとまってみえる。ロバート・アルトマンが得意としてた手法。雰囲気もテーマも違うとただ短編集を刻んだだけになってしまう。関わりのある組は一つの話なので複数進行で問題ない。いわゆる「24」は後者。グランドホテル形式は場所を一つにしてまとめた人間模様。三谷幸喜ドラマが得意としてるね。「スモールワールド」ポーランドで起きた4歳の女児誘拐事件の犯人を国を渡って12年追った刑事の話。人...

  • 2023年洋画映画その3と臨時子育て日記

    臨時子育て日記雛人形を飾るの忘れてました。思い出したのは3月3日当日の朝。大急ぎで棚から写真をざっと片付けて衝立と畳を設置し、雛人形と左右のお花を飾りました。お膳とお餅とぼんぼりがないけど1日だけの雛飾り。物足りない。「シング・ア・ソング! 笑顔を咲かす歌声」戦地に夫を送り出しイギリス軍基地で暮らす妻達は合唱団を結成。次第に戦没者追悼イベントの話がきて、皆の手紙から言葉を集めてオリジナルの歌を作るのだが。ピーター・カッタネオ監督らしいイギリスらしい爽やかな群像物。「ブレット・トレイン」マフィアの息子を護送する新幹線に殺し屋達が乗り合わせる。不運な殺し屋、少女と脅される殺し屋、双子の殺し屋その他個性的な殺し屋が入り乱れるブラックコメディアクション。監督:デヴィッド・リーチ原作:伊坂幸太郎「マリアビートル」後半クライマックスのアクションは流石にハリウッドオリジナルだが、割と誠実に原作リス...

  • 2023年洋画映画その2

    「ベイビー・ブローカー」裏稼業でベイビーブローカーを営む二人組は赤子と若い実母と共に養父母を探す旅に出る。次第に心を通わせてゆく彼らを婦警二人組が見守るように追う。赤子にとり1番いい方法は何だろうかとブローカー、婦警ら登場人物たちとともに考えていくような映画。是枝裕和監督「ONODA 一万夜を越えて」フィリピン・ルバング島で敗戦を知らず潜伏を続けた小野田寛郎の話。最近有名になった言葉「別班」としてゲリラ戦を指揮する予定が森の中で仲間は次々失われる。戦争を忘れて古本屋を営む元上司が呼ばれ、やっと任務解除の命を受けるシーンがいい。監督アルチュール・アラリ『オフィサー・アンド・スパイ』 19世紀末のフランスで起きたドレフュス事件の顛末を映画化。ロマン・ポランスキー監督。ユダヤ人のドレフュス陸軍大尉は、スパイ容疑で終身刑になる。防諜部長になったピカール大佐は、ドレフュスの密書が偽造されたと知る...

  • 2023年洋画映画その1

    「オートクチュール」ディオールのオートクチュール部門のアトリエが舞台。退職間近の責任者である女性は移民二世の少女にバッグを盗まれるが、返しに来た彼女に才能を感じ、お針子の仕事に誘う。師と弟子として衝突しつつ成長してゆく。フランスの市井の人間ドラマは小粋で優しい。『ギャング・オブ・アメリカ』実在する老マフィア、マイヤー・ランスキーに伝記の執筆をされた作家は彼にインタビューする。回想で1910年代?1980年代の彼の激動の人生を描く。マフィアの資産を捜査するFBIが作家に協力させるサスペンスも並行。「アンテベラム」アメリカ南部のプランテーションに囚われ強制労働をさせられている黒人女性は奴隷仲間とともに脱走計画を実行。一方、知識人の黒人女性は講演会号にタクシーで何者かに拉致される。どんでん返しあり。人間の悪意は底知れない。監督ジェラルド・ブッシュ、 クリストファー・レンツ「スウィートシング...

  • 年末年始ドラマと2024年冬ドラマ

    NHK「大奥」毎週楽しみにしていた今期のハケンドラマも幕末まで描き切って最終回。1期は男女の仲がメインだったけれど、今期は同性の友情がメインだったかな。仲間由紀恵の新境地でした。年始ドラマ「侵入者たちの晩餐」脚本バカリズム、演出水野格。脱税の証拠を探すため社長の邸宅に侵入する3人の女。証拠は見つからないが隠れていた空き巣を見つける。会話のおかしさはバカリズム調。ほぼ邸宅の中で繰り広げられるシチュエーションドラマ。再度見で伏線を見つけるのが楽しい。年始ドラマ「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」ろう者の家族の中で育つ健聴者の子どもがコーダ。コーダである主人公は手話通訳士になり、過去に法廷通訳をしたろう者に対面。現在と過去の殺人事件の関わりとは。2人の娘の謎とは。手話で話す場面が多くて丁寧に作られた静かなドラマ。家族の補助をして自分を抑える主人公たち。設定を生かしたミステリーでもあり、与える...

  • 「ゴジラ-1.0」実写版「ゴールデンカムイ」

    「ゴジラ-1.0」見てきました。まさに3丁目のゴジラ。「シン・ゴジラ」の時は前情報入れずだったけど今回は逆に紙面、Youtube、テレビ特集。前情報色々入れて行って正解でしたね。得意の昭和初期設定、市井の人間ドラマ、海戦、零戦。ついでにエンドも意味深でよいね。実写版「ゴールデンカムイ」映画鑑賞。前評判通り実写化の鑑。漫画では3巻の最初20話まで。監督拘りの二百三高地シーンに北海道ロケに小樽・アイヌ集落セット、装備品や衣装にメイクに食事シーン。熊や狼は造形とCGが上手く合わさってとても良かった。役者も良かった。役名で言うと特に鶴見中尉、土方歳三は外見も雰囲気も完璧。尾形、谷垣、シライシはキャラも動きもいい。月島は背が高いけど雰囲気が合ってる。アシリパさんもでかいけど子供だと長いシリーズで成長するからかな。杉元はアクション過酷で大変だったかと。丁寧に話を追うなら長い映画シリーズ化よりアニメみ...

  • 2022年邦画映画その4

    「恋の渦」男女9人のそれぞれの恋愛の虚実入り乱れる様が4つの室内劇のみで描かれる。男同士の会話、女同士の会話、他の部屋で明らかになる秘密。猥雑で生々しく苛つく人々、内容のない会話なのに目が離せない。劇団ポツドールの三浦大輔による同名戯曲の映画化。監督大根仁、原作・脚本三浦大輔。「シャイロックの子供たち」支店で発生した現金紛失事件の真相を追う銀行員。wowow版と違ったね。銀行員は失踪することなく。後半の騙し合いはオリジナルだね。監督本木克英、原作池井戸潤、脚本ツバキミチオ。映画「Dr.コトー診療所」志木那島に来島してから19年唯一の医師として医療に従事するコトー。過疎化による近隣諸島との医療統合の話が来て悩むが、身体に異変が。研修医が叫ぶ1人の医師に寄りかかる現状が心に来る。原作山田貴敏。当時と同じ脚本吉田紀子演出中江功。2023年の放映開始から20年後の続編。随分たってるのになぜ今な...

  • 2022年邦画映画その3

    「零落」8年間連載が終了しスランプになった人気漫画家は妻と別居しデリヘル嬢に惹かれる。苦悩し漫画家として浮上するまでの話。「おやすみプンプン」以後みたいに見えるが自伝ではないのかな。現在「MUJINA IN TO THE DEEP」を連載してるね。監督竹中直人、原作浅野いにお、脚本倉持裕。周りに傷つけられ自分を牙を剥き、自分を傷つけない世界に逃避するも、結局自分を救うには筆を取るしかない、書き続けるしかないのが創作者の業。映画「月の満ち欠け」妻子を失った主人公を訪ねてきた男は、主人公の娘と自分の愛した女性について語る。純愛か妄執か。生まれ変わりに振り回される周囲。子供とおじさんの年齢差が気になって。ラストの再会イメージが若い二人だったけど、現在の老人と幼女の姿のほうが余韻があると思うのだが。佐藤正午原作。東野圭吾の「秘密」も亡き妻が生まれ変わるけど、記憶は消えて(フリなのかもだが)去る。...

  • 2023年邦画映画その2

    2023年邦画映画その2「異動辞令は音楽隊!」粗暴な刑事が警察音楽隊への異動を命じられた。和太鼓をしていた経験から担当はドラム。初めは腐ってたが、前向きに取り組むことで、家族との不和や刑事時代の事件の解決に繋がる。王道ハートフル。市民との架け橋のひとつとしての警察の意義原案・脚本・監督:内田英治。実写版「ゴールデンカムイ」とうとう発表鶴見中尉=玉木宏は予想通り脚本の黒岩勉さんは男同士の関係描くと艶っぽいので男だらけの本作との親和性は高そうだけどエピソードを詰め込み駆け足にならないとよいな映画「ある男」事故死した夫が別人だったと知った妻は弁護士に調査を依頼する。彼が何者なのかを調べていく弁護士は真相を知るうちに内なる欲求を覗くことに。ラストの言葉は戯れの願望か。平野啓一郎原作。作中に出る 『ある男』ルネ・マグリットの絵画「複製禁止」が意味深でいい『あのこと』中絶が違法だった1960年...

  • 2023年邦画映画その1と臨時子育て日記

    臨時子育て日記春休みになってやっと娘が「ペルソナ5」始めました。買ったものの忙しくてまとまった時間がなくて、ペルソナ動画は見るくせになかなか始めなかったけれどやっと。やり始めると楽しそう。ついでに止まってたゼルダも再開してたり。2023年邦画映画その1「ホリック xxxHOLiC」アヤカシが見える男子高校生・四月一日君尋は怪しい店の店主壱原侑子に出会い店を手伝うことになる。百目鬼やひまわりを巻き込んだ、原作の最後あたりの展開がベース。店の雰囲気がいい。原作CLAMP、蜷川実花監督アニメ版、アニメ版映画、wowowドラマ版と見てきたから、そのベースあって感慨深いものがあるかな。最後の映像化で最終回の映像化なのだなと思うと。しかし、一見さんには伝わりにくいかも。「マイ・ブロークン・マリコ」親友のマリコが自殺したと知った主人公は、彼女を虐待していた父親から遺骨を奪って逃走。遺骨と共に岬を目...

  • 舞台「ワールドトリガー the Stage 大規模侵攻編」『笑の大学』

    舞台「ワールドトリガー the Stage 大規模侵攻編」脚本・演出中屋敷法仁。前半はA級隊員を目指し隊員たちと顔見せや小競り合い。後半はネイバーの軍事国家アフトクラトルによる大規模侵攻。駆け足ぎみではあるけど、段差のある舞台にプロジェクションマップと今回も見せ方が上手い。『笑の大学』戦争初期、台本を検閲する検察官と上演のために書き直す劇団座付作家の完全2人芝居。書き直すほどに笑い要素を増してゆく台本にいつしか2人は没頭してゆくのだが。取調室のみのワンシチュエーションドラマ2時間半を飽きさせない。三谷幸喜が初めて自身で演出し、ラストを変更したそうな「どうする家康」山場に合わせて「英雄たちの選択」「明鏡止水」「100分で名著 司馬遼太郎覇王の家」「歴史探偵」などでいっせいに特集してましたね番組のカラーに合わせて切り口も解釈も違うのが面白かった今年の大河も早速「歴史探偵」で特集されてまし...

  • Netflixドラマ

    Netflixドラマ「サンクチュアリ -聖域-」ネトフリドラマ全8話。不遇で屈強な不良少年が相撲部屋に入り、一人前になるまで。やんちゃで先輩にも煙たがれるが、ライバル力士の対戦で負傷し挫折し這い上がる。相撲という国技を王道スポーツ物語として迫力満載で描く。これはベスト10に入るわ。江口カン監督。役者の身体作りにハリウッドのプロが協力し、無理なく身体作りしたそう。しかしライバルは元力士。さすがに体つきと迫力がダンチだった。どん底から這い上がった彼の背景もちょいミステリー的に並行して描かれる。シーズン2は無理かな。さすがに大相撲になっちゃうから難しそう『THE DAYS』Netflixドラマ。2011年の福島第一原子力発電所事故を描く。当時情報が不明確だった事故を国内外に伝える意義は大きい。前半は災害とベント、後半は海水注入と爆発その後。政府の踊る会議、結束する現場の対比から志を一つするまで...

  • あけましておめでとうございます

    あけましておめでとうございます...

  • 2023年秋ドラマ感想

    「パリピ孔明」現代にタイムスリップして新人歌手を奇策でプロデュースする孔明。アニメも見たけどドラマもいい。リアルな歌やダンスをふんだんに出せるのは実写ならでは。男前すぎる回想の劉備玄徳ディーンパートも面白い。アニメの先に行くのを期待。『時をかけるな、恋人たち』未来から来たタイムパトロールの隊員になってしまった主人公。令和に逃亡してくる恋人たちを取り締まるだけでなく、辻褄さえ合えばいいと丸く納めてゆく。後で解消されそうな伏線が色々張られてる気がする。脚本上田誠さん『家政夫のミタゾノ』安定のミタゾノ。今回も新メンバーが入り時事ネタも入りシニカルに笑わせる「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」逃亡する記憶喪失の男、トラブル中のレストランのシェフ、暴走する報道キャスター。三者の12/24の1日の出来事を並行する。映画ではよくある設定を連ドラでやろうとしてるようだが、コメディかシリアスなのかどう...

  • 2022年夏ドラマや特別ドラマ感想

    「ノッキンオン・ロックドドア」動機担当&トリック担当のコンビ探偵。アニメ誌に掲載されていた話がドラマの1話だった。青崎有吾原作。昔トリッキーな表現が得意だった堤幸彦監督。娘から見ると昔風らしい。あれから増えたからねあの手の表現。もう古典ね。技術も表現も積み重ねられてゆく。朝ドラ「らんまん」田邊教授の掘り下げよかったですね。こういう主人公の壁となる人物をただ悪役にしないところがよい。「アマデウス」におけるサリエリ。敵でも恩人でもある教授と感情のもつれの顛末。彼の影響で変わっていく研究室の一人一人も丁寧に描いている「らんまん」最終週はメイン登場人物ほぼ全員登場。しかも回想ではない。関東大震災から昭和33年の没後一年後に飛び、祖母役松坂慶子とナレの宮崎あおいが登場。時間が戻り昭和2年理学博士になり大学時代の同朋や幼馴染も登場。いいキャラばかり。脚本の長田育恵さんは群像劇が上手い「警部補...

  • 臨時子育て日記「万座高原旅行」、「北海道旅行」、「手塚治虫 ブラック・ジャック展」

    万座高原旅行高原なら涼しかろうと9月13、14日に万座に一泊旅行に温泉メインなので遅めに出たら高速はそんなに混まず。道中は娘とFGOサバフェスしてたり。軽井沢アウトレットに立ち寄ってホテルに。ちょい面白温泉で翌日も入り帰宅。観光地ほぼ寄らず旅…北海道旅行2023/9/20-23JJ tourで予約 安いあかん湖鶴雅ウイングス連泊山側の部屋ビッフェのメニュー多彩20日釧路空港→ 釧路市湿原展望台→ 温根内木道散策→阿寒湖ホテル→体験型ナイトウォーク「カムイルミナ」21日道の駅流氷街道網走→網走監獄→オホーツク流氷館→道中(リス、鹿、鷺)→ホテル22日摩周湖第一展望台→硫黄山アトサヌプリ→砂湯→摩周湖→天に続く道→オロンコ岩→知床五湖→オシンコシンの滝→道中(鹿20頭くらい)→阿寒ユーカラ「ロストカムイ」23日阿寒湖遊覧船 チュウルイ島 マリモ→丘の上のオーベルジュ ハートンツリー昼食→道中...

  • 日本映画感想「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」「獣道」「あちらにいる鬼」

    「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」評判通りの面白さ。広告代理店の社員たちは月曜日が起点のタイムループしていると気づく。原因は部長にあると推測し、気づいてもらおうと悪戦苦闘するが。社員たちの意思伝達が縦のラインで上に順繰りに伝えること。手段としてのプレゼン資料が何度目かをわかるように進化しているのに笑う。監督:竹林亮、脚本:夏生さえり上乗せしていくどんでん返し、問題解決への過酷なミッションによる連帯感。普通の同僚がかけがえのない仲間になってゆく様が微笑ましい。SFでもあり、お仕事青春物でもあり。ヨーロッパ企画の作品みたいな楽しさ。「獣道」地方都市に育った不良少女は母親のもとを離れ、居場所を求めて色んな場所を転々とするが。自身も不良少年になってゆく少年がナレーションとして語る痛々しくも逞しい彼女の半生。監督・脚本:内田英治。伊藤沙莉本人も子供の頃だがヒロイン...

  • 2023夏ドラマ感想その1

    2023夏ドラマ感想その1「ノンレムの窓 2023 夏」『夕暮れ時の葛藤』『推してもいいデスか?』『出世したくない君へ』の3本。「夕暮れ」はスーパーの行列の心理戦 いかにもバカリズム脚本「出世したくない」ダメ人間になる自己啓発セミナー。「光秀のスマホ」シリーズの竹村武司脚本。「どうする家康」信長を殺すと宣言する家康。面白くなって来ました。娘が視聴再開するそうな。過剰に媚びへつらう態度は信長ではなく家来たちを奮起させるためだったようで。人をあやつるコンフィデンスマンになるか。まだ家来たちによしよしされてるが。ついでに秀吉の弟・秀長が出て来たのも嬉しい。彼は秀吉にとり公私ともに大事な存在だったそうで。演者がキムタクでも岡田くんでも、古沢脚本の信長はどうも精神的に柔いというか。家康に弱みを見せたり、あえて謀反を促したり。それに対して泣いちゃう家康とか。戦国時代なのに繊細すぎて異世界転生かタイム...

  • 「天国大魔境」「ゴールデンカムイ」ジャンプヒロアカ!

    「天国大魔境」幻覚少女とミミヒメの耳とコナとヒルコの呼び名。大きな謎が解けて新たな謎が現れました。原作既読でもまだわからないとこがいっぱい。街を目指す子どもたち、波乱を経て旅を続ける子どもたち。2期を望みたいラストでした。「ゴールデンカムイ」11話月島さんの声の演技が素晴らしい。盲目に命令に従い自分に嘘をついていたが考え直す。目が覚めることはないにせよ振り返る。ライナーといい、エンデヴァーといい、悩めるおじさんの色気のある事12話「発射」3期開始時から予告していたエピソード。放送コードギリギリだけどセーフ多分セーフ。松岡禎丞さん、三上哲さんの演技も真に迫ってて大笑いでした。ヒロアカジャンプヒロアカ!轟家の家庭の事情決着。悲劇になりそうだったけど誰も欠けることなく家族のパワーで乗り越えるとは。しかし、エンデヴァーがどんどん色っぽくなっていくなあとげふんげふん。次回はお茶子VSトガちゃんの...

  • 『闇金ウシジマくん』「らんまん」と「どうする家康」ちょい辛口感想

    『闇金ウシジマくん』サイバラさん見てた娘が本編のウシジマくんを見たいと。リアル視聴してたけど娘は当時子供だった。借金の怖さを学ぶ優れた教材。シーズン1、劇場版1、シーズン2、劇場版2と家族で視聴。どんどん進んで今シーズン3。「劇場版 闇金ウシジマくん」映画第3弾も見終わり。あとはファイナル残すのみファイナルも視聴。子供時代の回想が多めでエピソード0の趣。「らんまん」アレンジの光る長田育恵脚本。結婚して最終回のように第2部は締め、今週から第3部に入ったかな。史実ならこれから教授と色々と軋轢があるところ。ドラマ的には教授の見せ場来たる。私のものになりなさいというパワーワードにどう返事するのか。「どうする家康」やっと腹黒家康になるかな?『レジェンド&バタフライ』で一瞬出てきた斎藤工家康みたく。史実は不仲で別居中の妻築山殿が、保身で信玄と手を結んだのが原因だという話。ドラマでは家康も妻も良く見...

  • 邦画感想「アクターズ・ショート・フィルム3」「きさらぎ駅」「ビリーバーズ」「ゴーストブック おばけずかん」

    「アクターズ・ショート・フィルム3」全5作品、国際短編映画祭ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2023にノミネート。wowowで見た時印象的だった作品は玉木宏「COUNT 100」はボクシングとSF。土屋太鳳「Prelude」はダンスが見せ場、野村萬斎「虎の洞窟」は山月記下敷で窪田正孝くん快演。「きさらぎ駅」ホラー佳作。前半は異世界に行った女性の体験の回想。後半は話の聞き手がきさらぎ駅に行く追体験というかリロード。きららぎ駅での回想が一人称ゲーム風映像で別の意味で怖い。「つぐのひ」みたいなじわる怖さ。監督永江二朗は「トモダチゲーム」の監督。映画「ビリーバーズ」無人島で僅かな食糧で共同生活する宗教団体「ニコニコ人生センター」所属の男2人女1人。オペレーター、副議長、議長と称し、修行としてメールで送られる指令をこなす日々だが、次第に彼らの関係は崩れてゆく。夢か現実か茫洋とした...

  • 映画鑑賞2023「キングダム 遥かなる大地へ」「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」など

    「キングダム 遥かなる大地へ」「大河への道」『ウェディング・ハイ』「KAPPEI カッペイ」「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」「キングダム 遥かなる大地へ」呉慶率いる魏の大軍と秦の大将軍?公率いる秦軍との戦で殆ど戦場と思い切ったバトル映画。信は歩兵として従軍し命懸けで戦い方を学びつつ手柄を立てる。羌?、六大将軍王騎、丞相呂不韋が登場。アニメ1期17話?22話+16話に相当。監督:佐藤信介、脚本:黒岩勉、原泰久「大河への道」千葉県な市役所職員達は地元の偉人伊能忠敬の大河ドラマ化を目指す。しかし伊能忠敬は地図の完成前に死亡してると知らされる。脚本家の書いた、師の死を隠し地図を作る弟子達の話がメイン。監督: 中西健二、映画脚本: 森下佳子、原作: 立川志の輔『伊能忠敬物語 -大河への道-』『ウェディング・ハイ』おとなしめの滑り出しだが結婚式が始まるとエンジンがかかる。参列者が映像や...

  • 2023年春ドラマ感想「らんまん」「波よ聞いてくれ」「秀吉のスマホ」「秀吉のスマホ」

    「らんまん」妾になれと願う良家の男の登場に、ツレはとんでもない人物が現れたというが、この人物はある意味史実の主人公の分身ともいえる。史実をなかったことにせず形変えてぶっ込んでくるとは、脚本のアレンジがほんと上手い。明治の良家の男性の考え方は妻は選べず妾が本命というのは普通だっただろう。主人公が従姉妹と結婚せよと言われるエピもちゃんとあった。ドラマは結婚しなかったが。主人公も史実では従姉妹と夫婦になるし、東京妻を娶るわけだし。主人公も同じ価値観の下にあると代弁している。また、実家方の援助については、東京生活に困窮していない→実家から使用人がきて生活の援助。早々に雑誌を刊行するお金→学界機関誌として援助。どちらも上手いアレンジ。印刷の技術を1年間神田の印刷屋で学んだ史実からの印刷屋修行話。浮世絵の木版印刷は浮世絵の映画など見ることがあるけど、当時の石版印刷のやり方の描写は朝ドラだけではなくドラ...

  • 読書感想その7

    とりあえず読書感想はここまでです。NetGalley(ネットギャリー) で読んだ本が多いのでジャンルが雑多ですね。趣味とはずれるので普通ならあえて手にとらないような本が多いのですが、だからこそ新鮮な気持ちで読めました。本も出会いです。ちなみに趣味で選んだのはこの中では「幽玄F」だけです。まるで読書ブログみたいになってましたが、次回から通常運転に戻ります。「幽玄F」佐藤究文藝 2023年夏季号掲載。少年の頃から空に焦がれた易永透は航空宇宙自衛隊員となるが、飛行中に透明な蛇の幻に苛まれ空を去る。異国で揺蕩う彼はある日墜落した戦闘機を見つける。何故戦闘機に惹かれるのか。彼が得た答えとは。戦闘機と東南アジアの習俗と仏教のハーモニー。己の希求するものに殉じて滅びに向かう人物が著者は上手い。『気がつけば生保レディで地獄みた』忍足みかん著生命保険会社に勤めた著者本人による新人生保レディの実態。保険の...

  • 読書感想その6

    『茜唄 上下』今村翔吾著『上海灯蛾』上田早夕里著「# 塚森裕太がログアウトしたら」浅原ナオト著「俺ではない炎上」浅倉秋成著『こども地政学 なぜ地政学が必要なのかがわかる本』船橋洋一著『地政学から戦争と平和を考える 国際情勢と領土問題』国際地政学研究所 監修著『茜唄 上下』今村翔吾著平知盛の視点から描いた平家物語。当時を知る二人の人物が「平家物語」として語る追想録という形式。木曽義仲と戦い、義経に苦戦した史実をベースにしながらも、あらまほしき出会いや現代的な視点がある。意外な結末は歴史ifの方に近いともいえる。『上海灯蛾』上田早夕里著1934年上海にて、雑貨屋を営む主人公は謎の女に上質な阿片と芥子の種を渡される。裏社会を支配する「青幇」に取り入るためその一員・楊直に会うが、阿片栽培を命じられる。一方で大学から関東軍に入れられた青年の運命は。男の野望、関東軍、阿片を巡る物語。「# 塚森裕太...

  • 読書感想その5

    『木挽町のあだ討ち』永井紗耶子著『タイタン』野崎まど著『北欧こじらせ日記』週末北欧部chika著『覇王の轍』相場 英雄著『視力防衛生活』綾木雅彦著『飛鳥クリニックは今日も雨(上)』Z李著『木挽町のあだ討ち』永井紗耶子著芝居小屋の仇討ちが成し遂げられた。二年後、一人の侍が芝居小屋に仇討ちの詳細を訊ねてくる。芝居に携わる人々によりわらしべ長者のように順繰りに目撃証言がなされる。なぜ事件が起こったのか、その真相が徐々にわかってくる。殺陣師、衣装係、小道具職人、筋書、木戸芸者など彼らのドラマも語られ、連作短編のような趣もある。ドラマにもできそう。『タイタン』野崎まど著AI『タイタン』により管理された平和な社会。ほとんどの人類は仕事をせずに済む未来社会でAIが機能不全に陥る。心理学が趣味の主人公は今や僅かとなった就労者にAIのカウンセリングの仕事を強制される。AIの固有人格コイオスとの対話から知...

  • 読書感想その4

    『火狩りの王』日向理恵子著『ふしぎな図書館とやっかいな相棒』廣嶋玲子著『ゲームの歴史』岩崎夏海、稲田豊史著『世界 魔法道具の大図鑑』『タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース』窪美澄著『戦略的ビジネス文章術』野上英文著『火狩りの王』日向理恵子著人類最終戦争後、天然の火で発火する体になった人類は、火狩りが森の炎魔から採る火を頼りにしている。自分をかばって死んだ火狩りの形見の犬を届けるため首都へ向かう灯子と仲間たち、首都で雷火に関する極秘研究を行う煌四のW主人公。これから二人が出会ってから物語大きく動き出しそう。1巻では灯子の集落や旅で出会う結界に暮らす人々の生活や黒い森の危険な炎魔との戦いがメイン『ふしぎな図書館とやっかいな相棒』廣嶋玲子著アンデルセンワールドが何者かに変更されてゆく。物語の修復を頼まれた主人公は著者であるアンデルセンとともに物語の中に入り込む。悲劇が好きじゃなかった主人...

  • 読書感想その3

    「熱源」川越宗一著『#真相をお話しします』結城真一郎著『簡単得する 暮らしのお手入れ』便利屋つばさ監修著「その本は」 ヨシタケシンスケ, 又吉直樹共著。「爆発物処理班の遭遇したスピン」佐藤究著「爆発物処理班の遭遇したスピン」佐藤究著「熱源」川越宗一著。樺太生まれで北海道に移住させられまた戻ったアイヌと樺太に流刑になったポーランド人が研究と学校設立の件で知り合うが戦争でそれぞれ別々の道をゆく。メインはこの2人だが、視点はその他複数の人々にも変わる。アイヌ文化を描写した前半の章がいい。困難や軋轢はあるがその描写は少ないのでさらっとした読後感。『#真相をお話しします』結城真一郎著さくっと読みやすいミステリ短編5話。YouTube配信、リモート飲み会、中学入試、パパ活、精子提供と、どれも今の時代的なネタを扱っている。登場人物は加害者だったり被害者だったりするが、対話による緊張感がメイン。どれも...

  • 読書感想2

    『HERO 大島康嗣の仕事』大島康嗣著『狙われた羊』中村敦夫著『内科医がズバリ答える その健康法は〇か?か』植田勝廣著『ナショジオキッズ PHOTO ARK せかいの絶滅危惧どうぶつ 守りたいいのち』デビー・レビー【著】新宅広二【監修】『かえりみち』森洋子著『大きなパンダと小さなドラゴン』ジェームズ・ノーブリー著『HERO 大島康嗣の仕事』大島康嗣著特撮ヒーローの写真を長らく撮ってらした講談社の大島氏の写真集。「ウルトラQ」「仮面ライダー」「ウルトラマン」など多くの貴重な写真が満載。戦中は子供だったので意外なことに軍国少年ではなかったそうで。撮影時の逸話や信頼を得るための苦労など語られた文章も昭和の時代の証言としても興味深い。『狙われた羊』中村敦夫著カルト教団に入り洗脳されてゆく女性、教団に囚われた息子を連れ戻してほしいと依頼された探偵、信者から集金する幹部のそれぞれの視点から語られる...

  • 読書感想その1

    『マーブル』珠川こおり著『イラストで読む建築 日本の水族館五十三次』宮沢洋著『競争の番人』新川帆立著『ウィリアム・ギブスン エイリアン3』ウィリアム・ギブスン、パット・カディガン著『アイヌのことを考えながら北海道を歩いてみた』ベルナリア吉田著『○×マンガで対応策がすぐわかる 身近な人が認知症になったら』佐藤眞一著『マーブル』珠川こおり著主人公の弟は二次創作をやっていて、恋愛に興味がない。仲良し姉弟だったが、恋人が同性愛の経験を持っていたと知ったことから、何故か弟が本当に同性愛ではないかと疑うようになる。弟に女をあてがおうと余計な干渉をしてしまう姉の暴走がなかなかウザ痛い。全く興味がない一般人から見たコミケの様子が珍しい。人の幸せは他人にはわからない。『イラストで読む建築 日本の水族館五十三次』宮沢洋著全国の水族館を詳細に描かれたかわいいイラストで紹介する、水族館に行きたくなる一冊。冒頭の...

  • 洋画鑑賞と舞台「憂国のモリアーティ」

    「僕の世界の中心は」「クーリエ:最高機密の運び屋」「我らの父よ」『TITANE/チタン』ミュージカル『憂国のモリアーティ』「僕の世界の中心は」主人公は母と双子の姉と暮らしているが、母親に恋人ができて父親のような存在になる。主人公は転校生に恋して付き合うようになるのだが。前半は穏やかだが、後半で恋人や家族の隠し事が明らかになってゆく。監督ヤーコプ・M・エルヴァ。ドイツ人作家シュタインヘーフェル原作「クーリエ:最高機密の運び屋」東西冷戦時代。キューバ危機勃発とその戦争回避の裏にあった実話が元。一般人である英国人商人はCIAとMI6から機密情報を西側に運ぶ依頼を受ける。スパイであるGRU【ソ連軍参謀本部情報総局】の大佐と協力しミッションを続け男達の間には同士的友情が生まれるが。主人公を襲う受難と苦悩、米英ソの情報局の思惑、彼らそれぞれの思惑。大佐との最後の会話がいい。監督/製作総指揮:ドミニ...

  • 2023年春ドラマ感想とミニドラマとネトフリドラマ

    「らんまん」東京編は東大の教授たちと出会う。植物学者としての本編開始。土佐編は主人公の従妹のほぼW主人公でした。従妹はうまいアレンジでした。朝井まかて著「ボタニカ」がある以上従妹をなしにはできないけれど、そのままでは主人公に感情移入しずらいところ。実際小説はそうでした。「ラストマン-全盲の捜査官-」FBIから来た全盲の特別捜査官と、警視庁の刑事がバディを組む。福山雅治演じる捜査官は飄々としていてしたたか。刑事役の大泉洋は振り回される役がぴったり。黒岩勉脚本はバディが上手いね。藤子・F・不二雄SF短編ドラマA氏はブラックだけどF氏もブラックを描いている星新一に続くBSプレミアムのSF短編ドラマ。一本15分「おれ、夕子」「メフィスト惨歌」「親子とりかえばや」「定年退食」「テレパ椎」「昨日のおれは今日の敵」「流血鬼」(前後編)6月にある後半シリーズが楽しみ。4日と11日に再放送の合間に放映す...

  • 2022年洋画映画感想

    「モーリタニアン 黒塗りの記録」「秘密への招待状」「ぶあいそうな手紙」『ゴッズ・オウン・カントリー』「ベル・エポックでもう一度」「テーラー 人生の仕立て屋」「1秒先の彼女」「モーリタニアン 黒塗りの記録」主人公スラヒは米同時多発テロ事件の直後、容疑者としてキューバのグアンタナモ収容所に14年拘禁され、裁判も行われず酷い扱いを受ける。彼を弁護する女弁護士と彼を起訴しようとする少佐の側からも語られる。監督ケヴィン・マクドナルド。スラヒによる手記が原作。酷い拷問や尋問で問題になったここの収容所は国際社会から非難されたものの未だ閉鎖されてないそうで。「秘密への招待状」インドで慈善活動をしている主人公は出資者に会うためその娘の結婚式に出席するが、出資者の伴侶は自分の元恋人、娘は自分の子供だった。出資者が伴侶や娘と主人公を接触させようとする理由とは。「アフター・ウェディング」の男女逆転したリメイク...

  • 2023年春アニメ初回感想とネトフリアニメ

    2023年春アニメ初回感想とネトフリアニメ「天国大魔境」隔離された少年少女の日常パートと崩壊後の日本を旅する男女(?)二人組のパートが交互。丁寧なアクションに綺麗な風景とナチュラルな会話。IGの本気が嬉しい。第一話は化け物が登場まで。2つの舞台も小出しにリンクするけどいまだ原作でも謎が解かれてないし、どこで終わるのか不明ね惜しくらむは配信がディズニープラスのみということ。それだけ予算をかけてるのは伺えるけど、1箇所では沢山の場所で配信してる他作品に比してリアルタイムの盛り上がりが犠牲になる。サマータイムレンダもすごい画質だったのに勿体なかった天国大魔境TOKYO MXでら4話までの見逃し放送もあったし。独占配信なので話題になりにくいけど、すごい作品なので視聴者増えてほしい。でもって考察してほしい「地獄楽」原作既読。びっくりするくらい原作通り。綺麗でキャラもそっくりで良きかな。だけど時間...

  • 2022年の映画鑑賞など

    「幸せへのまわり道」「43年後のアイ・ラヴ・ユー」「さよなら、私のロンリー」「パーフェクト・プラン 人生逆転のパリ大作戦!」「グリーンランド -地球最後の2日間-」「ベルファスト」「サリー・ポッターのパーティー」「幸せへのまわり道」雑誌記者である主人公は子ども向け番組の人気司会者フレッド・ロジャースの記事を書くことになる。2人は友人となり主人公はフレッドの影響で疎遠だった父親と和解する。捻ってくるのかと思いきや素直な映画だった。実話が元。監督: マリエル・ヘラー。怒りを制御しよう。子供の頃を忘れ大人の目線でいけない、対話で解決できる。実は短気な人だったという司会者。ラストでちらっとそれが垣間見える父の後妻も怒りを制御していると伺える。聖人とは普通のひとであり大局のために怒りを制御している人なのかも原題「A Beautiful Day in the Neighborhood 隣人と最高の1...

  • 2023年春ドラマとネトフリドラマ「今際の際のアリス」

    「信長のスマホ」スマホシリーズ第4弾。今回は通して信長のCVだった島崎信長、身体佐藤信長のダブルキャスト。秀吉に和田正人、光秀に山田孝之(CVのみ)と今までのシリーズのキャストもあり。年末の総集編+もあるだろうから楽しみ。脚本:竹村武司。朝ドラ「らんまん」植物学者・牧野富太郎がモデル。土佐の造り酒屋の跡取り息子は植物が大好き。長田育恵作、神木隆之介主演。朝井まかての牧野富太郎の伝記「ボタニカ」でもあるように妻が二人いたという朝ドラ的に難しいとこがあるが、姉でもともと酒蔵が好きというそういう設定で来たかと。しかし土佐の妻その酒蔵は今後。研究者も芸術家も周りを振り回し食い潰す。しかしそんな周りの援助がなければ餓死するような人々。生きることを後回しにする人々。事実も真実も当事者にしかわからない。『何かおかしい2』生放送中のラジオで違和感から意外な事実が炙り出されるサイコホラー。人間の悪意に怖...

  • 2022年邦画映画その2

    映画『ハケンアニメ!』辻村深月著の原作既読。夕方台のアニメの新人監督に抜擢された主人公は裏番組の天才監督の作品に闘志を剥き出しにする。ライバル側のプロデューサーもW主人公。実写版「SHIROBAKO」だね。劇中アニメのクオリティが高く、天才監督側はプロダクションIG、主人公側は白組。個人的にはアニメの実制作をもっと見たかった。実際は配信や海外展開もあるから在宅視聴率でハケン勝負もないが、結果は割とリアル可愛さやキャッチーさがなければ、綺麗なだけじゃ視聴者はついてかない。でもコア向けはメディア展開で売れるオチで監督が辞めるのはアニメ会社モデルが東映だからか。東映は監督を放流するから。IGなら監督を大切にするから在籍のママだろうね。「ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち」リレハンメル五輪に出たスキージャンパーの主人公は長野五輪ではテストジャンパーとして裏方に回る。長野でスキージャンプ・ラージヒル団...

  • 2022年邦画映画その1

    「CUBE 一度入ったら、最後」「老後の資金がありません!」「サマーフィルムにのって」「ノイズ」「コンフィデンスマンJP 英雄編」「サムライマラソン」「シン・ウルトラマン」「先生、私の隣に座っていただけませんか?」ためすぎたので一気に「CUBE 一度入ったら、最後」立方体に閉じ込められた男女。脱出しても次の部屋。『キューブ』(Cube)1997年製作のカナダ映画、ヴィンチェンゾ・ナタリ監督作品のリメイク。昔の作品を知らない層は見ても良いね。でもって昔の作品を見てくれるといいね。よりパズル的で面白いから。悪役、オチは変えてるね。元はアンチヒーローな感じがカナダとアメリカの関係を思わせた。「老後の資金がありません!」義父の葬儀に長女の結婚と予定外の出費に妻はパート解雇、夫の会社は倒産。老後の貯金を心配する妻は義妹と交渉し、仕送りの代わりに義母を引き取ることにするが。妻と義母の交流の話。...

  • 臨時子育て日記と舞台とプロファイラー

    臨時子育て日記【大雪山に潜む刺青囚人からの脱出】リアル脱出ゲーム娘と行きました。記念に「謎付きクリアファイル(杉元、尾形、谷垣編)」を買って謎を解き明かしました。アニメ銀魂共通テスト2023娘と受験しました。アニメ「銀魂」にまつわるテストで『銀魂後祭り2023(仮)』内で受験番号を発表する可能性あるそうで。ライブビューイング見に行くので楽しみ!舞台「けむりの軍団」戦国時代、浪人美山を追跡していた元軍配士・真中十兵衛は目良家の正室に出会う。彼女は目良家が同盟を反故にした故に逃亡していた。本国の厚見まで届けるよう頼まれ、十兵衛は追手を惑わすため自分達を軍勢に見せる策を取ると言う。その方法とは。武士、僧兵も入り乱れる活劇舞台。「パ・ラパパンパン」ティーン小説家が初の本格ミステリーを書くことになり、クリスマス・キャロルを下敷きにスクルージ殺人事件を思いつく。担当編集者は彼女の構想を手伝うが...

  • 2023年冬アニメ感想

    「どうする家康」ちょこっと回想ではいたけど子役なしかな?珍しい。前評判で今回は今川義元の扱いが良いと聞き、なるほど高貴な御心御姿と思っていたのにまさかの第一話で退場とな??しかし家康の長?い70余年の人生を追うなら仕方ないのかもと思ったり。『警視庁アウトサイダー』元マル暴のベテラン刑事と若手エース刑事がコンビを組むことに。どちらも訳ありらしい。コミカルな西島さんが珍しい。演出木村ひさしさんらしく小ネタを挟み込み愉快な感じ。婦警はオリキャラではなく最新作で加わるメンバー。原作加藤実秋。漫画版もある「ブラッシュアップライフ」人生を繰り返し来世のため徳を詰む主人公。1度目の人生では気づかなかった点を変更すると自分だけでなく他人の人生も変わる。2度目は今のところ好転している。女子トークしつつ客観的なツッコミも入れてるところバカリズム脚本らしい面白さ。ドラマ「大奥」よしながふみ原作。原作の完全...

  • 「鎌倉殿の13人」「ファーストペンギン」「早朝始発の殺風景」「両刃の斧」『いちげき』

    「鎌倉殿の13人」謀反を起こそうとした妹を処刑するという義時。政子は妹を助けるために権力を手にする。流石の脚本。野心家の女性もいるけれど、そうでもない女性では、自分や大切な人を守るため権力を取らざるを得ない例も多かったかもしれないなと。最終回。大河ドラマ離れした義時の死に様が見事。意表をつかれた。畳の上でも戦場でもなく死人が迎えにも来ない。抗争の果てに迎えるに相応しい死。マフィア物のラストみたいでした。三浦の本心や政子への告白も良かった。1番おおっと思ったのは政子が床にこぼれた薬を袖でさっと拭くシーン。政子は翌年に亡くなってるね。台詞どおり本当にまもなくでした。ドラマにあったように義時に妻が毒を盛っていた説もあるようで。「ファーストペンギン」出資してくた企業から来た男のによる船団の会社化の提案に乗った漁師達。しかし実は外国資本による漁業の買い占めだった。船団の実話から一歩進んで、外国勢力...

  • 読書『ラストバトル』「ボタニカ」「塞王の楯」『昆虫の惑星』「同志少女よ、敵を撃て」『幻告』

    『ラストバトル』草凪優著引退しラーメン屋を営むプロレスラーの主人公にもといた所属団体から復帰の誘いが来る。彼をメインとした解散イベントを組んでると言う。現在50歳故に断ろうとしたが復帰を決意。その後のプロレス生活と引退までの回想。激しい試合の描写も多い。張り合ったり殴りあったり憎みあい人間関係はギスギスしている。大怪我をしてもそれでもプロレスから離れられないレスラーの業を語る。「ボタニカ」朝井まかて著。今度朝ドラになる明治の植物学者・牧野富太郎の伝記。土佐の酒屋を妻兼従姉妹に任せ上京し、小学校中退でありながら東大に出入りし研究。周囲がしんどそうなのは天才故かな。仕送りさせながら別に妻子を持ちと、今の尺度で測りにくいが朝ドラでどうなるかな「塞王の楯」今村翔吾著。安土桃山時代、石垣職人集団「飛田屋」の後継者である主人公は大津城の籠城戦にて国友衆の鉄砲・大砲と争うことになる。普通の侍の戦場...

  • 臨時子育て日記と「ファーストラブ」「マスカレード・ナイト」映画「ドライブ・マイ・カー」「子供はわかってあげない」『そして、バトンは渡された』

    臨時子育て日記娘の受験ため谷保天満宮でお祓い。牛の銅像と一緒に写真パチリ。リビングダイニングの西側には大國魂神社でお祓いした家族全員のお札、北側には娘の学業成就のお札と破魔矢。「ファーストラブ」公認心理士の主人公は父親殺害容疑で逮捕された女子大生を取材するが、証言内容は関係者達のものと食い違う。調べるうちに主人公は自身と家族の問題と向き合うことになる。脚本浅野妙子、原作島本理生。監督堤幸彦だけどギミックに頼らず素直に映像化してて良い「マスカレード・ナイト」殺人犯がホテル・コルテシア東京の大晦日の仮面パーティー〝マスカレード・ナイト〟に来るという。新田刑事は再び従業員としてホテルに潜入捜査に入るが、次から次へと怪しい人物が現れる。前回はホテルあるある短編集みたいだったが、今回は一本のサスペンス映画になってて面白かった映画「ドライブ・マイ・カー」妻に死なれた俳優が演出家として日韓混合のチ...

  • 「鎌倉殿の13人」ラストスパート

    「鎌倉殿の13人」実朝様。おや、これはと家中ざわつきました。繊細で恋の優れた歌も作るし、后いたのに子供がいないという史実から、そういう説もあるそうで。泰時への秘めたる思い、恋の歌のやり取りからその思いに気が付いた泰時の苦悩と、穏やかではない日々。病平癒15歳から気持ちに気づいたの最近という感じかな。よいですねえ。20歳までの話でした。娘はこういうのも書くんだねとほほう。「鎌倉殿の13人」もろ肌脱ぐ市村隼人くんに対抗して同じく脱ぐ山本耕史さんが素敵。ドキュメンタリー番組では出航失敗は浜辺が遠浅だった説でしたが、この陰謀説も面白い。実朝と後鳥羽上皇の結びつきを厭う義時。スタンドプレーという公暁の実朝暗殺も新説くるかな鎌倉殿の13人いまだ娘にネタバレ禁止を喰らっている。もうラストスパート!「鎌倉殿の13人」「実朝暗殺」大切に描かれてきた実朝。暗殺は2話かけてじっくりと。義時、三浦それぞれの思惑の...

  • 2022年冬ドラマ感想

    『チェイサーゲーム』ゲーム開発会社勤務の主人公は管理職に昇進するが浮かれたのも束の間。同僚の問題や仕事の進捗に悩まされる。現場を舞台としたお仕事体感漫画。監督・脚本・Pともに太田勇さん。楽しい蘊蓄がおしゃこ風味にリアルな業界物。娘も正座して見るぞと。原作は実在のゲーム制作会社・サイバーコネクトツーが舞台。漫画原作物で評価の高いナルティメットヒーローやジョジョや鬼滅の刃のゲームの会社。松山洋社長・松島幸太朗原作。キャラモデルも実在するそうで。ドラマの撮影は会社の東京スタジオが使われてるそうで。本物ー。「闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん」実写版『闇金ウシジマくん』登場したオリジナルキャラクターで原作の滑皮秀信を女体化した女闇金が主人公。エピソードは「闇金ウシジマくん」「闇金ウシジマくん外伝 らーめん滑皮さん」が原作からかな。ラーメン屋、サラリーマンなどの運命を追う。娘にとっては初めての...

  • 舞台ワールドトリガーなどとドキュメンタリー

    舞台『ワールドトリガー the Stage』葦原大介原作の異世界からの侵略者ネイバーと防衛組織ボーダーが戦う漫画の舞台化。とても2.5次元舞台との親和性が高いね。アクションも多くトリオンのエフェクトを照明やプロダクションマップで表現。銃アクション剣アクションとも舞台の複雑な高低差で両立させてる。キャラが大勢いるけれどユニフォームが隊ごとに違うので見分けられる。ストーリーもかなり消化してるけど粗筋感はなくちゃんと人間ドラマになってる。途中でトリオンの種類の解説があったのもいい。ちょい忘れてたから。初心者にも優しいかも。第二弾もあるようで。『偽義経冥界歌』頼朝挙兵前。奥州を治める奥雅一族の下に匿われていた牛若が死に、奥雅の長兄が身代わりに義経を名乗って挙兵する。歴史の裏側的な雰囲気だが、主人公が災難に見舞われ、死者達が蘇り大暴れと伝奇物の風情に。大立ち回りがいっぱい舞台「三谷かぶき 月光...

  • 「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」「ステージ・マザー」「マトリックス レザレクションズ」『お嬢さん』

    「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」主人公は前作ラストで正体を世界に知られて友達共々大学に進学できなくなった。ドクターストレンジに世界中の人々の記憶を消すよう頼むが魔法は失敗。平行世界からヴィラン達が現れる。元の世界では死ぬ運命の彼らを主人公は救おうと主張しドクターと対立する。2時間半を飽きさせない秀作。平行世界のスパイダーマンが現れるのはアニメ「スパイダーマン:スパイダーバース」と同ネタ。でもそれは承知の上で作られたかと。むしろ漫画版には親しみはないので実写の方が楽しい。歴代シリーズのスパイダーマン役者が出るのはムネアツ。特にサム・ライミ版の役者は今もかっこよくて嬉しい。スパイダーマン同士の先輩後輩のやりとり、設定ネタの違いをいじる会話も面白いアメージング版のスパイダーマンの悲劇の回収は見事だった。恋人を救えなかったラストは娘も覚えてたから、おの展開は感心していた。アメージングの続き...

  • 2022年夏ドラマ感想

    「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」西田征史の脚本によるオリジナル作品ということで、今期の大本命。記憶力抜群だが残念な弁護士と有能なパラリーガルのコンビ。回想シーンが壁と天井を使った舞台ぽい演出で面白い!NGでは?と思うような訳者の演技をあえて使ってるところがナチュラルでいい!西田脚本に期待される要素もバッチリねと言うと娘が吹きそうに。第一話のゲストはやはりレギュラーになった。タイバニっぽい超人なではない残念なところもある等身大で明るく面白いリーガル物になりそう。石子と羽男見たらタイバニ2見たくなってきたなあ。番組チェックしたけどまだネトフリ入ってないし。バスタードとかスプリガンとかいいところついてくる。ARM Sもやんないかな。皆川亮二さんといえば、アフタヌーンで「ヘルハウンド」新連載ね。石子と羽男。ファスト映画についての裁判。土下座されても許さなかった、めでたしめでたしじゃないラス...

  • 引っ越しと読書

    臨時子育て日記8月に新居に引っ越し。ここ数年家づくりでてんやわんやでやっと家ができた。引っ越し前は荷造り引っ越し後は荷ほどき本が多くてボックスを積み重ね。引っ越しの人がもうほぼ荷造りができてると思ったら本ばかりで一つ一つがとても重いとふうふう。8月は片付けに中古に売りにと忙しく9月はそれに加えてカーテンや物置やテーブル購入と忙しく外構が8月末まで完成しなかったので間駐車できずお盆は家族全員お片付けして、娘は本棚の整理をしてくれましたが会社や学校生活が始まると片付けは私の毎日仕事になり日用品と食料の買い物以外ほとんど外出しない生活にまだ色々ありつつもやっと一息つける感じまだダイニングセット来ないので相変わらずこたつテーブル生活だけどやっとこさ新生活と言いたいところ娘も夫も前より通勤通学は近くなったのでyokatta.思ったより早く帰ってくるので慌てることしばしば。読書「超動く家にて」宮...

  • 2022年春ドラマとドキュメンタリー

    ドラマ「鎌倉殿の13人」20話。弁慶の立ち往生とかタッキーの大河ではバトル回のエピ。今回義経の最期は義時との問答で戦う場面はなく、弁慶の立ち回りも実況という、静かで舞台風は脚本で面白かった。奥州藤原氏を潰さねば鎌倉側も危険で頼朝もギリだったことも「鎌倉殿の13人」頼朝没。先週の落馬死かと思いきや今週昏睡状態で、2話かけて亡くなるとは。不穏な鎌倉勢力の不協和音に、義時は姉政子から逃げは許さないと引き止められる。折り返し地点に相応しい盛り上がり。頼朝様安らかに次週からは内乱突入かな「17歳の帝国」真面目な高校生らしく「いいね!」に振り回されたねというか。アニメ「バビロン」で自殺法を擁して自治体が独立するエピみたくなるのかと思ったけど違った。やりたいことが特にない高校生ではみんなの意見を聞くことに腐心して結局失脚したと。吉田玲子脚本は「平家物語」におけるびわみたいな観測者の立ち位置キャラは不...

  • 2022年春ドラマ感想とイラスト

    「鎌倉殿の13人」20話。弁慶の立ち往生とかタッキーの大河ではバトル回のエピ。今回義経の最期は義時との問答で戦う場面はなく、弁慶の立ち回りも実況という、静かで舞台風は脚本で面白かった。奥州藤原氏を潰さねば鎌倉側も危険で頼朝もギリだったことも「鎌倉殿の13人」頼朝没。先週の落馬死かと思いきや今週昏睡状態で、2話かけて亡くなるとは。不穏な鎌倉勢力の不協和音に、義時は姉政子から逃げは許さないと引き止められる。折り返し地点に相応しい盛り上がり。頼朝様安らかに次週からは内乱突入かな「17歳の帝国」真面目な高校生らしく「いいね!」に振り回されたねというか。アニメ「バビロン」で自殺法を擁して自治体が独立するエピみたくなるのかと思ったけど違った。やりたいことが特にない高校生ではみんなの意見を聞くことに腐心して結局失脚したと。吉田玲子脚本は「平家物語」におけるびわみたいな観測者の立ち位置キャラは不可欠な...

  • 「アンティークの祝祭」「ファーザー」「Mr.ノーバディ」『透明人間』(2020)

    「アンティークの祝祭老婦人がコレクションのアンティークをガレージセールで処分する。話を聞いて疎遠だった娘がかけつける。老婦人の周囲の人々の回想から家族に起こった悲劇が浮かびあがってくる。カトリーヌ・ドヌーブと実の娘の共演。監督脚本ジュリー・ベルトゥチェリ。かっこいい大人の女性と可愛い少女達の語らい、彼女と神父の絵を巡る話など、個々のエピソードの雰囲気がいい。ラストは…時々フランス映画はこういうムーディーは雰囲気からいきなりどっかんで終わるのあるね「ファーザー」アンソニー・ホプキンス演じる80歳の老人は認知症で彼を案じる娘や娘の旦那や介護士と室内での対話が主。認知症の彼の視点なので時間や記憶が前後するが、現在までの状況が少しずつわかってくる。舞台っぽいなと思ったら、劇作家フローリアン・ゼレールの映画監督デビュー作だそうで。「Mr.ノーバディ」強盗が家に入ったが父親は何も反撃できず家族に失...

  • 「ウェイティング・バーバリアンズ 帝国の黄昏」「声優夫婦の甘くない生活」『1917 命をかけた伝令』「キーパー ある兵士の奇跡」『グッバイ、リチャード!』

    「ウェイティング・バーバリアンズ 帝国の黄昏」架空の帝国から辺境の町に大佐が来訪し、蛮族の襲来の噂を信じ町民を投獄拷問。主人公である民政官は拷問された物乞いの少女を匿い安らぎを得るが、元の部族に送り届けるのだが、その行動で大佐に内通者と疑われ投獄され責められる。広大な砂漠の風景が綺麗。シーロ・ゲーラ監督。平和な町の生活が風評で外部から不条理に崩され、人々が去ってゆく。人民も軍もほぼ去り町として崩壊してしまった街にわずかな住人だけが残る。題名からして「ゴドーを待ちながら」なのだろうと思われる寓話。地平線の向こうからやってくる軍勢は彼の待っていたもの。原作・脚本J・M・クッツェー『夷狄を待ちながら』不条理物、寓話は、具体的な時代や部隊が示さないことで、立場的には遠い人物・状況であっても感情移入させることができる。来訪者からの理由なき暴力によって人民を失った為政者の孤独に内側から迫ることができる...

  • 「最後の決闘裁判」「羊飼いと風船」「ペインアンドグローリー」「ミナリ」

    「最後の決闘裁判」14世紀のフランス史上最後の「決闘裁判」が元。騎士の妻が彼の友人に乱暴されたと訴えるが、相手は否認し目撃者もいない。故に決闘で決定することになるが敗者は死罪、妻も火刑になるという。夫、妻、友人の各視点から描かれるが真実はほぼ一つかな。リドリー・スコット監督。黒澤明の「羅生門」と道具立ては同じだが逆。強かな女性に設定して同じくミステリにもできただろうけど、リドリースコットはフェミニスト。視点が変わるごとに当時の男性の考え方や男性本位の法律の身勝手さ、女性の立場の弱さを浮き上がらせる。負ければ火刑では女性は泣き寝入りするしかない。力づくで襲った間男のくせに純愛だと本気で思い込むストーカーじみていて気持ち悪い。夫も妻もをコケにする実にやったもん勝ちの卑怯な法律。しかしそれが常識だった時代。かっこいい騎士道の裏側の闇。教会が女性の誘惑の罪だと説き、力で乱暴しても合意と言い張り、女...

  • 「パピチャ 未来へのランウェイ」「ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!」「アーニャは、きっと来る」「エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語」

    「パピチャ 未来へのランウェイ」1990年代のアルジェリアの内戦時代、男尊女卑のやイスラム原理主義者が蔓延る中で、女子大生の主人公たちは大学の寮でファッションショーを開催しようとするが。元気な少女達が好きなことをしてるだけなのに傷つけられる理不尽。けれど彼女達はタフでへこたれない。監督が自身の経験を元にされたそう。この映画は本国アルジェリアでは上映禁止だそうで。今も苦しんでいる女性たちがいてそれを告発しているのかな。問題は根深いね。「ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!」未来人に2人が曲を作らないと時空が崩壊すると言われたビルとテッドは未来の自分達から曲を貰おうと時間を渡る。一方で彼らの娘達はビッグバンドを作るために音楽の偉人達を集める旅に。楽しい時間もの。ディーン・パリソット監督。「アーニャは、きっと来る」1942年ナチス占領下の南仏で村の羊飼いの少年はユダヤ人の男に出会う。彼...

  • 臨時子育て日記と『10の奇妙な話』『こどもサピエンス史』『生皮』『土曜はカフェ・チボリで』『裏家電』

    『10の奇妙な話』ミック・ジャクソン著不思議で怪奇でシニカルな作品集。文章から浮かんでくる映像が毒を含みつつもファンタジックで美しい。この手の作品集では受動的に奇妙な出来事に巻き込まれたり、奇妙な世界の設定だったりするのが多い。しかしこの本は何かに熱中して奇異な行動をしてしまった孤独な人々が引き起こす奇妙な話が殆ど。デイヴィッド・ロバーツのイラストもいい。「ピアース姉妹」「蝶の修理者」は怪奇風味で実写映像化されている。「もはや跡形もなく」「地下をゆく舟」が個人的に印象深い。『こどもサピエンス史』ベングト=エリック・エングホルム著 ヨンナ・ビョルンシェーナ絵 久山葉子訳著。子供のための人類史。理科的な進化の過程、社会学のそのほか政治・経済・宗教・地理、数学・科学、歴史、今日的な問題点など、人類の流れを全方向で網羅。ユーモラスなイラストがいっぱい、というか絵本と言ってもいいくらい多くてわかり...

  • 映画「キャラクター」「アンダードッグ」「空白」「すばらしき世界」「十二単衣を着た悪魔」「地獄の花園」「鳩の撃退法」

    映画「キャラクター」漫画家アシスタントの主人公は殺人現場と犯人を目撃。その犯人を元に描いた漫画で人気漫画家になる。だが漫画を模した連続殺人者に事件が次々と発生。刑事が接触してくるが、犯人も近づいてくる。ノベライズ、コミカライズは映画脚本の別案のだそう。ゲームのエンド分岐みたい。セカオワのfukaseさんの名演が不気味で素晴らしい。小栗旬も意外かつ丁度いい。ラストは意味深。テーマのキャラクターが伝染することをもっと印象的に示してもよかったかも。人気漫画家になるイメージシーンは欲しかったかな。しかし、猟奇殺人漫画一発で大人気漫画家はなかなか難しいかな。何か別のフックがないと。秀逸なデザインの怪物が出ると人気出る漫画例多いなと思うところ「アンダードッグ」前編元ボクサーの主人公は咬ませ犬としてボクシングを続けつつデリヘルの送迎運転手をしている。彼に何故か若いボクサーが絡んでくる。2世芸人と主人公...

  • ゴールデンカムイ実写化ニュース!

    「ゴールデンカムイ」実写化決定!それにあたって候補の筋肉男優を上げてみたメイン枠→鈴木亮平、岡田准一、綾野剛、窪田正孝、市原隼人、山下智久、永山瑛太、鈴木伸之中堅枠→伊藤英明、西島秀俊、内野聖陽、高橋克典、大沢たかお、ライダー系→横浜流星、福士蒼汰、中川大志、吉沢亮j若手枠→岸優太、平野紫耀山田孝之は谷垣ニシパ一択シライシに森山未來。脱獄王らしいぬるっと身体柔らかいアクションしてほしいイエナガは天海祐希。あえて女性がいい(←娘の強い主張)外見は女王の教室の時のイメージアシリパは芦田愛菜とか子供っぽいか子役がいいね娘からライダー枠で吉沢亮もどうかと提案があったので入れた眞栄田郷敦、新田真剣佑の筋肉兄弟を忘れてた。候補に入れねば図書館戦争がファンの声から岡田准一&榮倉奈々というベストキャストになったように、ゴールデンカムイもファンの方から提案していくと叶う可能性があるかもついでに監...

  • 2022年春ドラマ前半感想

    貯めてしまったので長いです「カムカムエヴリバディ」大団円。再会エンドまでの最終週は岡山舞台なので懐かしい面々が続々と登場。でも娘や孫の代でも周囲の人々が代替わりしても同じ役者だったりしたけど。1代目は戦時や終戦ならではの波乱の人生で盛り上がった。過去舞台と現在舞台を一度に両方やった朝ドラでした100年の物語といえば「ガンダムAGE」。要素に共通点もあったね。初恋相手との死別、生き別れの親子、2代目は三角関係。違いは1代目が100歳で存命なとこ。フリットも存命エンドでいけたかも。100年の旅といえば『Vivy -Fluorite Eye's Song-』もある。去年の春アニメだったんだなあ『卒業タイムリミット』人気女教師が行方不明になり、友達でもない4人の生徒の元に監禁動画が届く。リミットは72時間。4人は卒業式までに事件解決を目指す。謎が読めなくて面白い。辻堂ゆめ原作小説。土曜日のあらす...

  • 臨時子育て日記&実写版「トモダチゲーム」舞台「友達」浦沢直樹の漫勉neo

    臨時子育て日記GWはほぼなにもせず。ひさびさに美術館言ったかな。なかなか機会がなかったけど以前に母から聞いていた富士美術館。北斎や広重の浮世絵と大きめの洋画。そんなに大きい美術館ではなかったけど、やはり芸術はいいね。今週は学校から観劇と遊園地に行く予定の娘。旅行や合宿がなかったからかわりらしい。他に沁みにしているから晴れてほしいなあ。雨になりそうなのが不安。実写版「トモダチゲーム」ドラマ4話と映画2本。吉沢亮と山田裕貴共演。ドラマはこっくりさんでモノローグ多し。映画はすごろく、ファイナルはかくれんぼと一応じゃんけん。オリジナルオチで終わりね。ドラマ部分は映画の宣伝かな。スケール的にはテレビドラマは向き。賭ケグルイやライアーゲームも同様というのも、ドラマ部分が1番面白かったから。日本実写は映画になるとモノローグがなくなりがち。でも台詞で補えないこともある。人間思うこと全部喋ったりしない。回...

  • 臨時子育て日記と「ザ・ライフルマン」「mid90s ミッドナインティーズ」「ディック・ロングはなぜ死んだのか?」「リンドグレーン」「トスカーナの幸せレシピ」「シチリアーノ 裏切りの美学」

    「ザ・ライフルマン」ラトビア映画。ドイツ兵に母親を殺され主人公は父親と兄とともに兵役に志願。第1次世界大戦が始まり狙撃部隊に配属される。ラトビア戦線を追う話。監督ジンタルス・ドレイベルグス。「mid90s ミッドナインティーズ」母と乱暴な兄と暮らす少年はスケートボードショップの年上の少年たちと知り合い仲間に入れてもらうがワルな彼らとの付き合いを母親が反対する。実際マセたことを教えられるし親の心配もわかるが、今の少年に彼らが必要なのもわかる。彼らが根はいい子なのが幸い。「ディック・ロングはなぜ死んだのか?」馬鹿騒ぎを3人組。中の1人が死に、2人は死因を隠そうとするが全て裏目に出る。なんと実際にあった事件をもとにしてるとか。本人たちは終始シリアスなんだけどという薄ら笑いコメディ。「リンドグレーン」スウェーデンの作家アストリッド・リンドグレーンの半生。彼女は10代で勤め先の上司と不倫し子供...

  • 「イクサガミ 天」『10の奇妙な話』「こどもサピエンス史」『「できない自分」を脳から変える行動大全』『日本の鬼図鑑』「落窪物語」

    「イクサガミ 天」今村翔吾明治初年、怪文書で京都の寺に集められた腕の立つ者たちは賞金を賭けて「こどく」という遊びに参加する。札を奪い合いながら東海道を通って東京を目指すのだ。主人公は少女と元忍びと共同戦線を張るが、主人公の剣の流派の兄弟弟子たちが参加していると知る。いわゆるバトルロワイヤルで、キャラのたった侍たちが漫画的で躍動感がある。参加者それぞれの事情、政府の思惑が交錯し、最後は誰が立つのか楽しみな作品。共闘ありのバトルロワイヤル時代物といえば「地獄楽」を髣髴とさせる。あっちは孤島が舞台で化け物物だけど。『10の奇妙な話』ミック・ジャクソン著不思議で怪奇でシニカルな作品集。文章から浮かんでくる映像が毒を含みつつもファンタジックで美しい。この手の作品集では受動的に奇妙な出来事に巻き込まれたり、奇妙な世界の設定だったりするのが多い。しかしこの本は何かに熱中して奇異な行動をしてしまった孤独...

  • 「鎌倉殿の13人」「ケイ×ヤク -あぶない相棒-」

    「鎌倉殿の13人」義経登場。どんなキャラでいくかと思ったらヤンキーとは面白い。東京卍リベンジャーズみたいな荒くれ脳筋の仲間たちのヤバいヘッドという感じ。彼の無邪気さと残酷さ卑怯さは今後の戦い方を思わせて楽しみなところ。兄弟の対面が楽しみ。平家の様子はアニメ平家物語で補完。木曽義仲がこっちではこっちはヤンキーだね。「鎌倉殿の13人」富士川の戦いはアニメ平家物語では先にやっていた。平家の側からだと、突然の水鳥の羽音に驚いての退却。大河は源氏の側からで、その水鳥の飛び立ったきっかけの種明かしみたいになってる。頼朝が自分はひとりぼっちと悲しくなったところで、義経登場とうまい「ケイ×ヤク -あぶない相棒-」雰囲気がいいね。想定視聴者を横目で見がちなところ、程よく一般向けにとどめてるというか。ハードボイルド風味と古き良きバディ物を好んでいるスタッフが、好きなように作ってるように感じる。どんどん接近し...

  • 「アンチグラビティ」「バルーン 奇蹟の脱出飛行」「アス」「パブリック 図書館の奇跡」「ジョーンの秘密」「Girl ガール」「その手に触れるまで」

    「アンチグラビティ」ロシア映画。主人公が目覚めるとそこは重力を無視した不思議な世界。リーパーという黒い不定形の怪物に襲われ、そこに暮らす人々に助けられる。昏睡状態の人間たちの集合脳内の世界の話。『ID:INVADED イド:インヴェイデッド』みたいな脳内多重力世界が冒頭だけなのが惜しい。「バルーン 奇蹟の脱出飛行」東西冷戦の頃の東ドイツに住む電気技師の家族は手作りの熱気球で西ドイツに亡命しようとして失敗。秘密警察に目をつけられるが、親友の家族と共に6週間のリミットで再度挑戦する。家族で手分けして布を集め膨大な布を縫うという。ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ監督「アス」夏休みに故郷に戻った家族の前に、自分達にそっくりの人間たちが現れ襲ってくる。近所の人々も同様にそっくりな人々に襲われる。主人公に敵意を持つ分身と主人公との間の秘密とは。彼ら全員赤い服を着ていて思考が繋がっている設定がいい。終盤...

  • 「結―妹背山婦女庭訓波模様」「DDD」「謀聖 尼子経久伝」「六人の嘘つきな大学生」『すべての不調は足裏を見ればわかる!』「アド・バード」

    ハワイの情報誌「ライトハウス」掲載イラスト「結―妹背山婦女庭訓波模様」大島真寿美著。江戸時代中期の大阪で人形浄瑠璃の作家や絵師の連作短編集…かと思いきや、才能ある戯作者の娘に作品を書かせようと周囲の人々が計画するストーリー。地の文の説明セクション、会話セクションに分割された文章。会話が残部関西弁なのは関西圏には読みやすい「DDD 1」那須きのこ著。通称悪魔憑きによる事件が勃発。悪魔憑きとは感染者の精神から発し肉体に異形をもたらす奇病。左腕を失った主人公は黒い義手義足を持つ四肢のない寝たきりの美少年と契約し、彼の義手を借りて悪魔祓いを行う。主人公の入院時の回想が平行され人称トリックのミステリ要素もあり「DDD 2」那須きのこ著主人公の最初の悪魔祓いの話。SVSと呼ばれる打者と投手のみの野球ゲームで「シンカー」と呼ばれる悪魔憑きによる連続殺人事件が起こる。主人公の友人は天才野球選手であ...

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、かりのいさんをフォローしませんか?

ハンドル名
かりのいさん
ブログタイトル
かりのいの絵ブログ
フォロー
かりのいの絵ブログ

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用