chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
く〜にゃん
フォロー
住所
奈良市
出身
戸畑区
ブログ村参加

2012/02/11

1件〜100件

  • 〈紙半豊田記念館〉 江戸時代の古美術や工芸品

    【今井町の豪商「紙半」歴代当主が収集】奈良県橿原市の今井町はかつて「大和の金は今井に七分」といわれるほど栄えた。今も古い町家が多く残っており、整然とした町並みには江戸時代の情緒と風情が漂う。約30年前の1993年には「重要伝統的建造物群保存地区」に選定された。広さは約17.4ha(東西600m南北310m)。その地区内に全国の重伝建地区では最も多い約500棟の伝統的建造物が密集する。そのうち9棟が国指定の重要文化財。「紙半(かみはん)」の屋号で肥料や綿、油などを手広く商い、両替や近隣大名への金貸しなども営んだ豪商「豊田家」もその一つ。創家は江戸前期の1666年といわれ、代々「紙屋半三郎」を襲名し12代目まで続いた。その間に歴代の当主が収集した美術工芸品に加え、江戸時代の商売道具や文献、生活用品なども大切に...〈紙半豊田記念館〉江戸時代の古美術や工芸品

  • <三枝祭> 2つの“ゆりまつり”今年も「関係者のみで」

    近鉄奈良駅そばにある2つの神社で、毎年6月17日には“ゆりまつり”が営まれる。漢国(かんごう)神社の「鎮華(はなしずめ)三枝祭(さきくさまつり)」と大神神社(桜井市)の摂社率川(いさがわ)神社の「三枝祭(さいくさのまつり)」。いずれも神前にササユリを供えて悪疫退散や五穀豊穣を祈願する。しかし今年も新型コロナの感染防止のため参列は神社関係者に限られ、奉納祭事も残念ながら中止や規模縮小に追い込まれた。【漢国神社、包丁儀式も見送り】2つの神社の三枝祭は例年なら同じ時刻の午前10時半に始まる。だが漢国神社に行ってみると、開始は午前11時で「今回もまた神社関係者のみで執り行います」との張り紙。同神社では平安初期から伝わるという清和四条流の「式包丁儀式」が行われることで知られる。お供えの魚に手を触れず、包丁と真魚箸(...<三枝祭>2つの“ゆりまつり”今年も「関係者のみで」

  • <月下美人> 例年より一足早く初開花

    【ほかに小さな蕾が21個も!】純白の大輪の花を開いて甘い香りを放つゲッカビジン(月下美人)。その神秘の花が6月16日の夜、1輪開花した。葉っぱ2枚から育て始めて約8年。2019年から花を付け始め、以来毎年10輪ほど開花し目を楽しませてくれてきた。しかし6月中の開花は今回が初めて。昨年の初開花は7月2日だったので2週間ほど早い。この株には小さな蕾が21個も付いている。古い株ほど花を多く付けるといわれるが、今年は何輪咲いてくれるだろうか。月下美人は中南米原産のサボテン科クジャクサボテン属の多年草。花径は花弁の外側のガク弁まで含めると20~25cmにもなる。花の内側手前には怪しげな形の雌しべ。まるでイソギンチャクの触手のようだ。その奥には絹糸状の無数の雄しべが林立する。今年もまたその不思議な姿にしばし見入ってし...<月下美人>例年より一足早く初開花

  • <元興寺> 青空に映える“日本最古の瓦”

    【1400年の時を超えて今なお現役!】入梅直前の好天の日、久しぶりに日本最古の屋根瓦を見ようとふと思い立った。向かったのは世界遺産「古都奈良の文化財」の一つ元興寺(奈良市中院町)。お目当ては極楽坊本堂と禅堂(いずれも国宝)の屋根だ。そこには奈良時代以前の瓦がまだ多く残り、中には日本最初の仏教寺院・法興寺(飛鳥寺の前身)の創建当時の瓦も含まれる。茶や黒、灰色など様々な色彩の瓦が織り成す“行基葺き”の屋根が青空に映えて実に美しかった。法興寺(明日香村)は蘇我馬子が氏寺として約1400年前の6世紀末に創建した。その時、百済から渡ってきた瓦博士(職人)によって日本で初めて屋根に瓦が葺かれたといわれる。その後、法興寺は平城遷都に伴って718年、現在地に移築され寺の名も元興寺に改められた。移築に際して瓦や建築部材など...<元興寺>青空に映える“日本最古の瓦”

  • <スイバ(酸葉)> シュウ酸含む葉や茎に酸味

    【雌雄異株、英名「ソレル」サラダなど食用に】アジアやヨーロッパなどの温帯地域に広く分布するタデ科ギシギシ属(スイバ属とも)の多年草。。国内でも日当たりのいい野原や土手、畦道など至る所でよく見かける。春から初夏にかけ直立した茎(高さ50~80cm)を立ち上げ、穂状の円錐花序に小花をたくさん咲かせる。雌雄異株で、雌花をつける雌株の花色は朱紅色を帯び遠目にもよく目立つ。雄花は緑色から紅色まで幅が広い。葉や茎はホウレンソウやタケノコと同じくシュウ酸を多く含むため、口でかむと酸味がする。スイバの名前も文字通り「酸い葉」から。根生葉は先が尖った矢じり形の長楕円形で、上部の葉は基部で茎を抱くのが特徴。学名の「Rumexacetosa(ルメックス・アセトサ)」もラテン語で「槍(やり)」と「酸っぱい」を意味し、スイバの葉形...<スイバ(酸葉)>シュウ酸含む葉や茎に酸味

  • <ハルシャギク(波斯菊)> 「ジャノメソウ」の別名も

    【北米原産、明治初期に渡来】キク科ハルシャギク属(コレオプシス属)の1年草。原産地は北アメリカの中西部で、日本には明治初期に観賞用として入ってきた。こぼれ種でよく殖え、今では野生化して各地の空地や道端、野原、河川敷などでしばしば見られる。名前の「ハルシャ」や漢字の「波斯」は現在のイランを表すペルシャのこと。北米原産なのに「なぜ?」という疑問が湧くが、その由来はよく分かっていない。一説では北米からヨーロッパに伝わりペルシャ地方を経由して渡ってきたのでは、というのだが……。草丈は60~100cmで、6~7月ごろ茎の先に小花が集まった直径4cm前後の頭花を付ける。外側の舌状花は黄色やオレンジ色で、中心部の筒状花とその周りは濃い紅褐色のものが多い。それが蛇の目模様に見えるため「ジャノメソウ」や「ジャノメギク」とい...<ハルシャギク(波斯菊)>「ジャノメソウ」の別名も

  • <伏見稲荷大社> 豊作を祈って神田で「田植祭」

    【“御田舞”の中、菅笠姿の早乙女らが田植え】全国約3万社の稲荷神社の総本宮、伏見稲荷大社(京都市伏見区)で6月10日、神田に早苗を植えて豊作を祈る神事「田植祭」が営まれた。梅雨入り間近だが、この日の天候は幸い好天に。多くの見物客が早苗を植える茜襷(あかねだすき)に菅笠姿の早乙女たちの様子を見守った。順調に生育すれば10月25日の「抜穂祭(ぬきほさい)」で収穫される予定だ。田植祭はかなり古くから行われていたという記録もあるが、いつしか途絶えていた。それが復活したのは約90年前の1930年(昭和5年)。昭和天皇の即位記念事業の一つとして再開された。祭典は午後1時からの本殿での神事に続き、祭場を境内の一角にある神田に移して同2時から田植えが行われた。神田の広さは約330㎡。神田のお祓いに続いて、神職が田の安全と...<伏見稲荷大社>豊作を祈って神田で「田植祭」

  • <旧大乗院庭園> 名勝日本庭園でカラス騒動!

    【あちこちに「カラスにご注意を」の掲示】国の名勝に指定されている日本庭園「旧大乗院庭園」(奈良市高畑町)が“カラス騒動”に見舞われている。6月9日に訪ねたところ、「大乗院庭園文化館館長」名で赤字の「注意」と題するこんな文面の掲示があちこちに。「カラスが背後から飛来接近してくることがありますのでご注意ください※原因は現在調査中です」。日付は1週間ほど前の「6月2日」だった。中世の面影を残す数少ない名園だが、この注意書きもあって園路を巡る間、カラスの鳴き声が気になって仕方がなかった。大乗院は1087年創建の興福寺の門跡寺院。奈良ホテルの南側、古い町並みのならまちの東縁に位置する。元々は現在の奈良県庁の場所にあったが、1180年の平重衡による南都焼き討ち後この地に移った。作庭は足利将軍家に仕えた善阿弥によって始...<旧大乗院庭園>名勝日本庭園でカラス騒動!

  • <生駒・長久寺> 参道のアジサイ、まもなく見頃に

    【西洋アジサイやガクアジサイなど約800株】関東甲信地方が6日梅雨入りし、その他の地方でも入梅間近。梅雨空に映える草花といえば、やっぱりアジサイだろう。関西を代表するアジサイの名所の一つが奈良県大和郡山市の矢田寺。最盛期には60種1万株といわれるアジサイが咲き乱れる。だが奈良県内には他にも〝あじさい寺〟といわれるところがある。その一つが奈良市のすぐ隣に位置する生駒市上町の長久寺(ちょうきゅうじ)だ。長久寺は真弓山の山号を持つ真言律宗の古刹。寺に伝わる古文書によると、奈良時代の728年(神亀5年)に聖武天皇の命により僧の行基が開創した。天皇の狩りに随行した小野真弓長弓(たけゆみ)が息子の放った矢に誤って当たって亡くなり、天皇が菩提を弔うため建立したという。かつては20の塔頭(子院)を持つ大寺院だったが、今の...<生駒・長久寺>参道のアジサイ、まもなく見頃に

  • <ノキシノブ(軒忍)> 樹幹や岩に着生するシダ植物

    【葉の裏には2列に並ぶ胞子嚢群】東アジアに広く分布するウラボシ科ノキシノブ属の常緑シダ植物。苔むした樹の幹や岩、石垣などに着生し、胞子を飛ばして増えていく。ノキシノブの名は観賞用の「つりしのぶ」などに使われるシノブ(シノブ科シノブ属)と同じ着生植物で、古い民家の軒先などでよく見られたことによる。葉は光沢のある濃い緑色で、長さが10~20cmほどの先が尖った線形。葉の裏側には主脈に沿って左右2列に丸い胞子嚢(のう)が整然と並ぶ。科名のウラボシも「裏星」で、胞子嚢群(ソーラス)を星に見立てた。学名は「Lepisorusthunbergianus(レピソルス・ツンベルギアヌス)」。強健な植物で、明るい半日陰の環境を好み乾燥にも強い。日照りが続くと、葉をストロー状に丸めて耐え忍び次の降雨をじっと待つ。ノキシノブに...<ノキシノブ(軒忍)>樹幹や岩に着生するシダ植物

  • <JNO> 室内楽の好演に万雷の拍手

    【ゲストにベルリン・フィルのオーボエ奏者ら】奈良県文化会館国際ホールで6月3日「JapanNationalOrchestra&Friends~JNOメンバーと海外トップアーティストによる極上の室内楽」と銘打った演奏会が開かれた。ジャパン・ナショナル・オーケストラ(JNO)はピアニストの反田恭平が創設し、コンサートをプロジュースする実力派の若手演奏家集団。この日は所属メンバーのうち10人が参加し、ピアニストの務川慧悟やベルリン・フィルのオーボエ奏者クリストフ・ハルトマンら4人がゲストとして加わって5曲を披露した。室内楽の醍醐味を堪能させてくれる息の合った演奏に、満席の会場からは万雷の拍手が鳴り止まなかった。反田恭平は昨年秋のショパン国際ピアノコンクールで、日本人としては内田光子以来51年ぶりの2位に入賞し一...<JNO>室内楽の好演に万雷の拍手

  • <オルレア> まるで純白のレース編み!

    【セリ科、「ホワイトレース」の別名も】近年人気が急上昇しているセリ科の園芸植物。原種は地中海沿岸地方などに自生する「Orlayagrandiflora(オルレア・グランディフローラ)」という学名を持つ植物で、これを改良したものが「ホワイトレース」(園芸品種名)や単に「オルレア」の名前で流通している。オルレアは「オルラヤ」と呼ばれることも。属名はロシアの医師・植物学者の名前に由来し、種小名は「大きな花の」を意味する。日本への渡来時期はよく分かっていない。元々は多年草だが、高温多湿を嫌うため日本では秋蒔きの1年草として扱われることが多い。タンポポのようにロゼット状で冬を越し、春になると細かく裂けた繊細な葉の間から細い茎を立ち上げ、直径が10~15cmもある花を付ける。先端が2つに裂けた純白の大きな花弁が内側の...<オルレア>まるで純白のレース編み!

  • <大和文華館> 「朝鮮美術の精華―絵画と工芸」

    【関わりの深い日本、中国の作品を含め50点】大和文華館(奈良市学園南)で「朝鮮美術の精華―絵画と工芸」展が開かれている。「朝鮮半島の絵画と工芸」「朝鮮王朝の美術と東アジア」の2部構成で、仏画や山水画、花鳥画、民画、陶磁器などの朝鮮美術・工芸品に、関連する中国や日本の作品も加え50点(いずれも同館蔵)を展示している。庭園の「文華苑」では今ちょうどササユリが開花中。この淡いピンク色の清楚な花を一目見ようと訪れる人も多いようだ。会期は6月26日まで。陳列品のうち朝鮮王朝時代(1392~1910)前期の「漁村夕照・平沙落雁図」の2幅は15世紀の宮廷画家・安堅筆と伝わる水墨淡彩。細緻な筆遣いで夕暮れなどの景観が詩情豊かに描かれている。2年がかりの修復後、今回が初公開。同中期の文人画家李継祜筆「葡萄図」は躍動的な筆致...<大和文華館>「朝鮮美術の精華―絵画と工芸」

  • <チガヤ(茅/茅萱)> 茅の輪、萱拭き、止血・消炎…

    【旺盛な繁殖力、〝世界最強の雑草〟とも】アジアやアフリカなど世界の暖帯に広く分布するイネ科チガヤ属の多年草。日当たりのいい野原や土手、道端などでごく普通に見られる。草丈は30~80cmで、5~6月ごろ茎の先に円柱状の花穂(長さは10~20cm)を立てる。初めは赤紫色を帯びるが、やがて白く光沢のある毛が密生した小穂が開き尾状になる。若い花穂を「茅花(つばな)」と呼び、群生し一面を覆う様子を「茅花野」という。草丈の低いチガヤで覆われた野原は「浅茅原(あさじはら)」。チガヤは分類学的にはサトウキビに近く、若い穂にはほのかな甘味がある。最古の歌集万葉集にはチガヤを詠み込んだ歌が20首以上あるが、中には紀郎女が大伴家持に贈ったこんな歌も。「戯奴(わけ)がためわが手もすまに春の野に抜ける茅花ぞ食(め)して肥えませ」(巻8-...<チガヤ(茅/茅萱)>茅の輪、萱拭き、止血・消炎…

  • <ソプラノ藤井玲南> ギター大萩康司と初共演

    【イタリア古典歌曲やバッハ・グノーのアヴェ・マリアなど】ソプラノの藤井玲南とギター大萩康司のデュオリサイタルが5月28日、奈良県コンベンションセンター(奈良市)の天平ホールで開かれた。今年で10回目を迎えた音楽の祭典「ムジークフェストなら2022」の一環。「奈良は修学旅行以来」という藤井は、大萩の洗練されたギター伴奏に乗せて透明感あふれる歌唱を披露した。初共演とは思えない息の合った名演で、ピアノ伴奏とはまた違った味わいがあった。藤井は東京芸大卒業後渡欧して研鑽を積み、ドヴォルザーク国際声楽コンクール、日本音楽コンクールなど内外で入賞を重ねてきた。三大テノールの一人ホセ・カレーラスと共演したこともあるという。一方、大萩も高校卒業後に渡欧し、フランスやイタリアの音楽院で学んだ。中世音楽から現代曲までレパートリーの広...<ソプラノ藤井玲南>ギター大萩康司と初共演

  • <ジャーマンアイリス> 和名ドイツアヤメ、原産地は不詳

    【カラフルで豪華な花姿、米国中心に続々と新品種】アヤメ科アヤメ属の多年草で、学名は「Irisgermanica(イリス・ゲルマニカ)L.」。属名のイリスは「虹」のことで、ギリシャ神話の虹の女神イリスに因む。ゲルマニカは「ドイツの」。この種小名からドイツ原産と思われがちだが、原種や原産地ははっきりしていない。地中海沿岸などヨーロッパのいくつもの野生種が交雑する中で生まれた。学名後尾の「L.」は命名者が〝分類学の父〟といわれるスウェーデンの生物学者カール・フォン・リンネ(1707~78)であることを示す。たまたまドイツから持ち込まれたためリンネがドイツ産と勘違いして命名した結果、後にジャーマンアイリスの名前で世界に広がったといわれる。日本には明治時代の1900年前後に米国から渡ってきたらしい。和名のドイツアヤメは学...<ジャーマンアイリス>和名ドイツアヤメ、原産地は不詳

  • <アシスタシア> 総状花序に可憐な筒状花

    【熱帯地域に約70種、別名に「赤道桜草」など】アシスタシアはキツネノマゴ科アシスタシア属の植物の総称。東南アジアやアフリカ、太平洋諸島などの熱帯地域に70種ほどが分布する。ツル性の常緑多年草で、草丈は60~150cm。総状花序に直径2~4cmの紫やピンク、白などの可憐な筒状花を付ける。花冠は星型に5裂する。熱帯植物のため暑さに強いが、寒さには弱い。このため日本では温室で栽培され、屋外栽培の場合は寒くなる頃室内に取り込む必要がある。1年草扱いされることも多い。(写真はアシスタシア・イントルサ)属名のアシスタシアは「a(否)」と「systasia(一致する)」の合成語で、「一致しない」や「矛盾する」などを意味する。これはキツネノマゴ科の植物の中でアシスタシア属の花姿が異なっていることからの命名。キツネノマゴ科でよく...<アシスタシア>総状花序に可憐な筒状花

  • <平城宮跡資料館> 春期特別展「保存運動のあけぼの」

    【史跡指定100周年・奈文研発足70周年を記念し】奈良時代が終わって都が京都に遷って以降、平城宮跡は長く田畑になって見る影もなくなっていた。その宮跡の保存運動が急速に高まるのは1900年代の初め。当時の都跡(みあと)村の有志が1901年(明治34年)第二次大極殿の土壇跡に標木(ひょうぼく)を建てたことが運動の魁(さけがけ)となった。今年は平城宮跡の史跡指定から節目の100周年。発掘調査を担う奈良文化財研究所も発足70周年を迎えた。奈文研はそれを記念して平城宮跡資料館で春期特別展「未来につなぐ平城宮跡-保存運動のあけぼの」を開いている(会期は6月12日まで)。会場には2本の標木や当時の運動の様子を物語る関係資料が多数展示されている。それらは既に失われていたとみられていた貴重なものばかり。近年地元の旧家に保存されて...<平城宮跡資料館>春期特別展「保存運動のあけぼの」

  • <国史跡「頭塔」> 破石町バス停から〝丸見え〟

    【ホテル撤去で駐車場に「見学の方はご自由に」の掲示も】奈良市高畑町の住宅街の一角に〝奈良のピラミッド〟と呼ばれる方形7段の土塔がある。その名は「頭塔」。大きさは基壇の一辺が約32m、高さは約10m。ちょうど100年前の1922年(大正11年)に国の史跡に指定された。先日、市内循環バスに乗るため破石町バス停へ。そこで背後の西側に目を向けると、広い更地の先に頭塔が丸々姿を見せていた。以前は大きなホテルの陰に隠れ、バス通りからはほとんど見えなかった。ところが新型コロナの直撃を受けたホテルが休業の末、昨年の夏に解体されたとのこと。以来、市民や観光客が立ち寄っては写真に収めているそうだ。頭塔があるのは東大寺の南大門から南へ約1キロ。奈良公園の観光名所の一つ、浮見堂からも程近い。バス停前の更地はロープなどで囲まれていた。た...<国史跡「頭塔」>破石町バス停から〝丸見え〟

  • <ブタナ(豚菜)> ヨーロッパ原産の帰化植物

    【別名「タンポポモドキ」細長い花茎に黄花】キク科エゾコウゾリナ属の多年草。原産地はヨーロッパで、日本には昭和初期に牧草や穀物飼料に混入して渡ってきたといわれる。今では世界各地に帰化植物として広がっており、国内でも空地や公園、野原、河川敷などでごく普通に見られる。花期は5~9月頃。高さ30~60cmの細長い花茎を立ち上げ、途中で2~3本に分岐してそれぞれの茎頂に直径3~4cmのタンポポに似た黄花を1つずつ付ける。根出葉はロゼット状に地面に広がり、踏み付けや刈り取りに耐え寒さにも強い。白い綿毛が付いた種を風で飛ばして仲間を増やす。ブタナ(豚菜)の名前はフランスの俗名「Saladadepore(豚のサラダ)」をそのまま訳したもの。約90年前の1933年に北海道の札幌で最初に見つかった時はその花姿から「タンポポモドキ」...<ブタナ(豚菜)>ヨーロッパ原産の帰化植物

  • <平城宮いざない館> 万葉植物画展~アートと万葉歌の出逢い

    【77作品+山中麻須美「奇跡の一本松」特別出展】最古の歌集「万葉集」には約4500首のうち3分の1に当たる約1500首に植物が詠み込まれている。その種類は海藻類を含めると160種。それらのほぼ半数の77種を描いた〝ボタニカルアート〟の展示会が3月26日~5月18日、平城宮跡歴史公園(奈良市)の平城宮いざない館で開かれた。題して「万葉植物画展~アートと万葉歌の出逢い」。77作品に加え英国キュー王立植物園の専属ボタニカルアーティスト山中麻須美さんが描いた「奇跡の一本松」も特別出展されていた。同展は今後、長野や東京など各地を巡回する。作品制作の中心となったのは「日本植物画倶楽部」の会員たち。同倶楽部は植物画の愛好者が集まり1991年に発足した。これまでに『日本の帰化植物図譜』や『日本の固有植物図譜』なども刊行している...<平城宮いざない館>万葉植物画展~アートと万葉歌の出逢い

  • <関西フィル> ラフマニノフ「ピアノ協奏曲2番」

    【奈良出身の原田莉奈、渾身の名演奏】関西フィルハーモニー管弦楽団の演奏会が5月15日、奈良県文化会館(奈良市)で開かれた。この日は県内各地で音楽イベントが22日間にわたって展開される「ムジークフェストなら2022」の開幕日。関西フィルのコンサートは東大寺大仏殿でのオープニングコンサートに続いて行われた。会場の国際ホール(約1300席)は満席の盛況。演奏会は映画音楽2曲から始まった。行進曲風のバリー・グレイ作曲「サンダーバードのテーマ」と、弦楽器だけによる哀愁を帯びたミシェル・ルグラン作曲の「シェルブールの雨傘」(いずれも川上肇編曲)。観客が最も楽しみにしていたのは続くラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」だろう。この曲も映画ファンにはお馴染み。「逢びき」「旅愁」「七年目の浮気」などで使われ、さらにアニメ「のだめカ...<関西フィル>ラフマニノフ「ピアノ協奏曲2番」

  • <奈良市写真美術館> 没後30年入江泰吉「文楽」展

    【約80年前に撮影した入江の出世作】奈良市写真美術館(高畑町)は冠に「入江泰吉記念」と付くのが正式名。奈良市出身の写真家入江泰吉(1905~92)の没後、全作品約8万点が寄贈されたのを機に1992年に開館した。入江は戦後、大和路の風景や草花、仏像などを撮り続けたが、終戦前までは大阪で写真店を営んでいた。近くに「人形浄瑠璃文楽座」があった。知人の紹介でそこに通い続けて撮った「文楽」シリーズは彼の出世作となった。その「文楽」の代表作を一堂に紹介する〝回顧展〟が開かれている(6月26日まで)。入江が初めて文楽に興味を抱いたのは、知人の洋画家から文楽人形の撮影を頼まれたのがきっかけ。それを機に1939年から約5年間、四ツ橋にあった文楽座に足繁く通った。そこで入江が精魂を傾けて撮った写真が館内の壁面を埋め尽くしていた。『...<奈良市写真美術館>没後30年入江泰吉「文楽」展

  • <ムギ(麦)> 古く大陸から渡来した五穀の一つ

    【奈良時代には各地で栽培、万葉集にも2首】イネ科の1年草または越年草で、米・稗(ヒエ)・粟(アワ)・豆とともに「五穀」の一つに数えられている。麦は大麦、小麦、燕麦、ライ麦などの総称。原産地は中央アジア~西アジアの高原地帯で、乾燥や寒さに強い。日本には弥生時代に中国から朝鮮半島を経てまず大麦が伝わり、少し遅れて小麦が入ってきた。登呂遺跡(静岡市)など弥生時代の遺跡からは炭化した麦の粒が見つかっている。鎌倉時代以降、麦は稲の裏作物として国内各地で広く栽培されるように。かつては麦といえば利用範囲が広い大麦を指した。一説によると、大麦の「大」にも小麦より「価値が大きい/上等」といった意味が込められているという。大麦には実が6列に並ぶ六条大麦(小粒大麦)と2列の二条大麦(大粒大麦)があり、六条は主に北陸や関東以北、二条は...<ムギ(麦)>古く大陸から渡来した五穀の一つ

  • <ヤドリギ(宿木/寄生木)> 半寄生植物、脅威の生存戦略!

    【鳥が排泄したネバネバの種子が枝に着生し発芽】ビャクダン科ヤドリギ属の常緑小低木。その名の通り、ケヤキやエノキ、サクラ、コナラ、ブナなどの落葉樹に寄生する。宿主から栄養や水分を吸い取るが、ヤドリギ自身も光合成を行っているため〝半寄生植物〟と呼ばれる。枝の固まりが樹上でこんもりとした丸い茂みを作って、遠目にはまるで鳥の巣や造り酒屋の杉玉のよう。雌雄異株。2~3月ごろ黄色い小花を付け、初冬に球形の果実を結ぶ。(写真は4月下旬、奈良市の平城宮跡で)学名は「Viscumalbumsubsp.coloratum(ビスクム・アルブム(サブスピーシーズ)コロラツム)」。属名はラテン語で「鳥黐(とりもち)」、種小名は「白い」を意味する。その属名が表すようにヤドリギの果実には強い粘り気があり、小鳥などを捕獲するための鳥黐として用...<ヤドリギ(宿木/寄生木)>半寄生植物、脅威の生存戦略!

  • <橿考研付属博物館> 春季特別展「八雲立つ出雲の至宝」

    【荒神谷の銅剣・銅矛、平所遺跡の「見返りの鹿」…】奈良県立橿原考古学研究所付属博物館(橿原市)で春季特別展「八雲立つ出雲の至宝」が始まった。同博物館は施設改修中の2021年春、島根県立古代出雲歴史博物館(出雲市)で奈良県内の主な出土品を展示する「しきしまの大和」展を開催した。今回の特別展はいわばその〝返礼〟。国宝に指定されている荒神谷遺跡の銅剣・銅矛・銅鐸や加茂岩倉遺跡の銅鐸など、島根県出土の第一級考古資料が一堂に展示されている。会期は6月19日まで。荒神谷遺跡の発見は38年前の1984年の夏。出雲市の農道工事に伴う発掘調査で358本もの銅剣が発見された。さらに翌年にはすぐそばで銅矛16本と銅鐸6個が見つかった。遺跡名は近くに「三宝荒神」が祀られていたことから。その11年後の1996年、今度は雲南市加茂町の農道...<橿考研付属博物館>春季特別展「八雲立つ出雲の至宝」

  • <ショウブ(菖蒲)> 端午の節句に不可欠な植物

    【全草に独特な香気、邪気払いや薬用に】ショウブ科(サトイモ科とも)ショウブ属の多年草。北半球の水辺や湿地に広く分布する。葉は細長い剣状で長さ50~150cm。中央部分には太い葉脈の中肋(ちゅうろく)が走る。5~7月ごろ、毛筆のような肉穂花序(長さ5~6cm)に無数の淡い黄緑色の小花を付ける。漢字表記は花が美しいハナショウブ(花菖蒲)やアヤメ(菖蒲)と同じ。しかも葉の形がよく似て、ショウブが古く「あやめ」や「あやめぐさ」と呼ばれていたこともあって混同しやすい。だが分類上は全く関係がない。ショウブの葉や茎は精油成分を多く含み、揉んだり傷つけたりすると独特な香りを漂わせる。その香気が邪気を払い疫病を除くと信じられてきた。またショウブの読みが「尚武」や「勝負」につながることから、子どもの武運長久を願う端午の節句(5月5...<ショウブ(菖蒲)>端午の節句に不可欠な植物

  • <東大寺> 「聖武天皇祭」遺徳を偲んで

    【練り行列は規模縮小、舞楽奉納は屋内で】華厳宗大本山東大寺(奈良市)で5月2日「聖武天皇祭」が営まれた。大仏(廬舎那仏)の造立を発願した聖武天皇(701~756)の命日に遺徳を偲ぶもので、天皇殿での御忌法要に続いて、大仏殿内で大勢の参拝客が見守る中「慶讃法要」が執り行われた。ただ最大の見どころの一つでもある練り供養は、新型コロナ感染防止のため今年も規模が縮小され、人気の煎茶振る舞いは中止、鏡池での舞楽・能の奉納も会場を屋内に移し人数制限の中で行われた。聖武天皇を祀る天皇殿は巨大な金剛力士像で知られる南大門そばの参道東側にある。入り口の勅使門には十六八重菊紋の幕が張られ、正面の天皇殿には華やかな五色幕。この敷地内はいつもは立ち入りできないが、この日は法要の間だけ開放されており参拝客が次々に訪れていた。午前中に「御...<東大寺>「聖武天皇祭」遺徳を偲んで

  • <橿原神宮> 重文織田家柳本陣屋御殿「文華殿」公開

    【高い格式を示す千鳥破風や華麗な彩色欄間】橿原神宮(奈良県橿原市)の境内南側に「文華殿(ぶんかでん)」と呼ばれる重要文化財の建物「織田家柳本陣屋御殿」(旧織田屋形)がある。現在は大きな素屋根に覆われており、2020年から6年がかりで保存修理中。ただ期間限定で特別公開しており、その内側に入って工事の様子を見学できる。屋根瓦約3万枚、お城のような千鳥破風、美しい欄間の彩色彫刻、コケに覆われた庭園……。その格式の高い豪華な造りは予想以上のものだった。特別公開は5月8日まで。旧織田屋形は織田信長の弟長益(有楽斎)の五男・尚長を藩祖とする柳本藩の陣屋御殿(現在の天理市柳本町)。1830年に焼失したが、14年後に再建された。その後、明治維新を経て大書院と玄関部分が1877年から柳本小学校の校舎として使用され、校舎改築に伴っ...<橿原神宮>重文織田家柳本陣屋御殿「文華殿」公開

  • <アカメガシワ(赤芽槲・赤芽柏)> 別名「御菜葉」「菜盛葉」

    【〝先駆樹種〟裸地でいち早く発芽し急成長】トウダイグサ科アカメガシワ属の落葉樹。日当たりのいい山野に生え、大きなものは高さが10mにも。公園や空地、道端など身近な場所でもしばしば見かける。春、枝先に鮮やかな紅色の若芽を出すのが特徴。アカメガシワの名前もその赤芽と、大きな葉が古くからカシワ(ブナ科)と同じように食べ物を載せたり包んだりするものとして利用されてきたことによる。そのため「御菜葉(ごさいば)」や「菜盛葉(さいもりば)」などの別名を持つ。雌雄異株で、6~7月ごろ、穂状の円錐花序に花弁のない小花を多くつける。雄花は淡黄色、雌花は赤みを帯びた黄緑色。有用植物の一つで、葉や樹皮は神経痛や胃痛などの民間薬として用いられ、花や葉は草木染の染料として活用されてきた。学名は「Mallotusjaponicus(マロツス...<アカメガシワ(赤芽槲・赤芽柏)>別名「御菜葉」「菜盛葉」

  • <ナラノヤエザクラ> 100年前に再発見の貴重種

    【「いにしえの奈良の都の八重桜…」と歌に詠まれ】ナラノヤエザクラはカスミザクラの変種で、本来の一重咲きが重弁化したものといわれる。「ノ」を省いてナラヤエザクラとも呼ばれる。花径は3cmほどとやや小ぶりで、30~35枚の花弁が重なり合う。開花時期は桜の中で最も遅く、4月下旬から5月上旬にかけて見頃を迎える。ヤマザクラ同様、若葉と花が同時に展開し、白っぽい咲き始めの花弁が咲き進むにつれて次第に淡紅色を帯び濃さを増していく。伝承によると、奈良時代に聖武天皇が春日の奥山で見つけ、光明皇后にせがまれて平城宮に移植させたという。古くから歌に詠まれてきたが、中でも有名なのが平安中期の女流歌人、伊勢大輔(生没年不詳)が詠んだこの歌。「いにしえの奈良の都の八重桜けふ九重ににほひぬるかな」。小倉百人一首にも収められている。一条天皇...<ナラノヤエザクラ>100年前に再発見の貴重種

  • <京都地名研究会> 創立20周年記念パーティー

    【来賓の日本地名研所長「来年の全国大会は京都で」】京都地名研究会(小寺慶昭会長)は4月24日、京都市の都ホテル京都八条で「創立20周年記念パーティー」を開いた。この研究会は京都を起点に各地の地名を比較研究しながら地域の文化と歴史への認識を深めようと2002年春に発足した。パーティーには約50人が出席。来賓の日本地名研究所所長金田久璋氏は祝辞の中で、来年の「第42回全国地名研究者大会」を京都で開催する計画であることを明らかにした。(写真は記念パーティーで挨拶する小寺慶昭会長)京都地名研は発足以来、研究発表の場として地名フォーラムや講演会の開催、年会誌「地名探求」や会報「都藝泥布(つぎねふ)」の発行、地名ウオークの開催などに取り組んできた。現在の会員数は京都府を中心に14都府県の116人。活動を長く牽引してきたのが...<京都地名研究会>創立20周年記念パーティー

  • <クレソン> 和名は「オランダガラシ」

    【栄養価高い〝最強の健康野菜〟】ヨーロッパ原産のアブラナ科オランダガラシ属の香辛野菜。日本には明治時代の初め、1870~71年ごろ在留外国人向けとして入ってきた。クレソンはフランス語の「cresson」から。英名では「ウォータークレス」と呼ばれる。葉や茎などにピリッとした辛味と苦味があるのが特徴。標準和名の「オランダガラシ(和蘭辛子)」も外国から渡ってきたカラシを意味する。別名に「ミズガラシ(水辛子)」や「セイヨウセリ(西洋芹)」など。日当たりのいい水辺に生え、枝先の総状花序に白くて小さな4弁の花を密に付ける。カルシウム、ビタミン、鉄分、カリウムなど多くの栄養素を豊富に含む。ある米国の大学が主な野菜・果実について17種の必須栄養素の含有量を調べてランク付けし、2014年に米疾病予防管理センターの機関誌上で発表し...<クレソン>和名は「オランダガラシ」

  • <クマザサ(隈笹)> 寒くなると葉の縁に白い隈取り

    【別名に「縁取笹」や「焼刃笹」など】クマザサはイネ科ササ属の1種。日本各地の山地に広く分布するが、元々の原産地は京都盆地周辺の鞍馬山や大原などといわれる。若葉は葉全体が深緑色だが、秋から冬にかけて寒くなると縁が枯れて白くなる。この縁取りを歌舞伎役者の化粧「隈取り」になぞらえ「隈笹」と名付けられた。別名に「縁取笹(へりとりざさ)」「焼刃笹(やきばざさ)」「縞笹(しまざさ)」など。ただ大型のササ類全般をクマザサと呼んで「熊笹」の漢字を当てることもある。稈(かん)とよばれる茎は高さ1~1.5mで、葉は長さ20cmほどの長楕円形。クマザサによく似て葉に白い縁取りが入るものに「ミヤコザサ(都笹)」があるが、こちらは全体的にやや小型で、茎の節々が丸く膨らむのが特徴。クマザサの葉は殺菌・防腐作用がある精油成分を含み、古くから...<クマザサ(隈笹)>寒くなると葉の縁に白い隈取り

  • <重文「円窓亭」> 万葉植物園への移築ほぼ完了!

    【約130年ぶりにゆかりの地に〝里帰り〟】「旧春日大社板倉(円窓)」として国の重要文化財に指定されているユニークな外観の「円窓亭(まるまどてい、丸窓亭とも)」。その移転工事がほぼ完成した。これまで奈良公園南側エリアの浅茅ケ原(あさじがはら)園地内に立っていたが、奈良県が文化庁などと協議のうえ春日大社万葉植物園内(奈良市春日野町)への移築工事を進めていた。茅葺きの高床式で大きな丸い窓が特徴的な建物は今後、植物園の新たな見どころとして来園者の注目を集めそうだ。円窓亭は鎌倉後期に春日大社西ノ屋(西談議屋)の経典を納める経蔵として建てられたが、1868年(明治元年)の神仏分離令によって現在の万葉植物園付近に東屋として移築。そのとき側壁3面に3つずつ円形窓を設けるなどの改造が加えられた。その後、1893年に建物が県に寄付...<重文「円窓亭」>万葉植物園への移築ほぼ完了!

  • <春日大社国宝殿> 春季特別展「いきもののデザイン」

    【霊獣の龍・鳳凰、吉祥花鳥文の鶴・牡丹…】春日大社に古くから伝わる宝物類を収蔵・展示する国宝殿(奈良市春日野町)で、春季特別展「いきもののデザイン宝物に躍動する花・鳥・動物」が9日から始まった(7月10日まで)。平安時代の古神宝から江戸時代の工芸品まで合わせて67点(前後期で一部展示替え)。その中には「平胡籙(ひらやなぐい)」や「銀鶴及磯形」「蒔絵筝」「緑地彩絵琴箱」(いずれも国宝・平安時代)をはじめ、霊獣や吉祥の花鳥文などが精緻にデザインされた第一級の工芸品が多く含まれる。「平胡籙」は矢を収納する武具の背板部分。表は銀板に磯千鳥文、裏には尾長鳥と宝相華が装飾されており、銘文などによると1131年(大治6年)に藤原頼長が使用し、その5年後に若宮神社に奉納した。「銀鶴及磯形」はミニチュアサイズの2羽の鶴が向かい合...<春日大社国宝殿>春季特別展「いきもののデザイン」

  • <奈良市史料保存館> 特別陳列「奈良の桜 植桜楓之碑」

    【川路聖謨の緑化運動を記念し1850年に建立】奈良市の猿沢の池から興福寺の五重塔を結ぶ石段(通称「五十二段」)を上り切った所、三条通りに面して一基の古びた石碑が立つ。170年ほど前の1850年(嘉永3年)に建立された「植桜楓(しょくおうふう)之碑」。当時の奈良奉行川路聖謨(かわじ・としあきら1801~68)が展開した緑化事業を記念して建てられた。目に留める観光客は少ないものの、この緑化事業こそ今日の奈良公園の礎を築いたものといっても過言ではない。奈良市史料保存館は桜の季節に因み〝特別陳列ならまち歳時記〟として「奈良の桜植桜楓之碑」をテーマに石碑の拓本や江戸末期の「南都名所記」など関連史料を展示している(4月24日まで)。川路が奈良奉行を命じられ奈良にやって来たのは1846年、45歳のとき。幕府の普請奉行を務めて...<奈良市史料保存館>特別陳列「奈良の桜植桜楓之碑」

  • <映画「ひまわり」> ロシア侵攻で再び脚光!

    【ロケ地はウクライナ南部のヘルソン州】戦争で引き裂かれた新婚夫婦の悲哀を描いた古典的名画「ひまわり」(ヴィットリオ・デ・シーカ監督)が再び注目を集めている。この映画を象徴する場面が地平線まで広がる広大なひまわり畑。そのロケ地がいまロシアの軍事侵攻を受けているウクライナ南部のヘルソン州だったからだ。ロシア軍は3月15日、ヘルソン州全体を掌握したと発表した。映画の公開は1970年。東西冷戦時代に、西側の映画としては初めて旧ソ連でロケが敢行された(ウクライナの独立は1991年)。随分久しぶりにDVDを借りて視聴した。バックに繰り返し流れるヘンリー・マンシーニの切ないメロディーが切々と心に染みた。第二次世界大戦中、ジョバンナ(ソフィア・ローレン)と結婚したばかりのアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)はイタリアからソ...<映画「ひまわり」>ロシア侵攻で再び脚光!

  • <東大寺ミュージアム> 「国宝四天王立像」特別公開中

    【耐震工事中の戒壇堂から一時移転】東大寺南大門のすぐそばにある「東大寺ミュージアム」で、戒壇堂に安置されていた国宝の塑像四天王立像が特別公開されている。戒壇堂は755年の建立以来3回火災に遭い、現在の建物は江戸中期の1732年の再建。その耐震化と保存修理のための工事に伴って、四天王立像は同ミュージアムに移転安置されている。造立は奈良時代の中頃とみられ、天平彫刻の傑作と称えられている。四天王立像は中央第2室に入って左側に安置されている。右手の向かい側には重要文化財の木造千手観音立像(平安前期)や国宝の塑像日光・月光菩薩立像(奈良時代)など。四天王立像は戒壇堂では中央の宝塔の四隅に立っていたが、ここでは広目天、多聞天、持国天、増長天が横一列に並ぶ。カッと目を見開いた持国天と増長天に、眉を寄せて射すくめるような眼差し...<東大寺ミュージアム>「国宝四天王立像」特別公開中

  • <奈良大学博物館> 「南都・厳島図屏風」初公開!

    【奈良大学所蔵「絵画優品展」で】奈良大学博物館で「令和3年度館蔵品展Ⅱ絵画優品展」が始まった。注目の作品は収蔵品として新たに加わった今回初公開の八曲一双「南都・厳島図屏風」。江戸時代初期の興福寺から東大寺にかけての奈良の景観が描かれた南都図屏風と、安芸の宮島が描かれた厳島図屏風が対になっている。そのうち南都図には東大寺の大仏殿がなく雨ざらしのままの大仏が描かれている。露座の大仏を描いた作品は少ないだけに話題を集めそうだ。南都図屏風には向かって右側から元興寺や興福寺、春日大社、東大寺などが描かれ、東大寺の部分には南大門や二月堂、鐘楼などが確認できる。露座の大仏が描かれているのは屏風左側の下の部分(写真㊤)。東大寺は戦国時代の1567年(永禄10年)、松永久秀と三好三人衆が激突した「東大寺大仏殿の戦い」の舞台となっ...<奈良大学博物館>「南都・厳島図屏風」初公開!

  • <奈良県立美術館> 所蔵名品展「奈良県美から始める展覧会遊覧」

    【絵画、浮世絵、陶磁器、染織品、甲冑…】奈良県立美術館(奈良市登大路町)が開館したのは1973年(昭和48年)。日本画家・風俗史研究家吉川観方氏(1894~1979)からの膨大なコレクションの寄贈が契機となった。それからほぼ半世紀。その後も篤志家の寄贈が続いたこともあって、収蔵品は4000点を超え関西有数の美術の殿堂となった。「奈良県美から始める展覧会遊覧」と銘打った今展では、日本の書画や洋画をはじめ陶磁器、刀剣甲冑、浮世絵、染織品など多岐にわたる収蔵品の中から選りすぐりの名品が約170点(前後期合わせ)展示されている。6つの展示室のうち最初の第1室には寄贈者やジャンルを問わず作品がランダムに並ぶ。まず江戸時代初期の『伝淀殿画像』(写真㊤)、伝曽我蕭白の『瀧山水図』、富本憲吉の『金銀彩羊歯模様大飾皿』、〝アクシ...<奈良県立美術館>所蔵名品展「奈良県美から始める展覧会遊覧」

  • <カラー映画の日> 国産初「カルメン故郷に帰る」公開

    【1951年、主演高峰秀子と助監督松山善三の出会い】終戦間もない1951年3月21日、〝日本初の総天然色映画〟と銘打ったカラー映画「カルメン故郷に帰る」が公開された。松竹映画30周年を記念した1時間26分のコメディー調の娯楽映画。監督は木下恵介で、高峰秀子が主演を務め、ほぼ全編が浅間山麓の大自然の中で撮影された。国内初とあって万一に備えモノクロ映画も用意されたが、無事に完成しカラフルな映像が人気を集めた。これを記念して公開日の3月21日は「カラー映画の日」になっている。高峰の役は都会でストリッパーをするリリィ・カルメン役。カルメンは同僚の踊り子を連れて浅間山麓の村に里帰りし、母校の小学校の校長先生をはじめ村人たちに村出身の〝芸術家〟として歓迎される。しかし素朴な村の佇まいにそぐわないカルメンたちの立ち居振る舞い...<カラー映画の日>国産初「カルメン故郷に帰る」公開

  • <牽牛子塚古墳> 復元整備事業が完了し公開

    【八角墳、女帝斉明天皇と娘間人皇女の合葬墓?】奈良県明日香村が2017年度から取り組んでいた飛鳥時代を代表する終末期古墳「牽牛子塚(けんごしづか)古墳・越塚御門(こしつかごもん)古墳」の復元整備事業が完成し一般公開が始まった。近鉄飛鳥駅から西へ1キロほど(徒歩で約15分)。牽牛子塚古墳は丘の上にまるで白亜のピラミッドのように聳える。そのすぐそば、南東側の裾の部分には小さな方墳の越塚御門古墳。この二つの古墳を巡る回遊路のほか模型広場や展望広場なども整備した。牽牛子塚古墳は墳丘の姿がアサガオの花の形に似ることから「あさがお塚」とも呼ばれてきた。築造時期は7世紀の後半。大きさは対辺長が22mで、墳丘の最下段を築造当時の大きさに合わせて復元した。内部の発掘調査では二上山の凝灰岩の巨石を刳り抜いた埋葬施設の墓室が二つあり...<牽牛子塚古墳>復元整備事業が完了し公開

  • <橿考研付属博物館> 「よみがえる極彩色壁画」展

    【高松塚古墳の壁画発見50周年記念展】奈良県明日香村の高松塚古墳で国内初の極彩色の壁画が見つかったのは今からちょうど50年前の1972年(昭和47年)のこと。3月6日の慰霊祭の翌日から奈良県立橿原考古学研究所と明日香村による発掘調査が始まり、15日目の21日正午すぎ、石槨南壁に開けられた盗掘孔から内部を覗いて壁画が発見された。橿原考古学研究所付属博物館(橿原市)では壁画発見50周年を記念し「よみがえる極彩色壁画」と題した記念展を開いている。館内に入ると右側の壁面で「報道で振り返る高松塚古墳」として朝日新聞の記事をもとに壁画発見当時の様子を紹介。壁画発見の公表は5日後の3月26日で、翌27日以降、新聞の一面や社会面などに「戦後最大の発見」「法隆寺壁画に匹敵」「考古学史に新ページ」などの見出しが躍った。改めて当時の...<橿考研付属博物館>「よみがえる極彩色壁画」展

  • <奈良市美術館> 「名勝・月ケ瀬梅林」展

    【名勝指定100周年を記念し】関西屈指の梅の名所「月ケ瀬梅林」(月ケ瀬梅渓とも)。奈良市の北東部に位置するこの梅林は毎年2月から3月にかけ1万本といわれる紅白の梅が咲き誇って多くの観光客でにぎわう。今年も2月13日~3月27日に恒例の梅まつりが開かれる。月ケ瀬梅林は1922年(大正11年)に奈良公園、兼六園(金沢)とともに国内初の名勝に指定された。今年はそれから100周年の節目。それを記念した展示会「名勝・月ケ瀬梅林」展が奈良市美術館で1月12日から始まった。(下の作品は富岡鉄斎の「名士観梅図」)月ケ瀬の梅栽培は700年ほど前まで遡る。元々は観賞や食用ではなく、「烏梅(うばい)」作りが目的だった。烏梅は完熟した梅の実を煙で燻したもので、京都や大阪に出荷され紅花染の発色剤として使われた。最盛期の江戸時代には400...<奈良市美術館>「名勝・月ケ瀬梅林」展

  • <京都国立博物館> 新春特集「寅づくし―干支を愛でる」

    【絵画、香炉、印籠、鉢、墨書、陣羽織…】京都国立博物館で今年の干支「寅(とら)」に因む新春特集展示「寅づくし―干支を愛でる」が開かれている。日本に生きた虎が海を渡って連れてこられたのは江戸時代の終わり頃という。ただ、それ以前にも中国や朝鮮半島から伝わる美術品などを通じて美しく逞しい虎は注目を集め、絵画や工芸品などの題材として盛んに取り上げられた。この新春特集では虎にまつわる内外の作品36点を一堂に集めて紹介している。2月13日まで。展示会場は平成知新館の2階。展示の筆頭は尾形光琳(1658~1716)筆の「竹虎図」。前足を行儀よくそろえ丸い大きな顔をこちらに向ける表情がなんとも愛らしい。この博物館の公式キャラクターは「トラりん」いう。このキャラクター、実はこの虎の絵がモデルになっているそうだ。室町時代の水墨画家...<京都国立博物館>新春特集「寅づくし―干支を愛でる」

  • <京都御所> 六曲一双の屏風「龍虎」公開中

    【歴史上の舞台の数々、久しぶりに参観】京都御所を久しぶりに訪ねた。多分十数年ぶり。西側の清所門で体温測定と手の消毒、持ち物検査をすませ、「283」という番号が書かれた入門証を首に掛けて御所の内側へ。順路に従ってしばらく進むと、右手に六曲一双の屏風「墨画龍虎」が展示されていた。右隻には渦巻く雲間から姿を現した龍の姿、左隻には竹林で警戒する2頭の虎が金地に描かれている。作者は江戸時代中期の狩野派の絵師鶴澤探鯨(1687~1769)。新年の干支寅(とら)に因んだ展示だが、左右の屏風の同時公開は今回が初めてという。展示は1月5~10日の期間限定とのこと。この後、宮内庁の職員の案内で御車寄→諸大夫の間→新御車寄→紫宸殿→清涼殿→小御所→御学問所→御常御殿と、主な建物を反時計回りに一周した。諸大夫の間(写真㊦)は参内した公...<京都御所>六曲一双の屏風「龍虎」公開中

  • <薬師寺> 新年を前に仏像のお身拭い

    【薬師三尊像→弥勒三尊像→聖観世音菩薩像】奈良市西ノ京の法相宗大本山、薬師寺で12月29日、仏様に積もった1年のほこりを落とす「お身拭い」が行われた。午後1時すぎ、金堂に安置された国宝の薬師三尊像の前で、加藤朝胤管主らによって新型コロナの終息などを祈願し、仏像の魂を抜く法要が営まれた。この後、僧侶やボランティアの学生たちがお湯に浸した白い浄布で拭くと、本尊の薬師如来像は両脇の日光・月光菩薩像とともに黒光りする本来の輝きを取り戻した。お湯はこの日朝、正月用の鏡餅を作るためにもち米を蒸した時に使ったものとのこと。お湯の入った3つの大きな桶を担いで次に向かったのは北側にある大講堂。ここには弥勒三尊像が祀られている。中央に本尊の弥勒如来、右に法苑林(ほうおんりん)菩薩、左に大妙相菩薩。ここでも法要の後、台座に上ったりし...<薬師寺>新年を前に仏像のお身拭い

  • 〈ネオレゲリア〉 開花期に中心部の葉も赤く変色! 

    【原産地はブラジルなど熱帯アメリカ】パイナップル科ネオレゲリア属の植物の総称。パイナップル科はブロメリア科の別名で、アナナスと呼ばれることもある。熱帯植物のグズマニアやチランジア(エアプランツ)なども同じ科でそれぞれ一つの属を形成している。ネオレゲリアの主な原産地はブラジルを中心とする熱帯アメリカで、これまでに100種ほどが確認されている。樹木や岩などに着生するものが多い。それらの原種をもとに多くの園芸品種か作り出されており、その数は4000種以上ともいわれる。葉の色や模様が美しくて変化に富み、丈夫で育てやすいことから観葉植物として人気を集めている。ネオレゲリアは光沢のある広線形の葉がロゼット状に広がり、基部の筒状の窪みに水を貯めて水分や養分を吸収する。このような貯水機能を持つタイプの仲間は“タンクブロメリア”...〈ネオレゲリア〉開花期に中心部の葉も赤く変色!

  • <奈良国立博物館> 力動感漲る金峯山寺・金剛力士立像

    【国宝仁王門の修理完了まで「仏像館」で特別公開】久しぶりに奈良国立博物館(奈良市)の「なら仏像館」(旧本館、写真)へ。お目当ては特別公開中の金峯山寺(奈良県吉野町)の木造金剛力士立像(仁王像)2体(重要文化財)。高さは阿形・吽形とも5mを超え、国指定文化財の仁王像としては東大寺の南大門像(国宝)に次いで国内2番目の大きさを誇る。安置されていた金峯山寺の仁王門の解体修理に伴って、同博物館に搬出し修理が完了する2028年度まで仮安置へ。間近から見上げる巨像の憤怒の形相と筋骨隆々の全身に漲る力動感には圧倒されるばかりだった。金峯山寺は金峯山修験本宗の総本山。これまでも何度か訪ね本堂の北門に当たる仁王門もくぐってきた。この重厚な門は重層入母屋造りで国宝に指定されている。ただ、その左右に安置される金剛力士像にはあまり目も...<奈良国立博物館>力動感漲る金峯山寺・金剛力士立像

  • <飛鳥京跡苑池> 北池北側に幅約6mの水路!

    【苑池主要部分の全容が判明、今後復元へ】国内初の本格的な宮廷庭園といわれる奈良県明日香村の「飛鳥京跡苑池」。その北池から北側に延びる石組みの溝と幅約6mの水路跡が見つかり、奈良県立橿原考古学研究所が12月4~5日現地説明会を開いた。この苑池の存在が初めて分かったのは1999年。以来断続的に発掘調査を続けてきたが、今回の第15次調査までに遺跡の主要部分に当たる南池や北池、水路の規模や構造などがほぼ判明した。「飛鳥・藤原」は世界遺産の登録を目指しており、今後の課題は埋め戻した後にどう復元整備していくかに移っていく。同苑池は飛鳥川右岸(東側)の河岸段丘にあり、7世紀に天皇の宮殿があった飛鳥宮跡の北西に隣接する。斉明天皇の時代に造営が始まり、7世紀後半の天武天皇の時代に改修されたとみられる。遺跡の範囲は東西約100m、...<飛鳥京跡苑池>北池北側に幅約6mの水路!

  • <和歌山県立近代美術館> 「和歌山の近現代美術の精華」展

    【和歌山県ゆかりの芸術家を網羅、建築家黒川紀章も】和歌山県立近代美術館(和歌山市)で「紀の国わかやま文化祭2021」との連携による展覧会「和歌山の近現代美術の精華」が開かれている。「観山、龍子から黒川紀章まで」と「島村逢紅と日本の近代写真」の2部構成。第1部では下村観山(1873~1930)や川端龍子(1885~1966)ら明治期以降の近現代美術界で大きな足跡を残した和歌山県ゆかりの画家や彫刻家、版画家らに、県立博物館と県立近代美術館を設計した黒川紀章(1934~2007)も加えて代表的な作品や資料などを展示(前後期で一部入れ替え)、第2部では和歌山市出身の島村逢紅(1890~1944)を中心に、交流のあった写真家の作品も合わせ約250点を紹介している。(写真は黒川紀章が設計した和歌山県立近代美術館、手前の銅像...<和歌山県立近代美術館>「和歌山の近現代美術の精華」展

  • <鯖江・西山公園㊦> 無数の雪吊りが林立!

    【公園のシンボル・ツツジの保護へ2500本も】北陸の冬支度で欠かせないのが樹木の枝を雪の重みから守る「雪吊り」。本格的な冬の到来を告げる風物詩にもなっている。有名なのが金沢の兼六園。松の木に高い竹から縄が傘状に張られた光景は情緒があり芸術的でもある。これまでこの兼六園のほか高岡古城公園や富山城址公園など各地の雪吊りを目にしてきた。だが、福井県鯖江市の西山公園の雪吊りは本数といい密集度といい異次元の光景だった。広い芝生広場をぐるっと囲むツツジの植え込みに林立する雪吊りは、背丈が低いものが多いものの数え切れないほど。圧巻!というほか言葉がなかった。西山公園は秋の紅葉が美しいが、日本海側屈指のツツジの名所としても名高い。公園全体のツツジの株数はなんと5万株に上るそうだ。ヒラドツツジが最も多く3万株を占めるが、ほかにも...<鯖江・西山公園㊦>無数の雪吊りが林立!

  • <鯖江・西山公園> 越前随一のモミジの名所

    【〝祈りの道〟には微笑ましい石仏など約420体】北陸有数のモミジの名所として名高い福井県鯖江市の西山公園。11月24日訪ねると、ちょうど鮮やかに色づき、とりわけ〝祈りの道〟の光景は見応え十分だった。木々の間には石仏や石碑などがずらりと並ぶ。中にはモミジの葉っぱを頭に乗せて温かい表情で出迎えてくれたお地蔵さんも。四角形の木の柱には「『西山公園』日本の歴史公園百選選定五周年もみじ千六百本達成記念植樹」と書かれていた。西山公園は祈りの道や西山動物園、芝生の広場、冒険の森、道の駅などがある西側の園地と、東側の日本庭園「嚮陽(きょうよう)庭園」などから成る。嚮陽庭園は江戸時代末期に幕府の老中も務めた越前鯖江藩第7代藩主間部詮勝(まなべあきかつ、1804~84)が「嚮陽渓」として造成した。祈りの道は山頂近くまで脇道も含め約...<鯖江・西山公園>越前随一のモミジの名所

  • <朱雀門ひろば> 「みつきうまし祭り~平城京天平祭・秋」

    【衛士隊の隊列、秋の天平市、音楽の演奏、大道芸…】奈良市平城宮跡の朱雀門ひろばで11月20日「みつきうまし祭り」と銘打った「平城京天平祭・秋」が開幕した。「みつき」とは祭りのために収穫した食や花、音楽などを献上するという古代の言葉。「うまし」には「おいしい」や「美しい」との意味が込められている。21日までの2日間、奈良時代に平城宮を警護した「衛士隊」の隊列の再現、県内の名産品や地場野菜を扱う「秋の天平市」の開催をはじめ、和楽器の演奏、ダンス、手品、ジャグリングなど多彩なイベントが繰り広げられる。祭りは20日午前10時、衛士隊「開門の儀」からスタート。古代衣装に身を包む衛士たちが隊列を組み、雅楽と太鼓の音に合わせ朱雀門南側の広場を往復した。その後、間をおいて「巡回警護」の様子や「閉門の儀」(午後4時)を披露。この...<朱雀門ひろば>「みつきうまし祭り~平城京天平祭・秋」

  • <和歌山県立博物館> 特別展「きのくにの名宝」

    【飛鳥時代の仏像から芦雪・応挙の襖絵まで】和歌山県は文化財の宝庫だ。国宝だけで36件(建築7件、美術工芸・古文書など29件)もあり、全国では東京・京都・奈良・大阪・滋賀に次いで6番目に多い。重要文化財も394件で全国7位。県内に世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の高野山や熊野三山があり、江戸時代には御三家の一つとして城下町が発展し多様な文化が育まれたことなどが背景にある。これらのお宝を一堂に集めた特別展「きのくにの名宝和歌山県の国宝・重要文化財」が和歌山県立博物館(和歌山城南側)で開かれている。県立博物館の創立50周年を記念した展覧会で、①きのくにの仏像と神像②きのくに荘園の世界③国宝・熊野速玉大社の古神宝類④紀州東照宮の名宝⑤芦雪・応挙紀南寺院の障壁画――の5章で構成する。総展示数は前後期合わせて156点で、...<和歌山県立博物館>特別展「きのくにの名宝」

  • <橿原菊花展> 橿原神宮を彩る秋の風物詩

    【丹精込めた大菊や懸崖、盆栽など約400鉢】桜とともに日本の国花として親しまれ、皇室の紋章にもなっている菊の花。ちょうど今が盛りと各地で菊花展が開かれている。奈良県内では昨年が50回目だった「平城宮跡菊花大会」(奈良市・県菊花連盟主催)が長い歴史を誇る。だが、新型コロナが猛威を振るっていた9月に早々と中止が決まった。一方、橿原神宮(橿原市)を会場とする「橿原菊花展」は予定通り開催され、連日多くの見物客や参拝客でにぎわっている。橿原菊花展は橿原菊花愛好会(加藤茂樹会長)の主催で今回で37回目。大和三山の一つ畝傍山を背景にした橿原神宮の外拝殿(げはいでん)前広場が例年展示会場になっている。青い天幕の下に愛好会のメンバーが丹精込めて育てた鉢植え約400鉢が整然と並ぶ。会期は11月23日までで、残すところあと1週間ほど...<橿原菊花展>橿原神宮を彩る秋の風物詩

  • <橿考研付属博物館> 3年ぶりリニューアルオープン

    【黒塚古墳の鏡34面一堂に、〝飛鳥美人〟複製陶板も新登場】国内有数の考古学資料の展示施設「奈良県立橿原考古学研究所付属博物館」(橿原市畝傍町)が改修工事を終え、約3年ぶりにリニューアルオープンした。空調施設や展示ケースの改修、耐震対策などで2018年12月末から閉館。この間、横浜ユーラシア文化館、九州国立博物館(福岡県太宰府市)など各地で「しきしまの大和へ―奈良大発掘」と題して巡回展を開いてきた。エントランスホールで最初に出迎えてくれるのは飛鳥京跡苑池(明日香村)から出土した2つの巨大な石造物。上部に横穴が貫通した噴水状の流水施設は高さが165㎝、最大幅が125㎝もある。水を貯める石槽は幅270×206㎝、深さ41㎝。苑池は7世紀半ばの女帝斉明天皇の時代に築かれたもので、日本最古の本格的な庭園といわれる。有料展...<橿考研付属博物館>3年ぶりリニューアルオープン

  • <揚輝荘> ベンガラ色が映える山荘風の聴松閣

    【2階では「和色の世界―Kimono」展開催中】百貨店松坂屋の初代社長伊藤次郎左衛門祐民(1878~1940)が覚王山(名古屋市千種区)の高台に構築した別邸「揚輝荘(ようきそう)」。2016年に一度周辺を散策したが、このときはシンボル的な建物「聴松閣」の外観をカメラに収めただけで素通りしていた。それが心残りだったので名古屋で一泊したのを機に改めて訪ねた。2階展示室では松坂屋美術館との連携による特別展「揚輝荘が織りなす和色(わのいろ)の世界~KIMONO」が開かれていた。揚輝荘が整備されたのは大正から昭和初期にかけて。約1万坪(3万3000㎡)の広大な敷地に30棟を超える建物が建てられた。「迎賓館として多くの財界人や文化人をお迎えしました。テニス場や弓道場などもありました」。ロッジ風の聴松閣に入ると、担当者が昭和...<揚輝荘>ベンガラ色が映える山荘風の聴松閣

  • <東山動植物園> ドーム型の曲線が美しい温室前館

    【保存修理工事を終え今春8年ぶりに公開】「はっ!」とまさに息をのむ美しさだった。東山動植物園(名古屋市千種区)の植物園ゾーンにある温室前館。全面ガラス張りの建物が青空の下でキラキラと輝いていた。その日の目的は植物会館内にある「伊藤圭介記念室」の見学。動物園を通り抜け植物園側に向かっていると、突然左手にその光景が広がっていた。入園は5年前の2016年以来。この温室を目にするのは初めてだった。それもそのはず、温室前館は2013年から老朽化に伴う修理や耐震補強工事などで長い間閉鎖され、今年4月にリニューアルオープンしたばかりだった。温室前館は1937年(昭和12年)の「東山植物園」の開園に合わせて建設された。トラス構造の鉄骨造りで、規模は全長66m、最高高さ12.4m、広さ約596㎡。開園当時には「東洋一の水晶宮」と...<東山動植物園>ドーム型の曲線が美しい温室前館

  • <大和文華館> 特別展「天之美禄 酒の美術」

    【酒器や宴を描いた絵画などの名品90点】奈良市学園南にある美術館大和文華館で特別展「天之美禄酒の美術」が開催中(11/14まで)。「天の美禄」とは天からのありがたい授かり物を意味し、「酒」の異称になっている。同館のほか各地の美術館や博物館、神社などが収蔵する趣向を凝らした酒器や酒宴を描いた絵画など「酒」にまつわる内外の名品90点を一堂に集めている。特別展は「神・祖先に捧げる―神と人をつなぐ酒〔中国〕」「神に捧げる酒、仏と酒〔日本〕」など5章で構成する。ひときわ目を引くのが巨大な赤い太鼓の形をした「漆塗太鼓形酒筒」(堺市博物館蔵)。室町時代のもので、国の重要文化財に指定されている。大きさは高さ121cm、径73.4cm、幅64cm。一木を刳り抜いて造られ、板を張った鼓面には黒漆地に朱漆で剣巴文(つるぎともえもん)...<大和文華館>特別展「天之美禄酒の美術」

  • <奈良大菊人形展> 「国のはじまりの地・奈良」テーマに

    【奈良公園バスターミナル屋上で11/7まで】奈良県は全国有数の菊の産地。中でも平群町は小菊、葛城市は1本の茎に2つの花を付ける二輪菊で全国トップクラスの生産量を誇る。それらの県産の菊の花で飾った「奈良大菊人形展」(10/30~11/7)が奈良公園バスターミナルの西棟屋上で始まった。2018年に「天平菊絵巻」として奈良公園をメーン会場としてスタートしたが、鹿による食害などもあって翌年から会場をこのバスターミナルに移した。奈良県は奈良国立博物館での正倉院展(今年は10/30~11/15)に合わせ開催することで、古都の秋を彩る風物詩として定着させたいようだ。今年の菊人形展のテーマは「国のはじまりの地・奈良」で、東大寺の大仏を建立した聖武天皇や、天皇を支え国の礎を築いた人々を色とりどりの菊の花で表現している。菊人形は聖...<奈良大菊人形展>「国のはじまりの地・奈良」テーマに

  • <熱田神宮> 「草薙館」に巨大な大太刀2本

    【重さを実感できる刀剣体験コーナーも】仙台で10月31日開かれた全日本大学女子駅伝。熱田神宮(名古屋市熱田区)に祈願したという名城大学が1区から独走し見事5連覇を果たした。その熱田神宮に約1カ月前の10月3日「剣の宝庫草薙館」がオープンした。昨今の刀剣ブームもあって来場者が詰めかけているという。三種の神器の一つ「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」を御神体としていることから、古くから多くの刀剣類が奉納されてきた。収蔵点数は国宝の「短刀銘来国俊(らいくにとし)」をはじめ約450点に上る。草薙館はそれらの宝刀の専用展示施設として「くさなぎ広場」の一角に設けられた。展示品の中でとりわけ注目を集めているのが「真柄太刀」と呼ばれる特大サイズの大太刀2本。戦国時代に浅井・朝倉の連合軍が織田信長軍と戦った「姉川の戦い」(1570年)...<熱田神宮>「草薙館」に巨大な大太刀2本

  • <大須観音> にぎわう毎月2回の骨董市

    【8~9月は新型コロナ感染拡大で中止に】関西で骨董市といえば、京都の東寺弘法市(毎月21日)や北野天満宮の天神市(25日)が有名だが、中部地方では名古屋の「大須観音骨董市」が人気を集めている。こちらの開催日は毎月18日と28日の2回。新型コロナウイルスが猛威を振るった8月と9月は中止に追い込まれたが、10月からはまた元通りに開催され、参拝客や骨董ファンでにぎわっている。大須観音は家内安全・商売繁盛・合格祈願などにご利益があるとされ、浅草観音(東京)、津観音(三重)とともに日本三大観音に数えられている。本堂は戦災で焼失し、50年ほど前の1970年に再建された。周辺の大須商店街は一時期シャッター通りと揶揄されるほど衰退していた。だが、その後多彩なイベントの展開などで再生を遂げ、2006年には「がんばる商店街77選」...<大須観音>にぎわう毎月2回の骨董市

  • <春日大社国宝殿> 秋季特別展「金工の美」

    【絢爛豪華な国宝の甲冑など35点】春日大社は平安~鎌倉時代を中心に貴族、武家から多くの宝物が寄進された。それらの中には国宝や重要文化財に指定されたものも多く、国宝だけでも約350点に上る。開催中の秋季特別展「金工の美―王朝の優美な装飾から豪華な鎧の金具まで」では国宝中の国宝「赤糸威(あかいとおどし)大鎧」2点をはじめ35点を展示中(一部前後期で展示替え)。国宝の甲冑類がそろって展示されるのは久しぶりだが、改めて往時の高度な彫金技術や美的感覚を堪能させてくれる。会場を入ると、正面左側に「赤糸威大鎧」のうち「竹虎雀飾」、右側に「梅鶯飾」。前者は左右の大袖に背の高い竹と虎の彫金細工を配し、鎧には全体に小さな雀100羽近くがちりばめられている。威糸(おどしいと)の赤い色が実に鮮やか。社伝では源義経の寄進とされるが、その...<春日大社国宝殿>秋季特別展「金工の美」

  • <平城宮跡資料館> 秋期特別展「地下の正倉院展」

    【今年のテーマは「木簡を科学するⅡ」】奈良文化財研究所の平城宮跡資料館(奈良市)で秋恒例の特別展「地下の正倉院展」が開かれている。2007年の第1回から数えて15回目。今回は2014年の「木簡を科学する」の第2弾として「木簡を科学するⅡ」をテーマに掲げる。木簡は文字資料としてその解読に注目が集まりがちだが、モノ(木製品・木質遺物)としての側面から最新の分析・調査の成果を紹介する。会期は11月7日まで。奈文研が保管する木簡は「長屋王家木簡」など平城宮・平城京出土の木簡を中心に30万点近くに上る。1000年以上の時を経て出土した木簡は乾燥に弱く脆い。その保護のため同資料館で常設展示する木簡もほとんどがレプリカで、この特別展は一般客が実物を目にできる数少ない機会になっている。今展は「木簡の年輪を測る」「木簡を複製する...<平城宮跡資料館>秋期特別展「地下の正倉院展」

  • <ショパンコンクール③> 反田恭平、2位入賞の快挙!

    【2回目挑戦の小林愛実も4位入賞】ポーランドのワルシャワで開催された第18回ショパン国際ピアノコンクールの本選ファイナルで、反田恭平(27)が2位、小林愛実(26)も4位と日本人2人が入賞に輝いた。日本時間21日朝、主催者の国立ショパン研究所が発表した。世界最高峰のこのピアノコンクールで過去の日本人の最高位は1970年第8回大会での内田光子の2位。反田は惜しくも優勝には届かなかったものの、51年ぶりにそれと肩を並べた。前回2015年にファイナリストとなりながら入賞を逃した小林も今回悲願の入賞を果たした。審査結果は当初日本時間の21日午前6時半(現地時間20日午後11時半)ごろ発表の予定だった。ところが現地の日付が変わってもなかなか発表されず、結局、審査員たちが発表会場に現れたのは午前9時(同21日午前2時)すぎ...<ショパンコンクール③>反田恭平、2位入賞の快挙!

  • <ショパンコンクール②> 小林愛実と反田恭平ファイナル進出!

    【角野隼斗・古海行子・進藤実優は惜しくも】ポーランドのワルシャワで6年ぶりに開催中の第18回ショパン国際ピアノコンクール。主催者の国立ショパン研究所は日本時間の17日午前6時、第3次予選で演奏した23人のうち本選ファイナルへの出場者12人を発表した。日本人は小林愛実(26)と反田恭平(27)の2人が選ばれた。小林は前回2015年に続く2回目のファイナリスト。角野隼斗(26)、古海行子(23)、進藤実優(19)の3人は惜しくも涙をのむ結果となった。3次予選は現地時間の14~16日の3日間にわたって行われた。各自が指定されたショパンのピアノソナタ・プレリュード(前奏曲)とマズルカの中からそれぞれ選曲(制限時間45~55分)する。最終日に登場した小林は4つのマズルカと24のプレリュードを演奏した。プレリュードでは抑制...<ショパンコンクール②>小林愛実と反田恭平ファイナル進出!

  • <ショパンコンクール> 日本人5人が3次予選進出!

    【ファイナル目指す反田・小林・角野・古海・進藤】ポーランドの首都ワルシャワで開かれている「第18回ショパン国際ピアノコンクール」がいよいよ佳境を迎える。10月3日の1次予選開始から約10日。日本時間の13日午前5時すぎ、2次予選挑戦者45人の中から、セミファイナルに当たる3次予選進出者23人が発表された。日本人では反田恭平(27)、小林愛実(26)、角野隼斗(26)、古海行子(23)、進藤実優(19)の5人の進出が決まった。3次予選は14~16日。そして17日のショパンの命日を挟んで18~20日に本選ファイナルが行われる。熱演の模様は主催者の国立ショパン研究所が連日ユーチューブでライブ配信中(日本との時差7時間)。クラシックファンにとって眠れない日々が続く。ショパンコンクールは1927年に第1回が開かれた。通常...<ショパンコンクール>日本人5人が3次予選進出!

  • <興福寺> 東金堂の西側から門と回廊の遺構

    【平家焼き討ちの跡とみられる焼土も!】奈良文化財研究所が発掘調査中の興福寺(奈良市)の国宝東金堂の西側正面から、平家の南都焼き討ち(1180年)後に再建されたとみられる門と回廊の遺構が出土し、10月9日に現地説明会が開かれた。回廊の基壇のそばからは焼き討ちに伴うものとみられる焼土や平安~鎌倉時代初期の土器なども確認された。今回の調査区域は東金堂の西約20mの260㎡(南北20m・東西13m)。東金堂は奈良時代の創建以降、五重塔とともに過去5回大火に遭っており、現在の建物は室町時代の1415年(応永22年)に再建されたもの。これまでの周辺の発掘調査で、東金堂院は北と西が礎石建ちの回廊、東と南が築地塀で囲まれていたとみられていた。今回の調査では西の門とそれから南北に伸びる回廊について、それぞれの基壇と建物の規模・構...<興福寺>東金堂の西側から門と回廊の遺構

  • <高取町かかし祭り> 土佐街道沿いに約200体

    【メーン会場は「東京五輪」をテーマに】奈良県高取町で秋の恒例行事「かかし祭り」が開かれている。2009年にスタートし今年で13回目。高取は高取山(標高583.6m)に築かれ〝日本最強の山城〟ともいわれる高取城の城下町。かかし祭りの会場は最寄り駅の近鉄吉野線壷阪山駅の駅前から、緩やかな坂道が続く石畳の土佐街道沿いにかけた一帯で、広場や町家、神社など50カ所あまりに工夫を凝らしたかかし約200体が飾られている。メーン会場は街道脇の「街の駅城跡」内の催しスペース。ここは毎年春の「町家の雛めぐり」でもメーン会場になっており、無数のお雛さまがうず高く積み上げられた巨大雛壇で観光客の人気を集めている。今年のかかし祭りは「東京五輪」をテーマに掲げて、水泳や柔道などの試合の場面が表現されていた。ほかの会場では牧場や七福神、たこ...<高取町かかし祭り>土佐街道沿いに約200体

  • <和歌山県立博物館> 企画展「きのくにの宗教美術」

    【仏像や仏画、神像など38点、うち24点が初公開!】和歌山県立博物館で8月28日から開催中だった企画展「きのくにの宗教美術―神仏のさまざまな姿」も10月3日で最終日を迎える。今年が創立50周年に当たる同博物館では県内各地の寺社が守り続けてきた文化財の掘り起こしと公開に力を注いできた。この企画展でも出展中の仏像や神像、仏画など38点のうち初公開が24点と実に6割も占めていた。初公開のうち如意輪寺(有田川町)の「弘法大師像」は鎌倉時代の作で、寺伝によると鳥羽法皇から熊野御幸の折に寄進されたという。画絹(えぎぬ)の退色が進み剥落も多いため全体的に暗く不鮮明だが、赤外線画像では大師の姿がくっきり浮かび上がってくる。霊験寺(和歌山市)蔵の「一字金輪曼荼羅」(写真、鎌倉~南北朝時代)は赤身・三目・六臂で智拳印を結び、一見愛...<和歌山県立博物館>企画展「きのくにの宗教美術」

  • <和歌山城> 西の丸と二の丸をつなぐ御橋廊下

    【石垣では自衛隊員が命綱着け草刈り】久しぶりに和歌山を訪ねた。目的は他の城では余り目にすることがない和歌山城の傾斜した“御橋廊下”と、城のすぐ南に位置する和歌山県立博物館・近代美術館。城の石垣では命綱のロープを着けた自衛隊員が鎌で草を刈るなど清掃活動中だった。数十年ぶりに中心商店街ぶらくり丁にも立ち寄った。橋のたもとの歌碑に近づくと突然懐かしい演歌「和歌山ブルース」が流れてきた。和歌山城は紀州徳川家の居城。天守閣はかつて国宝に指定されていたが、1945年の空襲で焼失、その8年後にコンクリート造りで元の姿に復元された。御橋廊下は西の丸と二の丸大奥をつなぐ屋根と白壁で覆われた通路。当時の図面や発掘調査を基に2006年に復元された。長さは約27m。江戸時代には殿様やお付きの人だけが通行できたが、今では履物を脱ぎさえす...<和歌山城>西の丸と二の丸をつなぐ御橋廊下

  • <平城宮跡大極殿院> 復原工事中の南門ほぼ完成!

    【素屋根のスライド作業、10月初めには完了へ】国の特別史跡「国営平城宮跡歴史公園」で2017年秋から進められてきた第一次大極殿院の南門復原工事がほぼ完成、重厚華麗な二重門が姿を見せ始めた。復原現場をすっぽり覆っていた素屋根は9月1日から移動作業がスタート。既に南門の西側部分を直接目にできるようになり、10月初めには二つの鴟尾が黄金色に輝く南門全体が姿を現す。その後、最終仕上げ工事を経て来年3月に竣工の予定。(写真左奥の建物は2010年に復原された第一次大極殿)南門の復元は2011年に国が策定した「第一次大極殿院建造物復原整備計画」に基づくもので、南門に続き東楼や西楼、築地回廊などが順次整備されていく。南門は天皇の即位や外国使節の謁見など国家的儀式が行われた大極殿への正門に当たる。復原された南門は高さ20.0m、...<平城宮跡大極殿院>復原工事中の南門ほぼ完成!

  • <ケイトウ(鶏頭)> 古い時代に渡来 古名「韓藍」

    【茎の成長点が“帯化”して鶏冠のように】インドなどの熱帯地方原産といわれるヒユ科ケイトウ属(セロシア属)の春まき1年草。日本には古い時代に中国を経て渡来した。古名は「韓藍(からあい)」。鶏頭の名前はフリル状の花序の形と赤い色がニワトリの鶏冠(とさか)に似ていることから。英名も雄鶏(おんどり)の鶏冠を意味する「Cockscomb(コックスコム)」。学名「Celosiacristata」の種小名クリスタータも「鶏冠状」を意味する。多くの園芸品種があり花序の色も形も多彩。最も一般的なのが「トサカケイトウ」(写真)。花のように見える部分は茎先の成長点が線状に横に広がって“帯化”したもの。花自体はその下の扁平部分に密集しており小さくて目立たない。帯化が進んで球状になったものは「久留米ケイトウ」と呼ばれている。終戦前後にイ...<ケイトウ(鶏頭)>古い時代に渡来古名「韓藍」

  • <ヤブカンゾウ(藪萱草)> 八重咲き状の一日花

    【万葉集や古今集には「忘れ草」として登場】ツルボラン科ワスレグサ属の多年草。同じ属の仲間にはホンカンゾウ、ノカンゾウ、ハマカンゾウ、ニッコウキスゲ、ユウスゲなどがある。このヤブカンゾウは中国原産のホンカンゾウ(シナカンゾウ)の変種とされる。7~8月ごろ、細長い葉の間から高さ50~100cmの花茎を立ち上げ、先端に濃いオレンジ色の花を上向きに付ける。ノカンゾウが一重の6弁花なのに対し、ヤブカンゾウはシベが花弁化して八重咲き状なのが特徴。学名は「Hemerocallisfulvavar.Kwanso」。属名のヘメロカリスはラテン語の「1日」と「美しい」の合成語で、この植物の仲間がいずれも朝開き夕方に萎む一日花であることを示す。ただいくつも蕾が付いているため、盛りの時期には次々と開花する。種小名フルバは「茶褐色の」を...<ヤブカンゾウ(藪萱草)>八重咲き状の一日花

  • <大和文華館> 旅をテーマに「旅の美術」展

    【光琳筆「扇面貼交手筥」など34点】大和文華館(奈良市学園南)で「旅の美術」展が始まった。「物語の旅」「名所の絵画」「絵師と旅」の3章構成で、江戸時代を中心とする工芸品や名所図会、絵画、屏風など34点が展示されている。いずれも同館所蔵の作品で、重要文化財の尾形光琳(1658~1716)筆『扇面貼交手筥(はりまぜてばこ)』や弟尾形乾山(1663~1743)筆『武蔵野隅田川図乱箱』なども含まれる。会期は8月22日まで。『扇面貼交手筥』は高さ18.8×27.3×38.2cm。金箔を押した箱の側面や蓋、中の懸子(かけご)などに「西行物語図」や「八橋図・雪枯芦図」「富嶽図」などが描かれている。『武蔵野隅田川図乱箱』は乾山の没年1743年の作で、箱裏には「華洛紫翠深省八十一歳画」という署名がある。没年の作品にはほかにも『定...<大和文華館>旅をテーマに「旅の美術」展

  • <モッコク(木斛)> 庭木の“御三家”とも

    【天然記念物指定の名木が各地に】モッコク科モッコク属の常緑樹で、大きなものは幹の直径が50cm、高さが15m以上にもなる。本州の関東以西と四国、九州・沖縄の山地に自生し、厚くて光沢のある葉と品格のある堂々とした樹形から庭木としても人気を集めた。最近ではやや馴染みが薄いものの、かつてはモチノキ、モクセイとともに庭木の“御三家”と呼ばれ、江戸時代にはアカマツ、カヤ、イヌマキ、イトヒバと並んで“江戸五木”とも称えられた。6~7月頃、直径1~2cmほどの白い5弁の花を下向きに付ける。雄花のみを付ける雄株と、両性花を付け秋に赤い実が成る株があるのが特徴。雄花は黄色い葯が群がってよく目立ち、両性花は突出した柱頭の基部を雄しべが囲む。学名は「Ternstroemiagymnanthera(テルンストロエミア・ギムナンテラ)」...<モッコク(木斛)>庭木の“御三家”とも

  • <奈良市写真美術館> 入江泰吉×工藤利三郎「斑鳩展」が開幕

    【同時に越沼玲子と辻田美穂子の「新鋭展」も】入江泰吉記念奈良市写真美術館で7月10日「入江泰吉×工藤利三郎斑鳩展」が始まった。聖徳太子の没後1400年を記念した企画展の第2弾。奈良を拠点に全国各地の古美術写真を残した工藤利三郎(1848~1929)と、戦後法隆寺など斑鳩の堂塔や仏像、景観などを撮り続けた入江泰吉(1905~92)の写真の数々を「斑鳩」をキーワードに紹介する。同時に「新鋭展」として越沼玲子(あきこ)の「自然のなかで、息をする」と辻田美穂子の「カーチャへの旅」も開催。会期は8月22日まで。工藤利三郎は徳島出身で、東京在勤中に日本の古美術を取り巻く厳しい惨状を知ったのを機に文化財を写真に記録しようと写真術を習得し、1883年ごろ故郷で写真館を開業。その後奈良に転居し、93年に猿沢池の畔に古美術写真専門...<奈良市写真美術館>入江泰吉×工藤利三郎「斑鳩展」が開幕

  • <ヤノネボンテンカ(矢の根梵天花)> 別名「高砂芙蓉」

    【ヤノネは葉の形から、原産地は南米のブラジルなど】アオイ科ヤノネボンテンカ属(パボニア属)の高さ1mほどの低木。細長い葉の先が鏃(やじり)のように尖り、花が四国~九州・沖縄に分布する同じアオイ科で別属のボンテンカに似ていることからヤノネボンテンカという和名を与えられた。原産地は南米のブラジル、ボリビア、アルゼンチンなど。日本には観賞用の園芸植物として1980年代前後に入ってきたという。暑さ寒さに比較的強いため逸出したものが西日本を中心に各地で野生化しているようだ。花期は7~9月ごろ。朝開いて夕方には萎む一日花だが、最盛期には新しい花が毎日咲き続ける。花径4~6cmほどの白い一重の5弁花で、基部に濃い赤紫色の模様が入るのが特徴。花弁の裏側には放射状に赤い筋の花脈が走る。花の雰囲気がフヨウ(芙蓉)やムクゲ(木槿)な...<ヤノネボンテンカ(矢の根梵天花)>別名「高砂芙蓉」

  • <ウラジロフジウツギ(裏白藤空木)> 四国~九州に分布する在来種

    【ブッドレアの仲間、サポニン含む有毒植物】ゴマノハグサ科フジウツギ属(ブッドレア属)の落葉低木(高さ1~1.5m)で、主に四国~九州の日当たりのいい草地などに自生する。芳香で蝶を呼び寄せることから〝バタフライ・ブッシュ〟とも呼ばれているブッドレア(フサフジウツギ)の仲間。7~9月ごろ、フジの花に似た穂状の円錐花序(長さ10~20cm)に、薄紫色の可愛らしい小花をいっぱい付ける。花の一つひとつは長さ1.5cmほどの筒状花で、先端が4つに裂けて平開する。ブッドレア属はアジアやアメリカ、アフリカで100種ほどが確認されており、日本にも西日本を中心にフジウツギ、コフジウツギとこのウラジロフジウツギなどが分布する。コフジウツギはフジウツギより全体的に少し小型。ウラジロフジウツギの基本種はコフジウツギで、「ウラジロ」の名は...<ウラジロフジウツギ(裏白藤空木)>四国~九州に分布する在来種

  • <カスミソウ(霞草)> 白花が群がり咲く様を霞にたとえ

    【ナデシコ科、原産地は地中海沿岸~中央アジア】ブーケやフラワーアレンジで主役の花々を優しく包み込む清楚なカスミソウ。ナデシコ科カスミソウ属(ジプソフィラ属)の植物で、大別すると地中海沿岸から中央アジアにかけ広く分布する多年性のものと、小アジア~コーカサス地方原産の1年性のものがある。草丈も10~30cmほどの矮性種から、1mを超える高性種まで様々。欧米や日本などで主に高性種から多くの園芸品種が作出され、花色も多彩になってきた。花姿から「ムレナデシコ(群撫子)」や「ハナイト(花糸)ナデシコ」「コゴメ(小米)ナデシコ」などの別名を持つ。学名のジプソフィラ(Gypsophila)は「石灰」と「好む」を意味するギリシャ語の合成語で、石灰質のアルカリ性の土壌を好むものが多いことに由来する。繊細な姿から英名には「ベイビーズ...<カスミソウ(霞草)>白花が群がり咲く様を霞にたとえ

  • <アメリカオニアザミ(鬼薊)> 葉や総苞に鋭利なトゲ

    【ヨーロッパ原産、牧草に混じってアメリカから】キク科アザミ属の1~2年草。頭にアメリカと付くためアメリカ大陸原産のようだが、原産地はヨーロッパ。戦後アメリカを経由し牧草や穀物に混じって日本に渡ってきた。このため「セイヨウオニアザミ」とも呼ばれる。国内では1960年代に北海道で初めて確認された。今では礼文、利尻などの離島や知床国立公園なども含め北海道全域に広く分布し、さらに本州、四国にも広がっている。草丈は50~150cmで、茎の先に1~3個の紅紫色の頭状花(径3~4cm)を付ける。葉や茎などに硬くて鋭いトゲが多く生え、花のすぐ下の球状の総苞もまるでハリセンボンのようにトゲで覆われているのが特徴。素手ではとても触ることができず、軍手も突き刺すため、駆除の際には厚手の革やゴム製の手袋が欠かせない。まさに鬼にように怖...<アメリカオニアザミ(鬼薊)>葉や総苞に鋭利なトゲ

  • <フロックス> 草夾竹桃、桔梗撫子とも

    【北米原産、シバザクラも同じ仲間】フロックスはハナシノブ科クサキョウチクトウ属(フロックス属)の植物の総称。北米原産で、1年性から多年性まで70種ほどが分布している。草丈も地を這う矮性種から1m前後まで伸びる高性種までさまざま。高性種で多年草のパニクラータ種を中心に多くの園芸品種が作出されており、花の色も白、紅紫、赤、ピンクなど多彩になっている。サクラに似た形の小花が地面を覆うシバザクラ(スプラータ種)もフロックスの仲間。属名フロックス(Phlox)の語源は「炎」を意味するギリシャ語で、鮮やかな明るい花の色からの命名とみられる。日本への渡来は江戸中期といわれる。草丈の高いパニクラータ種は花がキョウチクトウに似ていることから「クサキョウチクトウ(草夾竹桃)」という和名を持つ。かつては長く「オイランソウ(花魁草)」...<フロックス>草夾竹桃、桔梗撫子とも

  • <フレイキネティア・ムルティフロラ> フィリピン原産の蔓植物

    【別名ツルタコノキ、橙色の苞の中から肉穂花序】タコノキ科ツルアダン属(フレイキネティア属)の木本性の蔓性植物で、原産地はフィリピン。タコノキ科の仲間には沖縄や小笠原諸島に自生するアダン(阿檀)やタコノキ(蛸の木)などがある。蔓性で葉姿などがタコノキに似ていることから和名では「ツルタコノキ」と呼ばれる。英名は「Climbingpandanus(クライミング・パンダヌス)」。パンダヌスもタコノキを意味する。フレイキネティア・ムルティフロラは学名「Fraycinetiamultiflora」から。属名はフランスの海洋探検家ルイ・ド・フレシネ(1779~1841)の名前に因む。種小名は「多数花の」を意味する。雌雄異株。春、茎の先に小さな雄しべや雌花が密生した肉穂花序を数個ずつ付ける。雄花序は円錐状、雌花序は緑色で卵状の...<フレイキネティア・ムルティフロラ>フィリピン原産の蔓植物

  • <タンチョウソウ(丹頂草)> 原産地は中国東北部~朝鮮半島

    【細長い花茎などをツルの丹頂に見立てて】中国の遼寧省や吉林省など東北部から朝鮮半島の北部にかけて分布するユキノシタ科タンチョウソウ属の山野草。日本には観賞用として明治時代の初期に渡来したといわれる。草丈は50cmほど。春に大きな掌状の葉の間から花茎をまっすぐ立ち上げて上部で分枝し、茎の先に白い花弁と萼片が重なり合った清楚な小花(径5~10mm)を上向きに付ける。別名「イワヤツデ(岩八手)」。半日陰の渓谷の岩場など湿り気のある環境を好むこと、5~7裂に深い切れ込みが入った葉の姿がヤツデに似ていることによる。タンチョウソウの名前は細長い花茎をタンチョウヅルの首に、花を頭に、大きな葉を羽に見立てたいわれる。花は蕾(つぼみ)のとき先のほうが赤みを帯びる。このため蕾の様子を頭頂部が赤いタンチョウに見立てたという説もある。...<タンチョウソウ(丹頂草)>原産地は中国東北部~朝鮮半島

  • <ウンカリーナ> 別名「シャンプーの木」

    【マダガスカル原産、「ライオン殺し」の異名も】アフリカ東南部沖のインド洋に浮かぶマダガスカル島は野生生物の固有種の宝庫といわれる。このゴマ科の落葉樹ウンカリーナもその一つ。ウンカリーナ属の植物はこれまでに20種ほどが確認されている。学名Uncarinaの語源は鉤(かぎ)や釣り針を指すラテン語の「uncus(ウンクス)」。ウンカリーナの仲間に鉤状の突起物を持つ果実を付けるものがあることによる。それらの種には「ライオン殺し」という怖い名前も付けられている。ウンカリーナは葉を水にしばらく漬けた後揉むと、滲み出す粘液がシャンプー代わりになるとして「シャンプーの木」とも呼ばれている。花は先端が5つに裂けた筒状の合弁花で、一見ペチュニアの花姿に似た雰囲気。花の色は黄やオレンジのものが多い。黄花系統の代表種にロエオエスリアナ...<ウンカリーナ>別名「シャンプーの木」

  • <奈良「鹿苑」> 子鹿を特別公開 6月末まで

    【〝公園デビュー〟は7月下旬ごろ】春日大社表参道のそばにある鹿の保護施設「鹿苑」(奈良市春日野町)で、この春に生まれたばかりの子鹿の特別公開が始まった。6月1日から30日までの期間限定。昨年は新型コロナウイルス感染防止のため中止になったが、今年は感染対策を徹底することで実施に踏み切った。施設を管理・運営するのは一般財団法人「奈良の鹿愛護会」。会員たちが4月上旬から奈良公園内で見つけた妊娠した母鹿を保護し、安全に出産できるよう見守っている。今年の〝子鹿第1号〟は5月9日に鹿苑内で誕生した(昨年は4月30日)。体長約60cmの雌鹿で、体重は約3.8kg。鹿苑には6月1日現在、125頭の母鹿が収容され、これまでに19頭が誕生した。これからが出産ラッシュで、7月ごろまで続く。中には鹿苑に保護されず奈良公園内でひっそり産...<奈良「鹿苑」>子鹿を特別公開6月末まで

  • <コリトプレクツス・スペキオスス> イワタバコ科の多年草

    【原産地はペルーなどアンデス山脈の北部】イワタバコ科コリトプレクツス属の非耐寒性多年草。同属の植物はメキシコ南部から南米にかけ標高の高い雲霧林に12種ほどが分布する。このスペキオスス(学名Corytoplectusspeciosus)もエクアドルやペルーなどアンデス山脈の北部が原産地。葉は濃い緑色の厚いビロード状で、真ん中には淡緑色の太い葉脈が走る。葉の裏側は赤紫色。花期は8~9月ごろ。茎の先に筒状の小さな黄色の合弁花を付け、その周りを赤い花弁のように見える萼片が囲む。萼片は花が終わった後も果実が黒く熟すのを見守るように長く残る。学名のコリトプレクツスは一説に「兜(かぶと)」と「プリーツ/編んだもの」を意味するギリシャ語に由来するという(「兜」ではなくラテン語の「革のポーチ」とも)。種小名は「美しい/華やかな」...<コリトプレクツス・スペキオスス>イワタバコ科の多年草

  • <エニシダ(金雀枝・金雀児)> ヨーロッパ原産の落葉低木

    【マメ科特有の蝶形の黄花を枝いっぱいに】マメ科エニシダ属の落葉低木(高さ1~3m)。原産地はヨーロッパで、江戸時代の園芸書『花壇地錦抄』(1695年、伊藤三之丞著)によると、日本には延宝年間(1673~81)に中国を経て渡来したという。学名は「Cytisusscoparius(キティスス・スコパリウス)」。種小名スコパリウスが「箒(ほうき)状の」を意味するように、幹の根元から細い枝が何本も伸びて箒を逆さまにしたような樹形となる。英名も箒を意味する「broom(ブルーム)」。空を飛ぶ魔女の箒はエニシダ製ともいわれる。和名にシダと付くが、もちろんシダ植物ではない。古代ローマ時代の名前ゲニスタが日本で訛ってエニシダになったといわれる。明るい黄花のエニシダはヨーロッパで身近な花木として長く親しまれてきた。中世イングラン...<エニシダ(金雀枝・金雀児)>ヨーロッパ原産の落葉低木

  • <大和文華館> 「富岡鉄斎と近代の日本画」展

    【鉄斎と親交があった松山・近藤家旧蔵品を中心に】大和文華館(奈良市学園南)で近代日本を代表する文人画家、富岡鉄斎(1836~1924)に焦点を当てた「富岡鉄斎と近代の日本画」展が始まった。鉄斎作品のコレクションといえば清荒神清澄寺(兵庫県宝塚市)の鉄斎美術館が有名だが、この大和文華館も鉄斎が晩年まで長く親交があった四国・松山市三津浜の近藤家旧蔵品のコレクションで知られる。今展でも展示中の鉄斎作品47点(近藤家宛ての書簡4点も含む)のうち近藤家旧蔵品が43点を占めている。会期は7月4日まで。鉄斎と近藤家の交流は晩年まで40年以上続いた。鉄斎は1873年(明治6年)、松山を旅し旅館や海運業を営む旧家石崎家を訪ねている。そこで代々番頭を務めていたのが近藤家の当主だった。近藤家は折にふれ京都の鉄斎の元にタイやエビなど地...<大和文華館>「富岡鉄斎と近代の日本画」展

  • <オクナ・セルラタ> 別名「ミッキーマウスの木」

    【南アフリカ原産、花後に赤い萼片と黒い実】南アフリカ原産のオクナ科オクナ属の熱帯性常緑花木(樹高2~3m)。4月ごろ直径2cmほどの黄色の5弁花を下向きに付け、花びらが落ちた後、緑色の萼片が次第に膨らみ赤くなって反り返る。同時にうす緑色の丸い実も光沢のある黒い色に変化していく。その赤と黒のコントラストが美しく、黒い耳と鼻に赤いパンツのミッキーマウスを連想させるとして「ミッキーマウスの木」や「ミッキーマウスツリー」と呼ばれ人気を集めている。オクナ・セルラタは学名の「Ochnaserrulata」から。属名は「野生のナシ」を意味するギリシャ語を語源とし、種小名セルラタは「小さなノコギリ」を意味する。葉の縁に細かい鋸歯状のギザギザがあることを示す。よく似た仲間に「オクナ・キルキイ(kirkii)」。花や葉はセルラタよ...<オクナ・セルラタ>別名「ミッキーマウスの木」

  • <ギョリュウバイ(御柳梅)> NZ~豪州原産の常緑花木

    【梅に似た小花はミツバチの蜜源に】フトモモ科の常緑樹で、ニュージーランドやオーストラリア南東部のビクトリア州、タスマニア州などにかけて自生する。日本には戦後渡来し、葉が中国原産の落葉樹ギョリュウに似て細長く、花の形が梅に似ていることからギョリュウバイと名付けられた。花付きがいいことや生長が早く育てやすいこと、病害虫の発生も少ないことなどから観賞用花木として人気が高まっている。原産地では樹高が10mにもなることもあるそうだが、日本国内では2~4mのものが多い。開花時期は春に咲く種と冬から初春にかけて咲く種の二通り。花色は白花の5弁花が一般的だが、深紅色やピンクなどもあり、咲き方も一重のほか八重咲きも出回っている。花径は1~2cmほどで、中央の花托が肥大化した花盤がよく目立つ。株元から細い枝を密に伸ばし箒状に生い茂...<ギョリュウバイ(御柳梅)>NZ~豪州原産の常緑花木

  • <オオキバナカタバミ(大黄花方喰)> 南アフリカ原産の帰化植物

    【大きな5弁花、小葉には紫褐色の斑点】カタバミ科カタバミ属(オキザリス属)の多年草で、道端や空地などでごく普通に見かける小さな黄花のカタバミやうすい紅紫色のムラサキカタバミと同じ仲間。ただ花はその名の通り明るい黄色の大きな5弁花で、花径は3~4cmほどになる。原産地は南アフリカのケープ地方。日本には明治時代の中頃に観賞用として渡来し、1960年代初め鹿児島で野生化しているのが最初に確認された。繁殖力が強く、今では関東地方から西日本にかけて広く見かけられるようになった。草丈は20~30cmで、2~6月頃、株元から伸びた花柄の先に数個の花を付ける。別名「キイロハナカタバミ」。花の形から英名では「バターカップ・オキザリス」とも呼ばれる。葉は小葉3枚からなる3出複葉。小葉は先端の真ん中部分がへこんだハート形で、葉の表面...<オオキバナカタバミ(大黄花方喰)>南アフリカ原産の帰化植物

  • <ムラサキツユクサ(紫露草)> 北米原産の宿根草

    【花色は紫のほか白、青、ピンクなども】ツユクサ科ムラサキツユクサ属の仲間は北米から南米にかけて70種ほどが分布している。日本など東アジアに自生するツユクサ属が1年草で、茎が地面を這うほふく性なのに対し、ムラサキツユクサ属の仲間は宿根草で、茎が直立し草丈は30~80cmほどになる。葉の形も全く違う。ツユクサが幅広の卵形なのに対しムラサキツユクサは細長い剣状。花弁は同じ3枚だが、ツユクサは上向きの2枚が青色で大きく、下向きの1枚は白くて小さい。一方、ムラサキツユクサの花弁は3枚とも同じ色で大きさもほぼ同じ。花の色は名前の通り紫が基本色だが、青、赤紫、白、ピンクなども。ツユクサの雄しべは2本が長く4本が短めなのに対し、ムラサキツユクサは6本ともほぼ同じ長さで、紫色の花糸が黄色い葯を支える。その花糸には細い毛が密生し細...<ムラサキツユクサ(紫露草)>北米原産の宿根草

  • <シラー> 欧州~中央アジアに分布する球根植物

    【代表種ペルビアナは星形の青花をパラソル状に】キジカクシ科シラー属(オオツルボ属)の秋植え球根植物。ヨーロッパから中央アジア、アフリカにかけて100種ほどが分布する。学名(属名)は「Scilla(スキラ)」で、その英語読みのシラーがそのままこの仲間の総称となっている。開花時期は3~6月ごろ。花の形は種によって星形やベル状など様々。花の色も青や紫、白、ピンクと多彩で、草丈も10~80cmとかなり幅がある。シラーの語源は「害を与える」を意味するギリシャ語に由来するという。地下茎が有毒なことを表しているそうだ。主な小型種にシベリカやビフォリア、ミッシェンコアナなど、中大型種にはペルビアナやナタレンシスなどがある。その中でも花壇植えや切り花として人気が高いのがペルビアナ(写真)。パラソル状の半円形の花序に直径2cmほど...<シラー>欧州~中央アジアに分布する球根植物

  • <法華寺> 「七草絵巻」10年ぶりに特別公開

    【カキツバタが咲き誇る名勝庭園も同時に】法華寺(奈良市法華寺町)の文化財収蔵庫「慈光殿」で、江戸時代初期に制作された「七草絵巻」が10年ぶりに特別公開されている。慈光殿は例年、正倉院展に合わせ秋に公開されているが、今年は長年にわたって寺の復興に尽力し晩年絵巻の修復にも関わった故久我(こが)高照門跡(1921~2011)の没後10年に当たることから春にも特別に開館し、絵巻も展示することになった。会期は4月8日~6月10日で、同時に国史跡・名勝庭園も公開している。法華寺は奈良時代に光明皇后の発願により〝総国分尼寺〟として創建された。本尊は皇后のお姿を写したといわれる十一面観音菩薩立像(国宝)。2011年に表具や箱が修復された「七草絵巻」は全長約10mで、正月の七草粥にまつわる伝承が詞書と色鮮やかな絵画で描かれている...<法華寺>「七草絵巻」10年ぶりに特別公開

  • <カキツバタ(杜若・燕子花)> 歌に詠まれ絵の題材にも

    【五千円札裏面の花は光琳の国宝屏風から】池や川辺などの湿地に自生するアヤメ科アヤメ属の多年草。日本のほか中国、朝鮮半島にも分布する。5~6月ごろ、叢生する剣状の葉の間から高さ50~70cmの花茎を立ち上げ、鮮やかな青紫色の花を付ける。「いずれ菖蒲(あやめ)か杜若」と形容される気品のある佇まいが愛され、古くから歌に詠まれたり絵画に描かれたりした。花の美しさから「貌(顔)佳花(かおよばな)」という別名を持つ。カキツバタの語源は「書き付け花」で、これが転訛したものといわれる。昔この花は汁を布に摺り付け染めるために使われた。花弁内側の付け根の中央に白いラインが入るのがこの花の目印。花の色や形がよく似たアヤメは黄色の花弁の基部に網目模様が入る。カキツバタは古く万葉集にも「垣津旗」などの表記で7首詠まれている。「われのみや...<カキツバタ(杜若・燕子花)>歌に詠まれ絵の題材にも

  • <ヤマゴボウ(山牛蒡)> 中国原産の有毒植物

    【直立した花穂に白い小花を密に】中国原産といわれるヤマゴボウ科ヤマゴボウ属の多年草。野菜のゴボウ(キク科ゴボウ属)とは無縁の有毒植物だが、日干しした根は漢方で「商陸(しょうりく)」と呼ばれて利尿薬に用いられ、若葉もアクを抜くと食用になるという。このため古い時代に薬用や食用として渡来し栽培されたとみられる。それが野生化して全国各地の人里に近い山野に生え、ゴボウに似た根の形からヤマゴボウの名が付いた。草丈は1mほどになり、円柱形の緑色の茎をまっすぐ立てて長さ5~15cmの総状花序に小さな白花をびっしり付ける。花弁はなく5つの花弁状の萼片が下から咲き上がる。雄しべの葯(ふつう8個)は紅紫色。花後に8個の分果から成る扁球状の果実を結ぶ。日本原産の近縁種に本州の関東以西~九州の山地に自生する「マルミノ(丸実の)ヤマゴボウ...<ヤマゴボウ(山牛蒡)>中国原産の有毒植物

  • <フトイ(太藺)> イグサに似て茎が太いから

    【別名に「オオイ」「マルスゲ」、万葉集にも1首】フトイは池や沼などの湿地に群生するカヤツリグサ科の多年性抽水植物。日本以外にもアジア、ヨーロッパ、南北アメリカなど世界各地に広く分布する。畳表などに使われるイグサ(藺草、標準和名「イ」)に似ており、太い茎をまっすぐ立てることからその名が付いた。茎は直径1~2cmの円柱形で高さは1~2mになる。ただイグサはイグサ科に属しており、分類上では同じ仲間とはいえない。花期は5~8月頃。茎の先端に黄褐色の小さな花穂を数個ずつ付ける。学名は「Shoenoplectustabernaemontani(ショエノプレクツス・タベルナエモンタニ)」。よく栽培されるものに白~淡黄色の横縞模様が茎に入る「シマフトイ」(ヨコシマフトイとも)、縦に白い筋模様が入る「タテジマフトイ」があり、生け...<フトイ(太藺)>イグサに似て茎が太いから

ブログリーダー」を活用して、く〜にゃんさんをフォローしませんか?

ハンドル名
く〜にゃんさん
ブログタイトル
く〜にゃん雑記帳
フォロー
く〜にゃん雑記帳

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用