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2012/02/11

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  • 〈平城宮いざない館〉 植物画展「春日大社万葉植物園の草木花」

    【英国⋅キュー植物園公認画家⋅山中麻須美さん指導の教室作品展】国営平城宮跡歴史公園(奈良市)内の平城宮いざない館で「春日大社万葉植物園の草木花」と題した植物画展が開かれている。監修者は奈良市出身で「英キュー王立植物園」の公認画家として活躍する山中麻須美さん(在映37年)。5年前から帰国時に平城宮跡の施設で開いてきた植物画教室の初の作品展だ。来年2月9日まで。会場の入り口正面を飾るのは山中さん自身が描いた「春日大社本社大杉」。樹齢1000年ともいわれるご神木だ。注連縄が掛かる幹の質感や葉の繊細な描写から、その力強い生命力と圧倒的な存在感が伝わってきた。「春日大社の万葉植物」として展示中の受講生の作品は全部で23点。それぞれに植物の現代名と万葉名、代表歌とその意訳が添えられている。ヤブツバキ(万葉名つばき)に...〈平城宮いざない館〉植物画展「春日大社万葉植物園の草木花」

  • 〈おん祭⋅後宴能〉 能「釆女」、狂言「口真似」など奉納

    【御旅所そばの特設土俵では奉納相撲も】「春日若宮おん祭」の4日間があっという間に過ぎ去った。17日には最大の祭典「お渡り式」と「御旅所祭」が繰り広げられ、若宮様は同日深夜「還幸の儀」で御旅所から若宮神社の本殿へ。最終日の18日には祭の無事終了を祝し「奉納相撲」と「後宴能」が執り行われた。御旅所で後宴能が始まったのはこの日午後2時から。今年は金春流による能が「釆女」など二番、大蔵流による狂言が一番奉納された。「釆女」は帝の寵愛が薄れたことを嘆き悲しんだ釆女が奈良の猿沢池に身を投げたという故事に因む。南都を訪れた旅の僧3人が若い女性に声をかけられ猿沢池に案内される。そこで女性から釆女の悲話を聞き、実は自分がその采女の霊だと打ち明けて姿を消すーー。采女の霊を勤めたのはシテ方能楽師の櫻間右陣さん。演能時間は約1時...〈おん祭⋅後宴能〉能「釆女」、狂言「口真似」など奉納

  • 〈おん祭⋅大宿所詣〉 JR奈良駅から餅飯殿町まで神子の行列

    【神子4人のはずが3人!八嶋神子の姿見えず】今年もまた奈良の師走を彩る「春日若宮おん祭」(12月15~18日)の時季がやってきた。春日大社の摂社若宮神社の例祭で、平安時代の1136年に始まって以来、一度も途切れることなく続く。今年で889回目。祭は例年15日の神子(みこ)の行列「大宿所詣(おおしゅくしょもうで)」から始まる。行列は祭に奉仕する神子を輿に乗せ、大宿所(奈良市餅飯殿町)まで送り届けるもの。そこで神子たちは祭の無事執行などを祈願する「御湯立(みゆたて)神事」に参列しお祓いを受ける。行列の参加者は参集場所のJR奈良駅前でまず集合写真を撮った。最前列には白の被衣(かずき)をかぶった神子たち。あれ?神子は4人のはずだけど3人しかいない!おん祭の日程などを記すチラシを再確認。確かに神子は辰市⋅八嶋⋅郷⋅...〈おん祭⋅大宿所詣〉JR奈良駅から餅飯殿町まで神子の行列

  • 〈瀧谷不動尊〉 “身代わりどじょう”100円が200円、 そして 300円に!

    【弘法大師開山の眼病平癒⋅厄除けの霊場】滝谷不動尊(大阪府富田林市)に初参拝した。「瀧谷のお不動さん」として知られるが、正式名は瀧谷不動明王寺。平安時代の821年に弘法大師空海が開山した。本堂に祀られる本尊、不動明王(重要文化財)は「目の神様」や「どじょう不動様」などとも呼ばれる。ここに伝わる眼病平癒の“身代わりどじょう”という独特な信仰に好奇心がそそられた。近鉄瀧谷不動駅から東へ徒歩15分ほど。その境内は車が行き交う府道の峠を少し下った所に広がっていた。府道を挟んで北側に本堂や多宝塔、南側に瀧不動堂、西国三十三所堂、三宝荒神堂などが立地する。本堂にお参りし御朱印を頂いた後、早速、瀧不動堂のそばにある身代わりどじょうの放流場へ。紅葉を眺めながら緩やかな参道を下ると、右手に瀧不動堂、正面奥に瀧行場、左にどじ...〈瀧谷不動尊〉“身代わりどじょう”100円が200円、そして300円に!

  • 〈北九州点描〉 折尾駅弁おじさん、「無法松」の石碑

    【門司港出征の碑、バナナ資料室、「光る君へ」巡回展】昨年6月JR九州折尾駅(北九州市八幡西区)の北側駅前広場で「折尾まつり」が開かれた。人気を集めた催しの一つ、折尾名物かしわ弁当の早食い大会でひときわ目を引いたのが、舞台上で駅弁の木箱を抱え満面笑顔で声援を送るおじさん。両手を羽ばたかせながら踊る愉快な仕草が強く印象に残った。この駅弁おじさんは小南英之さん。10年あまり前から折尾駅構内で駅弁を売ってきた。取り扱うのは1921年(大正10年)発売という地元のソウルフード「東筑軒のかしわめし」だ。次に折尾駅に降り立った時は必ず彼から買い求めたいーー。1年半後、その願いが叶った。お忙しい中10分間ほど立ち話をさせてもらい、自ら考案したという振り付けを交えた「かしわめし応援歌」も聞かせてもらった。職を転々したという...〈北九州点描〉折尾駅弁おじさん、「無法松」の石碑

  • 〈門司港⋅松永文庫〉 北九州ロケ100選⋅映画資料展

    【北九州国際映画祭開催を記念し連携企画展】門司港レトロ地区(北九州市門司区)の西側にある歴史的建造物「旧大連航路上屋」内の映画資料館「松永文庫」で、いま「北九州ロケ100選⋅映画資料展」が開かれている。北九州国際映画祭開催(11月1~3日)を記念した連携企画展。市内で撮影が行われた映画の中から100作品を選んでポスターなど所蔵資料を展示している。来年1月13日まで。北九州市は「映画の街」を目指し2000年に「北九州フィルム⋅コミッション」を設立、映画撮影の誘致⋅支援活動に取り組んできた。昨年から北九州国際映画祭も始まった。今回の資料展では1950年制作の「海のGメン玄海灘の狼」から最新作「52ヘルツのクジラたち」までの作品を取り上げている。会場の入り口正面を飾る映画は1958年の木下恵介作品「この天の虹」...〈門司港⋅松永文庫〉北九州ロケ100選⋅映画資料展

  • 〈たかとり城まつり〉 旧城下町の土佐街道で時代行列

    【火縄銃実演、太神楽、南京玉すだれなども】日本三大山城の一つ高取城の旧城下町、奈良県高取町で23日「たかとり城まつり」が開かれた。今年で36回目。呼び物の時代行列をはじめ火縄銃や殺陣(たて)の実演、太神楽、よさこい踊りなどもあり、石畳の土佐街道やイベント会場の高取児童公園は多くの見物客でにぎわった。時代行列は午後1時に出発、1時間ほどかけて児童公園まで練り歩いた。先導は和太鼓グループ「鼓城」。これに高取国際高校の生徒による「旗行列」が続いた。その後ろには勇ましい「高取甲冑隊」と「子ども甲冑隊」。続いて高取町自治会と女子高校生が扮した「姫と家老」。橿原青年会議所の「大名駕籠」には可愛らしい女の子がちょこんと乗っていた。「奴行列」で息の合った掛け声と所作を披露したのは土佐時代行列保存会のメンバー。その後には高...〈たかとり城まつり〉旧城下町の土佐街道で時代行列

  • 〈平城宮いざない館〉 秋期特別展「町なかのお役所ー大学寮と鋳銭司」

    【大学寮の建物配置と寮内のイメージを復元】奈良時代の主要な役所は中枢部の平城宮内に配置された。ただ、その外側の町なかに置かれたものもあった。今回の特別展ではそのうち役人の養成機関だった「大学寮」と和同開珎などの貨幣を鋳造した「鋳銭司(じゅせんし)」を取り上げている。11月24日まで。大学寮があったのはこれまでの発掘調査や平安京での位置から、平城京左京三条一坊辺り。「コ」の字型の掘立柱建物群の跡が見つかり、「大」「飯」「厨」などと書かれた墨書土器を含む須恵器なども大量に出土した。大学寮で行われた教育は役人が身に付けるべき儒教や法律、計算能力など。「釈奠(せきてん)」という孔子を祀る重要な祭儀も営まれた。会場に入ってすぐ右側に、机を配置した教室の復元イメージが展示されていた。机上には筆⋅硯とともに「論語」など...〈平城宮いざない館〉秋期特別展「町なかのお役所ー大学寮と鋳銭司」

  • 〈薬師寺〉 中心伽藍を囲む回廊の西北隅を発掘

    【鐘楼の規模も確定!現地見学会開催】薬師寺(奈良市西ノ京)で9日、9月から発掘調査中の回廊西北隅と鐘楼の現地見学会が開かれた。回廊は金堂や東西両塔など主要堂塔を囲む。今回の調査で回廊全体の規模と構造が明らかになり、鐘楼も東辺と南辺を検出し、基壇に階段を備えていたことも分かった。回廊の発掘調査は1968年以来これまでに10回行われてきた。その結果、梁行1間の「単廊」として造営が始まったものの、途中から中央に壁を持つ梁行2間の「複廊」に計画が変更されたことが明らかに。調査を踏まえ回廊のほとんどがこれまでに復元されてきた。(発掘調査場所は講堂西側の左隅)ただ講堂の西側に位置する回廊の西北隅の発掘は未調査として残っていた。今回の調査面積は468㎡。現場には回廊の柱が立っていた礎石部分を結んだ赤いテープ3本と青いテ...〈薬師寺〉中心伽藍を囲む回廊の西北隅を発掘

  • 〈ビッグ幡in東大寺〉 特別コンサート「栃尾克樹×辻ゆり子」

    【サックスとピアノでクラシックから映画音楽まで】東大寺総合文化センターの金鐘ホールで9日「ビッグ幡in東大寺特別コンサート」が開かれた。出演はバリトンサクソフォーン奏者として活躍する栃尾克樹さんと奈良県出身のピアニスト辻ゆり子さん。これまでも共演を重ねてきたとあって、アンコールを含め11曲で息の合った演奏を披露した。このコンサートは9月から県内全域で展開中の「奈良県みんなでたのしむ大芸術祭(みん芸)」の一環。東大寺大仏殿前には全国の障がいのある人から「花鳥風月」をテーマに公募した絵画作品を基に製作した“ビッグ幡”が翻っていた(幡は寺院の重要な法要などの際に掲揚される旗のこと)。コンサートはクライスラーの「シンコペーション」から始まった。次いでシューマン「アダージョとアレグロ」、メンデルスゾーン=リスト「歌...〈ビッグ幡in東大寺〉特別コンサート「栃尾克樹×辻ゆり子」

  • 〈大和文華館〉 特別展「呉春ー画を究め、芸に遊ぶ」

    【襖絵など40点余、四条派の祖の画業を辿る】大和文華館(奈良市学園南)で特別展「呉春ー画を究め、芸に遊ぶ」が開かれている。江戸中期に活躍した絵師呉春(1752-1811)は四条派の祖として近代の京都画壇にも大きな影響を与えた。その画業を代表作『柳鷺群禽図屏風』や『白梅図屏風』など大作を交えながら振り返る。11月24日まで。呉春は京都で生まれ、20代に与謝蕪村に絵画と俳諧を学んだ。30歳のとき呉服里(くれはのさと、大阪⋅池田)に移り住んだのを機に呉春に改称。その後、再び京都に戻って円山応挙らと親交を結んだ。『柳鷺群禽図屏風』(京都国立博物館蔵)は六曲一双の重要文化財で、前期と後期で右隻と左隻を入れ替えて展示。右隻には枯れ木に止まって群れ騒ぐ5羽のカラス(烏⋅鴉)が描かれている。カラスは師蕪村を象徴するモチー...〈大和文華館〉特別展「呉春ー画を究め、芸に遊ぶ」

  • 〈関宿街道まつり〉 東から西へ「宿場大行列」

    【37回目、山車が“舞台回し”を披露】三重県亀山市の旧東海道関宿街道一帯で11月3日「東海道関宿街道まつり」が開かれた。今年で37回目。「宿場大行列」をはじめ盛り沢山のイベントが用意され、好天に恵まれたこともあって多くの観光客でにぎわった。行列は午前10時すぎ「三味線道中」を先頭に関宿の東側の入り口「東の追分」を出発、一休さんに因んで小学生が小坊主姿に扮した「子ども時代行列」、公演が近い亀山ミュージカルの「まほろばの夢~新ヤマトタケル」、「関ふれあい音頭」の手踊りと続いた。その後に続くのは地元で歌い継がれてきた「正調鈴鹿馬子唄」、そして「時代行列」。馬子唄の馬は遠目からは実物と思わせる出来映え。「本物?」と聞く小さな子どもに「そう。近づくとかまれるよ」と親が答え、笑いが広がる一幕もあった。行列のトリを務め...〈関宿街道まつり〉東から西へ「宿場大行列」

  • 〈聖武天皇即位1300年〉 “ 大嘗祭木簡” 奈良の2館で展示

    【奈良国立博物館「大嘗贄」や「神亀元年」などの木簡】今年は奈良時代に聖武天皇が即位してちょうど1300年。その節目の今年2月、偶然にも即位後の重要な儀式大嘗祭に関連した木簡が大量に出土した。奈良国立博物館は開催中の正倉院展に合わせ、なら仏像館(旧本館)で特別陳列「聖武天皇の大嘗祭木簡」を開催、「大嘗贄」や「大嘗分」「神亀元年」などと書かれた代表的な木簡8点を展示している。木簡群が見つかったのは平城宮朱雀門の東南にあった一片約3mの土坑。約2600点(うち削り屑2250点)がまとまって出てきた。展示中の木簡は大嘗祭のため各地から送られてきた物品の荷札や管理用の付け札。下の木簡に書かれているのは「佐波郡大嘗贄押年魚千百十隻」。贄(にえ)は神や天皇に捧げる食物で、荷が塩漬けの鮎1100匹であることを表す。佐波郡...〈聖武天皇即位1300年〉“大嘗祭木簡”奈良の2館で展示

  • 〈奈良公園の鹿〉 発情期迎え気性荒く事故多発!

    【頭ぶつけ合う牡鹿、響き渡る太い鳴き声】「奈良のシカ」として天然記念物に指定されている奈良公園の鹿が秋の発情期を迎えている。鳴き声を上げ牝鹿を誘う牡鹿たち。牡鹿同士が頭を激しくぶつけ合う光景もあちこちで繰り広げられている。気性が激しくなるこの時期は突然人に突進することもしばしば。今年は9月に43件もの人身事故があった。昨年の実に2.5倍という。公園の一角に立つのは「あぶない!オス鹿に注意」という看板。英語と中国語でも注意を呼びかけている。国立奈良博物館の旧館(仏像館)の前で座って鳴き声を上げる鹿がいた。角切りを終えて間もないような牡鹿だった。その鹿を上から見ると、頭に数箇所血が滲んだ痛々しい傷跡。頭をぶつけ合った時に負傷したのだろう。「奈良の鹿愛護会」は角による事故を防ぐため、毎年300頭ほどの角を切って...〈奈良公園の鹿〉発情期迎え気性荒く事故多発!

  • 〈ならまちわらべうたフェスタ〉 12会場で多彩なイベント

    【紙芝居、大縄跳び、絵本ライブ、ふれあい動物園】奈良市のならまち界隈で10月20日「ならまちわらべうたフェスタ2024」が開かれた。ならまちは世界文化遺産元興寺の旧境内を中心とする旧市街地。ならまちセンターをはじめ12の会場で多彩なイベントが繰り広げられ、多くの子どもたちでにぎわった。ならまちセンターの芝生広場ではコンサートや紙芝居、アナウンサー体験などが行われ、周りには飲食などの模擬店も出店。奈良市のキャラクター「しかまろくん」の前には行列ができていた。(写真奥の高層ビルのように見えるのは修復工事中の興福寺五重塔の素屋根)「どじょうつかみ」も人気を集めていた。1回100円で制限時間1分間。ぬるぬるしてなかなか難しそうだか、6匹つかまえたという子も。飼い方や「食べられる?」と聞いて持ち帰っていた。市民ホー...〈ならまちわらべうたフェスタ〉12会場で多彩なイベント

  • 〈妖怪書家⋅逢香さん〉 東大寺観音院で「逢香展in東大寺」

    【妖怪に託した風刺書画など約40点】東大寺法華堂(三月堂)のそばにある観音院で、“妖怪書家”として知られる逢香(おうか)さんの個展が開かれている。元ミス奈良(2014年)で、奈良市観光大使として活躍中の逢香さん。テレビ出演もあって知名度も高く、連日多数のファンが詰めかけている。会期は明日20日まで。逢香さんは大阪出身で現在奈良在住。6歳の頃に書道を習い始め、奈良教育大学(伝統文化教育専攻⋅書道教育専修)を卒業した。妖怪に興味を持ったのは大学で変体仮名の授業を受けたのがきっかけという。2021年からNHK奈良の「逢香の華やぐ大和」に出演中。会場の観音院入口正面には『あつまれ文字たち』という作品が展示されていた。独特の書体はタイポグラフィーというそうだ。「気に入った子(もじ)たちに集合をかけました」との説明が...〈妖怪書家⋅逢香さん〉東大寺観音院で「逢香展in東大寺」

  • 〈米原曳山まつり〉 子ども歌舞伎「恋飛脚大和往来 封印切」

    【小学生の男児7人、湯谷神社で熱演を披露】滋賀県米原市の「米原曳山まつり」が10月12~14日の3日間、秋晴れの下で繰り広げられた。江戸時代からの長い伝統を誇る祭り。“本楽”の13日には鎮守社の湯谷神社で子ども歌舞伎が奉納され、熱演に観客から温かい拍手と声援が送られた。この曳山まつりは長浜の曳山祭を見習って始まったという。曳山は北町の旭山、中町の松翁山、南町の壽山の3台あり、今年は松翁山で子ども歌舞伎が披露された。役者は3つの町から選ばれた小学1~6年の男児7人。13日には午前9時から”御渡り“があった。市役所前を出発した行列は途中小休止を挟みながら1時間かけて湯谷神社へ。その後、神事が営まれ、歌舞伎を演じる男児たちは神妙な表情でお拔いを受けていた。子ども歌舞伎の今年の演目は近松門左衛門の「恋飛脚大和往来...〈米原曳山まつり〉子ども歌舞伎「恋飛脚大和往来封印切」

  • 〈帝塚山大学付属博物館〉 企画展示「眠具ーねむりの道具と文化」

    【近世の箱枕や香枕、宝船図なども】帝塚山大学付属博物館(奈良市帝塚山)で第18回企画展示「眠具ーねむりの道具と文化」が開かれている。近世の箱枕や陶製香枕に加え、古墳時代の玉枕、中国⋅北宋時代の陶製枕、さらには宝船図など夢に関わる資料も展示されている。(下の写真は大阪府高槻市⋅阿武山古墳出土の玉枕=復元品)企画展の参観は日経新聞10月5日付朝刊で「『殿様枕』とめまい」という記事を目にしたことから。国立循環器病研究センターが1月、高い枕を使っていると脳卒中の一因である突発性椎骨動脈解離の発症リスクが高まるとして「殿様枕症候群」と名付けたという。そこで江戸時代の枕の実物を見ようと思い立ったわけだ。上と下の写真は江戸~明治時代の「漆塗船底箱枕」。いずれも髷や結髪が崩れないよう、高さがやや高め。下の枕は底が弧を描き...〈帝塚山大学付属博物館〉企画展示「眠具ーねむりの道具と文化」

  • 〈ナタマメ(鉈豆⋅刀豆)〉 その名は長大な莢の形から

    【江戸初期に渡来、若莢は福神漬け、豆は健康茶に】マメ科ナタマメ属のつる性1年草。原産地は熱帯アジアまたはアフリカといわれ、日本には江戸初期に渡ってきた。花は白かピンクの蝶形で、夏にかけ扁平の大きな莢を付ける。長さは通常30㎝ほどだが、時に50㎝前後になることも。その形状からナタマメという和名が付いた。英名でも「剣の豆」を意味するswordbeanと呼ばれる。莢の中の豆は白または紅色。学名は「Canavaliagladiata(カナバリア⋅グラディアータ)」。属名はインド南部マラバール地方のナタマメの現地名に由来し、種小名は「剣状の」を意味する。若い莢は福神漬けの材料になるほか、煮物や炒め物、天ぷらなどにも用いられる。乾燥豆は煎ってお茶に。血行促進や免疫力アップに効果があるそうだ。今年初めて栽培に挑戦した。...〈ナタマメ(鉈豆⋅刀豆)〉その名は長大な莢の形から

  • 〈明日香村稲渕〉 「案山子祭り」棚田を囲み50体

    【テーマは「絆」能登への応援作品数多く】「日本の棚田百選」や「日本の里100選」に選ばれている奈良県明日香村の稲渕棚田。その展望台や案山子(かかし)ロードを会場に、9月22~23日「案山子祭りin明日香村」が開かれた。主催は地元の住民や棚田オーナーでつくるNPO法人「明日香の未来を創る会」。今年のテーマは「絆」で、主催者側製作のジャンボ案山子は石川県輪島市に伝わる「御陣乗太鼓」だった。大地震に襲われた能登地方への連帯や復興支援への思いが込められている。そばに募金箱も置かれていた。一般公募の作品にも能登に向けたものが目立った。輪島の有名な棚田「白米千枚田」も地震で大きな被害を受けた。『棚田を結ぶ絆』(制作者:田中一憲さん⋅智恵美さん)は輪島の市鳥トキと奈良の県鳥コマドリをお地蔵さんが温かく見守る。「同じ棚田...〈明日香村稲渕〉「案山子祭り」棚田を囲み50体

  • 〈休ケ岡八幡宮〉 社殿前のミニ土俵で奉納子供相撲大会

    【薬師寺管主ら僧侶も参列し秋季大祭】薬師寺の鎮守社、休ケ岡(やすみがおか)八幡宮(奈良市西ノ京町)で敬老の日の16日、秋季大祭が執り行われた。神事に続いて、社殿の前に設けられた土俵では近畿大学相撲部の協力のもと「奉納子供相撲大会」が開かれた。大祭は午前10時すぎ、鮮やかな朱色の社殿の前で始まった。現社殿は1603年に豊臣秀頼によって造営されたもの。国の重要文化財に指定されている。献饌に続き巫女舞、土俵清祓(きよはらい)の儀、薬師寺僧侶による読経と続き、最後に薬師寺の加藤朝胤管主(かんす)の挨拶で1時間余にわたる神事を終えた。厳かな神事の後は恒例の子供相撲。近大相撲部員3人が登場し、参加するちびっこたちに禁じ手としてパンチ⋅足蹴り⋅髪を引っ張るの3点を挙げた。男児の勝負の多くは短時間で決着。ところか女児2組...〈休ケ岡八幡宮〉社殿前のミニ土俵で奉納子供相撲大会

  • 〈筒井順慶まつり〉 勇壮な僧形⋅武者行列が練り歩く

    【地元の高校⋅中学の先生や生徒たちが扮して】奈良県大和郡山市で9月8日「筒井順慶まつり」が繰り上げられた。地元の「筒井順慶顕彰会」の主催で、今回で21回目。主会場の筒井城跡の広場で多彩なイベントが開かれ、多くの市民でにぎわった。(写真は近鉄筒井駅前で)筒井順慶(1549-84)は筒井城最後の城主。筒井城は外堀で囲まれた東西500m、南北400mに及び、平城式城郭の中では大和で最大規模を誇った。しかし1580年、織田信長の命で破却され、順慶は居城を郡山城に移した。順慶は山崎の戦いで洞が峠で形勢を眺めていたとして日和見主義者の代名詞のようにいわれてきた。ただ史実は異なり、順慶は実は洞が峠に出陣していなかったという。顕彰会は順慶を「領民第一の徳将」「状勢判断の天才」と讃える。順慶まつりは午前10時半、大阪堺鉄砲...〈筒井順慶まつり〉勇壮な僧形⋅武者行列が練り歩く

  • 〈橿考研付属博物館〉 2023年度発掘調査速報展「大和を掘る39」

    【39回目、県内31遺跡の出土品を一堂に】奈良県立橿原考古学研究所付属博物館(橿原市)で2023年度発掘調査展「大和を掘る39」が開かれている。前年度の発掘調査の成果を出土した遺物やパネルなどで紹介する恒例の展示会。39回目の今展では縄文時代から江戸時代に至る県内31の遺跡を取り上げている。9月16日まで。[珍しい太鼓形の埴輪が完全な形で!]田原本町の宮古北遺跡の周濠から他の様々な形象埴輪と共に見つかった。太鼓形埴輪はこれまでも今城塚古墳(大阪府高槻市)などで3例確認されているが、完形の出土は初めて。大きさは長さが約28㎝、胴部径が約25㎝。中央の穴は「成形⋅焼成のため開けられたものと考えられる」とのこと。遺跡は「宮古平塚古墳」と命名された。[井戸の中から巨大な大甕を発見]奈良市の平城宮跡の南東約2キロの...〈橿考研付属博物館〉2023年度発掘調査速報展「大和を掘る39」

  • 〈宝山寺〉 洋館風客殿「獅子閣」を特別公開

    【螺旋階段、色ガラス、漆喰壁┄和洋折衷】この建物を単独で見たら、仏塔伽藍の一つとは到底信じられないかもしれない。生駒山の中腹にあり「生駒聖天」として知られる宝山寺(奈良県生駒市)の「獅子閣」。完成からちょうど140年。国の重要文化財に指定されているその建物が8月中、日曜日ごとに特別公開されている。獅子閣は山門を入って本堂手前を右手に曲がった奥にある。2階建て寄棟造り(玄関は切妻造り)で、まず目を引くのが1階のアーチ状ガラス窓と玄関上部のベランダ。外観は洋館風だが、瓦葺きや漆喰壁など和風の伝統技法も見られる。宝山寺の客殿として1884年(明治17年)に建てられた。西洋建築として有名だった「鹿鳴館」の完成の翌年に当たる。明治初期、文明開化を象徴するものとして、洋館をまねた“擬洋風建築”が各地に建てられた。獅子...〈宝山寺〉洋館風客殿「獅子閣」を特別公開

  • 〈奈良市美術館〉 永井秀幸「とびでる!錯覚3Dアート展」

    【トラのイラストが手のひらを貫通!】奈良市美術館(「ミ⋅ナーラ」5階)で3Dアーティスト永井秀幸さんの作品展「とびでる!錯覚3Dアート展」が開かれている。平面のスケッチブックに描かれた絵が立体的に飛び出して見える作品が40点ほど。中には手のひらや甲を貫通しているように見える不思議な作品も。25日まで。永井さんは和歌山県出身で1991年生まれ。今は大阪市在住で関西を中心に各地で作品展を開いている。著書に『とびだす!3Dアートえほんひみつのちかしつ』など。作品群は大きく①L字アート②貫通アート③平面アート――の三つに分かれる。〔L字アート〕見開きのスケッチブックをL字型に置き、濃淡や陰影をつけながら描いたもの。筆記具は黒鉛筆のほか色鉛筆やクレヨンも使用。〔貫通アート〕二つのイラストのパーツからなり、その一つを...〈奈良市美術館〉永井秀幸「とびでる!錯覚3Dアート展」

  • 〈東大寺二月堂〉 参拝客でにぎわう「功徳日(およく)」

    【1日で4万6000日分参拝のご利益!福引の楽しみも】8月9日は1年の中でも特別な観音様の縁日「功徳日」。この日参拝すると、なんと4万6000日参拝したと同じご利益があるという。十一面観音菩薩像を祀る東大寺二月堂もこの日が「功徳日(およく)」。朝早くから参拝客でにぎわった。4万6000日は約126年分に相当する。この日数はどこから?一説ではお米1升が約4万6000粒であることから来ているという。加えて一生分の功徳があるとして「1升=一生」とかけたともいわれている。「およく」は「お浴」で「功徳に浴する」ことを意味する。参拝客にとっては福引もこの日の楽しみの一つ。灯明料(1口500円)を納めると、1口につき1枚の福引券がもらえる。午前8時半ごろ、二月堂の石段を上ると、福引引替所の前に列ができていた。引替所の中...〈東大寺二月堂〉参拝客でにぎわう「功徳日(およく)」

  • 〈奈良市写真美術館〉 「観仏三昧」3人の仏像写真約120点が一堂に

    【工藤利三郎⋅入江泰吉⋅永野太造】入江泰吉記念奈良市写真美術館(奈良市高畑町)で、奈良を拠点に仏像写真を撮り続けた写真家3人の作品展「観仏三昧」が開かれている。その3人は工藤利三郎と入江泰吉と永野太造で、それぞれ約40点ずつ、合わせて120点弱の作品が並ぶ。9月1日まで。タイトルの「観仏三昧」は奈良を愛し度々訪れた歌人、會津八一が宿泊した旅館「日吉館」に贈った扁額の言葉。「仏像の研究と鑑賞に専心する」という意味が込められているそうだ。工藤利三郎(1848~1929)は明治中期から大正時代にかけて活躍した古美術写真の草分け的存在。出身地徳島から転居した奈良の猿沢池畔に写真館を開業、19年かけて写真集『日本精華』全11巻を刊行した。奈良市写真美術館が所蔵するガラス原板は国登録有形文化財になっている。工藤が明治...〈奈良市写真美術館〉「観仏三昧」3人の仏像写真約120点が一堂に

  • 〈奈良国立博物館⋅夏企画㊦〉 「フシギ! 日本の神さまのびじゅつ」展

    【一級の美術品を通して“祈り”の形を分かりやすく紹介】奈良国立博物館(奈良市)の西新館でわくわくびじゅつギャラリー「フシギ!日本の神さまのびじゅつ」展が開かれている。東新館で開催中の特別陳列「泉屋博古館の名宝」展との同時開催で、会期も同じ9月1日まで。このわくわくギャラリーは子どもにも神様⋅仏様にまつわる祈りの美術に関心を持ってほしいと始めたもので、今回で3回目。展示は「お住まいのフシギ」「おすがたのフシギ」「ほとけさまとのカンケイのフシギ」など6章で構成する。展示品には国宝4点や重要文化財8点をはじめ一級品が並んでおり、大人にとっても見ごたえ十分。また展示品の所蔵者⋅団体は地元奈良のほか大阪、京都、滋賀、和歌山と広範。テーマに沿った特徴的な美術品展示のため、学芸員らが奔走したことを示す。国宝は同館所蔵の...〈奈良国立博物館⋅夏企画㊦〉「フシギ!日本の神さまのびじゅつ」展

  • 〈奈良国立博物館⋅夏企画㊤〉 特別陳列「泉屋博古館の名宝」展

    【住友春翠のコレクションを中心に中国青銅器など80点余】奈良国立博物館(奈良市登大路町)で特別陳列「泉屋博古館の名宝」展が始まった。泉屋(せんおく)博古館は住友家伝来の美術品の保管⋅研究⋅公開を行う施設として1960年、京都市左京区鹿ケ谷に開設された。現在はリニューアル工事中で、再オープンは来年4月の予定。この展覧会には「住友春翠の愛でた祈りの造形」という副題が付く。春翠は住友家第15代住友吉左衞門友純(1864~1926)の雅号。泉屋博古館の収蔵品は青銅器や書画、西洋絵画、陶磁器、茶道具、能面など約3500点に及ぶ。春翠の収集品はそのコレクションの中核を成す。展示は第1章の「中国青銅器―春翠の情熱」と第2章の「仏教美術―春翠の審美眼」で構成する。青銅器には紀元前14~11世紀の殷の時代やその後の西周の時...〈奈良国立博物館⋅夏企画㊤〉特別陳列「泉屋博古館の名宝」展

  • 〈大鳥神社「花奪い神事」〉 青竹で花蓋(はながさ)を激しく乱打!

    【花笠姿の愛らしい子どもたちの太鼓踊りも】滋賀県甲賀市甲賀町の大鳥神社で7月23~24日、無病息災や五穀豊穣を願って「大原祇園祭」が執り行われた。24日は前夜の宵宮祭に続いて本祭。「花奪い(はなばい)神事」が一番の見どころで、県指定無形民俗文化財にもなっている。社伝によると、この祇園祭が始まったのは室町時代の1415年。ということは600年余の長い伝統を誇るわけだ。本祭は午後3時から始まった。白装束に鉢巻き姿の男衆が長い青竹を手に整列。その間を9つの氏子地域の花鉾⋅太鼓踊りの子どもたち⋅赤い造花で飾られた花蓋(はながさ)が順番に入場してきた。朱色の楼門を潜った花蓋は金色の神輿が安置された拝殿へ。この後、再び楼門に姿を現し、笛の合図で1基ないし2基ずつ石段を駆け下りて花奪い神事が始まった。大鳥神社の祭神は素...〈大鳥神社「花奪い神事」〉青竹で花蓋(はながさ)を激しく乱打!

  • 〈散策「新薬師寺~中の禰宜道」〉 実忠の歯塔、縁切り⋅縁結び寺┄

    【新薬師寺の五重の石塔】薬師如来坐像を本尊とし、国宝十二神将像で広く知られる新薬師寺(奈良市高畑町)。その本堂に向かう途中、左手に五重の石塔が立つ。いつも一瞥して通り過ぎていたが、その前にある石柱を見るとこう刻まれていた。「實忠和尚御歯塔」。えっ、なぜここに?実忠は東大寺の開山、良弁(ろうべん)僧正に師事し、二月堂を創建してお水取り(修二会)を始めたというお坊さん。新薬師寺は元々、聖武天皇の病気平癒を願って光明皇后が建立した。それにしても歯を安置した塔だったとは!【お水取りのお松明を橋の欄干に再利用!】その新薬師寺の庫裡の前にある池に「観楓橋」という小さな橋が架かる。苔むした欄干の向かい側の片方は長く大きな1本の竹だった。そこには「奉納二月堂家内安全」との墨書があり、寄進者の住所と氏名も記されていた。お水...〈散策「新薬師寺~中の禰宜道」〉実忠の歯塔、縁切り⋅縁結び寺┄

  • 〈祇園祭神幸祭〉 神輿3基、勇壮に御旅所へ渡御

    【「ホイット、ホイット」沿道からも手拍子と掛け声】京都の夏を雅に彩る祇園祭の前祭(さきまつり)が17日都大路で華やかに繰り広げられた。日中の山鉾巡行に続く神幸祭の神事の後、夕刻からは四条通の御旅所まで神輿3基の渡御が行われた。神輿渡御は午後6時から。八坂神社のシンボル、朱色の西門の石段下に神輿3基が勢揃いし出発式が行われる。石段はその様子を上の方から見物できる“特等席”。2時間前には多くの人で既に埋め尽くされ、境内も身動きがままならないほどごった返していた。午後6時すぎ、神輿を先導する行列がやって来た。先頭は「豊園泉正寺榊」。神様を遷した神輿の進路を清める役割を担う。かつては3基の神輿にそれぞれ榊台があったが、今では泉正寺町の1基だけになったという。その後、白馬に乗ってやって来たのは綾戸國中神社のお稚児さ...〈祇園祭神幸祭〉神輿3基、勇壮に御旅所へ渡御

  • 〈人形作家永瀬卓さん〉 平城宮いざない館夏期企画展「万葉挽歌(レクイエム)」開幕

    【万葉集の登場人物中心に31体、中学教師定年後独学で!】平城宮跡歴史公園内の平城宮いざない館で夏期企画展「万葉挽歌(レクイエム)―人形からみる古(いにしえ)の奈良」が始まった。人形の制作者は埼玉県越谷市在住の永瀬卓さん(75)。わずか15年前に独学で始めたとは到底信じられない精細な造形と憂いを秘めた表情の人形たちなど31体が並ぶ。9月1日まで。(下の写真は「額田王(立像)」永瀬さんは1972年に東京教育大学芸術学科絵画専攻を卒業。以来、越谷市内の中学で美術の教師を務めた。人形の制作をふと思い付いたのは2008年の定年退職後。学生時代に見た有馬皇子の人形像がずっと頭の中を巡っていたという。万葉集関連本の表紙を飾っていたその人形の作者は紙塑人形の人間国宝、鹿児島寿蔵氏(1898~1982)だった。(下は「天宇...〈人形作家永瀬卓さん〉平城宮いざない館夏期企画展「万葉挽歌(レクイエム)」開幕

  • 〈大和文華館〉 特別展「レスコヴィッチコレクションの摺物」㊦

    【柳々居辰斎「拳初め」】三宝の上に徳利、台の上に拳相撲の道具。拳相撲は中国発祥の酒席の遊び、数拳(じゃんけんの源流)を相撲風にしたもの。団扇を持った行司が仕切った。【岳亭春信「衣通姫」】允恭天皇の寵妃(または娘)で絶世の美女と伝わる衣通姫が小箱の中の蜘蛛の巣を覗き込む。蜘蛛は天皇の訪れの予兆。古今和歌集に「わがせこが来べきよひなりさゝがにの蜘蛛のふるまひかねてしるしも」。【二代目葛飾戴斗「鯉」】添えられた狂歌に「時を得て空へものぼれ王とよぶ花の下行(したゆく)江戸川の鯉」(文花楼清丸)など。「王とよぶ花」は桜のこと。【歌川豊広「宝船に鶴亀」】伊勢エビの殻を船体に見立て、打出の小槌などめでたいものを満載。周りにも折り鶴や亀など吉祥の置物を描く。【歌川国貞「三味線と琴の合奏」】松が描かれた屏風の前で女性2人が...〈大和文華館〉特別展「レスコヴィッチコレクションの摺物」㊦

  • 〈大和文華館〉 特別展「レスコヴィッチコレクションの摺物」㊤

    近鉄グループの美術館「大和文華館」(奈良市学園南)で特別展「レスコヴィッチコレクションの摺物―パリから来た北斎⋅広重⋅北渓⋅岳亭」が始まった。摺物は江戸時代の版画のうち特別な注文によって制作された作品。数十~数百部しか作られなかったため伝存数も少ない貴重品だ。展示作品はポーランド出身でパリ在住のジョルジュ⋅レスコヴィッチ氏の収集品。約260点が9月1日までの会期中、前期⋅後期に分けて展示される。葛飾北斎をはじめ魚屋北渓(ととやほっけい)、岳亭春信、歌川広重、歌川国芳、渓斎英泉ら、浮世絵全盛期の19世紀前半に活躍した絵師の作品が多く並ぶ。【葛飾北斎「富士図」】富士山と芦ノ湖が描かれた春興の俳諧摺物。「舞雲雀声も高根と丈いくらべ」(桂花)などの句が添えられている。【葛飾北斎「やつし六歌仙」】六歌仙を当時の江戸...〈大和文華館〉特別展「レスコヴィッチコレクションの摺物」㊤

  • 〈喜光寺〉 淡いピンク色の「中尊寺蓮」お披露目

    【境内を彩るハス250鉢津波で蘇ったミズアオイも開花】奈良時代の高僧行基ゆかりの古刹、喜光寺(奈良市菅原町)の境内が花ハスの大きな鉢で埋め尽くされている。8日午前訪ねると、カメラを抱えた中高年数人が“試みの大仏殿”と呼ばれる本堂(重要文化財)を背景にハスの花を撮影していた。伝承によると、行基はこの本堂を参考に東大寺の大仏殿を建立した。ハスの栽培が始まったのは30年ほど前から。喜光寺は法相宗別格本山。大本山の薬師寺から派遣された山田法胤住職が、荒れ果てた喜光寺を花の寺にしたいと栽培を始めた。今では栽培数が約70種、約250鉢に上る。平年の見頃は6月中旬から7月中旬にかけて。ただ今年は猛暑の影響か、花付きがいまひとつのようだ。前日に藤原宮跡のハス池で満開の花を見てきたという男性はやや期待外れといった表情を浮か...〈喜光寺〉淡いピンク色の「中尊寺蓮」お披露目

  • 〈橿考研付属博物館〉 特別陳列「ホケノ山古墳―ヤマト王権の成立へ」

    【銅鏡など出土品の重要文化財指定を記念して】奈良県立橿原考古学研究所付属博物館(橿原市)で特別陳列「ホケノ山古墳―ヤマト王権の成立へ」が開かれている。出土品が一括して重要文化財に指定されることになった(3月に国の文化審議会が答申)のを記念したもの。纒向遺跡や纒向古墳群の出土品も併せて展示している。7月15日まで。ホケノ山古墳(桜井市箸中)は「卑弥呼墓説」もある箸墓古墳のすぐ東側に位置する。墳丘は全長約80mの前方後円墳(後円部径約60m)。築造時期は出土品などから箸墓古墳に先行する3世紀中頃と推定され、最古級の古墳として注目を集めている。埋葬施設は内部の木槨と外側の石槨からなる二重構造の“石囲い木槨”。中央に安置された棺はコウヤマキ製の舟形木棺(長さ約5.3m)だったとみられる(写真は推定復元模型)。木棺...〈橿考研付属博物館〉特別陳列「ホケノ山古墳―ヤマト王権の成立へ」

  • 〈奈良県立図書情報館〉 切り取り⋅書き込み「絶対にやめて」と警告

    【日経新聞に「書き込み多発」はなぜ?】奈良県内で公共図書館としては最大の蔵書量を誇る奈良県立図書情報館(奈良市大安寺西)。その館内に「困っています!」と題した、ひときわ目立つ立て看が置かれている。設置からかなり経つが、一向になくならない雑誌や新聞などへの書き込み⋅切り抜き。その文面には図書館側の怒りや苦悩ぶりが詰まっている。看板が置かれているのは2階メインエントランスから入館してすぐ右側。新聞コーナーと3階に上がるエレベーターとの間に立つ。3階には開架式で膨大な蔵書が並ぶ。濃い黄色地に大文字で「困っています!」とあるので、遠くからも入館者の目に留まる。赤い手のひらには「NO」。下の「絶対におやめください」の間には書き込みなど破損⋅汚損があった事例が掲載されている。新聞では日経新聞の被害が目立つようだ。新聞...〈奈良県立図書情報館〉切り取り⋅書き込み「絶対にやめて」と警告

  • 〈石上神宮〉 国宝の拝殿で「神剣渡御祭」と「御田植神事」

    【神田神社への渡御行列は6年連続中止に!】日本最古の神社の一つといわれる奈良県天理市の石上(いそのかみ)神宮で、6月30日「神剣渡御祭」が営まれた。末社神田(こうだ)神社へのお渡り(渡御行列)は梅雨空のため中止となり、一連の神事は全て国宝の拝殿内で執り行われた。お渡りは神剣渡御祭の一番の見どころ。太鼓を「でんでん」と打ち鳴らしながら進むため「でんでん祭」とも呼ばれる。この日の天候は「雨のちくもり」で、神事が始まる午後1時ごろには薄日も差していた。だが「諸準備の都合もあって」結局中止に。これでお渡りは6年連続中止となった。(写真は拝殿に参進する宮司ら神職)拝殿では雅楽が奏される中、まず「本宮祭」が営まれた。お祓いに続き、お供え物を捧げる献餞、祝詞奏上、玉串奉奠┄┄。神事は粛々と進んだ。拝殿には多くの一般参拝...〈石上神宮〉国宝の拝殿で「神剣渡御祭」と「御田植神事」

  • 〈奈良大学博物館〉 企画展「太田古朴が見た山里の文化財」

    【室町前期に遡る翁系能面4面など初公開】奈良大学博物館(奈良市山陵町)で企画展「太田古朴が見た山里の文化財」が開かれている。副題に「高野山麓⋅細川八坂神社の仮面群」。2年前に和歌山県高野町の神社で再発見された室町時代前期の作とみられる能面4面などが初公開されている。7月27日まで。太田古朴(1914~2000)は奈良県吉野町出身で、奈良美術院で仏像修理を学び、生涯を仏像の研究や修理に捧げた。『仏像研究三十年』『美佛参籠』など著書や著作も多い。企画展では代表的な仏像修理の事例とともに、古朴が調査と仏像修理を手掛けた和歌山県高野町細川地区の文化財も紹介している。「はだか地蔵」として有名な伝香寺の地蔵菩薩立像は古朴が調査⋅修理を行った仏像の一つ。納入品納置状況図には像内から見つかった舎利や胎内仏、経典などの納入...〈奈良大学博物館〉企画展「太田古朴が見た山里の文化財」

  • 〈奈良⋅菅原天満宮〉 5年ぶりに「鷽替え神事」

    【「誕生祭」に続き約110人が鷽のお守りを次々に交換】奈良市菅原東の菅原天満宮で6月25日、祭神菅原道真公の「誕生祭」と「鷽(うそ)替え神事」が執り行われた。鷽替えの開催は新型コロナ禍もあって実に5年ぶり。約110人の参拝者が太鼓に合わせ「替えましょ、替えましょ」と木彫りの鷽のお守りを交換しあった。鷽替え神事は九州の大宰府に流された道真が蜂の大群に襲われたとき、鳥の鷽に救われたという故事に因む。鷽は嘘(うそ)に通じ、災厄⋅悪事をうそとし吉に転じてくれるとして、道真を祀る各地の天満宮で行われている。神事の開催時期は年の始めの1月というところが多い。太宰府天満宮も大阪天満宮も道明寺天満宮(大阪府藤井寺市)も1月に斎行。ただ、この菅原天満宮では古くから道真の誕生日(陰暦6月25日)に合わせて行ってきた。鷽替えは...〈奈良⋅菅原天満宮〉5年ぶりに「鷽替え神事」

  • 〈奈良⋅猿沢池〉 出現! うわさの巨大スッポン

    【クサガメ(?)と仲良く甲羅干し】奈良市の観光名所「猿沢池」。6月19日の午前10時すぎ、工事用素屋根の建設が進む興福寺の五重塔を眺めようと池の畔に立った。ふと池を見下ろすと「アンビリバボー」。巨大なスッポンが悠然と甲羅干しの最中だった。その大きさに唖然!隣のカメの3~4倍はありそうだ。突出した鼻先からスッポンに間違いない。この池にスッポンが生息するとは聞いていた。だが、実際に甲羅干しの場面に遭遇するとは。10年前の2014年、奈良県が池の水抜き調査を行った。その時確認されたカメは全部で258匹。その大半を外来種アカミミガメ(幼体名ミドリガメ)が占めたが、クサガメが54匹、スッポンも3匹いた。国内最大のスッポンはどれくらい?調べてみると、2011年に京都府城陽市の木津川で38.5㎝(甲羅の長さ)、16年に...〈奈良⋅猿沢池〉出現!うわさの巨大スッポン

  • 〈興福寺五重塔〉 見納め! 工事用の素屋根建設本格化

    【120年ぶり大規模修理、完了は7年後の2031年春】奈良公園のシンボルの一つ、興福寺の国宝五重塔が素屋根ですっぽり覆われようとしている。6月19日久しぶりに訪れると、塔を囲むように鉄骨の柱が組み上がり、外観でまだ見えるのは最上層とその上に立つ相輪だけだった。(下の写真は猿沢池から)この五重塔は奈良時代に藤原不比等の娘、光明皇后の発願で創建された。以来、戦火や落雷により再建を繰り返し、現在の塔は約600年前、室町時代の1426年に建てられた6代目。高さは50.9mで、五重塔としては京都の東寺に次いで2番目に高い。本格的な修理は明治時代以来約120年ぶり。屋根瓦の破損やずれ、漆喰の剥離、木造組み物の腐朽など傷みが目立ってきたことによる。素屋根の建設は当初昨年1月着工を予定していたが、資材の高騰などで7月へ半...〈興福寺五重塔〉見納め!工事用の素屋根建設本格化

  • 〈平城宮跡大極門〉 「東楼」1年半後の完成に向け復原進む

    【見学デッキを上ると大きな柱が林立!眺望も絶景】国営平城宮跡歴史公園(奈良市)内の第一次大極殿院の大極門(南門)。2022年3月に始まったその「東楼」の復原工事も後半に入り、25年11月の完成予定まで1年半を切った。工事現場を覆うのは巨大な素屋根。見学デッキを上ってみると、東楼本体を支える大きな柱が林立しているのが見えた。(写真左側の建物が南門)南門(2022年復原)は天皇の即位や元日の朝賀、外国使節の謁見など国家的儀式が行われた大極殿院への正門に当たる。広場を挟んで真北には中枢施設の大極殿(2010年復原)が立つ。奈良時代、その南門の両側には東西に楼閣が立っていた。東楼の復原は過去の発掘調査を踏まえ進行中。南門には南側に接して築地回廊が構築されていた。(下の写真は北側の大極殿から見た東楼と回廊の完成予想...〈平城宮跡大極門〉「東楼」1年半後の完成に向け復原進む

  • 〈近江神宮〉 「時の記念日」恒例の「漏刻祭」

    【時計関係者参列し、時計の献納や舞楽の奉納】6月10日は「時の記念日」。約1350年前、671年のこの日、天智天皇が近江大津宮に漏刻台(水時計)を設け時報を始めたとの故事に因む。天智天皇を祭神として祀る近江神宮(大津市)で10日、時計メーカーなど関係者が参列するなか恒例の「漏刻祭」が開かれた。祭典が始まったのは午前11時すぎ。王朝装束を身に着け“漏刻博士”などに扮した3人の時計関係者や、采女役のびわ湖大津観光大使の女性ら奉仕者が列をつくって拝殿の石段を上ってきた。修祓(しゅばつ)に続いて宮司による祝詞奏上など神事が粛々と進む。この後、いよいよ見どころ時計の献納だ。先頭は献納目録を捧げもつ”漏刻博士“。その後ろに采女4人が続く。献納台に載っているのは最新の腕時計や置き時計など。采女たちはやや緊張の面持ちで本...〈近江神宮〉「時の記念日」恒例の「漏刻祭」

  • 〈淡路島㊦〉 国史跡洲本城跡、淡路人形浄瑠璃┄

    【国内最古の模擬天守、重厚な野面積みの石垣」】初めて国の史跡洲本城跡を訪れた。馬屋(月見台)からの紀淡海峡の眺望を堪能した後、三熊山(標高133m)山頂に築かれた天守台へ。途中、自然石を積み上げた野面(のづら)積みの石垣が続く。本丸大石段を上ると、ほどなく正面に天守が姿を現した。天守台の上に築かれたコンクリート製の4脚の上に3層の天守が立つ。建設は約100年前の1928年(昭和3年)。昭和天皇の即位式(御大典)を記念して建てられた。古図などに基づかない“模擬天守”としては国内最古とのこと。石垣の多くは野面積みだが、この天守台の隅石など要所には加工した長方形の石を組み合わせた算木積みが採用されていた。ここからの眺めも絶景。そばに「洲本八景1大浜を大観」と刻まれた石碑が立っていた。洲本商工会議所青年部が8カ所...〈淡路島㊦〉国史跡洲本城跡、淡路人形浄瑠璃┄

  • 〈淡路島㊥〉 24年ぶり「北淡震災記念公園」に

    【野島断層「地質遺産100選」に、保存館裏手には「神戸の壁」】久しぶりに淡路市の「北淡震災記念公園」を訪れた。ここには阪神大震災の断層変動を生々しく物語る野島断層が当時のまま保存されている。開園は震災3年後の1998年春。最初に訪ねたのが2000年の夏だから、もう24年前、ほぼ四半世紀ぶりになる。「世界の『地質遺産100選』に野島断層が選ばれました」。館内に入ると左手の壁面に、赤地に白抜きの大きな文字でこう掲示されていた。国際地質科学連合(IUGS)によって2022年秋に選定されたという。日本ではここと、同じ兵庫県の玄武洞(豊岡市)の2カ所だけ。海外ではグランドキャニオン(米国)やエアーズロック(オーストラリア)なども含まれているそうだ。その向かい側には以前同様、修学旅行などで訪れた生徒たち手作りの千羽鶴...〈淡路島㊥〉24年ぶり「北淡震災記念公園」に

  • 〈淡路島㊤〉 鳴門の渦潮、圧倒的な迫力!

    【激しい潮流⋅渦巻く波の轟音┄自然の力を体感】その迫力は観光ポスターやテレビの動画なとでは決して味わえない圧倒的なスケールだった。初めて船上から目にした鳴門海峡の渦潮。潮の干満によって起きるその現象を前に、改めて自然のエネルギーの大きさ、激しさを思い知らされた。乗船したのは淡路島南端の福良港を発着する「うずしおクルーズ」の咸臨丸。船名は約160年前に勝海舟らを乗せアメリカに向かった蒸気帆船に因む。3年前に2代目咸臨丸として就航した。全長約59m、定員は500人。この日は新月で大潮。乗船する午前9時半出航予定の第1便案内の横には渦潮期待度「大」を示す二重丸がついていた。クルーズ船は職員が振る大きな旗と4本の放水に見送られて出航した。(上の写真左側のクルーズ船は臨時便の日本丸)船は遠く左側の山頂に立つ戦没学徒...〈淡路島㊤〉鳴門の渦潮、圧倒的な迫力!

  • 〈平城宮いざない館〉 万葉衣装展「光明皇后華麗な一族」テーマに

    【古代衣装研究家山口千代子さん協力、6月2日まで】国営平城宮跡歴史公園(奈良市)内の平城宮いざない館で「万葉衣装展~光明皇后華麗な一族~」が開かれている。古代衣装研究家の山口千代子さんが復元した奈良時代の衣装のほか服飾品なども並ぶ。山口さんは正倉院の宝物、日本と中国の古墳の壁画、仏画、文献などを参考に飛鳥~奈良時代の衣装の復元に取り組んできた。「天平祭」の行列で着用される古代衣装も山口さんの手作り。いざない館の真ん中を貫く広い通路の突き当たりに、聖武天皇と光明皇后の2体が展示されていた。その両隣には向かって右側に皇后の母橘三千代、左側には天皇の母で藤原不比等の娘の宮子。上の写真中央の女性は聖武天皇と光明皇后の娘の阿部内親王。高貴な方のお顔は当時、人前では大きなサイズの翳(さしば)で顔を隠していた。奈良時代...〈平城宮いざない館〉万葉衣装展「光明皇后華麗な一族」テーマに

  • 〈なら工芸館〉 「日本伝統工芸近畿展in奈良」6月2日まで

    【受賞者や奈良在住作家の作品32点、人間国宝北村昭斎氏の遺作も】なら工芸館(奈良市阿字万字町)で「日本伝統工芸近畿展in奈良2024」が始まった。4月に京都市で開かれた第53回日本伝統工芸近畿展の入選作から、受賞作品や奈良市近隣在住作家の作品合わせて32点を展示している。6月2日まで。近畿展では応募作品から2次の鑑査で201点が入選、その中から13点が受賞作品に選ばれた。「in奈良」で展示中の受賞作は9点。日本工芸会支部長賞2点のうち甲斐幸太郎さんの木工作品「屋久杉と欅の蓋物」は2つの素材のコントラストと柔らかいフォルムが美しい。青江桂子さんの木芯桐塑布和紙貼り人形「悠久」は奈良の高松塚古墳に描かれた乙女をモチーフに制作したという。奈良県知事賞を受賞した平谷悠律子さんの絣織着物は作品名が「光の丘」。イタリ...〈なら工芸館〉「日本伝統工芸近畿展in奈良」6月2日まで

  • 〈枚岡神社〉 国の平安を祈願して「平国祭」

    【「振矛の儀」に続き巫女による「矛の舞」も】東大阪市の枚岡神社で5月21日「平国祭」が執り行われた。通称「へいこくさい」と呼ばれているが、正式には「くにむけのまつり」。国の平安を祈願して毎年この日に行われている。祭典は午前10時に始まった。拝殿から宮司が祝詞を奏上。この後、本殿に安置されていた「平国矛(くにむけのほこ)」を使って「振矛の儀」が行われた。矛を地面に突き立てるように力強く垂直に突く。その動作を中央、左側、そして右側と3度繰り返した。儀式が終わると、矛は大切に抱えられ本殿前の祝詞舎の石段を上っていった。続いて巫女舞が奉納された。2人の巫女が通常手にする鈴に代わって矛を抱え、笛や太鼓に合わせ優雅に舞った。この舞の後には刀剣術「勇進流」の宗家、瀬戸天勇宏俊さんによる演武奉納も。午前11時からは参道広...〈枚岡神社〉国の平安を祈願して「平国祭」

  • 〈大和郡山城址〉 現代工芸フェア「ちんゆいそだてぐさ」開幕

    【若手工芸家100人余+ワークショップ+飲食ブース】奈良県大和郡山市の郡山城址で5月18日、現代工芸フェア「ちんゆいそだてぐさ」が始まった。19日までの2日間の日程。会場には若手工芸作家100人余の工芸クラフトブースに加え、16のワークショップブース、30店の飲食ブースも設けられ、初日から家族連れなどでにぎわった。2013年から始まり今回で12回目。タイトルの「ちんゆい」は金魚の中国語での発音。金魚は沢山の卵を産むことなどから、原産地中国では縁起物とされる。中国から渡来した金魚は江戸時代に一大ブームを巻き起こした。18世紀半ば刊行の『金魚養玩草(そだてぐさ)』(安達喜之著)は日本初の金魚飼育書といわれる。「ちんゆいそだてぐさ」のフェア名には金魚の街⋅大和郡山の地から多くの工芸家が育ってほしいとの願いが込め...〈大和郡山城址〉現代工芸フェア「ちんゆいそだてぐさ」開幕

  • 〈奈良市写真美術館〉 アン⋅ジュン「『重力へ』方向と座標」展

    【開館以来初の外国人アーティストによる個展】入江泰吉記念奈良市写真美術館(高畑町)で、韓国出身の女性写真家AhnJun(アン⋅ジュン)の個展が開かれている。タイトルは「『重力へ』方向と座標」。同館は1992年の開館から約32年たつが、外国人アーティストによる個展の開催は今回が初めて。6月30日まで。会場にはアメリカで撮影した代表作「Self-Portrait(セルフ⋅ポートレイト)」と韓国帰国後の「OneLife(ワン⋅ライフ)」の二つのシリーズを中心に70点ほどが並ぶ。いずれもアン自身がプリントした大型作品ばかりだ。その中にはまるで合成写真と見まがうものも多い。「Self-Portrait」は20代のとき2008~13年の作品で、アン自身が被写体となって高層ビルから眼下を見下ろす。細身の彼女がビルの縁か...〈奈良市写真美術館〉アン⋅ジュン「『重力へ』方向と座標」展

  • 〈天理本通り商店街〉 5回目のイベント「本ぶらサンデー」

    【縁日広場⋅風船アート⋅マジック┄家族連れで大にぎわい】奈良県内で最も長い商店街が天理市にある。JR⋅近鉄天理駅と天理教教会本部を結ぶ「天理本通り商店街」。総延長約1キロのドーム型アーケードの下に約180店舗が連なる。その商店街で5月12日「天理本通りマルシェ本ぶらサンデー」と銘打ったイベントが行われた。2年前の2022年春にスタートし、以来毎年5月と11月に開催しており今回で5回目。ほぼ一直線に延びる商店街の両脇にはピザやスイーツ、唐揚げなどのキッチンカー10台をはじめ、物販や手作りワークショップ、フリマブースなと50店ほどが出店。縁日広場や遊びの広場も設けられた。先月4月の中旬にこの商店街を歩いたときは天理教の祭典「教祖誕生祭」直後とあって黒い法被姿の信者が目立ったが、この日はちびっこを伴った家族連れ...〈天理本通り商店街〉5回目のイベント「本ぶらサンデー」

  • 〈大乗院庭園文化館〉 落合勲さんの「二十四節気書画展」

    【季節の草花に温かい“こころの文字”を添えて】奈良市高畑町の名勝大乗院庭園文化館で「二十四節気書画展」が開かれている。書道家⋅画家の落合勲さんが季節の草花を描いて言葉を添えた書画が壁面一直線にずらりと並ぶ。落合さんは1940年、三重県四日市市生まれ。喫茶店を営む傍ら、書画に没頭し、感謝の気持ちを込めた書を“こころの文字”と呼んで各地で個展を開いてきた。詩人清水英雄さんとの出会いが転機となった。清水さんの著作『ありがとう歳時記』『ありがとう二十四節氣』で草花の絵を担当。『ありがとうカレンダー』でも長年、清水さんとコラボを組んできた。落合さんの作品を前に頭に浮かぶのが先日4月28日に亡くなった星野富弘さんのこと。筆を口にくわえて、心に染みる草花の詩画をたくさん残してくれた。落合さんの作品も優しさや温かさが画面...〈大乗院庭園文化館〉落合勲さんの「二十四節気書画展」

  • 〈元興寺〉 本堂正面に花御堂を飾って灌仏会

    【園児たちが「花まつりの歌」を奉納】奈良市ならまちの世界文化遺産⋅元興寺で8日、お釈迦様の生誕を祝い子どもたちの健やかな成長を祈る花祭り「灌仏会(かんぶつえ)」が執り行われた。花祭りは釈迦の誕生日とされる4月8日に行われることが多く、東大寺や興福寺でも「仏生会」としてその日に開催。ただ元興寺では毎年旧暦の4月8日に近い5月8日に行っている。国宝の極楽坊本堂正面には色とりどりの生花で飾られた花御堂。参拝者たちはその中央に立つ誕生仏に甘茶を注いでから堂内へ。左手には甘茶が入った2つのポットが置かれ「ご自由にお飲みください」と書き添えられていた。堂内は近隣の「極楽坊あすかこども園」の園児たちでいっぱい。午前11時、法要が始まると、園児たちは胸元で小さな手を合わせて合掌していた。法要が終わると、辻村泰善住職が園児...〈元興寺〉本堂正面に花御堂を飾って灌仏会

  • 〈サンヤレ踊り〉 滋賀県草津市の6地区で華やかに

    【2022年「風流踊」としてユネスコ無形文化遺産に】滋賀県草津市内で5月3日、国の重要無形民俗文化財に指定されている「サンヤレ踊り」が各地の神社に奉納された。一昨年の2022年秋に「風流踊」の一つとしてユネスコの無形文化遺産に登録されたばかり。サンヤレ踊りは五穀豊穣などを祈るもので、古文書などによると江戸時代からの長い伝統を誇るという。今年は市内7地区のうち隔年実施の矢倉を除く6地区で踊りが披露された。下笠地区では正午から約30分にわたり老杉神社で踊りが奉納された。主役は華やかな花笠と衣装の子どもたち。青年男子の「サンヤレ、サンヤレ」という囃子詞(ことば)に合わせ太鼓や鞨鼓(かっこ)を打ち鳴らした。吉田地区の踊りは午後1時半から三大神社に奉納された。こちらは太鼓打ちの子どもも、囃子や笛吹きも全員男性で白い...〈サンヤレ踊り〉滋賀県草津市の6地区で華やかに

  • 〈虎屋京都ギャラリー〉 所蔵品展「水のいきもの」5月19日まで

    【掛軸⋅香合⋅湯呑み⋅木彫り工芸品⋅印籠など】老舗和菓子店「虎屋」の京都ギャラリー(京都市上京区)で「水のいきもの」をテーマに掲げた所蔵品展が開かれている。金魚やコイ、タイ、カニ、サザエなどを題材とした掛軸や工芸品が並ぶ。5月19日まで。ギャラリーは京都御所に程近い「虎屋菓寮京都一条店」に隣接する。展示中の掛軸は4点。山元春挙(1872~1933)の『鯉』は水面から飛び上がるコイの躍動的な瞬間を描いた水墨画(写真は部分)。春挙は円山四条派に属し明治から昭和初期にかけて京都で活躍した。河鍋暁斎(1831~89)の『四季風景五月幟図』は五月晴れの中、鯉のぼりが富士山をバックに悠然と泳ぐ。その雄大な光景とともに、室内に飾られた武者人形や軒先の菖蒲なども丁寧に描かれている。南画家滝和亭(1830~1901)の墨画...〈虎屋京都ギャラリー〉所蔵品展「水のいきもの」5月19日まで

  • 〈東大寺〉 大仏殿で「花まつり千僧供養」

    【全日本仏教青年会主催、宗派を超え若いお坊さんが全国から結集!】奈良⋅東大寺で4月26日「花まつり千僧供養」が営まれた。主催は全日本仏教青年会(新井順證理事長=四天王寺総務部長)。1988年から毎年この日に開いているもので、宗派を超えて全国各地から集まった若手僧侶たち約300人が、大仏さまに仏法興隆、世界平和、災害被災地の早期復興などを祈願した。午後零時45分、僧侶たちの行列が法螺貝が吹かれる中、大仏殿に向けて出発した。色とりどりの袈裟をまとったお坊さんの列が延々と続く。参道の両側にはあっという間に人垣ができた。海外からの観光客も興味深そうに見つめ、スマホのシャッターを押していた。行列最後尾には東大寺学園幼稚園の園児たちが続いた。大仏殿で法要が始まったのは午後1時すぎ。最初に園児たちが『世界がひとつになる...〈東大寺〉大仏殿で「花まつり千僧供養」

  • 〈天理参考館〉 企画展「器にみるアンデス世界―ペルー南部地域編」

    【パラカス~ナスカ、インカの多彩な土器⋅木器を一堂に】世界の民俗資料と考古美術の博物館「天理大学付属天理参考館」(奈良県天理市)で企画展「器にみるアンデス世界―ペルー南部地域編」が始まった。3年前に開催した「ペルー北部地域編」の続編。ペルー南部からボリビアにかけて栄えた古代アンデス地域の土器や木器を、紀元前のパラカス文化からナスカ、インカ文化まで時代を追って紹介している。6月3日まで。パラカス文化は紀元前800年から紀元後100年頃にかけてペルー南海岸北部で栄えた。神や動物などを組み合わせた複雑なモチーフの織物が作られ、土器には幾何学文様や信仰の対象だったネコ科動物が多く描かれた。下の写真はパラカス前期の幾何学文皿。巨大な地上絵で知られるナスカ文化が栄えたのは紀元後100年頃から650年頃にかけて。土器の...〈天理参考館〉企画展「器にみるアンデス世界―ペルー南部地域編」

  • 〈松伯美術館〉 開館30周年「勤勉努力―素描 下絵そして本画」展

    【上村松園『唐美人』⋅松篁『緋桃』⋅淳之『鳬』┄】開館30周年を迎えた松伯美術館(奈良市登美ケ丘2)で「勤勉努力―素描下絵そして本画」と題した展覧会が開かれている。美人画の上村松園とその子松篁、孫淳之の作品群で知られるこの美術館は、三代の膨大な素描や下絵なども保有する。それらを通して本画が生まれるまでの過程を作者のコメントとともに紹介している。5月6日まて。同館では2年前の2022年秋にも「本画と下絵から知る上村松園⋅松篁⋅淳之」展を開催。そのとき松園の作品では『鼓の音』『楊貴妃』『花がたみ』などを下絵と並べて展示していた。今回は『唐美人』『美人納涼』『雪』などを本画と下絵で、そのほか『月蝕の宵』『新蛍』など十数点の下絵も展示している。松園は1948年、女性として初めて文化勲章を受章した。生前、作品制作へ...〈松伯美術館〉開館30周年「勤勉努力―素描下絵そして本画」展

  • 〈剣聖の里⋅柳生〉 満開の桜をバックに第16回さくら祭

    【2日間にわたり火縄銃の演武など多彩な催し】奈良市柳生で4月6日「第16回柳生さくら祭」が始まった。会場は旧柳生藩陣屋跡の広場で、7日までの2日間。満開の桜を背にした野外ステージでは初日から火縄銃の演武をはじめ忍術や尺八の演奏、舞踊、南京玉すだれ、コスプレショー、柳生新陰流演武など多彩な出し物が繰り広げられた。火縄銃の演武は正午すぎにスタート。大阪城鉄砲隊などのメンバー11人が勇ましい甲冑姿で登場した。率いるのは堺鉄砲研究会を主宰し、柳生観光大使も務める澤田平さん。古式銃⋅古式砲術研究の第一人者で、「なんでも鑑定団」(テレビ東京)の鑑定士としても活躍してきた。鉄砲隊の面々が手にする火縄銃はいずれも江戸時代に作られた本物という。澤田さんの号令一下、一斉射撃や一人ずつ順に放つ“つるべ撃ち”などか披露された。そ...〈剣聖の里⋅柳生〉満開の桜をバックに第16回さくら祭

  • 〈奈良県立図書情報館〉 「キネティックアートな3人」展

    【井村隆⋅遠藤賢治⋅千光士義和】奈良県立図書情報館(奈良市大安寺西)で「キネティックアートな3人」展が開かれている。キネティックアートは静的な彫刻に対し、動きを取り入れたオブジェなどの総称。金属や段ボールを使って独創的な作品を制作してきた井村隆、遠藤賢治、千光士(せんこうじ)義和の作品が並び、子ども連れの家族の人気も集めている。4月21日まで。井村隆の作品群は「カラクリン」と呼ばれ、キネティックアートの第一人者として高い評価を得ている。1945年堺市生まれ。デイスプレー制作会社を退職後独立し、全国各地で個展を開き様々なモニュメントの制作にも取り組んできた。それらのモニュメントの中には堺市緑化センターの花時計「フラワーフェアリー」や新潟県立自然館の「シンボルタワー生命球」、横浜子ども科学館の「銀河への旅」、...〈奈良県立図書情報館〉「キネティックアートな3人」展

  • 〈大和郡山お城まつり〉 5年ぶりに時代行列と白狐渡御

    【公募の小中学生が武将役として騎乗!】奈良県大和郡山市で3月31日、「第63回大和郡山お城まつり」(3月24日~4月7日)のメインイベント「時代行列」と「白狐渡御」が繰り広げられた。新型コロナに加え昨年は雨天中止になっており、行列と渡御の開催は実に5年ぶり。沿道に多くの市民や観光客が詰めかけ、馬上の武将や白狐に扮して踊る子どもたちに歓声を送っていた。大和郡山城跡は「日本さくら名所100選」に選ばれている。城跡公園内の桜もお城まつりに合わせるかのように咲き始め、追手東隅櫓のそばにある枝垂れ桜は一足早く見ごろを迎えていた。時代行列と白狐渡御は市役所前での出陣式の後、午後2時ふれ太鼓に先導されて出発した。先頭は地元出身の鎌倉時代の名僧⋅叡尊上人。西大寺の復興などに尽力したことで知られる。この後、柳沢権大夫(淇園...〈大和郡山お城まつり〉5年ぶりに時代行列と白狐渡御

  • 〈富雄丸山古墳〉 新たに木棺から3枚の青銅鏡!

    【被葬者の頭部分にリンを含む真っ赤な水銀朱】国内最大の古墳時代の円墳、奈良市の富雄丸山古墳(直径109m)で、埋葬施設の粘土槨内の木棺から副葬品の青銅鏡3枚が見つかり、奈良市教育委員会の埋蔵文化財調査センターが3月16日、発掘現場を一般公開した。木棺を粘土で覆ったこの粘土槨は昨年度の調査で北東側の造り出し部分から出土。被覆粘土の中から東アジア最長の「蛇行剣」とこれまで類例のない「鼉龍文(だりゅうもん)盾形銅鏡」が見つかった。このため未盗掘とみられる木棺内部の調査も大きな注目を集めていた。木棺の材質はコウヤマキで、幹を半分に割って内部をくりぬき、下半分を棺の身、上半分を蓋としていた。大きさは長さ5.6m、幅64~70㎝、厚さが約5㎝。内部は2枚の仕切り板で中央の主室と左右2つの副室の3つに区画され、木棺の両...〈富雄丸山古墳〉新たに木棺から3枚の青銅鏡!

  • 〈高取町〉 第18回「町家の雛めぐり」

    【「かかし祭り」に次いでこちらも最終回!】奈良県高取町で春恒例のイベント「町家の雛めぐり」が繰り広げられている。地元の有志でつくる「天の川実行委員会」の主催で、今年で18回目。毎年、大小⋅新旧様々なお雛様が旧城下町の町家や商店、広場などを華やかに飾って、観光客の目を楽しませてくれてきた。だがスタッフの高齢化で、秋の「かかし祭り」に続いてこのイベントも今回が最終回に。3月末までで見納めとなる。雛人形の展示場所は旧城下町を貫く土佐街道沿いを中心に約50カ所。メイン会場は「街の駅城跡」内の「雛の里親館」だ。入って左側に17段の雛壇に約500体がうず高く並ぶ。壮観そのもの。その向かい側にも1863年(文久3年)製のもの(下の写真)をはじめ多くの雛人形が並び華やかな光景が広がっていた。昨年10月が最終回だった「かか...〈高取町〉第18回「町家の雛めぐり」

  • 〈奈良市写真美術館〉 「入江泰吉記念写真賞」受賞作品展

    【ならPHOTOCONTEST作品展も】奈良市写真美術館(高畑町)で「第5回入江泰吉記念写真賞」(日本経済新聞社協力)の受賞作品展が開かれている。若手写真家の発掘を目的に2014年にスタートし2年ごとに作品を公募してきたが、第5回は新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となった。今回は全国から61点の応募があり、その中から東京在住の眞岡綺音(あやね)さんの作品『陸の珊瑚』が大賞に当たる記念写真賞に選ばれた。眞岡さんは大阪府出身の23歳。日本写真映像専門学校を卒業し、これまでに読売写真大賞中高生部門大賞、御苗場2018年間最優秀賞なども受賞している。今回の受賞作品(48枚組み)では祖父母が経営する牧場を舞台に、4~5年間にわたって家族や環境の変化を追い続けた。作品の中には病床にあった祖父の最期の姿やお墓の...〈奈良市写真美術館〉「入江泰吉記念写真賞」受賞作品展

  • 〈本薬師寺〉 南門の南東部から幅3.3mの石敷き!

    【巨大な礎石の抜き取り跡も発掘】奈良県橿原市の特別史跡「本薬師寺(もとやくしじ)跡」で、正門に当たる南門の南東部分から基壇の外周を巡る石敷きや南門の柱を支える礎石の抜き取り跡などが見つかった。発掘調査を担う橿原市文化財保存活用課が3月2日、現地(藤原京右京八条三坊)で見学会を開催、熱心な考古学ファンが説明者に次々と質問を繰り返していた。本薬師寺は680年に天武天皇が皇后(後の持統天皇)の病気平癒を祈って造営を発願し、天皇崩御後は持統天皇が継承し698年に完成した。710年の平城京遷都に伴って造営された奈良⋅西ノ京の薬師寺(平城薬師寺)の前身といわれる。伽藍配置もいわゆる「薬師寺式」と呼ばれ、金堂の南側に東西の両塔が並んでいた。本薬師寺は平安中期の11世紀まで存続したとみられている。今回の発掘調査で見つかっ...〈本薬師寺〉南門の南東部から幅3.3mの石敷き!

  • <小澤征爾さん> 「世界のマエストロ」巨星墜つ!

    【ライフワークだった松本の“サイトウ・キネン”】世界のクラシック界を牽引してきた指揮者小澤征爾さんが2月6日亡くなった。88歳。武者修行のため貨物船でヨーロッパに向かったのは23歳のとき。プザンソン国際指揮者コンクール(フランス)での優勝がその後の飛躍の第一歩となった。「東洋人として西洋音楽をどれだけやれるか」。そんな思いを胸に全力疾走して、“世界のオザワ”まで上り詰めた小澤さん。中学の音楽の授業で、女性教師がその活躍ぶりをわが事のように熱く語っていたのがつい最近のように思い出される。(写真はいずれも長野県松本市での「第4回サイトウ・キネン・フェスティバル」の記者会見で=1995年8月14日)小澤さんはプザンソン優勝後、フランスからアメリカ、ドイツ、またアメリカと欧米を渡り歩いた。26歳の時には指揮者レナ...<小澤征爾さん>「世界のマエストロ」巨星墜つ!

  • <若戸大橋> 国の重要文化財指定から丸2年

    【吉永小百合主演『玄海つれづれ節』などの舞台にも】福岡県北九州市の洞海湾を跨いで若松・戸畑間を結ぶ「若戸大橋」。2022年2月9日に国の重要文化財に指定されてからちょうど丸2年を迎えた。開通は62年前の1962年。“東洋一の吊橋”ともてはやされた橋は後の関門橋や本州四国連絡橋など長大橋時代を切り開く魁(さきがけ)となった。若戸大橋はこの間、映画の舞台や背景としても度々取り上げられてきた。最も印象に残るのが吉永小百合主演の『玄海つれづれ節』(出目昌伸監督)。1986年の公開作品で、たまたま入手したビデオで繰り返し視聴した。吉永小百合は多額の借金を残し蒸発した夫を探す妻役。それまでの清純派のイメージとは打って変わって、気が荒い男勝りの役柄を好演した。やくざ顔負けの啖呵を切ったり、借金返済のためソープ嬢になった...<若戸大橋>国の重要文化財指定から丸2年

  • <平城宮いざない館> 「アフター 発掘された日本列島2023」展

    【幻の都「西京」が地下に眠る大阪府八尾市の遺跡など】平城宮跡歴史公園(奈良市)の平城宮いざない館で「アフター発掘された日本列島2023」展が開かれている。「発掘された日本列島」展は文化庁が最新の遺跡発掘の成果を広く紹介しようと1995年度にスタートし、以来、毎年全国5カ所ほどを巡回してきた。ただ23年度は文化庁の京都移転が重なったため山梨と長崎の2カ所に絞って開催し、そのダイジェスト版を「アフター展」として奈良で開いているもの。会期は2月12日まで。展示は大きく「我がまちが誇る遺跡」と「新発見考古速報」の2本立て。「我がまち」では奈良時代後半に称徳天皇と僧の道鏡が新しい都として造営を進めた「西京」が地下に眠る大阪府八尾市の遺跡など3カ所を取り上げている。道鏡はヤマト王権の軍事・祭祀を担った古代氏族物部氏一...<平城宮いざない館>「アフター発掘された日本列島2023」展

  • <奈良祝ぐ寿ぐまつり> 平城宮跡朱雀門ひろばで

    【“御斎会”再現や各地の行催事、特産品の販売…】平城宮跡歴史公園(奈良市)の朱雀門ひろばで1月27日「奈良ちとせ祝(ほ)ぐ寿(ほ)ぐまつり」が始まった。2016年に冬季の新イベント「大立山まつり」としてスタート。2022~23年の会場は奈良県コンベンションセンターで、3年ぶりに屋外の朱雀門ひろばに戻ってきた。会期は28日までの2日間。まつりは午前10時、朱雀門基壇ステージでの「當麻太鼓白鳳座」(葛城市)の勇壮な演奏で幕開けした。続いてオープニングとして古代の正月行事「御斉会(ごさいえ)」の再現。御斎会は正月8日から7日間、高僧たちが「金光明最勝王経」を唱えて国家安泰と五穀豊穣を祈願したという。まず命婦(みょうぶ)と呼ばれる女官に扮した7人が列を成して朱雀門に向かった。登壇すると場を清めるために散華(さんげ...<奈良祝ぐ寿ぐまつり>平城宮跡朱雀門ひろばで

  • <漢国神社> 年末恒例の「大祓・獅子神楽」奉納

    【多彩な獅子舞や曲芸などで大盛り上がり】近鉄奈良駅のそばにある古社、漢国(かんごう)神社の石舞台で12月27日「大祓・獅子神楽」の奉納が行われた。2008年に太神楽曲芸師・豊来家玉之助さん(51)が1年の厄払いと新年の福を願って獅子舞を奉納したのが始まり。今では歳末恒例の風物詩としてすっかり定着、この日も境内は多くの観客で埋め尽くされ、演舞が終わるたびに拍手とともにおひねりが次々に投げ込まれた。出演者は豊来家さんを中心に漢国神社韓園講(からそのこう)、桃俣(もものまた)獅子舞保存会(奈良県御杖村)、西宮神社獅子舞保存会(兵庫県西宮市)の面々。神楽奉納は午後1時「道中」で幕開けし、続いて道先案内の「猿田彦舞」、「宮参り」と続いた。4番目の演目「韓園」は1人で獅子頭を左右両手に持って舞う。豊来家さんが自ら創作...<漢国神社>年末恒例の「大祓・獅子神楽」奉納

  • <おん祭御渡り式> 県庁前から御旅所まで華やかに!

    【途中で落馬事故!御旅所祭は半時間ほど遅れて開始に】第888回を迎えた春日大社の摂社若宮の祭礼「春日若宮おん祭」が12月17日、奈良市内の目抜き通りで華やかに繰り広げられた。御渡りの行列は予定通り正午に県庁前の登大路園地を出発した。コースは近鉄奈良駅前~JR奈良駅前~三条通り~御旅所。一之鳥居内側の「影向(ようごう)の松」の前では古典芸能を披露する“松の下式”が行われた。ただ参道で行列の騎乗者が落馬する事故があり、御旅所祭の開始が30分ほど遅れるというハプニングがあった。(写真は行列の最後尾を務めた大名行列の御旅所入り)行列の第1番は黒い束帯姿の「日使(ひのつかい)」。市女笠(いちめがさ)・垂れ衣姿の女官や「祝御幣」などに先導されて進む。平安時代、おん祭に向かう関白藤原忠通が病気になり、急遽お供にその日の...<おん祭御渡り式>県庁前から御旅所まで華やかに!

  • <春日若宮おん祭> 開幕を告げる「御湯立神事」「大宿所祭」

    【今年で888回目、17日には4年ぶりに「御渡り式」も】春日大社の摂社若宮神社の祭礼「春日若宮おん祭」が12月15日始まった。日本最古の文化芸能の祭典といわれ、国の重要無形民俗文化財に指定されている。平安時代から連綿と続いて今年で888回目。15日には奈良市餅飯殿町の大宿所(おおしゅくしょ)で「御湯立(みゆたて)神事」と「大宿所祭」が執り行われた。17日には約1000人・馬約50頭による華やかな行列「御渡り式」と「御旅所祭」が深夜まで繰り広げられる。御渡り式の本格開催は4年ぶり(昨年は雨天のため規模縮小)。◎…御湯立神事は祭り奉仕者の身を清め、祭りの無事執行を祈願するもの。御渡りに参加する「大和士(やまとざむらい)」や「神子(みこ)」(写真)たちが参列した。◎…湯立巫女を務めるのは祝詞や所作を代々受け継ぐ...<春日若宮おん祭>開幕を告げる「御湯立神事」「大宿所祭」

  • <写真あれこれ⑨> 「なんだか気持ち悪い」って? 貴重なお宝だよ

    【実は1300年前の「う⋅ん⋅ち」小学生に一番人気の展示品なんだ】(2022年10月25日/平城宮跡資料館で)【排便の後始末に使う薄い木のへらも大量に出てきた】※トイレットペーパー代わりのこのへらは「籌木(ちゅうぎ)」と呼ばれる【木簡を再利用した木の容器】※籌木の多くも不要になった木簡を縦割りにしたもの【平城宮で出土した遊び道具】※左側の“木とんぼ”(素材ヒノキ)の発見で、それまで江戸時代に始まったとみられた竹とんぼの歴史が一気に奈良時代まで遡った!<写真あれこれ⑨>「なんだか気持ち悪い」って?貴重なお宝だよ

  • <写真あれこれ⑧> ヒオウギの蜜、アリの大好物だった!

    【こっちの花にも、あっちの花にも】(2023年8月22日/春日大社万葉植物園)【漆黒のヒオウギの実「ぬばたま」万葉集で黒髪や夜などの枕詞に】(2018年10月19日/我が家の庭で)【平城宮出土のヒノキの薄板を使った“桧扇”(ヒオウギの語源)】(2022年11月2日/平城宮いざない館※左右の色の違いは保存方法の差による)<写真あれこれ⑧>ヒオウギの蜜、アリの大好物だった!

  • <写真あれこれ⑦> おじさ~ん、何拾ってるんですか?

    【海岸で何かを拾い集める男性】(2017年8月7日/山口県柳井市で)【何これ?小遣い稼ぎになると言ってたけど】【(奈良で)あそこにも鹿が…あっ!剥製か】(2023年8月27日/奈良市三条通りで)【お母さんの袋の中から「コンニチハ」】(2014年5月8日/北九州市「到津の森公園」?)<写真あれこれ⑦>おじさ~ん、何拾ってるんですか?

  • <写真あれこれ⑥> 祭りの餅まき、ゲットした餅から

    【5円玉!歯が欠けるところだった】(2015年11月7日/京都府南山城村の「田山花踊り」)【ワンちゃんも着飾っておめかし】(2018年10月13日/滋賀県長浜市の「長浜きもの大園遊会」)【瑞雲?朝日の上に円い輪が!】(2017年8月9日/岡山県内)【花はどこ?周りは草茫々!】(2017年7月4日/奈良市内の幹線道路で)<写真あれこれ⑥>祭りの餅まき、ゲットした餅から

  • <奈良女子大学管弦楽団> シベリウス「フィンランディア」熱演

    【第52回定演、ドヴォルザーク「新世界より」も】奈良女子大学管弦楽団の第52回定期演奏会が12月9日、大和郡山市の「DMGMORIやまと郡山城ホール」で開かれた。プログラムはチェコのドヴォルザークとフィンランドのシベリウスの作品3曲。「愛国心」と「祖国愛」をテーマに選曲したという。会場の大ホールはほぼ満席で、学生やOBらの熱演に温かい拍手が送られ「ブラボー」の掛け声も飛んでいた。指揮者は常任の木下麻由加さん。2010年神戸大学発達科学部人間表現学科を卒業後、デンマークに留学し14年王立音楽アカデミーの指揮科を卒業。この間、ウクライナ国際指揮マスタークラスも2年続けて修了している。現在、奈良女子大学のほか近畿大学、神戸学院大学でも管弦楽団・交響楽団の常任指揮者を務める。1曲目はドヴォルザークが渡米前の188...<奈良女子大学管弦楽団>シベリウス「フィンランディア」熱演

  • <写真あれこれ⑤> ハチに刺された! ユズの木に大きな丸い巣!

    【コガタスズメバチ?上から投げた枝が命中、真っ二つに】(2023年8月30日/我が家の庭で)【その後、放水を続けるとスズメバチも退散】【夏の夜、カナブン対スズメバチ】(2010年7月5日/奈良市内の公園で)【何のサナギ?いえ「ペリカンバナ」の蕾です】(2023年5月16日/京都府立植物園)【室内の天井でクマゼミが羽化!】(2017年7月17日/我が家で)<写真あれこれ⑤>ハチに刺された!ユズの木に大きな丸い巣!

  • <写真あれこれ④> 今も脳裏から離れない衝撃的な光景!

    【アカミミガメが鳩を池に引きずり込んで食べた!】(2012年8月11日/奈良・猿沢池)【ミミズをうまそうに丸呑みするトカゲ】(2016年5月31日/自宅の庭で)【数羽のカラスの攻撃を受け放心状態で動けず】(2017年5月20日/奈良市の住宅街)【交尾?激しく絡み合う2匹のカタツムリ】(2017年8月16日/自宅の庭で)<写真あれこれ④>今も脳裏から離れない衝撃的な光景!

  • <写真あれこれ③> 超接近、でも逃げないキリギリス!

    【そうか、ウンコ中だったんだ】(2015年7月20日/奈良県営馬見丘陵公園)【汗を吸ってるの?足に止まり3分も!】(2016年7月31日/和歌山県紀の川市の粉河産土神社で)【シジュウカラ、勝手に鳥かごに出入り】(2013年2月14日/我が家のベランダで)【アマガエル、墓石でかくれんぼ?】(2014年9月13日/奈良市寺山霊苑で)<写真あれこれ③>超接近、でも逃げないキリギリス!

  • <写真あれこれ②> 店頭にこんな貼り紙が!

    【ドキッ!で、被害は?】(2017年6月1日/奈良市のブランド品買い取り店で)【痛快な花輪がずらりと】(2015年7月19日/北九州市のJR黒崎駅前)【なぜ「給料日後の3日間」?】(2017年8月7日/山口県柳井市の菓子店)【なんじゃ?このド派手看板】(2017年8月8日/岡山県内の国道沿いで)<写真あれこれ②>店頭にこんな貼り紙が!

  • <写真あれこれ①> 「あっ、目が合った!」鹿さんと

    【巨大切り株の空洞を覗くと!】(2019年3月15日春日大社参道で)【阿波踊りに飛び入り参加!】(2017年5月13日東大寺大仏殿中門前で)【寒くない?雪、初体験かな】(2014年2月14日春日大社参道で)【大丈夫?血が出ているけど】(2023年11月16日氷室神社前の花壇で)<写真あれこれ①>「あっ、目が合った!」鹿さんと

  • <中野美術館> 所蔵名作展「近代日本の洋画・日本画」

    【長谷川潔・駒井哲郎・村上華岳の作品など約40点】中野美術館(奈良市あやめ池南)で所蔵名作展「近代日本の洋画・日本画」が開かれている。美術館の創設者は林業で財を成した中野皖司氏。四半世紀にわたって収集してきた明治・大正・昭和の絵画や版画、彫刻などのコレクションを一般公開しようと約40年前の1984年に開館した。多く所蔵するのが洋画の須田国太郎や版画の長谷川潔、日本画の村上華岳、入江波光などの作品。入ってすぐ左手の洋画展示室には24点を展示中。今回は特に版画家の長谷川潔(1891~1980)と駒井哲郎(1920~76)に焦点を当て、それぞれの作品を5点ずつ紹介している。長谷川は1918年フランスに渡り、マニエール・ノワール(メゾチント)という古典的銅版画技法を復活したことで知られる。展示作品のうち特に印象に...<中野美術館>所蔵名作展「近代日本の洋画・日本画」

  • <生駒・宝山寺> 「厄除け大根炊き」開催

    【境内には大鳥居に16日掛ける大注連縄も】生駒聖天宝山寺(奈良県生駒市)で12月1日、恒例の「厄除け大根炊き」が行われた。新型コロナ禍で2020年から2年続けて中止だったが、昨年からまた通常開催に。熱々のふろふき大根が午前零時から参拝客に無料でふるまわれ、境内は無病息災を願う多くの人でにぎわった。この大根炊きは宝山寺青年会の奉仕活動の一つ。今回使った大根は約1300本。これを輪切りにし直径が1mを超える大釜で炊き上げた。1人分は2切れ。これに秘伝の甘い「宝山寺みそ」をかけて渡す。大根1本でほぼ7人分ということなので、ざっと5000人分となる。宝山寺は生駒山(標高642m)の中腹に位置する。生駒ケーブル宝山寺駅から参道の石段を上って境内に着いたのは午前9時すぎ。接待場所のテント前には次々に参拝客が訪れては、...<生駒・宝山寺>「厄除け大根炊き」開催

  • <東大阪市民美術センター> 企画展「宮本順三展~祭りと踊りに見る世界のデザインと色彩」

    【おもちゃ「グリコのおまけ」約3000種類のデザイナー】東大阪市民美術センターで11月29日、企画展「宮本順三展」が始まった。副題に「祭りと踊りに見る世界のデザインと色彩」。大阪市出身の宮本順三さん(1915~2004)はかつて子どもたちの人気を集めたおもちゃ「グリコのおまけ」のデザイナーとして知られる。同時に世界の祭りと踊りを画題とし多くの油彩画を描いた。企画展ではそれらの中から代表作を選んで展示している。12月17日まで。宮本さんは画家になるのを夢見て、彦根高等商業学校(現滋賀大学)時代には自ら美術部を創設した。卒業後に就職したのがグリコ。入社時の面接では「もっと子どもが喜ぶおもちゃを作りたい」と訴えた。当時グリコはおまけに絵カードなどを入れていた。願いがかなって配属されたのが広告課景品考案係(おまけ...<東大阪市民美術センター>企画展「宮本順三展~祭りと踊りに見る世界のデザインと色彩」

  • <奈良市教委・史料保存館> 企画展示「日新記聞が伝える明治の奈良町」

    【明治初期に発行された奈良県初の新聞】奈良市教育委員会の「史料保存館」(奈良市脇戸町)で、企画展示「日新記聞が伝える明治の奈良町」が開かれている。日新記聞は1872年(明治5年)3月から73年(同6年)11月まで発行された小冊子で、奈良県下初の新聞といわれる。発行期間は2年弱と短いものの、記事内容から“文明開化”に邁進する当時の様子が空気感とともに伝わってきた。発行元は金沢昇平(1827~93)らが設立した「日新報社」(後に「日新社」に改名)。記聞は縦22cm、横15cmの木版刷りで、発行は月3回だった。ページ数は概ね16ページ。第1号では役人が皆散髪して刀を持たず、洋服で靴のまま出入りしているなど、新しい奈良県庁内の様子を描写している。県は明治政府の「散髪脱刀令」を受け1872年秋、髪を剃らず帽子を被る...<奈良市教委・史料保存館>企画展示「日新記聞が伝える明治の奈良町」

  • <飛鳥宮跡> 舒明天皇の「岡本宮」の遺構?出土!

    【延長35mの掘立柱塀の柱穴列、現地説明会を開催】飛鳥時代の宮殿遺跡「飛鳥宮跡」(国史跡)の発掘調査で、舒明天皇の飛鳥岡本宮の遺構とみられる掘立柱塀の柱穴列が見つかった。飛鳥宮跡には天皇の代替わりのたびに宮殿が造営された。ただ初期の遺構は下層に埋もれているため検出例はこれまで極めて断片的で、今回のようにまとまった形で区画施設が出土したのは初めて。奈良県立橿原考古学研究所が11月25~26日、現地説明会を開いた。飛鳥宮跡の宮殿遺構は大きくⅠ~Ⅲ期の3つの時期に分けられる。Ⅰ期の遺構は舒明天皇の飛鳥岡本宮、Ⅱ期は皇極天皇の飛鳥板蓋宮(いたぶきのみや)。Ⅲ期遺構は前半のA期と後半のB期に分けられ、A期が斉明天皇・天智天皇の後飛鳥岡本宮、B期が天武・持統天皇の飛鳥浄御原宮(きよみはらのみや)と考えられている。今回...<飛鳥宮跡>舒明天皇の「岡本宮」の遺構?出土!

  • <キトラ古墳「四神の館」> 切り絵作家・望月めぐみの作品展「飛鳥コスモロジー」

    【極彩色壁画発見40年記念企画展、11/30まで】奈良県明日香村のキトラ古墳壁画体験館「四神の館」で、壁画発見から40年になるのを記念した企画展「飛鳥コスモロジー~切り絵作家・望月めぐみの宝石箱より」が開かれている。会場を飾るのは石室に描かれていた獣頭人身の「十二支」や星座の「二十八宿」を題材に制作した大きな切り絵作品。純白の切り絵の数々が天井中央に描かれた天文図を囲んで一体化し、荘厳かつ華やかな世界を作り出している。望月さんは1978年横浜生まれ。現在は京都市に在住し、京都伝統工芸大学校和紙工芸専攻非常勤講師を務める。切り絵作家として内外で高い評価を得ており、寺院などでの大型インスタレーション作品を多く手掛けてきた。著書に『平安絵巻の素敵な切り絵』(PHP研究所)。企画展のタイトル「コスモロジー」は直訳...<キトラ古墳「四神の館」>切り絵作家・望月めぐみの作品展「飛鳥コスモロジー」

  • <たかとり城まつり> 時代行列、4年ぶりに復活!

    【火縄銃・殺陣の実演、よさこい、大道芸なども】奈良県高取町の高取山頂(標高約584m)に築かれた高取城は備中松山城(岡山)、岩村城(岐阜)とともに日本3大山城といわれる。その旧城下町で11月23日「第35回たかとり城まつり」が開かれた。最大の呼び物は「時代行列」。過去3年はコロナ禍に加え昨年は雨天で中止になっていた。それだけに久しぶりの行列復活に城下町を貫く土佐街道は多くの観光客で溢れかえった。メイン会場は高取城から移築した重厚な松ノ門が構える高取児童公園。ここでは午前10時すぎから和太鼓の演奏を皮切りに火縄銃の実演、南京玉すだれ、忍者ショー、殺陣の実演、よさこい踊りなど多彩なイベントが繰り広げられた。兜・陣羽織の試着記念写真コーナーもあり、そばの旧幼稚園の園庭では大骨董市も開かれていた。時代行列が出発し...<たかとり城まつり>時代行列、4年ぶりに復活!

  • <大和文華館> 特別企画展「朝鮮螺鈿の美」

    【修理を終えた『螺鈿葡萄文衣裳箱』など公開】奈良市学園南の美術館「大和文華館」で、特別企画展「朝鮮螺鈿の美」が始まった。同館所蔵の朝鮮螺鈿の優品に『螺鈿葡萄文衣裳箱』がある。ただ貝殻片の剥落や木地接合部分の亀裂などが見られたため2年がかりで修理中だった。その修理が終わったのを機に貝の輝きが美しい螺鈿作品の数々を見てもらおうと、東京国立博物館から拝借した特別出陳作なども加えて一堂に展示している。12月24日まで。展示は「螺鈿葡萄文衣裳箱とその系譜」「唐草文・葡萄唐草文の展開」「朝鮮螺鈿の文様と東アジアの美術」の3章で構成する。総展示数は螺鈿作品に同館所蔵の東アジアの陶磁器や絵画なども含め67点。螺鈿作品25点には東京国立博物館蔵6点(うち3点は重要文化財)と個人蔵1点も含まれる。修理後初公開の『螺鈿葡萄文衣...<大和文華館>特別企画展「朝鮮螺鈿の美」

  • <東大寺・長池> 発見!修学旅行生が池に落としたカメラ

    【警備詰所の職員ら奮闘!懸命の探索が実る】11月16日午後2時すぎ、東大寺・二月堂からの帰り道での出来事だった。場所は大仏殿東側の細長い「長池」。大人の男女2人が何かを探すように虫取り網のようなものを池に差し入れていた。そばには心配顔の男女7人の修学旅行生。スマホでも落としたのかな?男の子に話を聞くと、池のコイの写真を撮ろうとしてカメラを落としたとのことだった。男女2人のうち黒い制服姿の男性は東大寺警備詰所の職員で、女性は修学旅行生たちに付き添う先生だった。2人は旅行生が指をさす場所を中心に、繰り返し網で池の底をさらった。だが、網に掛かるのは黒い泥ばかり。先生は生徒たちに次の見学場所(興福寺?)に向かうよう指示し、先生が残って東大寺の職員と探し続けた。修学旅行生たちの集合時間は午後3時15分とのこと。もう...<東大寺・長池>発見!修学旅行生が池に落としたカメラ

  • <高校ラグビー大阪府予選> Aシード3校が全国大会へ

    【東海大仰星、強豪常翔との接戦制す】第103回全国高校ラグビー大会の大阪府予選が11月12日、東大阪市花園ラグビー場で行われ、Aシードの関西大学北陽高校、大阪桐蔭高校、東海大付属仰星高校の3校が勝って全国大会(12月27日開幕)に駒を進めた。関大北陽にとっては初の全国切符。大阪桐蔭は3大会連続17回目、仰星は5大会連続23回目の出場となる。〔第1地区決勝〕関大北陽41―7大阪産業大学付属高校初のAシード関大北陽の戦いぶりが注目を集めた一戦。前半10分台に北陽が2本のトライを決める。これで北陽ペースになるかと思われたが、大産大付属は20分すぎ主将の小谷剛輝がトライ(写真)。その後も互いに譲らず北陽の10―7とわずか3点差で前半を折り返す。だが後半に入ると北陽が地力を発揮、バックス・フォワードが一体となって大...<高校ラグビー大阪府予選>Aシード3校が全国大会へ

  • <庭の花=立冬11/8> ノコンギク、ホトトギス、ツワブキ…

    【ノコンギク(野紺菊)】【ホトトギス(杜鵑草)】【ツワブキ(石蕗)】【トラディスカンティア・シラモンタナ】【ナンテン(南天)】【シュウメイギク(秋明菊)】【シロヨメナ(白嫁菜)】【ヤツデ(八手)】【センリョウ(千両)】【マンリョウ(万両)】<庭の花=立冬11/8>ノコンギク、ホトトギス、ツワブキ…

  • <平城宮いざない館> 「飛鳥のモティーフ~葬りのカタチ」展

    【キトラ古墳壁画発見40周年を記念し】1983年11月7日のことだった。奈良県明日香村のキトラ古墳で、石室内に挿入されたカメラのモニターに「Q」の字のような画像が映し出された。「あっ、玄武!」。玄武は四神の一つ、亀と蛇が絡み合う形で描かれる。高松塚古墳に続く国内2例目の極彩色の壁画発見に、関係者から驚きの声が上がった。それから丸40年。国営平城宮跡歴史公園(奈良市)の「平城宮いざない館」でいまキトラ古墳壁画発見40周年記念展「飛鳥のモティーフ~葬りのカタチ」が開かれている。キトラ古墳は古墳時代末期から飛鳥時代にかけて造られた終末期古墳の一つ。その発見の11年前、1972年には高松塚古墳の壁画が見つかっている。ただ最大の違いは高松塚で盗掘によって失われたとみられる南壁の「朱雀」像が、キトラ古墳ではほぼ完全な...<平城宮いざない館>「飛鳥のモティーフ~葬りのカタチ」展

  • <橿原市昆虫館> 企画展「飛鳥のバッタ」

    【飛鳥地域に生息するバッタ21種を紹介】橿原市昆虫館がオープンしたのは1989年の10月。来秋には四半世紀、25年を迎える。この間、ちびっ子やかつての昆虫少年たちの人気を集め、今夏には来場者300万人を達成した。その昆虫館でいま開かれているのが企画展「見つけてみよう・飼ってみよう飛鳥のバッタ」。飛鳥地方(明日香村・高取町・橿原市)に生息するバッタ全21種を詳しく紹介している。会場は2階の標本展示室。21種のバッタをそれぞれパネルと標本、カラーの拡大写真で取り上げている。パネルでは特徴や好きな場所、食べ物のほか、発見の難易度と飼育の難易度をそれぞれ星(☆)の数で表す。難易度が最も高いのが☆☆☆、次いで☆☆、そしてよく見かけたり飼育しやすいバッタは☆一つ。発見度が最も難しい☆☆☆はクルマバッタとショウリョウバ...<橿原市昆虫館>企画展「飛鳥のバッタ」

  • <森本慶三記念館> 2階「歴史民俗館」で豪商の暮らしや文化を紹介

    【内村鑑三や趙子昴の書、探幽の掛け軸…】岡山県津山市の自然史博物館「つやま自然のふしぎ館」の向かいに、重厚な洋風建築「森本慶三記念館」が立つ。約100年前の1926年に森本慶三(1875~1964)が国内唯一のキリスト教関連の図書館「津山基督教図書館」として建てた。図書館業務は2001年に終了。現在は講堂・研修室だった2階部分を江戸時代の豪商の暮らしぶりや文化などを紹介する「歴史民俗館」として公開している。記念館の建物は国指定の登録有形文化財。中の歴史民俗館は「津山商人(錦屋)の商い風景とその調度品」「津山商人の所蔵品」「創設者森本慶三の足跡」の3つのコーナーで構成する。まず目に止まったのが縦3文字の力強い長尺の書「大字赤壁之賦(せきへきのふ)」。中国の“書聖”王羲之以来の名筆家といわれる元代の書家趙子昴...<森本慶三記念館>2階「歴史民俗館」で豪商の暮らしや文化を紹介

  • <あおぞら吹奏楽> 奈良・明日香村「あすか風舞台」で

    【ゲストにサックス織田浩司氏、京都・両洋高校吹奏楽部】奈良県明日香村の国営飛鳥歴史公園内「あすか風舞台」で、10月28日「あおぞら吹奏楽BRASSUNDERTHESKY」が開かれた。音楽の祭典「ムジークフェストなら2023」の一環。今年で11回目だが、これまでは春に奈良市の奈良公園春日野園地などで開いており、今回は時期も場所も一新しての開催となった。会場のあすか風舞台は「石舞台古墳」のすぐ西側の芝生広場。最初登場したのは生駒市の桜ケ丘小学校ハーモニックバンド。吹奏楽の実力校として知られ、今年8月に滋賀県守山市で開かれた小学生バンドフェスティバル関西大会でも金賞を受賞。関西代表として大阪城ホールで11月18日に開かれる全国大会への出場が決まっている。メンバーが着用するTシャツは学校名と同じ明るい桜色。1曲目...<あおぞら吹奏楽>奈良・明日香村「あすか風舞台」で

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